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勇者「淫魔の国は白く染まった」

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Part8
433 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/01/26(月) 05:31:54.75 ID:/dz9FJgZo
数日彷徨ったはてに、森の奥に小さな遺構を見つけた。
ひび割れた花崗岩の玉座と、それを中心に据えた、奇妙に拓かれた空間。
神殿の名残りにも見えて苔生しているのにどこか新しく、その一帯だけ、木々の侵食がない。
森の中の玉座が、疲れ果てたイン娘を出迎えるように、座面を向けていた。
暗い森を駆けた足裏は裂けて血を流し、村人に切られた胸は瘡蓋になっていた。
髪は汗と土で粘りつき、あの夜を最後に眠る事すらできなかった目は霞んでいた。
導かれるように、「そこ」へと向かう。
ただ束の間でいいから憩いたい、その一念だけが足を動かしていた。
あの夜、刃は振り下ろされた。
ーーーーどうして変わってしまったのだろう。
ーーーーどうして、変われなかったのだろう。
ふたつの問いが、イン娘の胸の中で交錯する。
どちらの問いの答えも、はっきりと分かっているのに避けるように何度も自問する。
ーーーーみんなが人間だったから。
ーーーー自分は魔族だったから。
渇き切った目からは、もう涙さえ流れない。
やがて、その玉座に座った時……奇妙な浮遊感に弄ばれるように、眠くなった。
それからーーーーーー「今」。

434 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/01/26(月) 05:32:20.61 ID:/dz9FJgZo
ーーーーーー
話を終えたイン娘は、沈んでいた。
思い出したくなかった事を一息に話して、虚ろな眼差しを足元へと下ろしている。
イン娘「…………ボクが淫魔じゃなかったら、一緒に変われたのかなぁ」
答えが分かっているからこそ、黙るしかない問いかけだった。
そして恐らく、イン娘も。
だがーーーー答えた。
勇者「……ああ、そうだ」
イン娘「えっ……?」
勇者「だけどさ。それは罪じゃない。『違い』は……罪じゃないんだ」
念を押すように、誰にともなく言い聞かせる調子で、さらに告げる。
勇者「……話してくれてありがとう。夜にもう一度話をしに来ていいか?」
イン娘「あ、はい……。いつでも」
それからーーーー解すように、暖めるように他愛もない話を少しだけ交えてから、部屋を出た。

435 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/01/26(月) 05:38:49.53 ID:/dz9FJgZo
以上です
こんな調子で本当に終わるのかちくしょう
ではまた

436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/26(月) 05:49:48.19 ID:PgX1fTeWo
乙乙
ゆっくりでも完結してくれればいいのよ

437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/26(月) 10:29:24.07 ID:xJPqJfX+0
おつ
焦らず書けばいいんだ


438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/26(月) 17:17:51.07 ID:37FV3cuc0

ゆっくりでもいいのさ
終わってしまったらまた楽しみが減ってしまう

451 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:32:01.89 ID:TOj/eSqXo
>>434から
ーーーーーー
サキュバスA「……それで、貴方がわざわざ来たってワケね?」
隣女王が使っていた部屋の中、代えたシーツを畳んでいるところへ、不意の来訪者がやってきていた。
耳ざわりな程響く足音は、異形の脚甲から発せられ、閉じた扉の向こう、廊下の時点から聞こえていた。
サキュバスC「そうなるわな。……何オマエ、真面目に働いてんだよ?」
サキュバスA「あら、意外?」
サキュバスC「正直疑ってたわ」
サキュバスA「相変わらずよねぇ。それより、その酒瓶は何なの?」
深い紫の目は、久方ぶりの旧友が利き手にぶら下げた小振りのワインボトルへ向いた。
幾分高級なはずのそれは、コルク栓が乱暴にむしり取られ、酒場の酔漢が携えるような姿になってしまった。
サキュバスC「あン? 地下のカーヴで拾った。いいじゃん一本ぐれー」
サキュバスA「それは『盗んだ』というのよ?」
サキュバスC「……うっせェな、マジメかよ」
サキュバスA「ええ、相対的にね。一口ちょうだいな」

452 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:33:26.70 ID:TOj/eSqXo
受け取った瓶に口をつけ、きっかり一口分だけ口に含み、飲み込む。
舌に感じたのは思い描いていたほどの酸味、渋みではなくーーーー際立った甘さと芳醇な香り。
凍結した葡萄から作りだした、糖度の高いデザートワインのようだった。
サキュバスA「……アイスワイン? ずいぶんと甘くて可愛らしいのを失敬したのね。もう少し冷やした方が飲みごろよ」
サキュバスC「だから、拾ったっつってんだろ」
サキュバスA「ふーん?」
訳知り顔を綻ばせてわざとらしくにやついていると、サキュバスCが手荒く取り返して一口含む。
そうしている間にも部屋の片づけは一区切りして、手近な壁に背を預けて息を吐く。
サキュバスA「まったく、ここ数日は珍しい顔ばかり見ますわね。人食い淫魔の女王様に、
         絶滅種の坊や、あげくにガサツで短気で凶暴な猛獣」
サキュバスC「誰がだコラァ!」
サキュバスA「ほらほら怒った」
サキュバスC「ッ……だいたい、昔はてめぇの方が喧嘩っ早かったろうがよ」
サキュバスA「昔は昔よぅ。まぁ、楽にしなさいな。床にこぼさないでね?」
どこ吹く風、というふうに受け流して、暖炉近くの椅子を指し示す。
しばし牙を剥くように睨みつけていたサキュバスCも、やがて観念したように渋々と座った。
スカートが捲れるのも気にせずに、ふてくされたように左ひざを立てて腰を乗せるように浅く座ると、やがて続きは彼女から切り出してきた。

453 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:33:59.87 ID:TOj/eSqXo
サキュバスC「……んで、どうなんだよ、最近はよ」
サキュバスA「そうねぇ。実はちょっと物足りないかしらね」
サキュバスC「何が?」
サキュバスA「何がって……もう、おませさんなんだから」
サキュバスC「黙れ」
サキュバスA「怒る事ないじゃないの、冗談よ。でも、そうね。なかなか面白いわよ?」
サキュバスC「その中身を話せっつってんだよ、アタシは」
よく見れば、彼女は真鍮の右脚を椅子に触れさせないように座り方を調整している。
脚甲の重量によっては椅子が耐えられないと感じたか、それとも椅子を傷つけまいとの無意識によるものだろうか。
彼女の身体は、最後に会った時から、相も変わらず難儀なものだった。
サキュバスA「……何百年ぶりに会ったかしらね? 貴女のほうこそ興味があるわよ」
サキュバスC「訊いてんのはアタシだ。……でも、そうだな」
若干の間をおいて、彼女は右脚に目を落とし、こん、と酒瓶の底で小突き、音を響かせた。
サキュバスC「……もう、痛くねェかな」

454 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:34:58.21 ID:TOj/eSqXo
サキュバスA「それは……何よりね。貴女、ずいぶんと悩まされてたみたいだし。いつから?」
彼女は、千年前に脚を失ってから幻肢痛を患っていた。
無い部位の痛みには打てる手もなく、酒に逃げ込むしかない、苦痛の晩を過ごしたことも少なくなかったという。
サキュバスC「夏だよ。『王さま』と……会って、から」
サキュバスA「ふうーん……」
作られた間に、つい意地悪な笑みがこぼれて、それを押し留める。
からかえば面白い反応が返ってはくるのだろうが、そこを掘り下げるような意地の悪さはない。
サキュバスA「聞いたわよ。植えたリンゴの木……実ったそうじゃない?」
サキュバスC「ん、ああ。……どっから聞いたよ?」
サキュバスA「貴女がお城にくれたじゃない。それに、市場にも卸したって?」
サキュバスC「金は取ってねェけどな。雪が解けたらまたあっちに戻るさ」
彼女は、長い事淫魔国のはずれにある農園に暮らしていた。
何を植えても育つ肥沃な土地で、数百年前に植えたリンゴの木を見守って。
そして今、その木は実を結びーーーー淫魔の国に、流通しはじめた。
サキュバスC「まァ、遊びに来いや。酒と肉を持ってきなよ」
サキュバスA「似合わない事ばっかするわよね、貴女って」

455 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:35:38.26 ID:TOj/eSqXo
サキュバスC「そりゃてめぇだよ。あん時は荒れてたろうが」
話の合間に傾けていたワインボトルは底をつき、行儀悪く突き出した舌に最後の一滴を垂らすと、瓶でこちらを指した。
サキュバスC「『魔王』の四天王をサシで殺した狂犬が、大人しくなりやがって」
サキュバスA「…………あら、ちゃんと苦戦したわよ?」
サキュバスC「……『苦戦』で済んでんのがおかしーだろが。相変わらず食えねェな」
サキュバスA「それでも、一体で手一杯だったわね。……さておき、その時の『生き残り』のお話でもいかがかしら?」
思い出話に蓋を閉めて、「今」起きている事の話を始める。
恐らくはその思い出から繋がっている、「現在」の問題に。
サキュバスC「今、『王さま』が話を質しに言ってるよ。昨晩はお前も寝てやがったのか?」
サキュバスA「いえ。城下町へ飲みに行ってたわ。事を知ったのは今朝戻って来てからよ」
サキュバスC「あぁぁ!?」
昨晩ーーーー彼女は、城にいなかった。
消灯時間を過ぎてから酒場へ出かけ、朝方に帰るまでは何も知らなかった。
サキュバスC「おまっ……! こんな時にかよ!?」
サキュバスA「……流石に反省してるわよ。それより貴女こそどうなの」
サキュバスC「あ?」

456 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:36:10.01 ID:TOj/eSqXo
今度は、隠さない。
間違いなくからかいに満ちた微笑を湛えて、サキュバスCへ悪戯めいた質問を投げかける。
サキュバスA「窓を割ってまで飛び込んでくるなんて。……陛下の事が、心配で心配でたまらなかったのよね? カワイイじゃない」
くすくす、と笑いかけるとーーーー彼女の顔が一瞬青ざめてから、突如振り切ったように赤面した。
サキュバスC「な、あっ……アタシはそんなんじゃねェっ! その、な……!」
サキュバスA「分かりやすいわね、貴女。ほらほら、落ち着きなさい」
サキュバスC「落ちっ…着けるかバカ! 変な事言いやがって!」
サキュバスA「そう? じゃ、本当は陛下がどうなってもよかったのかしら?」
サキュバスC「っ……わかった、もうテメェとはクチ利かねェ」
サキュバスA「ごめんなさいってば。ちょっと意地悪だったわ。許してちょうだい」
「からかい」のラインを少しだけ越えてしまった感は否めない。
軽妙にーーそれでもまっすぐに目を見て謝ると、むくれた様子で、サキュバスCも返してくれた。
彼女はすぐに怒るが、すぐに忘れてもくれる性分だからだ。

457 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:36:46.04 ID:TOj/eSqXo
サキュバスC「……別にな、アタシはあのガキの事も、王さまがどうするかなんてのも心配しちゃいないんだ」
椅子から立ち上がると、彼女は続ける。
サキュバスC「ただな。……アタシは決めたんだ。もう二度と、『人間』の持つ力を疑わないってさ」
サキュバスA「『人間』の力?」
サキュバスC「結局あの時だって、『魔王』は『勇者』が倒したろ。アタシらは、本当に必要だったか?」
サキュバスAは、答えない。
サキュバスC「最後は『勇者』が必ず勝つようになってて……それを気付けないで、勝手に盛り上がって場外から乱入しただけ、だったんじゃねェかってさ」
サキュバスA「……ユニークな考え方ね」
サキュバスC「勝てるようになってんのさ。……『魔王』だって倒せちまう奴を誰が心配すんだよ?」
サキュバスA「……ふふっ。確かに、今回の件はスケールが見劣りするわね?」
サキュバスC「だから、さ。アタシは『勇者』の力を疑わない。……何もかもひっくるめてな」
声はどこか晴れやかでーーーー言ってのけたあとにも、満ち足りた様子が見て取れた。
サキュバスA「…………そろそろ、陛下が戻ってくるんじゃないかしら?」
サキュバスC「そんな時間かよ?」

458 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:37:27.84 ID:TOj/eSqXo
日の高さは、昼食時を少し回っていた。
話し込むうちに時は過ぎて、雪雲の晴れ間から太陽が顔を覗かせる。
サキュバスA「……私も陛下を信じているわよ。……それに、地下には面白い生き物がいるしね?」
サキュバスC「何だよ」
サキュバスA「まぁ、最後の手段ね。保険はすでにかかってるわよ。最悪、『彼』が何とかしてくれるだろうし」
サキュバスC「だから、何だよ?」
サキュバスA「独り言よ。私はそろそろ行くわね」
代えたシーツの他、洗い物を籠に入れて、部屋を出ようと準備を始める。
暖炉の火も消し、室内は徐々に冷えていく。
あとは換気のために開けていた窓を閉めるだけだが、それよりも早くサキュバスCが窓に近づいた。
サキュバスC「おう。……アタシも出る。……っていうか、いったん帰って寝る。王さまにはそう言っといてくれよ」
サキュバスA「? ええ、構わないけど」
サキュバスC「疲れたんだよ、色々とよ。昨日の夜から寝てねェし」
言い残すと彼女は窓辺に左の爪先を掛けーーーー次の瞬間には、短い風切り音とともに彼方へと消えてしまった。
サキュバスA「……全くもう、お行儀が悪いったら」

459 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:38:08.23 ID:TOj/eSqXo
別館から戻る途中、堕女神が何かを察して様子で本館の窓を見てからーー弾かれたように、反対側の空を振り返る。
縦長の針のような瞳孔がかすかに収縮し、空の彼方へ目をやった。
勇者「どうした?」
堕女神「いえ、何かが飛んでいったような気がして。つぶさには追えませんでしたが鳥ではないようです」
勇者「あいつだろうな。せめて歩いて帰ればいいのにさ」
堕女神「……彼女でしたか。全く」
深いため息とともに眉間にしわが寄せられ、美しい眉の形も歪む。
やがて、再び彼女も歩き始めて、雪を踏みしめる音が再開する。
冬の間は流石に足指が露わになるものは履かずに、脹脛の半ばまでを覆う編上げのブーツを履きこなしていた。
堕女神「罪ではない、そうおっしゃいましたね」
勇者「? ああ……」
それは、先ほど、呪いゆえに行き場を失ってしまった淫魔族の少年にかけた言葉だった。
堕女神は、それを口ずさむように呟いた。
勇者「『違い』が罪だとするなら、『多数』は正義、か?」
堕女神「……『違い』によって誰かを傷つけてしまう事は、罪ではありませんか?」
勇者「望んでそうするのなら、罪だろうさ」

460 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:39:41.54 ID:TOj/eSqXo
『勇者』の力もまた、多数を占める者達とのどこまでも隔たる『違い』の一つだ。
それを思うがままに振るい、傷つけてしまったのなら、世界に拒まれてしまうほどの罪になるだろう。
だがーーーーそんな事を考えた事は、一度としてない。
少なくとも、今この場に、この世界に、この時空にいる……『自分』は。
勇者「…………今晩は、消灯してから城内の全員を敷地の外で夜を過ごさせよう」
堕女神「え……?」
ひとまずの応急処置。
イン娘を中心としてあの現象が起こるのなら、彼の能力の対象になりうる者を遠ざけてしまえばいい。
もともと魔族の引き起こす現象を完全に無効化する地下のローパーは残しーーーーというより、もとから出たがらない。
まれに庭で日にあたる程度はするものの、多くはない。
外に出ないその理由をサキュバスBを通して訊ねた事があるが、その時は
『旅ってのは、自分のちっぽけさを知るためにあるんだ。自分は世界の全てを知る事はできねぇんだと気付くためにな』
と諭すように言われて終わってしまった。
出不精の言い訳にはやや大それていたが、どこかに重みも感じた。
勇者「ーーーーともかく! イン娘が寝る前に敷地を出る事。堕女神、お前もだ。
    明日は特に急がなければならない事もないだろう。隣女王もいない」
ポチの台詞をどうにか振り払い、そう告げるとーーーー堕女神はどこか悲壮な顔をしてしまった。
勇者「……そんな顔をするなよ。イン娘の出た夜は、堕女神も影響を受けただろ。……俺も、だが」
堕女神「ち、違います! あれは!」
勇者「?」

461 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:40:41.05 ID:TOj/eSqXo
声を張り上げてしまった事に気付き、堕女神は口を覆い、次に押し黙る。
その様子はどこか、何かを言うべきか言わないべきかーーーー迷っているようにも見えた。
やがて、意を決したように。
堕女神「……私は彼の魔力の影響など……受けておりません」
観念したようなーーーーしかし食い下がるような、奇妙な様子で述べた。
堕女神「あの晩は、つい勢いをつけようと、して……」
勇者「勢い?」
堕女神「媚薬、を……少々…………」
勇者「まさか、夕食に盛ったのか?」
堕女神「い、いえ! 陛下のお食事になど……。なので」
勇者「つまり」
堕女神「……私が、仰ぎました」

462 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:43:18.83 ID:TOj/eSqXo
勇者「…………お前は」
何の事も、なかったのだ。
ただつまり、彼女が隣女王の来る前夜に、どこからか手に入れた媚薬を含んでから訪れて。
その情気にあてられて貪り合ってしまっただけだったのだ。
あげくに翌日まで媚薬効果が残ってしまい、執務中にまで抑えきれていなかったと。
つまるところ、彼女のーーーー珍しい、失態。
堕女神「申し訳、ありませんでした。……昨夜は書庫に籠もっておりましたので、事態の把握にも遅れました。ほんの少し眠気は湧きましたが、眠るほどでは」
勇者「全く、何かと思った。……だけどまぁ、今日は城を出るといい。酒場にでも行け。今夜から二か月間だけタルタルステーキが出るそうだぞ」
堕女神「はい、仰せのまま……。はい?」
勇者「え?」
堕女神「陛下? はて……『城下町の酒場』の期間メニューなどご存知で?」
勇者「え、……っ、しまっ……!」
堕女神「僭越ながら、私は何度同じことを申しましたか? 陛下。それはいつの事ですか?」
勇者「…………いや、話し合おう。話し合えば分かる」
堕女神「それでは、どうぞお話しください。時間はございます。……聞き届けてから、私からも申しましょう」

463 : ◆1UOAiS.xYWtC :2015/02/01(日) 04:44:46.16 ID:TOj/eSqXo
投下終了です
もうちょっとだけお付き合い願うんです
それではまた

472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/02/06(金) 01:53:57.80 ID:jhbLYPIM0
ついニヤニヤしちゃうくらい好きだわ

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