乗客Yx1
戸野 千織(トノ チオリ)
目が覚めたらそこは、走る列車の中だった
382: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:51:56 ID:36uvoWkwM.
ガキッッ
兎男「え!?」
車掌は左手に鞘をもち、それによって兎男の剣を抑えていた
兎兄貴「ふざけやがって・・・!」
兎兄貴が剣を振り直そうと、一瞬力を抜いて剣を浮かせたとき、
車掌「甘いな」
車掌は剣から瞬時に手をはなし、逆手に持ち直した
兎兄貴「!?」
そのまま勢いよく、下から上へ剣を振り上げた
383: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:54:36 ID:36uvoWkwM.
バキィッッ!!
兎兄貴「あぐっ!」
兎男「兄貴!」
剣は兎兄貴の手元ぎりぎりの柄の部分に当たった
衝撃とともに、兎兄貴の剣が弾かれて地面に落ちる
車掌「よそ見するなよ」
ドガッッ
兎男「あうっ!?」
気をとられた兎男の隙を見逃さず、今度は左足で兎男のみぞおちを蹴り飛ばした
384: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:59:37 ID:36uvoWkwM.
兎男が尻もちをつく
兎兄貴「てめえ!!」
兎兄貴が素手で車掌に飛び掛かった
車掌「・・・」 フイ、
しかし、兎兄貴のこぶしは虚しく空を切る
兎兄貴「フンッ!フンッ!フンッ!」
幾度もパンチを繰り出すが、全て見極められたかのように避けられる
兎兄貴「こ、この野郎・・・!!」 ゼェゼェ
385: 名無しさん@読者の声:2018/9/2(日) 19:08:18 ID:5FLtuh9VMs
いいね(・∀・)b
386: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:05:31 ID:7Cg5LKsjhw
>>385
ありがとうございます〜!
これから更新します
387: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:14:11 ID:7Cg5LKsjhw
千織「・・・」 ポカーン
ブリアン「千織、口あいてるよ」
千織「え、あ・・・あの」
千織「しゃ、車掌さんは・・・な、何者なんですか?」
ブリアン「車掌は車掌だよ」
千織「そうではなくて!せ、精力を使ってないのにあんなに強いなんて」
388: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:15:25 ID:7Cg5LKsjhw
ブリアン「あれは多分、車掌にとっては護身術の域なんだよ。この世界は知能の低い奴らが多くて、絡まれることが多いからね」
ブリアン「ゲテモノを乗せた列車を毎日正常運行させるためには、あのくらい必要でしょ」
千織「でも、2対1なのに・・・」
ブリアン「兎一族はもともと戦闘能力があまり高くないのもあるかもね」
千織「な、なるほど・・・」
389: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:17:56 ID:7Cg5LKsjhw
兎男「えい!とりゃ!ふん!」
必死に剣を振るが、全て読まれているのか車掌には全く当たらない
兎男「・・・」 ハァッハァッ
兎男「くそ、どうすれば・・・」
車掌「・・・」
冷めた瞳で汗だくの兎男を眺める
車掌「・・・お前、千織を守りたいと言ったな」
兎男「!」
車掌「この世界は人間にとって危険で溢れているのに、その程度でよく守るなどと言えたものだ」
390: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:20:25 ID:7Cg5LKsjhw
兎男「そ、それは・・・!」
車掌「気持ちだけではどうにもならない。お前はそれを理解するべきだ」
千織「・・・!」
不意に、以前兎男と話した内容を思い出す
“兎男『実は俺、ミュージシャンになりたいなって、ちょっと考え始めてるんだ。音楽が好きだから』”
“兎男『でも、仲間には無理だって言われてる。見た目も冴えないし、気が弱いから』”
“兎男『俺…みんなから変わってるって言われるんだ。だから自信なくしちゃって』”
あのとき、千織は「変じゃない」「私は応援する」と兎男を鼓舞した
しかし、車掌は「考え方が若くて甘い」と評していた
391: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:22:54 ID:7Cg5LKsjhw
千織(・・・私は)
千織(・・・車掌さんの言うことは正論だと思う・・・けど、)
千織(兎男さんの言ってることは、変じゃない)
車掌「だからお前は、他の兎男たちよりも浮いてしまうんだ」
兎男「!」
兎兄貴「てめえ!!」
千織「ま・・・」
千織「待って!!!」
392: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:25:21 ID:7Cg5LKsjhw
「!?」
人一倍大きな声を出した千織に、皆がぎょっとする
ブリアン「千織・・・?」
千織「あ・・・あの」
千織「それ以上、兎男さんを悪く言わないでください。車掌さんは・・・わ、わかってないです」
兎男「! 千織ちゃん!」
車掌「・・・わかってない?」
393: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:28:41 ID:7Cg5LKsjhw
千織「車掌さんの言ってることは正しいです!でも、でも・・・人の心って、単純じゃないんです」
千織「理論的に考えてやめておいた方がいいことも、本心ではやりたいって思っていたら、やらなきゃいけないことがあるんです」
車掌「・・・お前が私を振り回すときは、いつもそれだな。理論で拒否しても、強引に感情で押してくる」
車掌「それは大いに結構だが、自分のキャパシティを考えてやれと言っている」
千織「キャパシティとか、そういうのを無視してでもやりたいと思うことがあるんです!」
千織「そ、それが・・・人間の心の1つ、だと思うんですけど」
兎男「千織ちゃん・・・」
394: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/9(日) 10:10:43 ID:7Cg5LKsjhw
兎兄貴「・・・兎男・・・お前、人間だったのか?」
千織「つ、つまり!兎男さんは変わってるとか、浮いてるとかじゃなくて・・・他の人より、人間の心を豊かにもってるんだと思うんです」
千織「だから、そこを否定してあげてほしくないんです・・・」
車掌「・・・」
目を細めて息をつく
車掌「・・・この世界には、人間はいない。だから、人間の心などというものは意味をなさない」
車掌「だから、私にはその心を理解することはできないし、理解する必要もない」
千織「そ、そんなの決めつけです!」
395: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/9(日) 10:33:51 ID:7Cg5LKsjhw
千織「意味があるかとか、理解する必要があるかとか、そんなのは車掌さん個人の考え方であって、兎男さんに強制していいことではないと思います」
兎男「・・・!」 ジーン
千織「車掌さんは私の恩人です。でも兎男さんの気持ちもよくわかるんです。私はどっちかが間違っているとは言えません」
千織「だから・・・これ以上皆さんが闘っているところを見たくありません。お願いします・・・」 ペコリ
車掌「・・・」
目を細め、静かに息をつく
車掌「・・・わかった」
千織「車掌さん!」
車掌「実力差は示したし、お前たちも私に勝てないことはわかっただろう。千織に免じて見逃してやるから、さっさと消えろ」
396: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/9(日) 10:35:44 ID:7Cg5LKsjhw
兎兄貴「な、なんだと」
兎男「あ、兄貴・・・」
兎兄貴の腕をつかむ
兎男「引こう。千織ちゃんが、俺たちを助けようとしてくれてるんだよ」
兎男「千織ちゃん、ありがとう。俺、また励まされちゃったよ・・・」
兎男「無理やり車掌の傍に拘束されてるわけじゃないんだよね?それだけ確認させて」
千織「は、はい。私は、事情があって車掌さんのお世話になってるんですけど、決して悪いことはされていないです」
兎男「良かった。・・・いろいろ、ごめんね。迷惑かけて。ありがとう」
397: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/9(日) 10:38:46 ID:7Cg5LKsjhw
訂正
>>389最終行の車掌のセリフ
「人間にとって」の部分を削除してください
398: 名無しさん@読者の声:2018/9/15(土) 20:12:19 ID:5FLtuh9VMs
楽しい物語をありがとう。支援。
399: 名無しさん@読者の声:2018/9/16(日) 11:06:54 ID:H265LO0gUQ
支援
400: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/23(日) 12:41:21 ID:7Cg5LKsjhw
>>398
ひえっ・・・そんな風に言って頂けたら・・・感涙の極みでございます・・・ありがとうございます;;;;
書いていて良かった、本当に;
>>399
支援ありがとうございます!!またもや遅くなってすみません、今週半ば頃には更新する予定です!
401: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/26(水) 20:50:50 ID:7Cg5LKsjhw
――車掌たちは屋敷から脱出し、地上に出た
兎男たちともそこで別れた
ブリアン「…ふぅ」
ブリアン「ま、とりあえず一件落着って感じ?」
千織「そうですね!」
車掌「・・・」
千織「・・・車掌さん?」
車掌「・・・」 ツーン
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