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犬娘「魔王になるっ!」

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Part21
257 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:08:17.47 ID:iTC6cPLAO
灰娘「そ、相場で言えば、お肉一キロで四G、くらいですね」
旅人「チュウザンではそれくらい」
灰娘「と、とても安い、ですね」
犬娘「昔ヤマナミで食べたイカ焼き八Gもした」
灰娘「チュウザンのお肉なら二キロも食べられましたねえ」
旅人「まあヤマナミはちょっとインフレ気味なんだよね〜」
灰娘「ち、チュウザンのお肉が、安すぎますね」
旅人「百キロも買ったらみんなで食べないと無くならないな」
犬娘「お城の皆でバーベキューしよう」
旅人「いいねえ」
灰娘「楽しみです」
灰娘の初仕事は大成功に終わった
勇者「灰娘にそんな特技があったなんて……」
勇者「しかもなんだか肉の質が良いんですけど」
旅人「いつもの肉よりワンランク上だからね〜、暑いから痛んでる、とか言って」
犬娘「美味しいね〜」
灰娘「はい、とっても」
白導師「あ、可愛い子が増えてる」
灰娘「ひいっ」
白導師「ま、まだ何もしてない!」
狐娘「美味しいですね〜」
猫娘「肉、大好き」
白導師「幼女大好き」
狐娘「へ、変態だ」
猫娘「変態か」
術師「自己紹介得意ですわね、変態さん」
白導師「変態でなく白導師です」

258 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:11:07.86 ID:iTC6cPLAO
熊娘「よ、よろしく」
白導師「熊……、熊かあ……、熊でも幼女と思えば……、ぐおお、妄想力全開ならいける!」
勇者「いけんでいい、変態め」
虎娘「火爪拳」
白導師「痛い」
…………
復興が終了し、サイセイからの移民が増えてきた
そのためお金も入ってきたが、漁獲量も増え、魚の価格は下がって行く
旅人「まあただでさえぼったくり気味だったし良いんだけどね」
灰娘「そうですね……、かえって良かったです」
犬娘「お肉は相変わらず安いしね〜」
灰娘「白石や青石の普及で肉も高品質なまま保存が効くようになってますから、実質肉は高騰してるんですよね」
旅人「まあ人口が増えてるから仕方がないね」
術師「最近女拳士さんたちを通して土地の取引も始まってるようです」
旅人「好景気だから仕方ないけどインフレが起こりそう」
術師「適度にお金を引き上げてインフレを抑えないと駄目ですかね?」
旅人「まあまだまだそこまで過激には変わらないと思うけど、物余りの状況が変わるほどではないし」
術師「開拓の速度を上げるべきですね……」
旅人「それも自然の成り行きで、増えた人々が開拓に加わって速くなる」

259 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:14:26.09 ID:iTC6cPLAO
術師「魚の価格は下がってるのにインフレ気味になるのが不思議ですね」
旅人「漁獲量が増えてるから魚介はデフレになってるんだけど、流通量、通貨量が増えてるから売り出し始めた物全て売上が上がってインフレ傾向になってる……、まあ結果バランスが取れたまま好景気になってるなら良いんだけど」
術師「物の値段が乱高下するのは好ましくないですね」
旅人「生産調整や出荷調整、お金の出入の調整でバランスを取っていこう」
灰娘「し、出入の調整は内政の仕事ですが……」
旅人「うちは魔王様直属だから統括して全部考えないとね〜」
灰娘「そ、そうですね……」
犬娘「最近修行してないな〜」
術師「忙しいから仕方がないですわね」
術師「今度は築城も始めますし、護岸工事も、そして港作りも始めないといけないですから」
犬娘「すっごく忙しくなりそう!」
旅人「暑くなるなあ」
…………
メイド剣士「さて、狐さん、現在の人口は?」
狐娘「四百人程度になりました」
狐娘「人口増加のため、小競り合いのようなことも起こっているようです」
猫娘「虎さん中心に裁判みたいなこともやったことあるよ」

260 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:16:35.18 ID:iTC6cPLAO
メイド剣士「忙しいですよね、全部を三人でやるのは」
狐娘「知り合いの女の子に入隊を打診してます」
猫娘「助かる〜」
白導師「ここすごく居心地がいい」
メイド剣士「変態だ」
狐娘「居着かないで下さい」
猫娘「引っかくよ?」
白導師「是非」
猫娘「変態だった」
メイド剣士「ところで変態さんはチュウザンに帰らないんですか?」
白導師「まだ何にも片付いて無いからね」
メイド剣士「そうですね」
メイド剣士「何か沈黙が不気味です」
白導師「サイセイに行ってみたが、子供の誘拐も止まってるらしい」
メイド剣士「何か悪いことが起こらないと良いんですけど」
…………
勇者「兎に角今はトレーニングが仕事だよ」
虎娘「きっつい」
熊娘「大変です」
勇者「他の皆はトレーニングもできず仕事で走り回ってるんだ」
勇者「何かあったら俺たちが何とかしないと」
虎娘「最近喧嘩も多いからあたしたちも巡回を増やさないと」
勇者「それもそうなんだけどね」
熊娘「巡回中も若干駆け足でやってます」
虎娘「走るのが楽しくなってきたよね」
勇者「良いことだね」

261 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:18:09.01 ID:iTC6cPLAO
女拳士「やってるね」
勇者「ああ、女拳士さんの方は大変そうだね」
女拳士「そうなんだよ、土地取引とか全くわからない仕事もしなくちゃいけなくなってきて」
女拳士「最近の仕事は術師ちゃんか旅人さんの居場所を探すことさ」
勇者「あはは」
女拳士「珍しく時間ができたから他の人の顔が見たくなった」
勇者「それで俺ですか?」
女拳士「まあ順番に見に行くけど」
虎娘「師匠、これから巡回に行きますから一緒に行きませんか?」
女拳士「ああ、良いよ」
…………
術師「それでこちらですか」
女拳士「魔王様の顔を見とかないとね」
犬娘「朝と夜には見られるよ!」
女拳士「仕事してる顔が見たい」
術師「最近夜遅くまで仕事してる人も居ますしね」
女拳士「みんな話が一段落したなら、メイドちゃんの顔を見に行かない?」
術師「行きますわ」
犬娘「行こう!」
…………
メイド剣士「皆して暇人ですか!」
術師「メイドさんが最近夜遅くまで仕事してるからみんな心配してるんですわ」
メイド剣士「書類仕事がなかなか片付かなくて」
メイド剣士「黄石があるから夜でも明るいしやらないと」


262 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:19:55.93 ID:iTC6cPLAO
女拳士「なんでそんなに忙しいの?」
メイド剣士「住民が結構な勢いで増えてますから」
犬娘「最近魔物の間でこの国が有名になってるらしいよ」
術師「サイセイをこてんぱんにした件でですね」
メイド剣士「出身国にヤマナミやオリファンが混ざり始めたし、急速な貨幣経済への移行、漁獲量の増加、資源管理、地価の決定、住民の就職斡旋、変態の襲撃……」
白導師「ふはははは」
術師「泣いても良いですよ」
メイド剣士「泣いてる暇も無いです」
メイド剣士「剣の振り方も忘れそう」
術師「仕方有りませんわね、私しばらく手伝いますわ」
メイド剣士「良いんですか?」
術師「石使いちゃんがすごく優秀なので大丈夫です」
術師「最近虎くんもいい仕事しますし」
メイド剣士「みんな成長してるんだなあ」
犬娘「メイド剣士ちゃん、おやつ食べに行こう?」
メイド剣士「どこに行くんですか?」
犬娘「チュウザンで果物いっぱいのデザート食べたい」
メイド剣士「遠出ですね、まあたまには良いのかな」
白導師「里帰りするか」
犬戦士「そうだな、たまには」

263 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:22:23.49 ID:iTC6cPLAO
術師「じゃあ、久しぶりにみんなでお出掛けしましょうか」
女拳士「虎さんに色々任せてくる」
勇者「じゃあ俺が送るから、みんなは先に行ってて」
術師「ではチュウザンのお城の前で待ってますわ」
ーーチュウザンーー
勇者達を待って、これからの行動を考える
久しぶりの休暇だ
犬戦士「どうする、うちくる?」
術師「魔人王様にご挨拶を」
犬娘「貝殻ちゃんにも会えるね!」
メイド剣士「ああ、なんか懐かしい……」
術師「建国記念日以来ですね」
女拳士「魚人さんも元気かな?」
…………
魚娘「お久しぶりです皆さんお久しぶり!」
女拳士「久しぶりだな、魚人さん」
魚娘「魚娘です、超絶美人魚様でもいいです」
貝殻姫「ようこそおいで下さいました、って私の家ではないですが」
術師「ご無沙汰しておりますわ」
牧場娘「ほんとご無沙汰だね、たまには昼寝しようぜ」
メイド剣士「ほんと昼寝したいです」
牧場娘「よし、寝るか」
魔人王「ふふっ、相変わらず元気そうだな」
犬娘「修行できないからあんまり元気じゃないかな〜」
魔人王「王をやるコツはいかに時間を作るか、だぞ」
犬娘「仕事してくれる人増やそうかな〜」

264 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:24:33.89 ID:iTC6cPLAO
勇者「皆楽しそうだ」
銀鈴「誰も死んでなくて良かった」
勇者「皆忙しくて倒れそうだけどね」
銀鈴「ノウハウが出来れば死ぬほど忙しい仕事も楽になる」
勇者「俺も色々手伝わないとな」
魔人王「お前ら、茶でも飲んでいけ」
術師「有り難いですわ、白石を一つお土産にお持ちしました」
魔人王「高価な物を……、すまないな」
その後、全員で久々にのんびりした後、また仕事に走り回るために帰還した
夏も盛りになって、暑い日々が続く中、護岸工事と築城も続けられる
そんなある日ーー
小屋で仕事をする術師の元に魔女娘が訪れた
魔女娘「すまない、ここに置いてくれ」
術師「な、何があったんです?」
魔女娘「……」
魔女娘「ハマミナト王がご逝去……」
魔女娘「ハマミナトは銀騎士が実権を握ることになった」
術師「そ、そんな……」
魔女娘「すまん、力が足りなかった……」
魔女娘「国葬は一週間後……、うっ、ううっ……」
術師「魔女娘さん……」
術師は魔女娘の涙に胸を打たれ、彼女を抱きしめた
そこに犬娘が来た
犬娘「ど、どうしたの?」
魔女娘「だ、大丈夫」
魔女娘「もう大丈夫だ……、すまない」

265 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:28:05.47 ID:iTC6cPLAO
魔女娘「銀騎士は反魔王派ではあるけれど、コトーとの取引を失えば国を失う事になる」
魔女娘「いくらあいつでもそんな無茶はできない」
魔女娘「だが、何かと理屈をつけてこの国を攻めてくる可能性は高い」
魔女娘「コトーだってハマミナトとの貿易経路を失うのは痛手だ、黙ってる可能性もある」
術師「民の生活がかかってくれば当然そうなる可能性は高いでしょうね」
魔女娘「開港を急げよ」
魔女娘「貿易経路をもう一本確保すればコトー王もハマミナトを切れる」
術師「元々経路を失う危険を回避する為の開発ですからね」
犬娘「頑張ろうね!」
術師「みんなを集めましょう」
…………
女拳士「護岸工事より港開発と街道整備を急がなくちゃならなくなったか」
メイド剣士「そうですね」
メイド剣士「インフレが怖いですけどもっとチュウザンから人を雇用します」
旅人「漁獲量や生産物資を増やして行こう」
勇者「砦の警備が必要だな」
犬戦士「俺も手伝うぜ」
勇者「それは助かる」
虎獣人「俺は明日から港開発の拠点を作る」
犬娘「手伝うよ!」
白導師「変態さんもそっち行くか」
犬娘「来なくていいよ!」

266 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:31:08.90 ID:iTC6cPLAO
術師「とうとう変態を公言してはばからなくなりましたか」
メイド剣士「メイド隊は国内警備に当たります」
灰娘「わ、私、干し肉なんかの保存食を備蓄して、いきます」
勇者「サイセイなんかとは規模も実力も違うだろう、それに……」
術師「黒衣の魔女が何かを仕掛けてくるかも分かりませんね……」
女拳士「出来るだけ戦力がばらけないようにしないとな」
術師「相当に難しい話ですわ」
勇者「兎に角誰か一人は転送できる人間の近く、拠点付近で作業することを徹底しよう」
旅人「コトーにも人材派遣要請をかけるか」
術師「嫌でしょうけどヤマナミにも」
旅人「うぐっ、背に腹は変えられないか」
犬娘「じゃあ、急ごう!」
ーーヤマナミーー
ヤマナミ王「クソ親父」
旅人「旅人です」
メイド長「ダメ人間」
旅人「旅人です」
メイド剣士「この浮浪者は今の所ちゃんと仕事してますので、話を聞いて下さい」
旅人「旅人です」
旅人「だーっ!」
旅人「緊急事態なんだよ!」
ヤマナミ王「仕事ほっぽりだして逃げ出した先王に権力があると思うなよ?」
旅人「悪かった!」
旅人は飛び上がって土下座した

267 :いかやき ◆J9pjHtW.ylNB :2014/08/30(土) 21:34:20.23 ID:iTC6cPLAO
ヤマナミ王はニヤニヤしている
ヤマナミ王「クソ親父はどうでも良いが、サイセイを独力で撃破したキタハマ王直々の要請、当然受けさせてもらうよ」
犬娘「ほんと!?」
旅人「なあんでだよおおお!」
旅人は土下座態勢のまま転がって行った
メイド長「ぶはははっ!」
ヤマナミ王「近いうちに千人程度力のある者を送ろう」
ヤマナミ王「食料はこちらから輸送するし、治安維持も任せて」
術師「万全ですわね、諸費用はこちらで持ちます」
ヤマナミ王「術師ちゃん、久しぶり」
術師「お久しぶりですわ」
ヤマナミ王「お金のことは気にしないでね」
ヤマナミ王「ヤマナミからキタハマは遠いけどサイセイも最早妨害はしてこないでしょ、あっちから送れば数日中になんとか」
術師「船を壊したのは失敗だったですかね?」
転がって行った旅人が戻ってきた
旅人「カイオウ国に船を頼めばいいんだよ」
術師「ああ、その手がありました」
ヤマナミ王「余所で仕事するならうちでやれよ!」
メイド長「メイドちゃんお茶しない?」
メイド剣士「皆、仕事を始めてますから……」
メイド長「無理しちゃ駄目だよ?」
メイド剣士「有り難う御座います」