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歪世界トレイン
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全
1:
◆e.A1wZTEY.
:2017/4/30(日) 20:25:16 ID:4iSJ1d7xp2
乗客Yx1
戸野 千織(トノ チオリ)
目が覚めたらそこは、走る列車の中だった
609:
◆e.A1wZTEY.
:2020/11/1(日) 21:11:02 ID:aDFiMekXc6
千織「・・・!?」
部下4「大丈夫か」
千織「え・・・!?」
帽子を目深にかぶった部下4が、千織をかばうように立っている
部下5「なんだ貴様!!」バッ
バキッ!
部下5「がはっ」
部下4の拳を腹に受け、倒れ込む
610:
◆e.A1wZTEY.
:2020/11/1(日) 21:13:49 ID:aDFiMekXc6
千織「車掌さん・・・!!」
風貌は警官だが、声は紛れもなく車掌だ
準隊長「はっ、部下に化けるなんて芸達者じゃないの!」
準隊長が銃をかまえ、発砲した
バンッ
千織「!」
車掌「っ・・・」
部下4の帽子が舞い、車掌の顔があらわになった
準隊長「・・・あは、まさか避けたの?今のを?」
611:
◆e.A1wZTEY.
:2020/11/1(日) 21:15:59 ID:aDFiMekXc6
車掌「・・・」
車掌「・・・悪いが、今は千織を渡せない。退いてくれないか」
準隊長「は・・・?あなた、さっきは納得していたわよね」
準隊長「まさか今更になって人間の女の子を手元におきたくなっちゃった?」
車掌「・・・」
やや眉をしかめるが、問いには答えない
そのまま千織の身体を寄せ、腰を抱いた
千織「ひゃっ」
地を蹴り、ふわりと宙を舞う
612:
◆e.A1wZTEY.
:2020/11/1(日) 21:21:19 ID:aDFiMekXc6
準隊長「!」
部下6「ぎゃひっ」
部下7「んげっ!!」
部下たちの顔を足台にしながら、列車に向かって飛んでいく
準隊長「ちっ」
バンッ バンッ バンッ
1発が車掌の腕をかすめたが、速度は落ちない
準隊長「くっ・・・」
顔をしかめたときには、車掌と千織は列車に到達していた
613:
◆e.A1wZTEY.
:2020/11/1(日) 21:25:38 ID:aDFiMekXc6
車掌「発車だ」
ブリアン「まだ社内に警官が残ってるみたいだよー?」
横からブリアンの声がきこえた
車掌「かまわない。精力の手で追い出しておく」
準隊長「待ちなさい!!」
準隊長「こ、このまま逃げられると思っているの?列車なんてすぐに追跡できる、時間と労力の無駄よ!!」
車掌「・・・」
ブリアン「うるさいオバサンだなあ。さよなら!」
ぷしゅーっと音を立て、列車が走り出した
614:
◆e.A1wZTEY.
:2020/12/23(水) 01:26:05 ID:GnFfdiuz6c
SS板が無くなってる…だと…
びっくりしましたがスレが残っていて良かったです
近日更新します
615:
◆e.A1wZTEY.
:2020/12/27(日) 22:51:41 ID:v/MKOnGQpQ
千織「・・・」
へなへなと座り込み、震える瞳で車掌を見つめる
千織「車掌さん、あの人たちは・・・」
車掌「異界警察というらしい。千織を探していたようだ」
千織「っ・・・ほ、ほんとうに、警察なんですか?」
車掌「・・・わからない。私も初めて聞いた組織だ」
車掌「だが、沖恭太のことは知っていた。彼は無事だと言っていた」
千織「・・・はい・・・」
616:
◆e.A1wZTEY.
:2020/12/27(日) 22:52:56 ID:v/MKOnGQpQ
車掌「・・・すまない。お前をあのまま異界警察に託したほうがよいのではないかと、私も考えた。だが・・・」
車掌「100%信用できたわけではないし、なにより・・・」
千織「・・・なにより?」
車掌「いや・・・」
車掌「・・・私にも、わからないんだ。今回の決断が正しかったのか・・・」
ブリアン「正しかったよ」
ブリアン「僕は車掌や千織と離れ離れになりたくないよ。2人だってそうだろう?」
ブリアン「車掌は、千織をあのまま手放したくないと思ったんだよ。その気持ちを尊重しようじゃないか」
617:
◆e.A1wZTEY.
:2020/12/27(日) 22:55:12 ID:v/MKOnGQpQ
千織「車掌さんが・・・」
車掌「・・・」
車掌「・・・すまない。少し、休ませてくれ」
頭を押さえながら、小さく呟く
車掌「ブリアン。運転はするから、乗客の説得と誘導は頼む」
ブリアン「うん」
車掌「千織も無理に働かなくていい。奴らもすぐには追ってこれないだろうから」
618:
◆e.A1wZTEY.
:2020/12/27(日) 22:58:19 ID:v/MKOnGQpQ
千織「あ、あの、車掌さん!」
千織「私は、助けてくれて嬉しかったです・・・!あのままお別れになるなんて、嫌でしたから」
千織「結果として、また迷惑かけてしまうことになると思いますけど・・・」
車掌「・・・」
車掌「千織のことは危険にさらさない。それだけは・・・約束する」
千織「・・・!」
車掌「私のことは気にするな。既に重罪のようだし、いつ捕まっても同じことだ」
千織「でも・・・!」
車掌「また、後で話そう」
帽子を被りなおすと、背を向け、運転室へ向かっていった
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