神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part20
519 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:08:49 ID:oDizP/ys
ーーー 夜
神使「神様?」
神様「なに?」ペロペロ
神使「・・・そのアイスどうしたんですか?」
神様「あ〜 冷たくておいちい〜」
神使「勝手に冷蔵庫を漁っちゃダメじゃないですか」
神様「さっきA子ちゃんが買ってきてくれたんです〜」ベー
神使「そうですか」
神様「お前の分もあるぞ “アイスな実”、メロン味だけ私にくれ」
神使「はぁ」
520 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:09:40 ID:oDizP/ys
神様「で、何か用か?」
神使「過去1週間分ですが私達が来る前のお願い事リストを調べてみました」
神様「あ〜 どうだった?」ペロペロ
神使「実は、リストには朝に来る男性と思われる記載が見当たらなく・・・」
神様「ふ〜ん・・・ やっぱりか」ペロペロ
神使「?」
521 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:11:15 ID:oDizP/ys
ガチャ
A子「あっ、神ちゃんここにいた。 お風呂沸いたから先入っちゃってよ」
神様「A子ちゃん先に入って良いよ。 私もうちょっとダラダラしたい」
A子「んじゃ、先もらうね〜」
A子「あっ、神使さん」
神使「はい」
A子「冷蔵庫に“アイスな実”あるから。 巨峰味だけ私にちょうだいね〜」
スタスタ
神使「・・・・・・」
522 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:12:24 ID:oDizP/ys
神様「おい、犬ころ」
神使「これ以上“アイスな実”を取られたら私の分無くなってしまうのですが・・・」
神様「違うわ。 お前、今日寝るのか?」
神使「すいません、仰っている意味がよく分からないのですが・・・」
神様「お前、今日徹夜したいだろ」
神使「いいえ、寝たいです」
神様「徹夜したいだろ?」ニコッ
神使「・・・はい」
523 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:13:54 ID:oDizP/ys
神様「拝殿に身を潜めて気配を殺して見張ってろ」
神使「拝殿にですか?」
神様「このお守りを持ってジッとしてろ」スッ
神使「・・・すごく嫌なのですが」
神様「このお守りを持っていれば大丈夫だ。 たぶん」
神使「大丈夫と言い切って頂けないでしょうか?」
神様「うん、大丈夫。 これでいいか?」
神使「・・・・・・ 何かあるんですか?」
神様「分かんない」
神使「・・・・・・」
神様「何かあったら私の携帯に電話してくれ。 絶対に外に出るなよ?」
神使「はぁ・・・」
524 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:15:01 ID:oDizP/ys
ーーー 夜中
神使「はぁ〜 三時ですか・・・ 神様は一体何を考えているのでしょう・・・」
ガサッ ガサッ
神使「(? こんな時間に参拝者・・・)」
参拝者「・・・・・・」キョロキョロ
神使「(本殿を覗いて何しているのでしょうか・・・)」
参拝者「・・・・・・」ガサゴソ
神使「(まさか・・・ 賽銭泥棒!? 神様に電話を!)」ピッピッ
525 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:16:13 ID:oDizP/ys
prrr prrr
神様『ん゛・・・』
神使「あっ、神様ですか? 賽銭泥ーーー」
神様『何時だと思ってんだよ』ガチャ
p- p- p-
神使「・・・・・・」
526 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:17:44 ID:oDizP/ys
ーーー翌日・早朝
サァー サァー
神様「んぁ・・・ A子ちゃん・・・」ポー
神様「もう五時か・・・ フワ〜ァ」ムニャムニャ
神様「ん? 犬ころがいないな」キョロキョロ
神様「こんな朝早くから散歩か?」
527 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:18:51 ID:oDizP/ys
スタスタ
神様「A子ちゃんおはよ〜」
A子「おはよ〜」
神様「犬ころ見なかった?」
A子「神使さん? 見てないよ」
神様「あの腐れ犬ころ勝手にどこ行ったんだ?」
神使「ここに居ますが・・・」
A子「?」
神様「お前、拝殿の中で何やってんだよ」
神使「・・・・・・」
528 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:20:27 ID:oDizP/ys
ーーー 朝食
神様「だからゴメンって言ってんじゃんよ。 な? 私のタコさんウインナーあげるから」ホレ
神使「今日は神様も一緒に起きていて下さいよ?」
神様「わーったよ」
A子「でも本当に賽銭泥棒なの?」
神使「暗くてよく見えなかったのですが本殿の周りをウロウロしていましたね」
神様「でも賽銭は無くなってなかったんだろ?」
A子「開けられた形跡も無かったね」
神使「しかし参拝にしては不自然だったのですが・・・ 私が吠えたら居なくなってしまいまして」
A子「下見とか?」
神様「どうかな〜」
529 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:23:02 ID:oDizP/ys
ーーー 夜・社務所
神様「さてと、んじゃ今日は三人で見張りって事で」
神使「順番で交代制にしますか?」
神様「いや、全員で朝まで見張る」
A子「どこで見張るの?」
神様「私は万が一の時に神力が使えるよう本殿にいる。 A子ちゃんは社務所で待機」
A子「ほい」
神使「私はいかがすればよろしいでしょうか」
神様「昨日と同じく拝殿にいろ。 もし不審者が来たら本殿に誘導してくれ」
神使「大丈夫ですか?」
神様「代理とはいえ一応はこの社の神だぞ? ご神体経由だけど神力が使える私は無敵なのだよ」フフン
神使「はぁ、でも無茶はしないで下さいね」
神様「へいへい。 じゃぁ、昨日は三時頃に来たようだしその時間は要注意で」
530 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:24:08 ID:oDizP/ys
ーーー 深夜
コソコソ
神使「(来ましたね)」
バンッ
参拝者「!?」
神使「こんな時間に当社にご用でしょうか?」
参拝者「あ・・・ いえ本殿をちょっと見たくて・・・」
神使「そうでしたか。 ではどうぞ本殿にお入り下さい」
参拝者「え? いいのですか?」
神使「今お開けいたします」
531 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:26:14 ID:oDizP/ys
ギィッ
神使「さぁ、お入り下さい」
参拝者「・・・・・・」
ギィッ バタンッ
参拝者「!?」
神様「ふふふ、盗人め! 我が社に忍び込むとは良い度胸! だが相手が悪かったよう・・・ ん?」
参拝者「神様・・・」
神様「・・・・・・」
532 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:28:36 ID:oDizP/ys
神使「? 神様どうされました?」
神様「犬ころ! そいつは敵だ! ガブッっと噛みつけっ!!」
神使「え?」
参拝者「そんな敵だなんて・・・」
神様「てめぇは何でこんな所に来てんだよ!」
参拝者「いえ・・・ その・・・」
神使「もしかして神様お知り合いですか?」
神様「しらねー」
参拝者「そんな殺生な・・・」
神使「あの、失礼ですが・・・」
参拝者「あっ、私は神様の夫です」
神使「・・・・・・」
533 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/08(日) 02:30:11 ID:EzJ0Y7Z.
急展開!
スープ作ったのに自分は飲まないってどうなんだろう
534 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/08(日) 10:56:47 ID:2CPkb9yA
夫…だと…?
535 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:47:06 ID:zUO5Zbd6
神使「え? 神様の旦那様!?」
参拝者「はい」
神様「結婚なんかしてないだろ! 嘘つくんじゃねーよ!」
参拝者「許婚ですから結婚しているも同じです」
神様「お前が勝手に言っているだけだろうが!」
神使「あの・・・ どう言う事でしょうか?」
536 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:48:19 ID:zUO5Zbd6
ーーー 社務所
A子「お茶です」コトッ
参拝者「ありがとうございます」
神様「こんなやつにお茶なんか出す必要ないぞ」
A子「いや〜 神ちゃんに旦那さんがいたなんてびっくりしたよ」
神様「A子ちゃん? 私は結婚してないから、ね?」
神使「失礼ですがお名前は・・・」
参拝者「申し遅れました。 私、神様の夫である昭和神宮の主神で昭宮神と申します」
神様「さりげなく夫とか付けてんじゃねーよ」
537 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:50:40 ID:zUO5Zbd6
神使「昭和神宮の主神様ですか!?」
A子「昭和神宮?」
神使「東京で最高位のお社です。 まさか昭宮神様が神様の旦那様だったなんて・・・」
神様「神使君? 私は結婚してないから、ね?」
A子「神ちゃんの旦那さんて凄い神様だったんだね〜」
昭宮神「いえ、私など神様の足下にも及びません」
神様「あーもうっ! 結婚してないって言ってんじゃん! 私の旦那さんはエガちゃんって決まってんの!!」
神使「神様? 昭宮神様は大変素晴らしい神と伺っております」
神様「だからなんだよ」
神使「これほど素晴らしいお話など、今後神様には縁遠いかと思ーーー」
神様「・・・・・・」ゲシッ ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛い! 痛いです神様、ちょ・・・ 本気で痛いです」
538 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:52:14 ID:zUO5Zbd6
A子「昭宮神さんって、すごく格好いいですね〜」
昭宮神「ありがとう、お世辞でも嬉しいですね。 神様、是非皆さんを紹介して下さい」
神様「あ〜 この子は神宮の巫女でA子ちゃん。 私の大親友であり神宮では常に私と一緒にコンビを組んでる」
昭宮神「神様のご親友で側近の巫女さんですか! 今後ともよろしくお願いいたします」
A子「神ちゃんと私は見えない深いところで繋がっている最強コンビなんです!」
昭宮神「素晴らしい! なんて頼もしい関係なのでしょう」
神様「んで、こっちは犬」
神使「・・・・・・神様の使いを務めております狛犬の神使と申します」
539 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:53:27 ID:zUO5Zbd6
昭宮神「ほぉ、もしかして最高位の神使さんですか? 今月の月刊神様にインタビューが載っていましたね」
神様「え? おまえ取材なんか受けたの?」
神使「はい、ダメ神との付き合い方というコーナーで」
神様「なにそれ! 超気になるんだけど!」
昭宮神「大変興味深い記事でした。 こうして神様とお目にかかれたのも神使さんの記事のおかげです」
神様「あ?」
昭宮神「今週からこちらの神社で神様が代理神を勤められると紹介がございましたので」
神様「・・・・・・」
神使「・・・・・・」
神様「犬ころ、お前明日からドッグフードな」
540 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:54:40 ID:zUO5Zbd6
A子「神ちゃんは何で結婚しないの?」
神様「私はエガちゃんと・・・」
A子「茶化さないの」
神様「・・・いやさぁ、私は人じゃないし結婚とかそういう概念が無いからさぁ」
A子「神様って結婚できないの?」
神様「そんな決まりは無いけど・・・ 人と恋に落ちて神の職を捨てるヤツもいるし」
A子「じゃぁ良いじゃん」
神様「ちょっと待って? なんで私を結婚させようとしてんの?」
昭宮神「私が神様と結婚したいからです」
神様「てめぇは黙ってろや」
541 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:55:42 ID:zUO5Zbd6
神使「許婚と仰ってましたが」
神様「あ〜 昔こいつに私の名前を教えたんだよ」
A子「うん」
神様「それだけ」
A子「はい?」
神様「いや、昔はさぁ女が男に名前を教えるって結婚前提の行為だったんだよ」
神使「それっていつの時代ですか?」
神様「すんげー昔」
昭宮神「奈良時代です」
神使・A子「・・・・・・(古すぎる)」
542 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:56:56 ID:zUO5Zbd6
神使「と言うことは、昭宮神様は奈良時代から神様のことを・・・」
昭宮神「はい、お慕い申し上げております」
神様「・・・・・・」
A子「神ちゃん、これは腹くくるしかないよ」
神様「い・や・だ!」
A子「こんなに長く想ってくれる人なんていないよ?」
神様「人じゃないから、こいつ神だから」
A子「も〜 そんな減らず口叩いて〜 人も神も恋愛は同じです!」
神様「ぅぐ」
543 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:58:43 ID:zUO5Zbd6
A子「でも神様同士の結婚って結婚届とかあるの?」
神様「さぁ? そんなの聞いたことないけど」
A子「じゃぁ、結婚してるも同じじゃん」
神様「違うから。 同じじゃないよ?」
A子「でも昔、神ちゃんは昭宮神さんに名前を教えたんでしょ?」
神様「そうね・・・」
A子「事実婚じゃん」
昭宮神「話が分かる巫女さんです。 その通りなのです」
神様「お前は黙ってろや!!!!」
A子「う〜ん、神ちゃんの負け!」
神様「いやいや、勝負じゃないから。 私は同意してないから、ね?」
A子「も〜 諦めた方が良いよ?」
神様「嫌だ!」ブーブー
544 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:00:45 ID:zUO5Zbd6
神使「でもなんでこんな時間にこちらへ・・・」
昭宮神「この時間しか私の自由にならないもので」
神使「お忙しいのですね」
昭宮神「神様からお預かりした職務ですので苦ではございません」
神様「・・・・・・」
神使「しかし、こんな遅くでは神様もご就寝されているので会えない可能性が高いと思うのですが」
昭和神「一目だけでもお姿を拝見したく、本殿でご就寝されているものと思っておりましたので・・・」
神使「確かに神は普通本殿から出ませんからね」
神様「あんな何も無いところで寝られないっつーの」
545 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:01:29 ID:zUO5Zbd6
昭宮神「相変わらず寂しがり屋なところは変わらないんですね」
神様「てめぇ! それ以上戯れ言を抜かすと蹴り飛ばすぞ!」
昭宮神「ははっ、失礼しました」
A子「もう、神ちゃんたら照れ屋さんなんだから」
神様「照れてないよ? 全然照れてないよ? むしろ怒ってるからね?」
昭宮神「・・・どうやら、今は私の出る幕はなさそうですね」ニコッ
神使「?」
ーーー 夜
神使「神様?」
神様「なに?」ペロペロ
神使「・・・そのアイスどうしたんですか?」
神様「あ〜 冷たくておいちい〜」
神使「勝手に冷蔵庫を漁っちゃダメじゃないですか」
神様「さっきA子ちゃんが買ってきてくれたんです〜」ベー
神使「そうですか」
神様「お前の分もあるぞ “アイスな実”、メロン味だけ私にくれ」
神使「はぁ」
520 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:09:40 ID:oDizP/ys
神様「で、何か用か?」
神使「過去1週間分ですが私達が来る前のお願い事リストを調べてみました」
神様「あ〜 どうだった?」ペロペロ
神使「実は、リストには朝に来る男性と思われる記載が見当たらなく・・・」
神様「ふ〜ん・・・ やっぱりか」ペロペロ
神使「?」
521 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:11:15 ID:oDizP/ys
ガチャ
A子「あっ、神ちゃんここにいた。 お風呂沸いたから先入っちゃってよ」
神様「A子ちゃん先に入って良いよ。 私もうちょっとダラダラしたい」
A子「んじゃ、先もらうね〜」
A子「あっ、神使さん」
神使「はい」
A子「冷蔵庫に“アイスな実”あるから。 巨峰味だけ私にちょうだいね〜」
スタスタ
神使「・・・・・・」
522 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:12:24 ID:oDizP/ys
神様「おい、犬ころ」
神使「これ以上“アイスな実”を取られたら私の分無くなってしまうのですが・・・」
神様「違うわ。 お前、今日寝るのか?」
神使「すいません、仰っている意味がよく分からないのですが・・・」
神様「お前、今日徹夜したいだろ」
神使「いいえ、寝たいです」
神様「徹夜したいだろ?」ニコッ
神使「・・・はい」
523 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:13:54 ID:oDizP/ys
神様「拝殿に身を潜めて気配を殺して見張ってろ」
神使「拝殿にですか?」
神様「このお守りを持ってジッとしてろ」スッ
神使「・・・すごく嫌なのですが」
神様「このお守りを持っていれば大丈夫だ。 たぶん」
神使「大丈夫と言い切って頂けないでしょうか?」
神様「うん、大丈夫。 これでいいか?」
神使「・・・・・・ 何かあるんですか?」
神様「分かんない」
神使「・・・・・・」
神様「何かあったら私の携帯に電話してくれ。 絶対に外に出るなよ?」
神使「はぁ・・・」
ーーー 夜中
神使「はぁ〜 三時ですか・・・ 神様は一体何を考えているのでしょう・・・」
ガサッ ガサッ
神使「(? こんな時間に参拝者・・・)」
参拝者「・・・・・・」キョロキョロ
神使「(本殿を覗いて何しているのでしょうか・・・)」
参拝者「・・・・・・」ガサゴソ
神使「(まさか・・・ 賽銭泥棒!? 神様に電話を!)」ピッピッ
525 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:16:13 ID:oDizP/ys
prrr prrr
神様『ん゛・・・』
神使「あっ、神様ですか? 賽銭泥ーーー」
神様『何時だと思ってんだよ』ガチャ
p- p- p-
神使「・・・・・・」
526 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:17:44 ID:oDizP/ys
ーーー翌日・早朝
サァー サァー
神様「んぁ・・・ A子ちゃん・・・」ポー
神様「もう五時か・・・ フワ〜ァ」ムニャムニャ
神様「ん? 犬ころがいないな」キョロキョロ
神様「こんな朝早くから散歩か?」
527 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:18:51 ID:oDizP/ys
スタスタ
神様「A子ちゃんおはよ〜」
A子「おはよ〜」
神様「犬ころ見なかった?」
A子「神使さん? 見てないよ」
神様「あの腐れ犬ころ勝手にどこ行ったんだ?」
神使「ここに居ますが・・・」
A子「?」
神様「お前、拝殿の中で何やってんだよ」
神使「・・・・・・」
528 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:20:27 ID:oDizP/ys
ーーー 朝食
神様「だからゴメンって言ってんじゃんよ。 な? 私のタコさんウインナーあげるから」ホレ
神使「今日は神様も一緒に起きていて下さいよ?」
神様「わーったよ」
A子「でも本当に賽銭泥棒なの?」
神使「暗くてよく見えなかったのですが本殿の周りをウロウロしていましたね」
神様「でも賽銭は無くなってなかったんだろ?」
A子「開けられた形跡も無かったね」
神使「しかし参拝にしては不自然だったのですが・・・ 私が吠えたら居なくなってしまいまして」
A子「下見とか?」
神様「どうかな〜」
529 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:23:02 ID:oDizP/ys
ーーー 夜・社務所
神様「さてと、んじゃ今日は三人で見張りって事で」
神使「順番で交代制にしますか?」
神様「いや、全員で朝まで見張る」
A子「どこで見張るの?」
神様「私は万が一の時に神力が使えるよう本殿にいる。 A子ちゃんは社務所で待機」
A子「ほい」
神使「私はいかがすればよろしいでしょうか」
神様「昨日と同じく拝殿にいろ。 もし不審者が来たら本殿に誘導してくれ」
神使「大丈夫ですか?」
神様「代理とはいえ一応はこの社の神だぞ? ご神体経由だけど神力が使える私は無敵なのだよ」フフン
神使「はぁ、でも無茶はしないで下さいね」
神様「へいへい。 じゃぁ、昨日は三時頃に来たようだしその時間は要注意で」
530 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:24:08 ID:oDizP/ys
ーーー 深夜
コソコソ
神使「(来ましたね)」
バンッ
参拝者「!?」
神使「こんな時間に当社にご用でしょうか?」
参拝者「あ・・・ いえ本殿をちょっと見たくて・・・」
神使「そうでしたか。 ではどうぞ本殿にお入り下さい」
参拝者「え? いいのですか?」
神使「今お開けいたします」
531 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:26:14 ID:oDizP/ys
ギィッ
神使「さぁ、お入り下さい」
参拝者「・・・・・・」
ギィッ バタンッ
参拝者「!?」
神様「ふふふ、盗人め! 我が社に忍び込むとは良い度胸! だが相手が悪かったよう・・・ ん?」
参拝者「神様・・・」
神様「・・・・・・」
532 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/08(日) 00:28:36 ID:oDizP/ys
神使「? 神様どうされました?」
神様「犬ころ! そいつは敵だ! ガブッっと噛みつけっ!!」
神使「え?」
参拝者「そんな敵だなんて・・・」
神様「てめぇは何でこんな所に来てんだよ!」
参拝者「いえ・・・ その・・・」
神使「もしかして神様お知り合いですか?」
神様「しらねー」
参拝者「そんな殺生な・・・」
神使「あの、失礼ですが・・・」
参拝者「あっ、私は神様の夫です」
神使「・・・・・・」
533 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/08(日) 02:30:11 ID:EzJ0Y7Z.
急展開!
スープ作ったのに自分は飲まないってどうなんだろう
534 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/08(日) 10:56:47 ID:2CPkb9yA
夫…だと…?
535 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:47:06 ID:zUO5Zbd6
神使「え? 神様の旦那様!?」
参拝者「はい」
神様「結婚なんかしてないだろ! 嘘つくんじゃねーよ!」
参拝者「許婚ですから結婚しているも同じです」
神様「お前が勝手に言っているだけだろうが!」
神使「あの・・・ どう言う事でしょうか?」
536 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:48:19 ID:zUO5Zbd6
ーーー 社務所
A子「お茶です」コトッ
参拝者「ありがとうございます」
神様「こんなやつにお茶なんか出す必要ないぞ」
A子「いや〜 神ちゃんに旦那さんがいたなんてびっくりしたよ」
神様「A子ちゃん? 私は結婚してないから、ね?」
神使「失礼ですがお名前は・・・」
参拝者「申し遅れました。 私、神様の夫である昭和神宮の主神で昭宮神と申します」
神様「さりげなく夫とか付けてんじゃねーよ」
537 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:50:40 ID:zUO5Zbd6
神使「昭和神宮の主神様ですか!?」
A子「昭和神宮?」
神使「東京で最高位のお社です。 まさか昭宮神様が神様の旦那様だったなんて・・・」
神様「神使君? 私は結婚してないから、ね?」
A子「神ちゃんの旦那さんて凄い神様だったんだね〜」
昭宮神「いえ、私など神様の足下にも及びません」
神様「あーもうっ! 結婚してないって言ってんじゃん! 私の旦那さんはエガちゃんって決まってんの!!」
神使「神様? 昭宮神様は大変素晴らしい神と伺っております」
神様「だからなんだよ」
神使「これほど素晴らしいお話など、今後神様には縁遠いかと思ーーー」
神様「・・・・・・」ゲシッ ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛い! 痛いです神様、ちょ・・・ 本気で痛いです」
538 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:52:14 ID:zUO5Zbd6
A子「昭宮神さんって、すごく格好いいですね〜」
昭宮神「ありがとう、お世辞でも嬉しいですね。 神様、是非皆さんを紹介して下さい」
神様「あ〜 この子は神宮の巫女でA子ちゃん。 私の大親友であり神宮では常に私と一緒にコンビを組んでる」
昭宮神「神様のご親友で側近の巫女さんですか! 今後ともよろしくお願いいたします」
A子「神ちゃんと私は見えない深いところで繋がっている最強コンビなんです!」
昭宮神「素晴らしい! なんて頼もしい関係なのでしょう」
神様「んで、こっちは犬」
神使「・・・・・・神様の使いを務めております狛犬の神使と申します」
昭宮神「ほぉ、もしかして最高位の神使さんですか? 今月の月刊神様にインタビューが載っていましたね」
神様「え? おまえ取材なんか受けたの?」
神使「はい、ダメ神との付き合い方というコーナーで」
神様「なにそれ! 超気になるんだけど!」
昭宮神「大変興味深い記事でした。 こうして神様とお目にかかれたのも神使さんの記事のおかげです」
神様「あ?」
昭宮神「今週からこちらの神社で神様が代理神を勤められると紹介がございましたので」
神様「・・・・・・」
神使「・・・・・・」
神様「犬ころ、お前明日からドッグフードな」
540 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:54:40 ID:zUO5Zbd6
A子「神ちゃんは何で結婚しないの?」
神様「私はエガちゃんと・・・」
A子「茶化さないの」
神様「・・・いやさぁ、私は人じゃないし結婚とかそういう概念が無いからさぁ」
A子「神様って結婚できないの?」
神様「そんな決まりは無いけど・・・ 人と恋に落ちて神の職を捨てるヤツもいるし」
A子「じゃぁ良いじゃん」
神様「ちょっと待って? なんで私を結婚させようとしてんの?」
昭宮神「私が神様と結婚したいからです」
神様「てめぇは黙ってろや」
541 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:55:42 ID:zUO5Zbd6
神使「許婚と仰ってましたが」
神様「あ〜 昔こいつに私の名前を教えたんだよ」
A子「うん」
神様「それだけ」
A子「はい?」
神様「いや、昔はさぁ女が男に名前を教えるって結婚前提の行為だったんだよ」
神使「それっていつの時代ですか?」
神様「すんげー昔」
昭宮神「奈良時代です」
神使・A子「・・・・・・(古すぎる)」
542 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:56:56 ID:zUO5Zbd6
神使「と言うことは、昭宮神様は奈良時代から神様のことを・・・」
昭宮神「はい、お慕い申し上げております」
神様「・・・・・・」
A子「神ちゃん、これは腹くくるしかないよ」
神様「い・や・だ!」
A子「こんなに長く想ってくれる人なんていないよ?」
神様「人じゃないから、こいつ神だから」
A子「も〜 そんな減らず口叩いて〜 人も神も恋愛は同じです!」
神様「ぅぐ」
543 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 00:58:43 ID:zUO5Zbd6
A子「でも神様同士の結婚って結婚届とかあるの?」
神様「さぁ? そんなの聞いたことないけど」
A子「じゃぁ、結婚してるも同じじゃん」
神様「違うから。 同じじゃないよ?」
A子「でも昔、神ちゃんは昭宮神さんに名前を教えたんでしょ?」
神様「そうね・・・」
A子「事実婚じゃん」
昭宮神「話が分かる巫女さんです。 その通りなのです」
神様「お前は黙ってろや!!!!」
A子「う〜ん、神ちゃんの負け!」
神様「いやいや、勝負じゃないから。 私は同意してないから、ね?」
A子「も〜 諦めた方が良いよ?」
神様「嫌だ!」ブーブー
544 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:00:45 ID:zUO5Zbd6
神使「でもなんでこんな時間にこちらへ・・・」
昭宮神「この時間しか私の自由にならないもので」
神使「お忙しいのですね」
昭宮神「神様からお預かりした職務ですので苦ではございません」
神様「・・・・・・」
神使「しかし、こんな遅くでは神様もご就寝されているので会えない可能性が高いと思うのですが」
昭和神「一目だけでもお姿を拝見したく、本殿でご就寝されているものと思っておりましたので・・・」
神使「確かに神は普通本殿から出ませんからね」
神様「あんな何も無いところで寝られないっつーの」
545 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/09(月) 01:01:29 ID:zUO5Zbd6
昭宮神「相変わらず寂しがり屋なところは変わらないんですね」
神様「てめぇ! それ以上戯れ言を抜かすと蹴り飛ばすぞ!」
昭宮神「ははっ、失礼しました」
A子「もう、神ちゃんたら照れ屋さんなんだから」
神様「照れてないよ? 全然照れてないよ? むしろ怒ってるからね?」
昭宮神「・・・どうやら、今は私の出る幕はなさそうですね」ニコッ
神使「?」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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