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歪世界トレイン
[8] -25 -50 

1:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2017/4/30(日) 20:25:16 ID:4iSJ1d7xp2

乗客Yx1

戸野 千織(トノ チオリ)

目が覚めたらそこは、走る列車の中だった



257:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 19:58:38 ID:18YnfYyzqU
>>256
支援ありがとうございます!!
とても励みになります〜〜(*^。^*)
258:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:04:07 ID:18YnfYyzqU

車掌はキサラギ町にある兎男の自宅に訪れていた

車掌「――さすがにこんなバレやすいところにはいないか」

窓から家の中を眺めるが、無人のようだ

ふと、近くを歩く兎の町人を見つけ、話しかける

車掌「失礼、ちょっとよろしいですか」

町兎「はい?」

車掌「ここの家の者がどこに行ったか知りませんか?」

259:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:05:17 ID:18YnfYyzqU

町兎「兎男さんですか。さぁ・・・普段は列車で働いて、停車駅の町で寝泊まりしているらしいですからねえ」

車掌「私がその列車の車掌なのですが」

町兎「えぇっ!?これはこれは、こんな辺鄙な町へようこそ。兎男は何かしたのですか?無断欠勤とか?」

車掌「私の所有物を盗んで逃亡したので、探しています」

町兎「えええ!?そんなまさか」

どうやら兎男は、町の者たちに根回しして協力をあおいでいるわけではないらしい

車掌(馬鹿なのか、それともよほど隠れる場所に自信があるのか)

260:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:08:43 ID:18YnfYyzqU

車掌「彼の犯したことのせいで、列車を正常に稼働することができず、多くのお客様にご迷惑をかけています。兎一族は、代々列車の貨物業務にご協力いただき、私自身大変感謝しているのですが、このままでは兎一族全体に汚名をかけることになります」

町兎「ひ、ひえ」

車掌「列車はいまキサラギ駅に停車していて、今にも憤った乗客たちが町に乗り込んできそうな勢いです。それは何としても止めたいので、早急に彼を見つけなければなりません」

町兎「そ、そうですね」


261:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:10:51 ID:18YnfYyzqU

歪世界の住人はもともと「人間以外の生物」のため、知能は基本的に高くない

車掌の論術で言いくるめるのは難しくなかった

車掌「では、ご協力いただけるということでよろしいですか?兎男と少しでも交友関係があるとされる者の家を全て教えてください。他の町人の方に聞いてくださってもかまいません」

町兎「い、いますぐですか?」

車掌は静かに微笑んで見せた

車掌「今じゃなかったらいつなんですか?私の話聞いていましたか?早くどうにかしないと、列車に勤務する兎男全員を解雇します」

262:🎏 名無しさん@読者の声:2018/4/24(火) 11:24:53 ID:A.EYkzvPoQ
楽しく読ませてもらってます!
263:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/26(木) 22:37:49 ID:18YnfYyzqU
>>262
うおーめちゃめちゃ嬉しいです・・・!!( ;∀;)
楽しんで頂けるのがなによりの幸せ

264:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/26(木) 22:44:59 ID:18YnfYyzqU

――ブリアンが、兎女の屋敷へ飛び込んで行くのが見えた

普段は施錠されている屋敷の扉が、この時だけは開いていた

千織「…」 ハァッ、ハァッ

千織(ここ、確か人間がいるって言っていたところ・・・!でもブリアンさんがどうして…)

兎男「千織ちゃん待ってー!」

兎兄貴「おーい!」

千織「!」

265:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/26(木) 22:46:48 ID:18YnfYyzqU

後ろから兎男たちが走ってくる

この屋敷に勝手に入っていいのかわからないが、このままブリアンと離れるわけにはいかない

加えて、ここは恭太がいるかもしれない場所だ

千織(行かなきゃ・・・!)

千織は開いたままの扉から屋敷のなかに入った

すると、

ガタン!! ガチャッッ

千織「!」

千織の意思に関わらず、扉が勝手に締まり、施錠された

266:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/26(木) 22:49:14 ID:18YnfYyzqU

千織「ど、どうして…」

外では、兎男と兎兄貴が入ることを許されず、立ち往生していた

兎男「あ、兄貴・・・閉まっちまったぞ」

兎兄貴「クソッ、あかねえ!」 ガチャガチャ

兎男「な、何でここに入ったんだ?兎女の差し金?」

兎兄貴「知るか!だが、こんなことできるのは屋敷主の兎女だけだろう」

兎兄貴「扉は頑丈すぎて無理だ、どこか侵入できるところを探すぞ!」

兎男「う、うん!」

267:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/26(木) 22:51:32 ID:18YnfYyzqU

千織「・・・」

屋敷の中は薄暗く、不気味な空気が漂っていた

千織「ぶ、ブリアンさーん・・・」

千織「こ、ここにいますよね?私です、千織です・・・」

周囲を見回すが、ブリアンの姿は見当たらない

千織(も、もしかして、違う猫を見間違えちゃったのかな・・・)

おそるおそる奥へ進む

「にゃ〜」

千織「!」

268:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/26(木) 22:53:38 ID:18YnfYyzqU

左前方の柱の陰に、ブリアンの姿が見えた

ブリアンはそのまま、ドアの隙間から一室に入った

千織「ブリアンさん・・・!」 ダッ

追いかけて、千織もその部屋に入る

――だが、部屋に入った瞬間

ガシャンッッ!!

千織「!!」

上から鉄格子の檻が降ってきて、千織を隔離した

269:🎏 名無しさん@読者の声:2018/4/27(金) 13:43:33 ID:YGEouu4Zt6
好き!紫炎
270:🎏 名無しさん@読者の声:2018/4/28(土) 20:29:56 ID:D8l8UUZnFg
C
271:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/30(月) 16:58:49 ID:JKkMWsFJTY
>>269
支援ありがとうございます!
好きと言って頂けて感激です、照れます(>ω<)

>>270
支援ありがとうございます〜!
時間あれば今夜には更新しますね
272:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/5/1(火) 22:29:56 ID:.QFQUZNLxc
すみません、今まさに投稿しようとしたら、PCにお茶こぼしてPC死にました
修理に出しますが、いつ直るかわからないのと、書き溜めてたぶんが死んだ可能性大でショックがやばいです
途方に暮れてますが、放置は絶対に致しませんので、待っていてくださると幸いです…
273:🎏 名無しさん@読者の声:2018/5/2(水) 09:44:20 ID:9UKRv5vPg2
どんまい!
気長にまってます(*´∀`*)
274:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/5/6(日) 21:10:26 ID:.QFQUZNLxc
>>273
ありがとうございます〜!
幸いなことに、PCが復活いたしました。データも無事です。
皆様もPCまわりでの飲食にはご注意ください;;
275:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/5/6(日) 21:14:36 ID:.QFQUZNLxc

千織「え、え、え・・・!?」

檻の外には、ブリアンが微笑みながら立っている

千織「ブリアンさん、これは、ど、どういうことですか」

ブリアン「・・・」

ブリアンがゆっくり目を閉じる

すると、ふわりとブリアンの体から白いもやのようなものが離脱した

同時に、ブリアンがバタリと倒れる

千織「・・・!?」

そのもやは、徐々に人の形を形成し、髪の長い少女の姿になった

千織「あ、あなたは・・・」

少女「・・・はじめまして」

276:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/5/6(日) 21:16:38 ID:.QFQUZNLxc

町兎「しゃ、車掌さん!」 バタバタ

車掌「はい」

町兎「兎男と、その友人である兎兄貴を見たという情報をもらいました」 ゼェゼェ

車掌「はい」

町兎「丁度先ほど、兎女の屋敷の前にいたそうです。おそらくまだその周辺にいるかと・・・」

車掌「その屋敷の場所は?」

町兎「は、はい!ご案内しますのでついてきてください!」


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