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歪世界トレイン
[8] -25 -50 

1: ◆e.A1wZTEY.:2017/4/30(日) 20:25:16 ID:4iSJ1d7xp2

乗客Yx1

戸野 千織(トノ チオリ)

目が覚めたらそこは、走る列車の中だった



277: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/6(日) 21:17:57 ID:.QFQUZNLxc

――兎女の屋敷周辺(裏庭)

兎兄貴「ちっ、どの窓も閉まってやがるな」

兎男「でも、どの窓もそこまで頑丈じゃなさそうだ」

兎兄貴「おっ、やっちまうってか?」

兎男「お、俺は千織ちゃんを助けるって決めたからね!方法がこれしかないんなら、俺はやるよ」

兎兄貴「いい度胸だ。お前も男らしくなってきたじゃねえか」

周囲を見渡すと、装飾用として屋敷の庭に置かれた、大きな石材を見つけた


278: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/6(日) 21:19:27 ID:.QFQUZNLxc

兎兄貴「あれを二人で持って窓にぶちこむぞ」

兎男「う、うん!」

二人で石を持ち上げる

兎兄貴「結構重いな・・・準備はいいか?」

兎男「うん!」

兎兄貴「せーのっ!!」

ガシャーーンッッ!!!!


279: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/6(日) 21:20:34 ID:.QFQUZNLxc

石は窓を突き破り、屋敷の中に落ちた

兎男「やった、やったぞ!」

兎兄貴「よし、中に入るぞ」

そのとき

「ご苦労さま」 グイッ

「!?」

二人は突如背後から首元の服をつかまれ、強い力で後ろへ引かれた


280: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/6(日) 21:22:12 ID:.QFQUZNLxc

ズシャアッと音を立てて尻もちをつく

兎男「ぐえっ」

兎兄貴「な、ナニモンだぁ!?」

尻もちのまま振り向くと、

車掌「こんにちは」

冷たい表情を浮かべた車掌が立っていた


281: 名無しさん@読者の声:2018/5/11(金) 09:17:20 ID:f7tqz6Y84k
PCが無事でなにより ノC

ようやく車掌さんが追いついたw
282: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/20(日) 19:22:20 ID:.QFQUZNLxc
>>281
ありがとうございます〜〜本当に無事でよかったです
支援も感謝いたします(*- -)(*_ _)
283: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/20(日) 19:29:04 ID:.QFQUZNLxc

兎男「あ、あわわわ・・・」

兎兄貴「て、てめえこのやろ・・・」

車掌「あなた方の言い分を聞くつもりはありません。兎警察を呼んでおきましたので、然るべき処分を受けてください」

兎男・兄貴「・・・!?」

車掌の後ろには、10数人の兎警察が待機していた

車掌「列車業務の放棄、私物の窃盗、それに伴う列車の稼働停止」

兎男「違う!罪を犯したのはお前の方だ!」

兎男「千織ちゃんの軟禁して、働きづめにして、深夜まで・・・」

284: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/20(日) 19:30:26 ID:.QFQUZNLxc

車掌「何か問題でも?」

兎男「な、なんだって?」

車掌「今言いましたよね、彼女は私の“物”です。それをどのように扱おうと何の問題もないと思うのですが」

兎男「こ、この野郎・・・!!」

兎兄貴「とんでもねえクソ野郎だな!」

二人が車掌に殴りかかろうとしたところを、兎警察が取り押さえる

兎男「くそっ、はなせ、はなせ・・・!!」

285: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/20(日) 19:33:26 ID:.QFQUZNLxc

兎兄貴「やい警察ども、町に住んでる俺らよりこの車掌の言葉を信じるってのか!?」

抵抗するが、大人数の警察からは逃れられない

二人を引きずりながら、連行していく

ぎゃーぎゃー喚く声が聞こえるが、雑音にしか聞こえなかった

車掌(・・・あいつらは窓を壊してまで、この屋敷へ入ろうとしていた)

車掌(千織はここにいると考えていいだろう)

兎男たちが壊した窓に手をかけると、車掌は屋敷の中へ入った

286: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/20(日) 19:36:29 ID:.QFQUZNLxc

―――

千織「あ、あなたは、誰、ですか・・・?」

少女「・・・人間よ。あなたと同じ」

千織「・・・」

確かに、見た目は完全に人間だ

だが、先ほどまでまるで幽霊のようにブリアンに乗り移っていた

千織「ブリアンさんに何をしたんですか?」

少女「猫ちゃんのこと?自分で言ったのよ、僕の体を使っていいって」

千織「・・・?」

287: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/20(日) 19:39:01 ID:.QFQUZNLxc

少女「私が人間のお友達がほしいって言ったから、協力してくれたの」

千織(ブリアンさんが・・・?もしかして、何か考えがあって・・・)

しかし、ブリアンは気絶しているので尋ねることができない

千織「ブリアンさんの体に入って操ってましたよね。その時点で、あなたは人間ではないんじゃ・・・」

少女「・・・」

少女「・・・人間よ」

ゆっくりと、檻の中の千織へ歩み寄ってきた

少女「あなたならわかるでしょう・・・?たった一人で、この世界に迷い込んでしまった気持ち・・・」

288: 名無しさん@読者の声:2018/5/22(火) 12:40:42 ID:Z.V51.JqXI
支援〜
289: 名無しさん@読者の声:2018/5/27(日) 21:23:01 ID:qQeRoyBMoc
4円
290: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/29(火) 21:27:29 ID:.QFQUZNLxc
>>288 >>299
うおおお支援ありがとうございます・・・!!(´;ω;`)
明日必ず更新しますのでもうしばしお待ちくださいませ
1週間に2回くらい更新できるようになりたい
291: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/30(水) 21:09:45 ID:.QFQUZNLxc

千織「・・・!」

少女「ずっと怖かった・・・ずっと寂しかった・・・ずっと帰りたかった・・・」

千織「あなたは・・・」

少女「でも、限界がきてしまったの・・・それで、少し、身体を壊してしまったの」

少女「あなたの身体・・・うらやましいな・・・」

そう言って、少女は両手を千織の頬へ伸ばした


292: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/30(水) 21:11:03 ID:.QFQUZNLxc

次の瞬間、

「そこまで」

「!」

聞き覚えのある声と同時に、少女の喉元に剣先がつきつけられる

千織「車掌さん・・・!」

車掌が静かに佇み、少女を制止していた

少女「・・・」

少女「・・・誰よ、あんた・・・」

293: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/30(水) 21:12:12 ID:.QFQUZNLxc

車掌「この人間の主です。申し訳ありませんが、私の許可なく彼女に手を出すのはやめて頂きたい」

少女「主・・・?あんたが・・・?」

車掌「はい」

少女「証拠は?」

車掌「千織。言いなさい」

千織「は、はいっ」

促され、あわてて口を開く

294: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/30(水) 21:13:16 ID:.QFQUZNLxc

千織「わっ、私の主は、車掌さん、です」

車掌「もう少しまともに言えないのか?」

千織「す、すみません・・・!わ、私は車掌さんに買われた身です。ので、列車で働いてます」

車掌が来てくれた驚きと嬉しさでパニックになっているため、うまく言えない

車掌「・・・」 ハァ

車掌「・・・残念な出来ですが、お聞きの通り、彼女の所有権は私にあります」

少女「・・・」

295: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/30(水) 21:14:39 ID:.QFQUZNLxc

少女「・・・では・・・」

少女「・・・彼女を買うと、仰って、います・・・」

千織「!?」

車掌「・・・へえ」

車掌「それは誰が言ってるんですか?あなたですか?」

少女「・・・」

様子が変わり、立ったままうつむいて喋らなくなった

296: ◆e.A1wZTEY.:2018/5/30(水) 21:17:50 ID:.QFQUZNLxc

車掌「・・・ちっ」

舌打ちすると、車掌は気絶しているブリアンに歩み寄り、身体をつかんでぶんぶんと振った

千織「わっ、あの、ちょっとっ」

車掌「いつまで寝てる、さっさと起きて状況を説明しろ」 ブンブン

ブリアン「・・・んげ、んげげっげえ」

うめき声とともに、ブリアンが目を覚ました

千織「ブリアンさん!大丈夫ですか!?」

ブリアン「も、もう少し丁重に扱ってよね・・・動物愛護に反するでしょ・・・」

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