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女「あの、顔色悪いけど大丈夫ですか?」 男「・・・え?」

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Part2
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 20:48:52.34 ID:ABv1zFOB0
男「あー・・・」
女「何?」
男「お前さ、運動したいから校庭見てるのか?」
女「違うわ」
男「・・・」
女「あなたみたいに、運動できるのに、真面目にやらない人を見ているとイライラするの」
男「・・・悪かったな」
女「・・・私も悪かったわ。これからはあまり外を見ないようにします」
男「いや・・別にそんなことは言ってねーよ」
女「・・・」
男「・・・」
女「同情とか、やめてくれるかしら」
男「は?」
女「満足に歩けないからって、私は別に困っていないわ」

21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 20:49:41.72 ID:ABv1zFOB0
男「・・・お前さ、ここ3階だけど、帰る時どうやって階段降りてんの?」
女「時間をかければ、降りられるから」
男「それは見てれば分かるけど、その車椅子どうしてるんだよ。持って階段降りられないだろ」
女「・・・母が迎えに来てくれるから」
男「・・・じゃあ迎え来るまでここにいるってわけか」
女「そうよ」
男「迎え、何時くらいなんだ?」
女「なんでそんな事を聞くの?」
男「お前が、いつも部活終わるまで校庭見てるから、ずいぶん遅くまでいるなって思ってたんだよ」
女「・・・6時半ごろよ」
男「そうか。だから部活終わりまで見てるんだな」
女「・・・悪かったわね」

22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 20:50:20.43 ID:ABv1zFOB0
男「・・・突き指治るまでヒマだから、階段降りるの手伝ってやるよ」
女「は?どういう風の吹き回しなの?」
男「その代わり、治るまでここからサッカー部見させてくれよ」
女「どういう事?見学ならグラウンドでするべきじゃないの?」
男「練習やらねー奴がグラウンドにいると邪魔なんだよ。それに、さっき気づいたんだけど、ここからだと全体の動き見えるからな」
女「・・・そう。真面目な理由なら別にいいと思うけど。一応明日、会長に許可を取りますから」
男「ああ」
**
男「そろそろ時間だろ」
女「・・ええ」
男「じゃあ行くか」
女「あ、湯呑」
男「あ、ワリィ」
ジャー・・ガチャガチャ
女「・・・あなたが洗う事は無いのに」
男「いや、オレが使ったんだからオレが洗うよ」
女「・・・」

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 20:50:57.01 ID:ABv1zFOB0
男「大丈夫か?」
女「手を貸す必要はないわ」
男「・・・わかった。転ぶなよ。オレは車椅子持って先に降りるわ」
女「ええ」
男「・・・」
女「・・なんで、私の前にいるの?下にいればいいじゃない」
男「別に」
女「・・転ばないから大丈夫よ。今まで一度も転んだことないわ」
男「へいへい」
タッタッタ
女「・・・・お待たせ」
男「・・おう」
女「車椅子、押さえてもらわなくても、ちゃんと座れるわ」
男「お前さ、人の好意は素直に受け取れよ」
女「・・・それは、私が普通に歩ける人だったとしても同じことするの?私が教室で座る時、いちいち椅子を引くの?」
男「お前、結構めんどくさい奴だな」

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 20:51:33.35 ID:ABv1zFOB0
女「なっ!」
男「体調悪い時は、ソイツの事助けんのは普通だろ」
女「・・・そうかもしれないけど」
男「お前が、出来るだけ人の手借りたくないってのは、見てりゃ分かるよ。だけど、座る時とか転ばないように支えることで、別にお前の運動量は減らないだろ?余計な事故が起こらないようにしてるだけなんだから、それくらい別にいーだろーが」
女「・・・・意外にも、理論的なのね」
男「なんで一々そういう言い方すんだよ」
女「・・・ごめんなさい」
男(だからって素直に謝るなよ)
女「分かったわ・・・確かにあなたの言う通りだと思います。ありがとう」
男「お、おう」
女「・・じゃあ座ります」
とす
男「・・・・あー生徒会室の鍵、返すんじゃねーの?」
女「ええ。返してきます」
男「おう」
女「・・・なんであなたもついてくるの?」
男「はぁ・・・例えば、ダチと2人でだべってて、そいつが職員室にちょっと寄る用事あったら、ついて行くのくらいフツーだろ」
女「・・・」


25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/26(日) 20:52:13.15 ID:ABv1zFOB0
女「・・・今日はありがとうございました」
男「別に畏まって礼とか言わないでいいんだけど」
女「そう」
男「そういや、迎えまだ来てないのか?」
女「ええ。うち、母も働いてるから、仕事帰りに寄ってくれるの」
男「車?」
女「そうよ・・あ、あの近づいてくる車よ」
男「あ、そ。じゃあ俺も帰るわ。明日も放課後行かせてもらうから、会長さんに聞いといてくれよ」
女「あ・・はい」
ブロロロ・・キッ
女母「あら?今日はどうしたの?」
女「えっと、友達が送ってくれたの」
女母「あら!お礼言わなきゃ。生徒会の方?」
女「いえ・・もう帰ってしまったわ」
女母「そうなの・・まあとにかく帰りましょう」
女「うん」

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/27(月) 22:18:04.27 ID:umukeLDt0
***
コンコンコン
女「どうぞ」
ガラガラガラ
男「・・・」
女「・・なんですか?」
男「いや・・昨日の話。会長さんに聞いてくれたんじゃねーのか?」
女「ええ、その話なら、別に良いという事です。ただし、会議のある金曜はダメです」
男「そ。そりゃどうも。じゃあおじゃまします」
女「はい」
がた
てく・・てく・・てく
かちゃ
トポポポポ・・
女「お茶、どうぞ」
男「あ、すまん・・・てか別に毎回お茶入れてくれなくてもいいけどな」
女「人の好意は素直に受け取ったらどうなの?」
男「・・・ッチ・・お前やっぱウザいわ」
女「お返しよ」くすくす
男「・・・」

34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/27(月) 22:18:51.95 ID:umukeLDt0
男「・・・あっバカ、オフサイドラインこえてるだろ・・」
女「・・・」
男「・・・ん、そう言えばお前は外見ないのか?」
女「なんであなたといっしょに、並んで窓から顔を出さなければいけないの?」
男「・・・ホント一々嫌味言う奴だな」
女「・・・」
男(あー・・・そっか。オレがここいるとコイツの習慣を妨害しちまうのか・・?)
女「私は今日は勉強しているから、気にしないでいいわ」
男「勉強?期末まで3週間以上あるだろ?」
女「定期試験の直前にしか勉強しないあなたとは違うの」
男「うぜ・・・ん?お前マジで何の勉強してんの?学校の勉強じゃないだろ、ソレ」
女「資格の勉強をしているのよ・・のぞき込まないでくれる?」
男「資格?なんの?」
女「・・・アナタには関係ないでしょ?」
男「まあそうだけど、気になったこと聞くくらい良いだろ」
女「・・・公認会計士の資格を取りたいの」
男「会計士?それって大学卒業後とかに取るもんじゃないのか?」

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/27(月) 22:19:22.65 ID:umukeLDt0
女「・・・別に受験資格は大卒ではないわ」
男「でも、高校生が取れるもんなのか?確かすげー難しいやつだろ?大学行ってからでも」
女「私は・・・あなたと違って部活もしていないし時間があるの。そ・・それに、私のことで家族に迷惑をかけている。だから早く独り立ちしたいの」
男「・・・そっか。まあ、がんばれよ」
女「・・・あ、あなたこそこの部屋使わせてあげてるんだから、ちゃんと自分のすべきことをしなさい」
男「いや、今日の練習もう終わりみたいだ」
女「・・・そう」
男「さて」
すくっ
ジャー・・ガチャガチャ
男「もう時間だし、お前も帰るしたくしろよ」
女「・・・ええ」
女「じゃあ職員室に鍵返してくるから」
男「もう返してきたぞ。お前が階段降りてる間に」
女「なっ・・余計な事を!」
男「時間短縮だよ・・・つーかアレ、お前の家の車だろ?親待たせるの悪いだろ?」
女「・・・」
男「じゃあ俺帰るわ」
女「待って!」
男「あ?」
女「あ・・ありがとう」
男「あ、おう」

36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/27(月) 22:19:58.06 ID:umukeLDt0
コンコンコン
女「どうぞ」
ガラガラ
男「おす」
女「・・こんにちは。今日はずいぶん遅かったのねもう6時よ」
男「あ、今日はお茶はいいぞ」
女「?」
男「今日から、試験2週間前だからもう練習ねーよ。結局突き指治んなかったし、復帰は試験後だ」
女「あ・・そう言えばそうね」
男「窓から外見てたんじゃないのか?」
女「今日は勉強してたから」
男「あー・・・そういう訳だからもう放課後ここから外見ねーから。試験後はもう来ねーよ」
女「そう」
男「あー・・いままでどうもありがとうございました」
女「どういたしまして」
男「・・じゃあ帰るぞ。支度しろよ」
女「うん・・・あ、別に今日はあなたに送ってもらう必要はないんじゃないのかしら」
男「まあ、そうかもしれないけど、来ちまったから今日は送ってやるよ」
女「別にそんな!・・・・・・いえ、好意は素直に受け取るわ。ありがとう」
男「あ・・おう」

37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/27(月) 22:20:27.68 ID:umukeLDt0
**
ガラガラ
女「・・・よいしょ」
ガチャ
女「・・・」
男「・・・」
女「あなた、毎日階段のところで待っているのやめてくれないかしら。別に生徒会室に来てないのだから、あなたにそうしてもらう義理は無いわ」
男「偶然だよ、グーゼン。てか人の好意はす」
女「ちょっと黙りなさい」
男「・・・なんだよ」
女「来週の月曜日で試験1週間前なんだけど、あなた毎日この時間まで学校に残って、ちゃんと勉強してるの?」
男「・・・してるよ。うるせえな」
女「どこで?」
男「あー・・図書室」
女「・・・そう。じゃあ来週の月曜からは、私も放課後図書室で勉強することにします」
男「げ」
女「なに?」
男「・・・ッチ。なんでもねーよ」

38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/27(月) 22:21:07.62 ID:umukeLDt0
**
女「・・・やっぱり全然勉強進んでなかったわね」
男「うるせーな、今日からちゃんとやるつもりだからいいんだよ」
女「やらない人はみんなそう言うのよ。あなたの苦手な歴史科目は重点的にやるわよ」
男「お前、なんでオレが歴史苦手って・・ああ、ノート見たからか・・・じゃなくて!なんでお前がオレに勉強教える感じになってるんだよ!」
女「静かにしなさい。ここ、図書館よ」
男「・・クソが」
女「・・・部活禁止期間の今、あなたに階段を降りる手助けをしてもらう理由がないわ。だから、そのお礼に勉強を教えます」
男「・・・そうかよ」
女「・・まずあなたが授業中寝てて板書を写してないところを、私のノートから写しなさい。結局定期試験は授業で先生が言ったところから出るのだから、ノートをちゃんととってそれを覚えるだけで7割は取れるものよ」
男「つーか、なんでオレが授業中寝てること知ってるんだよ」
女「カンよ。やっぱり寝てたのね」
男「・・・はぁ・・・」
女「とにかく、今日は、全科目ノート書いてないとこ写し終わりなさい」
男「まじかよ・・・」

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/07/27(月) 22:21:51.57 ID:umukeLDt0
女が差し出したノートに並んだ文字は、まるで教科書の印刷のように整っていた。
しかも板書だけでなく、授業中に教師が口頭で言ったであろうこともメモされていた。
いわゆる優等生ノートというやつだ。
足が不自由で、体育も部活も出られない。
そういう環境なら、確かにこうなるしかないのかもしれないな、とオレは妙な納得をした。
写す作業だけだから、そんな余計な事を考えながら手を動かしていた。
気が付くと、夏の近い空も西日が傾きかけていた。
ガラガラ
女母「・・あら」
女「あ」
男「ん?」
女母「まだお勉強中だったかな?」
女「えっと・・」
男「いや、もう終わる・・・ってか、お前の母さん?」
女「うん」
女母「あなた男君かしら?」
男「あ、はい」
女母「やっぱり。最近うちの子がお世話になってるみたいで、お礼言わなきゃと思ってたのよ。いつもうちの子を助けてくれてありがとうね」
男「あ、イヤ別に。オレも色々世話になったんで、そのお礼みたいなもんです」
女「えっと、終わったの?」
男「あ、おう」
女「じゃ、じゃあ帰りましょう。もう遅いし。お母さんも、図書館であまりうるさくしないで」
女母「あら、そうね」

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