乗客Yx1
戸野 千織(トノ チオリ)
目が覚めたらそこは、走る列車の中だった
123: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 21:03:59 ID:spmolqlGjY
男たちが恭太の前に立つ
???「――隊長。こちらがその人間です」
???「ふむ。意識を失っているな。身元を確認できるものは?」
???「人間のものとみられる学生?手帳を見つけました。沖恭太、東京都荒川区○○在住…」
???「よし、送り届けるぞ」
???「記憶の処理はどうなさいますか?」
???「消してやろう。恐怖でいっぱいだっただろうからな」
恭太(・・・・・・ん・・・?)
人の存在に気づき、意識を戻し始めた
124: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 21:05:47 ID:spmolqlGjY
恭太(だれか、いる…?魚人か…?)
???「おや、目を覚ましたようですよ」
???「沖恭太くん。もう大丈夫だ」
恭太「大丈夫…?」
???「君の身柄は、我々異界警察が保護した。安心したまえ」
恭太「警察…!?」
はっと目を開ける
125: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 21:13:32 ID:spmolqlGjY
???「おっと。もう少し寝ていたまえ。ちゃんと送り届けるから、大丈夫だよ」
男が恭太の目を手で覆った
恭太「っ…ちおちゃんを、ちおちゃんを助けてくれ!頼む!」
???「ちおちゃん…?」
???「まだ歪世界に人間がいるのか?」
???「調べてみます」
???「―――…いえ。この世界に、他に人間の気配はありません」
126: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 21:14:39 ID:spmolqlGjY
???「ニオイ探知はどうだ?」
???「反応していません」
???「…ふむ。どういうことだろう?」
???「その少年も、恐怖で記憶が混乱しているのでしょう」
恭太(ちおちゃんがいない…!?そんな、馬鹿な)
恭太(まさか、食べられちゃったのか…!?)
恭太「あああああっ!!」
127: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 21:15:49 ID:spmolqlGjY
恭太「ちおちゃん、ちおちゃん…!!!」
後悔のあまり、叫びをあげる
???「落ち着いて。隊長、記憶の削除を行ってよろしいですか」
???「あぁ」
恭太「ちおちゃん…!!」
その言葉を最後に、恭太は意識を失った
128: 名無しさん@読者の声:2017/5/22(月) 22:43:57 ID:3/JsMTxgiM
支援
129: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/23(火) 13:36:40 ID:spmolqlGjY
>>128
支援ありがとうございます、嬉しいです!!
更新遅れてすみません、がんばります\(^o^)/
130: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/23(火) 13:39:48 ID:spmolqlGjY
―――千織が歪世界にきてから、3日目の朝
「――おり。ちおり」
千織「ん…」
車掌「千織。起きなさい」
千織「んん〜おかあさーん…」
千織「だいじょうぶ、まだあと5ふんねても…まにあうから…」 グーグー
車掌「…」
131: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/23(火) 13:41:26 ID:spmolqlGjY
ブリアン「あら〜かわいい寝顔だね」 ヒョコッ
車掌「…ブリアン。機嫌は直ったのか」
ブリアン「まぁ、僕も車掌とは喧嘩したくないから。でも、この子を人間界に戻すことは反対だよ」
車掌「…」
ブリアン「今まで君は独りだったから、実感ないと思うけど。この子の髪も、顔も、手も足も、全部車掌のものなんだよ?」
ブリアン「全部、車掌の好きなようにしていいんだ」
車掌「変態くさい言い方はやめろ」
132: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/23(火) 13:43:55 ID:spmolqlGjY
車掌「いったい何を企んでいるんだ、お前は」
ブリアン「べつにぃ?僕は車掌のためを思って言ってるだけさ」
車掌「…客が乗ってくる時間だ。行くぞ」 スッ
ブリアン「起こさないの?」
車掌「疲れているのだろう。無理に起こさなくても仕事は回る」 バタン
ブリアン「…独りに慣れすぎなんだよ、車掌は」 ボソ
133: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 00:09:35 ID:spmolqlGjY
ガタンゴトン
ガタンゴトン
千織「…」 スヤスヤ
千織「……ん」
千織「…ん…!?」
はっとして目を覚ました
起き上がると、明るい日差しが窓から注ぎ込んできた
千織「…」
千織「…い、いま何時だっ」
134: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 00:10:46 ID:spmolqlGjY
スマホをみるが、電池が切れている
だが、既に列車が動いているところをみるに、寝坊したことに間違いないようだ
千織「どど、ど、どうしようっ…」
車掌は怒っているだろうか
急いで起き上がり、寝台車両が出ようとしたが、動きを止めた
千織「…行って、いいのかな…」
ここを出れば、一般車両である
おそらく客(人外)が多く乗車しているはず
千織(む、無理だあぁ〜〜) ヘナヘナ
135: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 00:12:36 ID:spmolqlGjY
車掌「…」 ピク
車掌「…起きたか」
列車を運転しながら、つぶやく
ブリアン「こわ。なんでわかるの」
車掌「列車内に存在する精力の動きは全て把握している」
ブリアン「そういやそうだったね」
車掌「とりあえず、貨物と寝台の掃除でもやらせるか。ブリアン」
ブリアン「はいはい、僕が指導しに行けばいーんでしょお」 スタスタ
136: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 23:34:08 ID:spmolqlGjY
――――――
ブリアン「――だめだね。まだホコリが残ってる」
千織「えぇ」
ブリアン「ちゃんと隅から隅まで掃くんだよ。やりなおし」
千織「は、はい…」
いそいそと貨物車両の掃除をする
ブリアンは意外と掃除には厳しいようだ
ブリアン「魚人の家があるササノコ駅まであと3時間。それまでに雑巾がけまで終わらせてね」
千織「はい」
137: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 23:40:35 ID:spmolqlGjY
車掌「正確には3時間15分だ」
千織「車掌さん」
貨物車両に車掌が入ってきた
車掌「ササノコ駅を終点とした後は、直接魚人の家まで列車を走らせる」
千織「え…」
ブリアン「えぇえ?線路のないところ走るつもり?」
車掌「あぁ」
ブリアン「やめなよ〜。揺れが酷いし精力も消費しちゃう」
138: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 23:43:01 ID:spmolqlGjY
車掌「何かあったとき、近くに列車があったほうがいいだろう」
千織「そ、そんなことが可能なんですか」
車掌「可能だ」
千織「そもそも、どうやって魚人の家を見つけるんですか?」
車掌「昨日魚人から回収した携帯機器から、住所はわかった」
千織「な、なるほど…」
139: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 23:51:48 ID:spmolqlGjY
千織「あ、あの。私が頼んでおいてあれなんですけど、…私にできることありますか?」
車掌「…」
ブリアン「…」
車掌「…そうだな。おととい会った感じ、君の連れは頭を使わない猿だった。ここでまた暴れられても困るから、きちんとなだめるように」
ブリアン「ブッ」
千織「そっ、それは…!確かに沖くんは、考えるより先に行動しちゃうタイプですけど」 アセアセ
千織「でもそれは、私のことを心配してくれての行動だったので」
140: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 23:55:01 ID:spmolqlGjY
車掌「君を守りたいならなおさら、迂闊な行動は逆効果だろう」
千織「う…」
ブリアン「車掌から見たら、人間なんてみんな迂闊な行動しかしないよ」 ケラケラ
ブリアン「千織、そんな男やめて車掌に乗り換えたら?」
千織「はっ…!?」
ブリアン「冷静沈着、頭脳明晰。しかもほら、顔も見てよ、悪くないでしょ」
141: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/24(水) 23:57:13 ID:spmolqlGjY
ヒョイ、と車掌の頭の上にのって帽子をとろうとする
車掌「ブリアン」
千織「も、もしかして誤解してます!? 私、沖くんとそういう関係じゃないです」
車掌「違うのか」
ブリアン「お互いすごい心配しあってるから、そうだと思ったよねぇ」
千織「た、ただの友達です…」 カアァ
142: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/25(木) 21:24:53 ID:spmolqlGjY
――約3時間後
列車は、終点ササノコ駅に到着した
客は皆降り、列車内は車掌とブリアンと千織のみになった
車掌「――さて、行くか」
そう言うと、列車は線路を外れ、ガタゴトと土手を走り始めた
千織「せ、線路がないのにどうやって走ってるんですか」
車掌「線路がないわけではない。一時的に線路を錬成して敷いている」
千織「す、すごいですね…」
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