神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part23
599 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/18(水) 03:15:12 ID:PxqDcwqk
ーー 七逆神社・貴賓殿
神使「初めまして、神宮より参りました神使と申します。 こちらは代理神の神様です」
神様「ども」ペコ
宮司A「こんな遅くまでご苦労様」
宮司B「神様は神宮の内宮神籍とお伺いしておりますが」
神様「まぁ一応」
宮司C「という事は神階も相当なのでしょうね」
宮司A「京都のお社は社位も高いので、位の高い神が代理神として来て下さると助かります」
宮司B「全くですな」
神様「・・・・・・」イラッ
600 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/18(水) 03:17:18 ID:PxqDcwqk
宮司A「お付きの神使さんも神宮所属ですかな?」
神使「はい、階位は特位となります」
宮司一同「すばらしい!」
宮司B「これは私達も七逆様のお祭りの方だけに専念できますな」
宮司C「今年の祭りは五十年に一度の大祭、成功すれば七逆の宮司A様も神宮付になられる」
宮司A「私なんかが神宮付になんて、そんな器じゃ無いよ」
宮司B「またまたご謙遜を」
神使「あの〜」
宮司A「あぁ、失礼。 私達はこれから祭儀の打ち合わせがありますので、神様達は社務所の方へどうぞ」
神使「はぁ」
神様「いくぞ、犬ころ」
601 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/18(水) 03:19:01 ID:PxqDcwqk
テクテク
神様「ハァ〜・・・」
神使「どうされたんですか?」
神様「あれが神職? 笑わせるなっつーの」
神使「皆さんかなり位が高い宮司様のようでしたが」
神様「位? そんなもん何の役に立つんだよ」
神使「お給料が高くなります」
神様「・・・・・・」ゲシッ
神使「痛!」
神様「先に飯行くぞ」
神使「でも社務所の方に」
神様「そんなの後で良いって。 お腹すいたの!」
602 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/18(水) 03:27:09 ID:PxqDcwqk
まだいける!
そう思ったのでした。
603 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 03:37:01 ID:Y8rUWyRA
やったぜ!
604 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 10:12:15 ID:04wYjVJE
待ってた♪
605 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 16:55:41 ID:F6ObWplE
乙〜 ( キターヽ(´∀`)ノ )
606 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:20:08 ID:eRbrKJKA
テクテク
神使「どちらへお食事に行かれるんですか?」
神様「ん〜 あ、あった。 ここ」
神使「・・・・・・あの、神様」
神様「あん?」
神使「ここって、有名な料亭ですよね」
神様「そうなの?」
神使「一見さんお断りのお店ですよ? 私達じゃ入れませんよ」
神様「へー」スタスタ
神使「ちょっと神様? 聞いてるんですか?」
607 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:24:00 ID:eRbrKJKA
ーー 料亭
ガラガラ
女将「おこしやす」
神様「あの〜、かわゆい神ちゃんだけど」
女将「お待ちしておりました。 さ、どうぞお上がり下さい」
神様「ほ〜い」
神使「・・・・・・」
スタスタ
女将「こちらのお部屋でいかがです?」
神様「おっ、いいね〜 個室」
神使「・・・・・・」
女将「ほな、ごゆっくり」スタスタ
608 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:25:01 ID:eRbrKJKA
神使「ちょっと神様!」
神様「なんだよ」
神使「この料亭って座っただけで三万円の超高級料亭ですよ!」
神様「へ〜 そうなんだ」
神使「三万は私達の今月分の食費と同じなんですよ!? 座っただけで今月分の食費が飛ぶんですよ?」
神様「心配すんなって。 大丈夫だよ」
トントン
料理長「失礼いたします」
神様「あ、久しぶり」
神使「お知り合い・・・ ですか?」
料理長「A子がいつもお世話になっております」
神使「A子?」
609 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:26:38 ID:eRbrKJKA
神様「ここA子ちゃんの家、でお父さん」
神使「巫女のA子ちゃんですか!?」
神様「A子ちゃん家は料亭って言っただろうが」
神使「えぇ、でもまさかこの高級料亭とは思いませんでした・・・」
料理長「高級やなんてめっそうもない」
神様「いや〜 急に連絡しちゃってメンゴメンゴ」
料理長「気にせんといて下さい。 ほんまいつもごA子がご迷惑おかけしてます」
神様「そんなことないって」
料理長「今日はA子からも最高のもてなしをするように言われてますんで、ごゆっくりお寛ぎ下さい」
神様「ん〜 楽しみ!」
料理長「ほな、すぐ料理お持ちしますんで」スタスタ
610 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:27:24 ID:eRbrKJKA
神使「いや、びっくりしました」
神様「なにが?」
神使「いや、まさかA子ちゃんがこんな高級料亭の娘さんだったなんて・・・」
神様「他のヤツには黙ってろよ」
神使「でもお代の方が気になります・・・」
神様「ふふ〜ん。 これ」ピラピラ
神使「何ですか? その紙は」
神様「このお店のフリーパス券」
神使「そんな物があるんですか?」
神様「私だけが持つことを許されているのだよ」フフン
611 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:28:19 ID:eRbrKJKA
神使「“フリーパス、なんでもタダ”って書いてありますね・・・ A子ちゃんの字で」
神様「凄いだろ」
神使「それ、使えるんですか?」
神様「あたりませさね。 私はこれで5回ここに来てる」
神使「・・・・・・あまり使わない方が良いと思いますよ? お店の方にご迷惑ですから」
神様「んなことないよ」
神使「まぁ、来てしまったものは仕方ありません」
神様「よし、たらふく食べるぞ!」オー!
612 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:29:09 ID:eRbrKJKA
ーー 帰り道
神様「あ〜 美味しかった!」ゲップ
神使「私、あんな美味しいもの食べたの生まれて初めてです」ジーン
神様「な? 来て良かったろ?」
神使「幸せなひとときでした・・・」
神様「明日も来る?」
神使「さすがに迷惑ですのでやめておきましょう」
神様「A子ちゃんのお父さんも京都に居るうちは毎日来て下さいって言ってたじゃん」
神使「社交辞令です」
神様「え〜 そんなことないと思うのにな〜」ブーブー
神使「さて、だいぶ遅くなってしまいましたし社務所に行きますよ?」
神様「あぁ〜 お楽しみもここまでか・・・」
613 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:30:15 ID:eRbrKJKA
ーーー社務所
ガラガラ
神使「すいませーん」
巫女「はい」
神使「神宮から来ました神使と申します」
巫女「お待ちしておりました」ペコッ
神使「遅くなりまして申し訳ございません」
巫女「いいえ、どうぞお入り下さい」
神使「失礼いたします」
神様「おじゃましまーす」
巫女「? あの、こちらのお嬢様は?」
神使「代理神の神様です」
神様「かわゆい神ちゃんと呼んで欲しい」
614 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:31:42 ID:eRbrKJKA
巫女「神様!? し、失礼いたしました!!」
神様「そんな気を遣わなくて大丈夫よん」
神使「すいません、こちらの神様は姿が見えっぱなしでして」
神様「なんかその言い方ってトゲがない?」
神使「深く考えすぎでは?」
巫女「あの、本殿にご案内した方がよろしいでしょうか?」
神使「いいえ、こちらで十分でございます」
巫女「しかし、神様がこのような場所に・・・」オロオロ
神様「大丈夫だって。 私は本殿より社務所派、もっといえば授与所派だから」
巫女「?」
神使「気にしないで下さい。 巫女さん好きな神様なもので」
神様「だから言い方にトゲがない?」
神使「気にしすぎでは?」
615 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:33:16 ID:eRbrKJKA
巫女「で、では・・・ 早速ですが、こちらが明日の受け持ちリストになります」
神様「どれどれぇ?」ニョキッ
神使「嵐山の“たけたけ神社”ですか」
巫女「三連休ですので相当大変かと思います」
神様「うげ〜」
神使「名所ですからね」
巫女「私も一緒に同行させて頂きますので」
神様「ん? たけたけ神社って普段から結構な数の巫女いるよね」
巫女「えぇ・・・ あの・・・ この三連休はお休みのようで」
神使「三連休で参拝者が沢山いらっしゃるのにお休みなんですか?」
巫女「はい・・・」
神様「ふ〜ん」チラッ
巫女「・・・・・・」
616 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:34:46 ID:eRbrKJKA
神使「承知いたしました。 では明日は朝六時にここで待ち合わせでよろしいですか?」
巫女「はい」
神使「では神様、疲れたでしょうからお休みなりますか?」
神使「そうね。 私達は今日どこで寝れば良い?」
巫女「それが・・・」
神使「?」
神様「巫女ちゃん?」
巫女「あっ、はい! あの・・・ ご案内いたします」
617 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:36:57 ID:eRbrKJKA
ーー 宿舎
スタスタ
巫女「本日はこちらの宿舎をお使い下さい」
神使「立派な宿舎ですね」
ガラガラ
巫女「どうぞ」
神使「失礼します」
神様「おじゃま〜」
巫女「こちらへどうぞ」
618 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:37:55 ID:eRbrKJKA
スタスタ
巫女「本来は本殿をご用意するべきだと思うのですが、こんな所で申し訳ありません」
神使「本殿は神々の皆様が禊ぎ中でしょうし、気になさらないで下さい」
神様「案外遊びにいってるかもよ?」
神使「神様? 失礼ですよ?」
神様「まぁ、本殿で寝るのなんかイヤだけどね〜」
巫女「?」
神使「神様は本殿とかが合わない性分でして」
巫女「はぁ・・・」
神使「神宮の神様のお部屋は三畳しか無いのであまり広すぎると緊張してしまうのです」
神様「神使君さぁ、喧嘩売ってる?」
神使「事実を申したまでですが」
神様「・・・・・・」ゲシッ
619 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:39:27 ID:eRbrKJKA
巫女「本日はこちらの部屋をお使い下さい」
ガチャ
神様「ん? この部屋だれか使ってるんじゃない?」
巫女「すいません、私の部屋でして・・・」
神使「巫女さんのお部屋ですか?」
神様「いや、巫女ちゃんは今日どうするの?」
巫女「私は・・・ 徹夜で仕事がありますので」
神様「・・・・・・」
神使「あのー」
巫女「では! 明日社務所でお待ちしております!」タッ タッ タッ
神使「神様、どういたしましょう」
神様「・・・・・・」
620 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/19(木) 13:24:30 ID:VzU8wNB.
乙っ
621 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:29:38 ID:cuq9viJA
ーー 貴賓殿
宮司B「まったく、階位も低いくせに内宮神籍ってだけで調子に乗りやがって」
宮司C「B宮司? 一応はあれでも神なのですから」
宮司B「どの口が、作戦の立案者のくせに」
宮司C「でも、あんなお子ちゃま神様を排除するくらいで神法改正の修正案が通るんですか?」
宮司A「十年前の神法改正で最後まで首を縦に振らなかったのがアイツなんだよ」
宮司B「あれでも審査神だから必ず神に関する法規関係はヤツの同意が必要なんだ」
宮司C「ここであのお子ちゃまが盛大な失敗を起こして神宮から職を剥奪できれば・・・」
宮司A「その隙に修正案を可決させることが容易になる」
宮司B「そういえば、お子ちゃまと神使はどうした?」
宮司A「隅っこの放置社殿で寝てるんじゃないか?」
宮司C「罰当たりな宮司だこと」
622 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:30:36 ID:cuq9viJA
ーー 貴賓殿・裏手
巫女「・・・・・・」
神様「そう言うことか」フムフム
巫女「!?」
神様「おっと、声を上げずに」シー
巫女「神様・・・」ボソッ
神様「こっち来て」
623 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:31:46 ID:cuq9viJA
スタスタ
神様「アイツらが貴賓殿から出て私に寝床譲れよ。 全く・・・」
巫女「あの・・・ 申し訳ございません神様」ドゲザ
神様「ちょ、頭上げてよ。 巫女ちゃんがそんなことをする必要ないよ?」
巫女「・・・・・・でも」
神様「しかし、あんな絵に描いたような悪代官キャラ本当にいるんだ」
巫女「神様のことをあんな言い方するなんて・・・」
神様「いやいや、私は結構嬉しかったりするよ?」
巫女「え?」
624 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:32:54 ID:cuq9viJA
神様「だって、アイツらの中で神の位置が奉ってヘコヘコするような存在ではないって事だからさ」
巫女「そんな恐れ多いこと」
神様「人と分け隔てなく扱ってくれることは、私にとっては結構本望だったりな事なんだよね〜」
巫女「・・・・・・」
神様「でも、ちょ〜と悪意を向けるのは個人的にカチンとくるけど」
巫女「・・・・・・」
神様「少し歩こうか」
巫女「・・・はい」
625 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:34:15 ID:cuq9viJA
テクテク
神様「ん? あれがアイツらがいっていた放置社殿ってやつ?」
巫女「あっ、はい・・・」
神様「昔さぁ、あそこには可愛らしい女神がいたんだよ。 すごく良いやつだったなぁ〜」
巫女「神様、お願いですから神宮にご報告を」
神様「面倒くさ〜い」
巫女「でも、神様にこんな酷い対応をするなんて・・・」
神様「大丈夫だって、こんなの馴れてるから」
巫女「神様・・・」
ーー 七逆神社・貴賓殿
神使「初めまして、神宮より参りました神使と申します。 こちらは代理神の神様です」
神様「ども」ペコ
宮司A「こんな遅くまでご苦労様」
宮司B「神様は神宮の内宮神籍とお伺いしておりますが」
神様「まぁ一応」
宮司C「という事は神階も相当なのでしょうね」
宮司A「京都のお社は社位も高いので、位の高い神が代理神として来て下さると助かります」
宮司B「全くですな」
神様「・・・・・・」イラッ
600 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/18(水) 03:17:18 ID:PxqDcwqk
宮司A「お付きの神使さんも神宮所属ですかな?」
神使「はい、階位は特位となります」
宮司一同「すばらしい!」
宮司B「これは私達も七逆様のお祭りの方だけに専念できますな」
宮司C「今年の祭りは五十年に一度の大祭、成功すれば七逆の宮司A様も神宮付になられる」
宮司A「私なんかが神宮付になんて、そんな器じゃ無いよ」
宮司B「またまたご謙遜を」
神使「あの〜」
宮司A「あぁ、失礼。 私達はこれから祭儀の打ち合わせがありますので、神様達は社務所の方へどうぞ」
神使「はぁ」
神様「いくぞ、犬ころ」
601 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/18(水) 03:19:01 ID:PxqDcwqk
テクテク
神様「ハァ〜・・・」
神使「どうされたんですか?」
神様「あれが神職? 笑わせるなっつーの」
神使「皆さんかなり位が高い宮司様のようでしたが」
神様「位? そんなもん何の役に立つんだよ」
神使「お給料が高くなります」
神様「・・・・・・」ゲシッ
神使「痛!」
神様「先に飯行くぞ」
神使「でも社務所の方に」
神様「そんなの後で良いって。 お腹すいたの!」
602 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/18(水) 03:27:09 ID:PxqDcwqk
まだいける!
そう思ったのでした。
603 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 03:37:01 ID:Y8rUWyRA
やったぜ!
待ってた♪
605 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/18(水) 16:55:41 ID:F6ObWplE
乙〜 ( キターヽ(´∀`)ノ )
606 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:20:08 ID:eRbrKJKA
テクテク
神使「どちらへお食事に行かれるんですか?」
神様「ん〜 あ、あった。 ここ」
神使「・・・・・・あの、神様」
神様「あん?」
神使「ここって、有名な料亭ですよね」
神様「そうなの?」
神使「一見さんお断りのお店ですよ? 私達じゃ入れませんよ」
神様「へー」スタスタ
神使「ちょっと神様? 聞いてるんですか?」
607 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:24:00 ID:eRbrKJKA
ーー 料亭
ガラガラ
女将「おこしやす」
神様「あの〜、かわゆい神ちゃんだけど」
女将「お待ちしておりました。 さ、どうぞお上がり下さい」
神様「ほ〜い」
神使「・・・・・・」
スタスタ
女将「こちらのお部屋でいかがです?」
神様「おっ、いいね〜 個室」
神使「・・・・・・」
女将「ほな、ごゆっくり」スタスタ
608 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:25:01 ID:eRbrKJKA
神使「ちょっと神様!」
神様「なんだよ」
神使「この料亭って座っただけで三万円の超高級料亭ですよ!」
神様「へ〜 そうなんだ」
神使「三万は私達の今月分の食費と同じなんですよ!? 座っただけで今月分の食費が飛ぶんですよ?」
神様「心配すんなって。 大丈夫だよ」
トントン
料理長「失礼いたします」
神様「あ、久しぶり」
神使「お知り合い・・・ ですか?」
料理長「A子がいつもお世話になっております」
神使「A子?」
609 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:26:38 ID:eRbrKJKA
神様「ここA子ちゃんの家、でお父さん」
神使「巫女のA子ちゃんですか!?」
神様「A子ちゃん家は料亭って言っただろうが」
神使「えぇ、でもまさかこの高級料亭とは思いませんでした・・・」
料理長「高級やなんてめっそうもない」
神様「いや〜 急に連絡しちゃってメンゴメンゴ」
料理長「気にせんといて下さい。 ほんまいつもごA子がご迷惑おかけしてます」
神様「そんなことないって」
料理長「今日はA子からも最高のもてなしをするように言われてますんで、ごゆっくりお寛ぎ下さい」
神様「ん〜 楽しみ!」
料理長「ほな、すぐ料理お持ちしますんで」スタスタ
610 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:27:24 ID:eRbrKJKA
神使「いや、びっくりしました」
神様「なにが?」
神使「いや、まさかA子ちゃんがこんな高級料亭の娘さんだったなんて・・・」
神様「他のヤツには黙ってろよ」
神使「でもお代の方が気になります・・・」
神様「ふふ〜ん。 これ」ピラピラ
神使「何ですか? その紙は」
神様「このお店のフリーパス券」
神使「そんな物があるんですか?」
神様「私だけが持つことを許されているのだよ」フフン
611 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:28:19 ID:eRbrKJKA
神使「“フリーパス、なんでもタダ”って書いてありますね・・・ A子ちゃんの字で」
神様「凄いだろ」
神使「それ、使えるんですか?」
神様「あたりませさね。 私はこれで5回ここに来てる」
神使「・・・・・・あまり使わない方が良いと思いますよ? お店の方にご迷惑ですから」
神様「んなことないよ」
神使「まぁ、来てしまったものは仕方ありません」
神様「よし、たらふく食べるぞ!」オー!
612 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:29:09 ID:eRbrKJKA
ーー 帰り道
神様「あ〜 美味しかった!」ゲップ
神使「私、あんな美味しいもの食べたの生まれて初めてです」ジーン
神様「な? 来て良かったろ?」
神使「幸せなひとときでした・・・」
神様「明日も来る?」
神使「さすがに迷惑ですのでやめておきましょう」
神様「A子ちゃんのお父さんも京都に居るうちは毎日来て下さいって言ってたじゃん」
神使「社交辞令です」
神様「え〜 そんなことないと思うのにな〜」ブーブー
神使「さて、だいぶ遅くなってしまいましたし社務所に行きますよ?」
神様「あぁ〜 お楽しみもここまでか・・・」
613 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:30:15 ID:eRbrKJKA
ーーー社務所
ガラガラ
神使「すいませーん」
巫女「はい」
神使「神宮から来ました神使と申します」
巫女「お待ちしておりました」ペコッ
神使「遅くなりまして申し訳ございません」
巫女「いいえ、どうぞお入り下さい」
神使「失礼いたします」
神様「おじゃましまーす」
巫女「? あの、こちらのお嬢様は?」
神使「代理神の神様です」
神様「かわゆい神ちゃんと呼んで欲しい」
614 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:31:42 ID:eRbrKJKA
巫女「神様!? し、失礼いたしました!!」
神様「そんな気を遣わなくて大丈夫よん」
神使「すいません、こちらの神様は姿が見えっぱなしでして」
神様「なんかその言い方ってトゲがない?」
神使「深く考えすぎでは?」
巫女「あの、本殿にご案内した方がよろしいでしょうか?」
神使「いいえ、こちらで十分でございます」
巫女「しかし、神様がこのような場所に・・・」オロオロ
神様「大丈夫だって。 私は本殿より社務所派、もっといえば授与所派だから」
巫女「?」
神使「気にしないで下さい。 巫女さん好きな神様なもので」
神様「だから言い方にトゲがない?」
神使「気にしすぎでは?」
615 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:33:16 ID:eRbrKJKA
巫女「で、では・・・ 早速ですが、こちらが明日の受け持ちリストになります」
神様「どれどれぇ?」ニョキッ
神使「嵐山の“たけたけ神社”ですか」
巫女「三連休ですので相当大変かと思います」
神様「うげ〜」
神使「名所ですからね」
巫女「私も一緒に同行させて頂きますので」
神様「ん? たけたけ神社って普段から結構な数の巫女いるよね」
巫女「えぇ・・・ あの・・・ この三連休はお休みのようで」
神使「三連休で参拝者が沢山いらっしゃるのにお休みなんですか?」
巫女「はい・・・」
神様「ふ〜ん」チラッ
巫女「・・・・・・」
616 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:34:46 ID:eRbrKJKA
神使「承知いたしました。 では明日は朝六時にここで待ち合わせでよろしいですか?」
巫女「はい」
神使「では神様、疲れたでしょうからお休みなりますか?」
神使「そうね。 私達は今日どこで寝れば良い?」
巫女「それが・・・」
神使「?」
神様「巫女ちゃん?」
巫女「あっ、はい! あの・・・ ご案内いたします」
617 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:36:57 ID:eRbrKJKA
ーー 宿舎
スタスタ
巫女「本日はこちらの宿舎をお使い下さい」
神使「立派な宿舎ですね」
ガラガラ
巫女「どうぞ」
神使「失礼します」
神様「おじゃま〜」
巫女「こちらへどうぞ」
618 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/19(木) 00:37:55 ID:eRbrKJKA
スタスタ
巫女「本来は本殿をご用意するべきだと思うのですが、こんな所で申し訳ありません」
神使「本殿は神々の皆様が禊ぎ中でしょうし、気になさらないで下さい」
神様「案外遊びにいってるかもよ?」
神使「神様? 失礼ですよ?」
神様「まぁ、本殿で寝るのなんかイヤだけどね〜」
巫女「?」
神使「神様は本殿とかが合わない性分でして」
巫女「はぁ・・・」
神使「神宮の神様のお部屋は三畳しか無いのであまり広すぎると緊張してしまうのです」
神様「神使君さぁ、喧嘩売ってる?」
神使「事実を申したまでですが」
神様「・・・・・・」ゲシッ
巫女「本日はこちらの部屋をお使い下さい」
ガチャ
神様「ん? この部屋だれか使ってるんじゃない?」
巫女「すいません、私の部屋でして・・・」
神使「巫女さんのお部屋ですか?」
神様「いや、巫女ちゃんは今日どうするの?」
巫女「私は・・・ 徹夜で仕事がありますので」
神様「・・・・・・」
神使「あのー」
巫女「では! 明日社務所でお待ちしております!」タッ タッ タッ
神使「神様、どういたしましょう」
神様「・・・・・・」
620 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/19(木) 13:24:30 ID:VzU8wNB.
乙っ
621 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:29:38 ID:cuq9viJA
ーー 貴賓殿
宮司B「まったく、階位も低いくせに内宮神籍ってだけで調子に乗りやがって」
宮司C「B宮司? 一応はあれでも神なのですから」
宮司B「どの口が、作戦の立案者のくせに」
宮司C「でも、あんなお子ちゃま神様を排除するくらいで神法改正の修正案が通るんですか?」
宮司A「十年前の神法改正で最後まで首を縦に振らなかったのがアイツなんだよ」
宮司B「あれでも審査神だから必ず神に関する法規関係はヤツの同意が必要なんだ」
宮司C「ここであのお子ちゃまが盛大な失敗を起こして神宮から職を剥奪できれば・・・」
宮司A「その隙に修正案を可決させることが容易になる」
宮司B「そういえば、お子ちゃまと神使はどうした?」
宮司A「隅っこの放置社殿で寝てるんじゃないか?」
宮司C「罰当たりな宮司だこと」
622 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:30:36 ID:cuq9viJA
ーー 貴賓殿・裏手
巫女「・・・・・・」
神様「そう言うことか」フムフム
巫女「!?」
神様「おっと、声を上げずに」シー
巫女「神様・・・」ボソッ
神様「こっち来て」
623 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:31:46 ID:cuq9viJA
スタスタ
神様「アイツらが貴賓殿から出て私に寝床譲れよ。 全く・・・」
巫女「あの・・・ 申し訳ございません神様」ドゲザ
神様「ちょ、頭上げてよ。 巫女ちゃんがそんなことをする必要ないよ?」
巫女「・・・・・・でも」
神様「しかし、あんな絵に描いたような悪代官キャラ本当にいるんだ」
巫女「神様のことをあんな言い方するなんて・・・」
神様「いやいや、私は結構嬉しかったりするよ?」
巫女「え?」
624 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:32:54 ID:cuq9viJA
神様「だって、アイツらの中で神の位置が奉ってヘコヘコするような存在ではないって事だからさ」
巫女「そんな恐れ多いこと」
神様「人と分け隔てなく扱ってくれることは、私にとっては結構本望だったりな事なんだよね〜」
巫女「・・・・・・」
神様「でも、ちょ〜と悪意を向けるのは個人的にカチンとくるけど」
巫女「・・・・・・」
神様「少し歩こうか」
巫女「・・・はい」
625 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/20(金) 00:34:15 ID:cuq9viJA
テクテク
神様「ん? あれがアイツらがいっていた放置社殿ってやつ?」
巫女「あっ、はい・・・」
神様「昔さぁ、あそこには可愛らしい女神がいたんだよ。 すごく良いやつだったなぁ〜」
巫女「神様、お願いですから神宮にご報告を」
神様「面倒くさ〜い」
巫女「でも、神様にこんな酷い対応をするなんて・・・」
神様「大丈夫だって、こんなの馴れてるから」
巫女「神様・・・」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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