少女「君は爆弾に恋をした」
Part5
46 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:50:15.21 ID:nePH+j+AO
彼女は被ってる帽子を押さえた
もう片方の手は僕が握って
君は山の下を見ている
その横顔も可愛い
僕はその時、一つの計画を思い付く
我ながら頭の悪い計画
男「もうすぐ山頂だよ」
少女「窪地を目指してたのに登っちゃったな」
男「山が綺麗だったからね」
少女「綺麗だった」
少女「綺麗だったね……」
山頂についた
僕らはそこから見える絶景に感激した
僕は少女に微笑みかける
彼女もまた
僕は
彼女を抱き寄せ、その唇に……キスをした
計画完了……
ん?あれ?
なんだか、自分が負けてる気がする
キスって、気持ちいい……
少女「ん……ぷはっ」
男「あ……」
男「ごめん、急に」
少女「ううん……」
少女「すごく……幸せ感じた……」
彼女は自分からもキスをしてきた
ああ、僕は彼女に完敗してた
好きだ
最初から負けてた
山頂でお弁当を食べると、僕らはそれから手を離すことなく山を降りていく
僕は君が見せる色々な顔が好きだ
君は僕の瞳が好きだという
僕たちはキスで何か変わったかな?
何も変わってない気もする
47 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:52:16.53 ID:nePH+j+AO
やっと山を降りた
不思議と体力を使った感覚がない
それどころか空も飛べそうだ
好きだ
好きだ
愛している
少女「……二回目のデートも、もうすぐ終わりか……」
男「また、デートしよう」
少女「楽しみ」
男「ずっとずっと、二人でいたい」
少女「私……」
少女「私は……」
少女「もう絶対爆発なんてしたくない……!」
僕は逆だった
君が爆発する運命の爆弾として生まれてきたと言うなら
一緒に死にたい
でも分かった
どんな運命を辿るとしても、僕たちは一緒だ
ずっとずっと一緒だ
男「……愛してるよ」
少女「……!」
少女「危うく爆発する所だった」
男「あははっ」
二人の周りには世界は無かった
二人の世界だけだった
僕たちはもう周りの景色など意識していなかった
ただ、キスした
時が止まるような
世界の全てが二人の物になるような……
電車が来るまでキスしてた
……流石に周りから見たらバカップルだったんじゃなかろうか
48 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:54:32.23 ID:nePH+j+AO
電車の中
二人で夕焼けを眺めた
二人でおやつを食べた
二人で笑いあった
もうすぐ今日が終わる
男「いつか旅行に行こうか?」
少女「行きたい」
男「近所の公園でも幸せだけど」
少女「うん、すごい好き」
一日が終わる
なんてもったいないんだろう
電車は止まる
僕たちはここから歩いて帰る
ちょっと公園に寄って
キスした
あれ、なんか僕たち壊れてる?
キスした
子供達が走り回ってる公園なんだけど
ベンチに座り、お互いの顔を見ていた
この子が好きなんだ
少女「……あなたが好き……」
男「君が、好きだ……」
どうしたらもっと世界が僕たちを認めてくれるだろう
どうしたら終わりの日が来ないのだろう
どうしたら
49 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:56:49.60 ID:nePH+j+AO
…………
次の日から、僕たちは女と友を結びつけることを目標にした
少女「私の彼氏が悪い顔をしている」
男「むしろキューピッドです」
少女「私はもう胸を撃たれてるが」
男「その愛を友と女に分けるんだよ」
少女「それは賛成」
柔らかな微笑み
可愛い
溶ける
なんとか固体としてふらふらしながら、友に向かう
男「恋愛って最高だぞ」
友「お前頭ショートしてねえか?」
しまった、あんまりにも自分自身が彼女にふらふらにされてしまっていた
今は女の為に頑張らないと
僕は深呼吸して冷静に作戦を思い出した
男「女を待たせてある」
友「お、おう」
男「恋愛したいだろ?」
友「う、おう」
男「昨日彼女と……キスした」
友「ほあああっ!?」
男「僕たちは幸せだ……」
果たして恋愛経験のない友に伝わるかは分からないが
自分にしては必殺の一撃を放った
友「きききききき……」
ああ、刺激強すぎたか
友「キスしたい!」
良かった、変態で
50 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:58:48.92 ID:nePH+j+AO
男「まあ待てよ、がっつくとモテないぞ」
まるで恋愛ベテランのように喋る自分がおかしくなくはない
男「まずは告白」
男「まずは告白だ」
友「う……」
女の気持ちは分かっている
友に対してはただ告白させるよう仕向けるだけだ
同時刻、僕の彼女は女を誘導
少女「待っていたらいい」
少女「恋愛って……すごいぞ!」
少女は今までにない圧力を放っている
女「う、うん」
女はいつも核弾頭のように先陣を切って突っ走るタイプだが、今回ばかりは恋愛の先輩である少女に従わざるを得ない
少女「なあ女……、キスってすごいな」
女「ななななななな……」
少女「あ、ごめん」
少女「でもキスって女が動揺するくらいすごいんだな」
女「男と……キスしたの?」
少女「十回くらいした」
女「じゅーーーーーーーーーっ!?」
少女「一日で……止まらなかった……止まれなかった……うふふっ」
女「……」
彼女の惚気が大爆発だ
51 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:00:32.09 ID:nePH+j+AO
女「余裕ぶって二人の恋愛をサポートしてたのに……」
少女「私が先輩だ」
女「よろしくしゃっす、先輩……」
少女「うふふ……」
少女「でも、恋愛って素敵だな!」
女「……」
女「そうかもね……」
女もその時はすごくドキドキしていたはずだ
僕らは知ってる
そのドキドキのエネルギーはすごい
少女「あ、来たな」
僕はゾンビを引っ張るようにふらつく友を引っ張っていく
男「しっかりしろよ」
友「でもよおお……」
男「ほら、二人とも待ってるから!」
男「お前がビシッと決めなきゃお話が始まらないだろ!」
友「ううう……」
友は大いにグズった
その友を無理矢理女の前に引きずり出す
と、女が一歩前に出る
女「友!」
女「私と付き合いなさい!」
男「……」
友「……」
男「ほあっ!?」
友「うきゃっ!?」
カウンターパンチを食らった
僕も友も妙な悲鳴を上げて凍りついた
女「いいの、駄目なの!?」
友「……参りました」
何故か友は降参した
流石は女だ
女が爆弾なら僕の彼女より破壊力があるかも知れない
52 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:03:20.77 ID:nePH+j+AO
少女「ふんふ〜ん♪」
上機嫌な彼女
作戦としては上手くいったとは言い難いが、これでカップル成立だ
男「じゃ、ダブルデートすっか」
僕は二人の仲をより親密にするためにデートを提案した
少女「私の彼は抜かりないな」
男「まあいきなり二人っきりでデートするよりやりやすいだろうし」
少女「ドキドキし過ぎて死ぬ、爆発できる」
友「……」
友「俺大丈夫かなあ……」
男「どこまでもヘタレだな」
女「どこ行こっか?」
男「遊園地行ってみるか?」
少女「行ってみたい!」
友「遊園地……」
女「良いと思うな」
僕と彼女のデートとしても、初めての感動が味わえそう
僕らは四人でカフェに入り、計画を立てた
少女「山登りみたいに前準備がないのが少し寂しい気がする」
男「そうかもね」
女「下見しても仕方ないしなあ」
友「遊園地とかちょっと恥ずかしい……」
男「ヘタレめ」
女「ヘタレだね」
少女「これがヘタレか」
友「キュウ……」
男「そうだ、当日着ていく服を買いに行かないか?」
少女「良いな」
女「それが初デートかあ」
友「ドキドキする……色んな意味で」
53 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:05:12.43 ID:nePH+j+AO
男「いつものナンパしてた勢いはどこ行った?」
友「でもよお……」
友「くそっ、これ以上ヘタレてられん!」
男「おおっ」
少女「ようやく覚悟を決めた」
女「ちゃんとリードしてよね、ダーリン!」
友「ぐはあっ」
男「ああ、友が倒れた!」
女「もう、何年付き合ってんのよ!」
友と女は僕より古い付き合いのはずだ
それでも恋人となると勝手が違うんだろう
少女「女はこんなヘタレが彼氏で幸せなのか?」
少女の無垢な爆撃が友を吹き飛ばした
女「良いんだよ、グズでヘタレなのは十分知ってるし」
女は死体に爆薬を仕掛けて発破するタイプだった
男「もう友は虫の息なんだが……」
友「僕の遺骨は海にまいて下さい……ぐふっ」
もう完全に尻に敷かれるコースだよな、これ
女「友は面白いのがいいとこなんだよ」
友「……」
友「そっかあ?」
生き返った
やっぱり恋は偉大だな
そんなこんなで、四人で服を買いに出掛けることになった
買い物は次の日曜日、遊園地はその次の週の日曜日
それだけ決めると僕らはそれぞれ帰宅した
54 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:06:55.54 ID:nePH+j+AO
その時遥か後ろから黒塗りの怪しい車が近付いていたが、デートの話で盛り上がっていた僕らは気付くことがなかった
黒服A「あの女か?」
黒服B「分からんが、あの女が転校生らしい」
黒服A「大きな地域で転校生ってだけではなかなか絞り込むのも難しいな」
黒服B「今回もハズレかもな」
黒服A「そもそも学校には入ってない可能性もあるしな」
黒服A「だがもともと砂漠で砂粒を探すようなものなんだ」
黒服B「……本当に人間が核爆発なんかするのかねえ……?」
黒服A「政府の秘密研究所の職員が資料を焼却して脱走したんだ、それなりの理由があったんだろうよ」
黒服A「調べる価値はある」
黒服B「それが上の判断か」
黒服A「ただの一般人なら不味い、慎重に行くぞ」
黒服B「だな」
僕らはまるで気付かなかった
空が少し曇り始めたことに
55 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:08:44.46 ID:nePH+j+AO
待ちわびた日曜日になった
彼女とは公園で待ち合わせ、女たちが待っている学校まで二人で手を繋いで歩く
毎日ドキドキしてるなあ
少女「楽しみだな!」
男「うん、君はどんな服が似合うかな?」
学校に着くと、友と女は深刻そうな顔をしていた
男「どうした?」
女「うん、なんかストーカーがいるみたいなんだ」
女「変な黒服の二人組なんだけど……」
男「二人組でストーカー?」
少女に遂に追跡者が現れたのかも知れない
事前に知れたのは良いことだが、もちろん本当に女をストーキングしてる可能性はある
男「警察には?」
女「一応電話を入れたけど、なんだか真剣に聞いてくれてる感じじゃなかったな」
男「心当たり無いんだもんな……」
女「そうなんだよ」
こっちには心当たりが有るのだが
彼女が作られたのは国家機関と言う話だから、国家の追跡者が対象を間違うとは考えにくい
別の組織かストーカーなら犯罪者として告発してしまえばいい
男「度々ストーキングされるようなら直に警察に行くしかないな」
男「友、毎日女と帰ってやれよ」
友「分かった」
ヘタレでも流石に彼女を守る為には躊躇しないようだ
56 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:11:58.71 ID:nePH+j+AO
今回はここまでです
色々デートさせて終わりをのばすことも考えていますが、短く終わるかもしれません
最後のシーンだけは考えています
途中で改行しすぎって三回くらい怒られた……
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/28(火) 11:56:52.78 ID:cyg6/lgxo
おい
ハッピーエンド以外認めないぞ
彼女は被ってる帽子を押さえた
もう片方の手は僕が握って
君は山の下を見ている
その横顔も可愛い
僕はその時、一つの計画を思い付く
我ながら頭の悪い計画
男「もうすぐ山頂だよ」
少女「窪地を目指してたのに登っちゃったな」
男「山が綺麗だったからね」
少女「綺麗だった」
少女「綺麗だったね……」
山頂についた
僕らはそこから見える絶景に感激した
僕は少女に微笑みかける
彼女もまた
僕は
彼女を抱き寄せ、その唇に……キスをした
計画完了……
ん?あれ?
なんだか、自分が負けてる気がする
キスって、気持ちいい……
少女「ん……ぷはっ」
男「あ……」
男「ごめん、急に」
少女「ううん……」
少女「すごく……幸せ感じた……」
彼女は自分からもキスをしてきた
ああ、僕は彼女に完敗してた
好きだ
最初から負けてた
山頂でお弁当を食べると、僕らはそれから手を離すことなく山を降りていく
僕は君が見せる色々な顔が好きだ
君は僕の瞳が好きだという
僕たちはキスで何か変わったかな?
何も変わってない気もする
47 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:52:16.53 ID:nePH+j+AO
やっと山を降りた
不思議と体力を使った感覚がない
それどころか空も飛べそうだ
好きだ
好きだ
愛している
少女「……二回目のデートも、もうすぐ終わりか……」
男「また、デートしよう」
少女「楽しみ」
男「ずっとずっと、二人でいたい」
少女「私……」
少女「私は……」
少女「もう絶対爆発なんてしたくない……!」
僕は逆だった
君が爆発する運命の爆弾として生まれてきたと言うなら
一緒に死にたい
でも分かった
どんな運命を辿るとしても、僕たちは一緒だ
ずっとずっと一緒だ
男「……愛してるよ」
少女「……!」
少女「危うく爆発する所だった」
男「あははっ」
二人の周りには世界は無かった
二人の世界だけだった
僕たちはもう周りの景色など意識していなかった
ただ、キスした
時が止まるような
世界の全てが二人の物になるような……
電車が来るまでキスしてた
……流石に周りから見たらバカップルだったんじゃなかろうか
48 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:54:32.23 ID:nePH+j+AO
電車の中
二人で夕焼けを眺めた
二人でおやつを食べた
二人で笑いあった
もうすぐ今日が終わる
男「いつか旅行に行こうか?」
少女「行きたい」
男「近所の公園でも幸せだけど」
少女「うん、すごい好き」
一日が終わる
なんてもったいないんだろう
電車は止まる
僕たちはここから歩いて帰る
ちょっと公園に寄って
キスした
あれ、なんか僕たち壊れてる?
キスした
子供達が走り回ってる公園なんだけど
ベンチに座り、お互いの顔を見ていた
この子が好きなんだ
少女「……あなたが好き……」
男「君が、好きだ……」
どうしたらもっと世界が僕たちを認めてくれるだろう
どうしたら終わりの日が来ないのだろう
どうしたら
49 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:56:49.60 ID:nePH+j+AO
…………
次の日から、僕たちは女と友を結びつけることを目標にした
少女「私の彼氏が悪い顔をしている」
男「むしろキューピッドです」
少女「私はもう胸を撃たれてるが」
男「その愛を友と女に分けるんだよ」
少女「それは賛成」
柔らかな微笑み
可愛い
溶ける
なんとか固体としてふらふらしながら、友に向かう
男「恋愛って最高だぞ」
友「お前頭ショートしてねえか?」
しまった、あんまりにも自分自身が彼女にふらふらにされてしまっていた
今は女の為に頑張らないと
僕は深呼吸して冷静に作戦を思い出した
男「女を待たせてある」
友「お、おう」
男「恋愛したいだろ?」
友「う、おう」
男「昨日彼女と……キスした」
友「ほあああっ!?」
男「僕たちは幸せだ……」
果たして恋愛経験のない友に伝わるかは分からないが
自分にしては必殺の一撃を放った
友「きききききき……」
ああ、刺激強すぎたか
友「キスしたい!」
良かった、変態で
50 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 18:58:48.92 ID:nePH+j+AO
男「まあ待てよ、がっつくとモテないぞ」
まるで恋愛ベテランのように喋る自分がおかしくなくはない
男「まずは告白」
男「まずは告白だ」
友「う……」
女の気持ちは分かっている
友に対してはただ告白させるよう仕向けるだけだ
同時刻、僕の彼女は女を誘導
少女「待っていたらいい」
少女「恋愛って……すごいぞ!」
少女は今までにない圧力を放っている
女「う、うん」
女はいつも核弾頭のように先陣を切って突っ走るタイプだが、今回ばかりは恋愛の先輩である少女に従わざるを得ない
少女「なあ女……、キスってすごいな」
女「ななななななな……」
少女「あ、ごめん」
少女「でもキスって女が動揺するくらいすごいんだな」
女「男と……キスしたの?」
少女「十回くらいした」
女「じゅーーーーーーーーーっ!?」
少女「一日で……止まらなかった……止まれなかった……うふふっ」
女「……」
彼女の惚気が大爆発だ
女「余裕ぶって二人の恋愛をサポートしてたのに……」
少女「私が先輩だ」
女「よろしくしゃっす、先輩……」
少女「うふふ……」
少女「でも、恋愛って素敵だな!」
女「……」
女「そうかもね……」
女もその時はすごくドキドキしていたはずだ
僕らは知ってる
そのドキドキのエネルギーはすごい
少女「あ、来たな」
僕はゾンビを引っ張るようにふらつく友を引っ張っていく
男「しっかりしろよ」
友「でもよおお……」
男「ほら、二人とも待ってるから!」
男「お前がビシッと決めなきゃお話が始まらないだろ!」
友「ううう……」
友は大いにグズった
その友を無理矢理女の前に引きずり出す
と、女が一歩前に出る
女「友!」
女「私と付き合いなさい!」
男「……」
友「……」
男「ほあっ!?」
友「うきゃっ!?」
カウンターパンチを食らった
僕も友も妙な悲鳴を上げて凍りついた
女「いいの、駄目なの!?」
友「……参りました」
何故か友は降参した
流石は女だ
女が爆弾なら僕の彼女より破壊力があるかも知れない
52 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:03:20.77 ID:nePH+j+AO
少女「ふんふ〜ん♪」
上機嫌な彼女
作戦としては上手くいったとは言い難いが、これでカップル成立だ
男「じゃ、ダブルデートすっか」
僕は二人の仲をより親密にするためにデートを提案した
少女「私の彼は抜かりないな」
男「まあいきなり二人っきりでデートするよりやりやすいだろうし」
少女「ドキドキし過ぎて死ぬ、爆発できる」
友「……」
友「俺大丈夫かなあ……」
男「どこまでもヘタレだな」
女「どこ行こっか?」
男「遊園地行ってみるか?」
少女「行ってみたい!」
友「遊園地……」
女「良いと思うな」
僕と彼女のデートとしても、初めての感動が味わえそう
僕らは四人でカフェに入り、計画を立てた
少女「山登りみたいに前準備がないのが少し寂しい気がする」
男「そうかもね」
女「下見しても仕方ないしなあ」
友「遊園地とかちょっと恥ずかしい……」
男「ヘタレめ」
女「ヘタレだね」
少女「これがヘタレか」
友「キュウ……」
男「そうだ、当日着ていく服を買いに行かないか?」
少女「良いな」
女「それが初デートかあ」
友「ドキドキする……色んな意味で」
53 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:05:12.43 ID:nePH+j+AO
男「いつものナンパしてた勢いはどこ行った?」
友「でもよお……」
友「くそっ、これ以上ヘタレてられん!」
男「おおっ」
少女「ようやく覚悟を決めた」
女「ちゃんとリードしてよね、ダーリン!」
友「ぐはあっ」
男「ああ、友が倒れた!」
女「もう、何年付き合ってんのよ!」
友と女は僕より古い付き合いのはずだ
それでも恋人となると勝手が違うんだろう
少女「女はこんなヘタレが彼氏で幸せなのか?」
少女の無垢な爆撃が友を吹き飛ばした
女「良いんだよ、グズでヘタレなのは十分知ってるし」
女は死体に爆薬を仕掛けて発破するタイプだった
男「もう友は虫の息なんだが……」
友「僕の遺骨は海にまいて下さい……ぐふっ」
もう完全に尻に敷かれるコースだよな、これ
女「友は面白いのがいいとこなんだよ」
友「……」
友「そっかあ?」
生き返った
やっぱり恋は偉大だな
そんなこんなで、四人で服を買いに出掛けることになった
買い物は次の日曜日、遊園地はその次の週の日曜日
それだけ決めると僕らはそれぞれ帰宅した
54 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:06:55.54 ID:nePH+j+AO
その時遥か後ろから黒塗りの怪しい車が近付いていたが、デートの話で盛り上がっていた僕らは気付くことがなかった
黒服A「あの女か?」
黒服B「分からんが、あの女が転校生らしい」
黒服A「大きな地域で転校生ってだけではなかなか絞り込むのも難しいな」
黒服B「今回もハズレかもな」
黒服A「そもそも学校には入ってない可能性もあるしな」
黒服A「だがもともと砂漠で砂粒を探すようなものなんだ」
黒服B「……本当に人間が核爆発なんかするのかねえ……?」
黒服A「政府の秘密研究所の職員が資料を焼却して脱走したんだ、それなりの理由があったんだろうよ」
黒服A「調べる価値はある」
黒服B「それが上の判断か」
黒服A「ただの一般人なら不味い、慎重に行くぞ」
黒服B「だな」
僕らはまるで気付かなかった
空が少し曇り始めたことに
55 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:08:44.46 ID:nePH+j+AO
待ちわびた日曜日になった
彼女とは公園で待ち合わせ、女たちが待っている学校まで二人で手を繋いで歩く
毎日ドキドキしてるなあ
少女「楽しみだな!」
男「うん、君はどんな服が似合うかな?」
学校に着くと、友と女は深刻そうな顔をしていた
男「どうした?」
女「うん、なんかストーカーがいるみたいなんだ」
女「変な黒服の二人組なんだけど……」
男「二人組でストーカー?」
少女に遂に追跡者が現れたのかも知れない
事前に知れたのは良いことだが、もちろん本当に女をストーキングしてる可能性はある
男「警察には?」
女「一応電話を入れたけど、なんだか真剣に聞いてくれてる感じじゃなかったな」
男「心当たり無いんだもんな……」
女「そうなんだよ」
こっちには心当たりが有るのだが
彼女が作られたのは国家機関と言う話だから、国家の追跡者が対象を間違うとは考えにくい
別の組織かストーカーなら犯罪者として告発してしまえばいい
男「度々ストーキングされるようなら直に警察に行くしかないな」
男「友、毎日女と帰ってやれよ」
友「分かった」
ヘタレでも流石に彼女を守る為には躊躇しないようだ
56 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 19:11:58.71 ID:nePH+j+AO
今回はここまでです
色々デートさせて終わりをのばすことも考えていますが、短く終わるかもしれません
最後のシーンだけは考えています
途中で改行しすぎって三回くらい怒られた……
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/28(火) 11:56:52.78 ID:cyg6/lgxo
おい
ハッピーエンド以外認めないぞ
少女「君は爆弾に恋をした」
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