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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 人魚姫編

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Part13
541 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:17:35 ID:pti
赤ずきん「……」ウーン
赤ずきん「……おとぎ話を救った上で人魚姫を救う方法、私と赤鬼の意見を両立するためには代役を立てるしかないけれど…それで人魚姫以外の誰かを泡にして消すのは間違っているし、赤鬼も納得しないでしょうね」
赤ずきん「かといって他に方法も思いつかない…それならまずは答えが出せそうなことから考えてみようかしら」
赤ずきん「確か…雪の女王は人魚を襲った犯人が解ったと言っていたわね。あくまで想像だとは言っていたけれど…私ももう一度よく考えてみましょうか」カキカキ
赤ずきん「視点を変えて…よく考える…あり得る可能性は…」ウーン
・人間が襲った
・人間以外の種族が襲った
・事故や災害
・海獣に襲われた
赤ずきん「人間が犯人という線はやっぱり無いでしょうね、王子も町の人も人魚の存在を知らなかった。隠している風でもない…」
赤ずきん「人間以外の種族の可能性もない、あの旅人がそう言っていたことと…それに鬼の存在を人魚は知らなかった。もし鬼や他の種族が居るのなら人間にしか効果がない歌意外にも戦う術を持つはずだものね」
赤ずきん「海難事故はその存在を知らずに長い間一定数の人魚が被害に遭っている理由が説明できないし…海獣はもっと無いわね、海に詳しい人魚が存在を知らないなんて…」
赤ずきん「…やっぱり、どれも矛盾がある。理由としては……決め手がないわね」

542 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:20:04 ID:pti
赤ずきん「……」
赤ずきん「女王のアドバイスの通り……視点を変えて逆に見てみようかしら、誰が襲ったとしても矛盾がありそうなら逆に人魚を襲っても矛盾がない人物を考えてみるとか……」
赤ずきん「そう、例えば…人間以外で人魚の存在を知っていて、なおかつ海中の人魚を襲える力や技術を持っていて、人魚を襲うことで何か利益がある者……」
赤ずきん「そんな都合のいい人物が居るわけ……」
──みんな人間を恨んでるから人魚同士の争いなんて滅多にないしさ
──人間という共通の『敵』がいるから団結できるというわけか
赤ずきん「……っ!」
赤ずきん「……居るじゃない、人間以外で人魚を知ってて人魚を捕まえることが出来る種族…!利益がある人物が…!」バッ
赤ずきん「もしこの想像が正しければ…きっとそいつは早い段階でこの町に何らかの行動をとる……もしもそいつがこの町に来たら……」
赤ずきん「そうなると人魚姫が危ないわ…王子や町の人たちも…!対策を…手を打たないと…!」ガタッ

544 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:22:11 ID:pti
赤ずきんが雪の女王の宮殿に訪れる少し前
海底 珊瑚で出来た王宮
ザワザワ ザワザワ
人魚王「……騒がしい、実に騒がしいな。そう思わぬか?」
髪の美しい人魚「……はい、お父様」ビクビク
人魚王「無理もあるまい。ディーヴァが任務をしくじり多くの人間を逃がすなど前代未聞。それもディーヴァとして強大な力を持つ妹に妨害されてな、そのうえアレは行方を眩ましているときた」
人魚王「妹に出し抜かれ、管理も出来ず逃がしてしまう……貴様はどういうつもりだ?私の足を引っ張る奴は必要ない、違うか?」ギロリ
髪の美しい人魚「……(お父様、相当苛立ってらっしゃるみたい)」ビクビク
人魚王「私が欲するのは静かな海底の世界。このような騒ぎは望んでいない、任務をしくじるような役立たずを私は欲してはおらん。解るな?」グイッ

545 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:24:04 ID:pti
髪の美しい人魚「……うぐっ、苦しいです…お父様…!」ウググッ
ガゴッ
髪の美しい人魚「……ゲホッ!ゲホゲホ……」ドサッ
人魚王「貴様は…アレの能力を理解しているのか?アレの歌声は人間を眠らせるなどと言う貴様の半端な能力とは段違い」グイッ
人魚王「アレの歌声があれば私は人間共を支配することも可能だ」
人魚王「人間共を支配するべく神がアレに与えた歌声…いや、支配者たる私に与えられた世界の全てを統べる為の…私に必要な道具だというのに…!」ギリッ
髪の美しい人魚「確かにあの子の行動は許せません…ですが道具だなんてそんな言い方をなさらなくとも…!人魚姫はお父様の大切な娘では…」
人魚王「大切だとも。だが生物としてのアレに興味はない。アレは選ばれし私が手にした、最も優れた対人兵器だ」ギロッ
髪の美しい人魚「……っ!」ゾワッ

546 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:27:25 ID:pti
人魚王「だというのに、みすみすアレを逃がすとは……貴様のような役立たずが血縁であることを汚らわしくすら感じるわ!」ビュオッ
ゴスッ
髪の美しい人魚「ガッ……!ゲホゲホゲホッ…!」ボタボタ…
執事魚「姫様!血が出てるじゃないですか…!こ、国王様!姫様も反省しておられます!どうか、どうか!このあたりで勘弁していただけませんか!?」
人魚王「ならん。国家の有力兵器を紛失したこいつの罪は本来処刑に値する。だがこいつが姫だからという理由で部下共が『慈悲を』などと抜かす…故に、私が直々に罰則を与えているだけだ」バシッ
髪の美しい人魚「……ゼェゼェ、執事よ……問題ありません…これは私の罪……」ボタボタ…
執事魚「しかし、もう見ていられません…姫様!」
人魚兵「国王様!お話中失礼いたします」スィー
人魚王「騒がしい……アレは見つかったのか?」
人魚兵「いえ、人魚姫様はまだ…あたりの海域全てを捜索いたしましたが依然行方不明のままでして…」
人魚王「……私はそのような報告は望まぬ。下らぬ事で時間を取らすな、アレを捕らえたことのみ報告せよ」ギロリ
人魚兵「し、失礼いたしましたっ!」
──クックックッ スゥー
海底の魔女「クックック、失礼するよ?」クックック
執事魚「と、突然人魚が…一体どこから!」
人魚王「…何者だ、貴様は?」スッ
海底の魔女「噂に違わぬ苛烈ぶりよ、お主が国王だな?」クックック


547 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:29:07 ID:pti
海底の魔女「苛烈は苛烈。だが国は至って平和…人間を憎んでいる種族だ、取りまとめる者が厳しいくらいがちょうどいいのかもしれないねぇ」クックックッ
人魚王「貴様、海底に住むという魔女か…目的は何だ?いや、だいたい察しは付くがな…魔女などという者は自らの利益のためにしか動かんと相場が決まっている」フン
海底の魔女「いいのかい邪険に扱っても?私は海底のことなら何でも知っているんだ、襲われた人魚…それが誰の仕業なのかもね」クックック
人魚王「人魚殺しは人間共の仕業だ。まさかそのような分かり切ったことをわざわざ言いに来たわけではあるまい?」
海底の魔女「まぁよい、お前達は人魚姫を探しているのだろう?だがお前達が見当違いな捜索をしているようだったからな。一つ助言をしてやろうというわけさ」
人魚兵「なっ…見当違い!?我々は近隣の海域をくまなく…!」
海底の魔女「駄目だそれでは永久に見つからん、人魚姫だってお前達に捕まらないように必死なんだ。逃げるのならお前達が追えない場所へ逃げるさ…例えば海の外とかねぇ」クスクス
人魚王「……貴様、まさかアレを陸に逃がしたのではあるまいな…?」
執事魚「えぇっ!?で、でもですよ!?人魚は陸には上がれませんよ?陸に逃げるなんて…」
人魚王「たわけが、こいつは魔女……アレを陸に逃がすなど容易いだろう」
海底の魔女「そうさ、私はこの海一番の魔女だ。人魚を人間にするなんて容易いこと。今頃陸地の城にでも居るだろうさ」クスクスクス
人魚王「……なるほどな、この卑しい魔女は自ら人魚姫を陸へ逃がした…その上でそれを捕らえる術を我々に与えるつもりだ。膨大な代償と引き替えにな」

548 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:30:56 ID:pti
海底の魔女「流石、察しがいいねぇ」クスクス
人魚王「言ってみろ、私にどれくらいふっかけるつもりだ?貴様は何が狙いだ?」
海底の魔女「特に狙いなんてないさね、だが相手は国王だからな素敵な宝物の数々を期待している。さて、お前は対価に何を支払えるんだ?」
人魚王「アレは我が国に必要だ、連れ戻す為なら金に糸目はつけぬ」
海底の魔女「そりゃあ豪気だね。だがあの娘はもう歌は歌えない、願いの代償としてその声を私に渡したからねぇ。あの娘を取り返してもこの歌声がなきゃあ意味がないだろう?」
人魚王「なんと愚かな選択を…アレは自らの歌声を捨てたというのか!ならばアレを奪還したうえで貴様から声を取り戻さねばならんではないか…!」ギリッ
海底の魔女「その通り。今、この声の所有者は私だ。譲るのは構わんが安くはないぞ?」クスクス
人魚王「……足元をみる奴だ、いいだろう。宝物庫にある宝は全てやる、それでその声を貰う。そして…出来るだけの兵と私に足を与えろ」
人魚王「自在に陸を駆ける事が出来る足をな」

549 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:33:04 ID:pti
人魚王「だが人間になるなど御免だ。我々は事をなしたら人魚に戻る、足を得るのは一時的で構わん」
海底の魔女「いいだろう、時間がたてば効果が消えるようにしてやる。交渉成立だ」ニヤリ
人魚王「アレの奪還は明日の早朝、襲撃の直前に魔法をかけろ。ちょうど良い、そのままあの町を襲撃し私の支配下に置く。アレを取り戻すまでは貴様が歌え。眠らせるしかできない屑のような歌声でも足しにはなるだろう」
執事魚「お、恐れながら……姫様はこのようなお怪我をされているのに、無理ですよ!」
髪の美しい人魚「いいえ、大丈夫……私は行きます」ヨロッ
人魚王「私はもはや貴様に期待はしておらん、だが最低限の仕事だけはしろ。いいな?」
人魚王「それよりも問題はアレの方だ…連れ戻したら厳しく拘束せねばな。今まで自由にしていたのが間違いだったのだ。人魚に戻した後は尾ビレに金属の重しでも打ち込み、鎖で縛って拘束する。アレを歌うだけの兵器にするのだ」
人魚王「道具は所有者が管理するものだ、それがあるべき姿なのだからな」
髪の美しい人魚「……」
人魚王「兵達を集めよ。アレの奪還に加え、我ら人魚が人間を駆逐し住処を奪う良い機会だ。この機を逃すわけにはいかぬ」
海底の魔女「では国王、詳しい話をしようではないか。どのような宝があるかまず見せて貰いたい」クックック
スゥー
髪の美しい人魚「……」

550 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:35:39 ID:pti
・・・
髪の美しい人魚「……明日の夜明けと共にお父様と軍隊は陸地の人間へ奇襲をかける。私も人間を眠らせる役目を担って同行するので、留守はあなたに任せます」
執事魚「はい…でも国王様は人間の住処を奪うと言ってました、これを機会に陸地へ領土を拡大するおつもりでしょうか」
髪の美しい人魚「わかりません……ただ一つ確実なのは、人魚姫が……私の妹が危機に晒されるという事です」
髪の美しい人魚「あの子の言うとおりでした、お父様はディーヴァを兵器としてしか見ていないのかも知れません。そうでなければ尾ビレに重し打ち込むなど考えないですからね……そんな姿の妹を私は見たくありません」
執事魚「……国王様の振る舞いは、国にため姫様方のためと思っていましたが……」
髪の美しい人魚「私もそう信じていましたが……いいえ、過ぎたことを悔やんでも仕方がありません。そこで、あなたに頼みたいことがあります」
執事魚「はい、姫様の頼みであれば何でも」
髪の美しい人魚「人魚姫に会う機会を作って欲しいのです。私はあの魔女に人魚姫を人魚に戻す方法を聞いてみます、あの子が自発的に人魚へと戻りきちんと謝罪すればお父様の怒りも少しは収まるでしょう。多少の慈悲はいただけるはずです」
執事魚「…解りました、難しいかもしれないですが空を飛ぶカモメにでも伝言をお願いしてみます」
髪の美しい人魚「お願いします。あの子には手を焼き、何度も言い争いになってしまいましたが…それでも私の妹です」
髪の美しい人魚「明日の夜明けまでにあの子に危機を知らせなければ…人魚へ戻ってお父様の許しを得なければ…あの子は一生を兵器として扱われることに……」
・・・

551 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:37:37 ID:pti
人魚姫の世界 海岸
ザザーン ザザーン
赤鬼「……」
鬼神『グワッハッハッハ!ガーッハッハッハ!』
赤鬼「……」
鬼神『クハハ!滑稽!アマリニ滑稽!笑イガトマラヌワ!グワッハッハッハ!』
赤鬼「おい、鬼神。何がそんなにおかしいかしらねぇが少し黙っていてくれ、オイラは今集中して考えているところなんだ。どうするのが人魚姫の為か」
鬼神『クックック!笑ウシカナカロウ!アノ頭巾ノ娘ハナントイッタ?人間ト鬼ハワカリアエヌ!ソウ言ッタノダ!』クックック
鬼神「アマリニ哀レ!貴様ハ人間トノ共存ナドクダラナイ夢ヲモッテイタガ、ソレヲ否定サレテイルデハナイカ!貴様ガ信ジル仲間トヤラニナ!」グハハ
赤鬼「あれは本心じゃないだろう。大人ぶっていてもあいつはまだ子供なんだ、感情的になってつい口に出しただけだ。オイラはあんなの気にしちゃいねぇよ、驚きはしたがな」
鬼神『ソコガ青二才ダトイウノダ、思ッテイナイコトガ口ヲツクカ?スクナクトモアノ娘ハ普段カラソウ思ッテイタノダ。貴様ハ裏切ラレタノダ!』

552 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:39:38 ID:pti
赤鬼「考えが極端すぎねぇか?そりゃあまぁ、あいつはドロシーに初めて会ってから強さにやたら固執していたからな…オイラのような鬼を羨むこともあったかも知れねぇ、腕力の部分ではな」
赤鬼「あいつは人間の少女、オイラは鬼の男だ。身体能力に差がでるのは当然だ…まぁ、それはあいつも解っていただろうが…」
赤鬼「鬼ヶ島で足を潰されたこと、ドロシーの策に為す術がないこと…自分の弱さを痛感しているところに自分より強い奴に『お前は強いよ』なんて言われたらそりゃあな…オイラも軽率だったんだよ」
鬼神『デハナニカ?貴様ハアノ娘ヲ許スト?アノヨウナ事ヲイワレナガラカ?』
赤鬼「許すもなにも怒っちゃ居ないぞ?オイラも配慮が足りなかったな、とは思うが」
鬼神『貴様、甘イ性格モ大概ニセヨ!ドノヨウナリユウガアレドモ、アヤツハ貴様ヲ裏切ッタノダゾ…!』
赤鬼「だから別に裏切ってねぇだろうが、無理してまで自分を大人に見せようとするあいつが泣きながらわめくなんて相当だぞ?それだけ精神に来てたんだよ」
赤鬼「察してやるのが大人ってもんだ、だからあいつを一人にしたんだ、このまま話しても変に気を使ってしまうだろうからな」
赤鬼「あいつには頭巾がある、今頃キモオタ達にでも相談して……いや、あいつはキモオタに弱みを見せるのを嫌うからな。シンデレラあたりに相談でもしてるさ。明日になれば落ち着いているだろう」
鬼神『アキレテ物ガ言エヌワ…』
赤鬼「何だ?お前、やたら突っかかってるが…オイラを心配してくれんのか?」ガハハ
鬼神『戯レ言ヲヌカスナ…!アヤツガワカリアエヌト言葉ニシタコトハ事実ダロウ!我ハ貴様ノメヲサマサセテヤロウトダナ…』

553 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:41:33 ID:pti
赤鬼「そりゃあ種族の違いは事実なんだ、受け入れがたいことや分かり合えにくいことはあるだろう。オイラが熊肉を生で食ったときあいつは明らかに冷めた視線を送ってきたからな」ガハハ
赤鬼「まぁ、あいつには言ってないが…オイラもあいつの寝起きと寝相の悪さには辟易してるんだ。オイラは何度ベッドから落ちたあいつを元に戻すんだって話だろう?」
鬼神『…ナラバ共存ナドアキラメテシマエバヨイ、ワカリアエヌノナラバ無理ヲスルヒツヨウナドナカロウ』
赤鬼「まぁ、でもなぁ、それでもあいつはオイラの食生活に口出ししねぇだろう?それにオイラも黙ってあいつに布団をかぶせるさ。そりゃあお互いが全て理解し合えたら一番良いかも知れねぇが……」
赤鬼「なにもかも全部理解できねぇと仲間じゃねぇのか?オイラはそうは思わないぞ。多少理解しがたいところがあっても良いじゃねぇか、大事なところが解り合えていたらそれでいいだろ」ガハハ
鬼神『……フンッ、クダラヌ。人間ハ敵ナノダ、折角貴様ガ共存ナドアキラメテ我ニ協力スルトオモッタノダガナ』
赤鬼「そりゃあ残念だったな、オイラは諦めちゃいねぇよ。あいつとの旅だって続けるさ、もちろんお前ともな」
鬼神『……フン、モウイイ。無駄ナアガキヲツヅケロ、ソレガ貴様ニハオニアイダ』

554 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:46:21 ID:pti
赤鬼「それにしても…人魚姫、どうしたらあいつが幸せになれるんだろうな」
鬼神『……』
赤鬼「思ってもいなかったが、赤ずきんの体験を聞くと確かに別世界で暮らすのも辛いかも知れねぇよな、とはいってこのままってのも可哀想だろう。そうだろう?」
鬼神『我二トイカケルナ、我ノシッタコトデハナイ』
赤鬼「そうかも知れねぇが、オイラと赤ずきんだけじゃ答えが出そうにねぇんだ。お前の意見が参考になればと思ったんだがな」ガハハ
鬼神『……』
赤鬼「明日、とは言ったがな…オイラも答えをまとめるのに苦労しそうだぞこりゃあ…おとぎ話か人魚姫か…むぅ…」グヌヌ
鬼神『……貴様等ガドレダケナヤモウト、ソレハ他人事ニスギヌ』
赤鬼「どういうことだ?オイラ達と人魚姫は友達だ、他人なんかじゃ…」
鬼神『貴様、ソモソモ死トハナンダ…?肉体ガクチルコトカ?物ヲ考エラレナクナルコトカ?ソシテ…幸セトハ?不孝トハナンダ?答エテミヨ』
赤鬼「そりゃあお前…一言じゃあ言えねぇけど……」
鬼神『青二才ニハワカラヌダロウ…ソレラノコタエガデヌノナラ、人魚ノ娘ノ幸セナドトウテイ無理ダ』
赤鬼「おい、それってどういう…」
鬼神『……貴様ガ考エヨ。ドウヤラ貴様二客ノヨウダカラナ』フン
ザバザバ
赤鬼「……あいつは」
ザバザバ
執事魚「ハァハァ…あ、あなたはあの時の……!」ボロボロ
赤鬼「人魚姫の姉の使いの魚…!なんでここにきた…!」
執事魚「……こんな事頼めた義理ではないですが、私の話を聞いて欲しいのです!姫様の願いなんです、どうか人魚姫様に伝えてください!」
執事魚「姫様…姉上様が人魚姫様に会いたがっていると…!」

555 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/04/26(日)22:48:41 ID:pti
今日はここまでです
人魚姫死なないでレス多いね…
鬼神のセリフ読みにくいし打ちにくいぜwww
人魚姫編 次回に続きます

556 :名無しさん@おーぷん :2015/04/26(日)23:09:24 ID:eJO
乙!
これは本当に難しいわな
しかし、人魚の王は一体なんなんだ!非道にも程があるぞ

557 :名無しさん@おーぷん :2015/04/26(日)23:40:00 ID:RNJ
人間でも人魚でもないのって海の魔女のことか
それより、赤ずきんちゃん寝起きが悪いだけじゃなく寝相も悪いのかwww
可愛いのお

558 :名無しさん@おーぷん :2015/04/27(月)02:37:31 ID:0Aq
乙です!
人魚王には腹が立った!!
後、赤鬼のセリフが深かった

579 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/03(日)23:05:16 ID:m3j
赤鬼「人魚姫の姉が……あいつに会いたがってるだと?」
執事魚「はい、海底は今大騒ぎでして…どうにか姉上様の想いを人魚姫様へ伝えたいのですが他に頼める方が居ないのです!」
執事魚「カモメ達に伝言を頼もうにも相手にして貰えず……そこで人間ではないあなたを思い出して…わずかな可能性にかけて海岸を探してまわっていたんです!一度あなたを殺そうとした私にはこんな事をお願いする資格などないのですが…どうか、どうか!」ペコペコ
鬼神『…オイ青二才。ワカッテイルダロウナ?コヤツハ先日、我々ヲ亡キ者ニシヨウトシタノダゾ。ヨモヤ信用シヨウナドト考エテハオランナ?』
赤鬼「詳しく話を聞かせてくれ。だが…人魚姫はお前達海底の奴らから逃れるために陸へ上がったんだ。だからあいつに伝えるかどうかは話を聞いてから決める、それでもいいな?」
鬼神『……貴様ッ』ギリッ
赤鬼「…それは向こうも承知の上だろう、それでもオイラ達に頼らないといけないほど切羽詰まってんだ。他意はないんじゃないか」ボソッ
鬼神『……ドコマデモ甘イヤツメ』チッ
執事魚「はい…!実は人魚姫様が失踪されて海底は大騒ぎでして、特に海底の王である人魚王様が…」
・・・
・・


580 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/03(日)23:07:46 ID:m3j
・・・
執事魚「……と言うわけです。今お話ししたように、人魚王様は激昂されて、人魚姫様を連れ戻すためにこの町に攻め込むとおっしゃっています」
赤鬼「なんでだ……お前等は何故人魚姫の好きにさせてやらねぇんだ…!兵器にするためだと言ったが、あいつは物じゃねぇんだぞ!?ふざけてやがる!」グッ
執事魚「……」
赤鬼「……あいつが持つ人間を操る歌声が必要だから、そこまでしてあいつを連れ戻しに来るのか?お前達は…!」ギリッ
執事魚「に、人魚王様のお考えはそのようです。でもそれはディーヴァとしての能力を評価しての行動です。ですが、姫様は…姉上様は違います!」
執事魚「このままでは人魚姫様は人魚王様に拘束されてしまいます。そうならないよう…少しでも人魚王様の怒りを静めるため人魚姫様に人魚に戻って欲しいとお考えなんです!」
赤鬼「例え人魚になったとしても、あいつはもう陸には上がれねぇんだ。最悪な事態は逃れられたとしても、あいつは幸せにはなれねぇ。違うか?」
執事魚「それは……」
赤鬼「……」
執事魚「どうか、人魚姫様にお話だけでもお伝えしてもらえませんか…」
赤鬼「……」
赤鬼「海底の奴らが町を襲うってのはあいつにも教えておかねぇといけねぇ…一応、あいつの耳には入れておく」
執事魚「ありがとうございます!私は一時間ほど後に姫様ともう一度ここに来ます。もしも、会っていただけるのでしたらここへ……」
赤鬼「伝えるだけは伝えておく…。あいつが会うというなら連れてくるが拒否するならオイラもここには来ない。それでいいか?」スクッ
執事魚「は、はい!ありがとうございます…!」

581 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/03(日)23:09:22 ID:m3j
城 客室(人魚姫の部屋)
赤鬼(海底の奴らは…人魚の王は兵器として人魚姫を必要としている。戻れば王に拘束されて完全に兵器として扱われると執事魚は言っていた)
赤鬼(執事魚の言葉を信用するなら、人魚姫の姉は…あいつを人魚に戻すことで王の怒りを静めようという腹だ…それで人魚姫が受ける罰が少しでも軽くなればと言うことらしい)
赤鬼(しかし、いくら罰が軽減されても…海底に戻ったところでどう転んでもあいつが幸せになれる未来は無いだろう)
赤鬼(ただでさえ、ドロシーの干渉でこのままだとおとぎ話か人魚姫を失うってのに…いや、愚痴をこぼしても仕方ねぇ)
赤鬼(海底の軍が攻めいれば町が危ない…なにかしらの手をうたねぇとな…)
コンコンッ
赤鬼「人魚姫。赤鬼だ、遅い時間にすまんが話がある。入っても構わないか?」
人魚姫『あっ、赤鬼?オッケー、今ちょー暇だったんだよねー。ちょうど良かったし』ヘラヘラ
ガチャッ
赤鬼「邪魔するぞ。一人か…王子は一緒じゃないのか?」
人魚姫『事故の原因や船の不備探し?そーゆうので忙しいみたいなんだよねー…夕飯は一緒に食べたんだけどさ、それからすぐに仕事に行ったし。そんであたしはマジで暇すぎてアクセ作ってたんだけどね』ヘラヘラ
赤鬼「忙しいんだな王子は…なかなか個人的なことに時間を割くこともできないか」


582 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/03(日)23:11:00 ID:m3j
人魚姫『つーか赤鬼はどうしたわけ?なんか話があるって言ってたけどさ、急ぐ話?』
赤鬼「……実はな、さっき海岸でお前の姉の使いに会ったんだ」
人魚姫『あー、よく赤鬼に姿を見せられたねあいつ。どーせあたしのこと探してたんでしょ?それで、どーしたの?』
赤鬼「そいつが言うにはお前の姉がお前に会いたいと言っているらしい。だから連れてきてくれないかと、そう言われた」
人魚姫『姉ちゃんかぁ…まぁ、確かに黙って出て来ちゃったけどさー、でもどうせ私のこと説教するつもりなんでしょ?会うのはちょっとなー』
赤鬼「聞くところによると海底ではお前の父親がさぞかし怒っているようだ、お前が姿を消したことにな」
人魚姫『まーそうだろね、あいつにとってあたしの歌声は大切な兵器だから、娘が消えた事じゃなくて兵器を失ったことに怒ってるんでしょ。ザマーミロっての、もうあいつの大切な兵器は無い!あたしはもう歌えないかんね!』ヘラヘラ
赤鬼「だがなぁ…どうやら、お前の父親は諦めていないみたいだぞ」
人魚姫『は?どう言うこと?』
赤鬼「人魚王は…お前を取り戻すためにこの町を襲うつもりらしい」
人魚姫『はっ…?なにそれ……!!この町を…なんで!?』バンッ

583 :◆oBwZbn5S8kKC :2015/05/03(日)23:15:05 ID:m3j
赤鬼「執事魚の話だと人魚の王は海底の魔女に依頼して一時的に兵士達を人間化するつもりらしい。それにどうやらお前の声も宝物と引き替えに手に入れたようなんだ」
赤鬼「あとはお前を連れ戻せばいいという状態みてぇだな」
人魚姫『……あの魔女!あたしを助けたりあいつに声を渡したりどっちの味方だっての!』イライラ
赤鬼「おそらくどっちでもねぇんだろう、お前と契約して声が貰えるならお前を助けるし国王と契約して宝物が手にはいるならお前の声は手放す、あの魔女にとっちゃあ魔法は自分が利益を得るための道具に過ぎねぇんだろう」
赤鬼「魔女にもいろいろいるんだ。貧しい娘に善意で魔法をかける魔女もいれば、利益優先で魔法を売り物にする魔女もいる。だが今重要なのは魔女がどうあるべきかじゃねぇ…人魚の軍が攻めてくるのを黙ってみていられねぇぞって事だ」
人魚姫『当たり前っしょ!この町を攻めるとか……絶対にそんなことさせない、絶対止めるに決まってんだから!』
赤鬼「そうだな。だが、どうする…?宿に行ったが赤ずきんはどっか行っちまってる。オイラからあいつに連絡する方法がねぇからとりあえずは共通の友人に伝言を頼んで置いたが…オイラと赤ずきんだけじゃあ対応しきれるかどうか…軍の規模もわからねぇんだ」
人魚姫『軍の規模自体は赤鬼達じゃ倒しきれないほど大きいけど、すべての兵士を陸へ派遣するなんてできないと思うんだよねー…でもあたしにもどれくらいの兵士が攻めてくるかわかんない、でも……』
人魚姫『でも、王子には協力を頼めない。人魚の軍が攻めてくるなんてそんな事言えないっしょ、人魚と人間の関係悪くなるじゃん』
赤鬼「それはそうだが……ならどうするつもりだ?」
人魚姫『少しでも向こうの情報を掴んでやろう、だからあたしが姉ちゃんに会って情報を聞き出す。そんで親父達は町に入らせない、海岸で食い止めて…失敗させる!それしかないでしょ!』
赤鬼「そうだな…どの道、オイラ達だけで食い止めるしかねぇんだ。時間は無ぇ、しっかり準備して迎え撃たねぇとな」
人魚姫『うん、襲撃計画なんて無かったことにしてやんだから!』

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妹「マニュアルで恋します!」

きのこの山「最後通牒だと……?」たけのこの里「……」

月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」

彡(゚)(゚)「お、居酒屋やんけ。入ったろ」