乗客Yx1
戸野 千織(トノ チオリ)
目が覚めたらそこは、走る列車の中だった
103: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/14(日) 00:27:46 ID:spmolqlGjY
千織「え…!?」
千織「す、すみません、話がちょっとわからないんですが」
ブリアン「っ…」
ブリアン「千織、おいで。僕が説明してあげる」
車掌「だめだ」
車掌が千織の手をつかむ
車掌「お前の説明じゃ偏見が大きい。私から説明する」
ブリアン「…!」
ブリアン「あぁそうかい!勝手にしなよ!!」
ブリアンは不機嫌そうに尻尾を床にたたきつけると、どこかへ行ってしまった
104: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/14(日) 00:52:18 ID:spmolqlGjY
多めと言いつつ9レスしか書けなかったので切腹_(:3」 ∠ )_
105: 名無しさん@読者の声:2017/5/14(日) 07:45:59 ID:spmolqlGjY
>>98
✕不思議な男
〇不思議な男の子
106: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/15(月) 01:00:22 ID:spmolqlGjY
2人きりになると、車掌が静かに話し始めた
車掌「―・・・以前にも言ったが、この列車は電気や蒸気で動く類のものではない」
車掌「精力と呼ばれる、心身の活動力を源としている」
千織「心身の活動力・・・」
車掌「生命力と言ってもいい。どの生物にも問わず存在しており、その形は限定されない」
車掌「前、君がこの列車に迷い込んだとき、私は君から髪という精力を頂戴した。その精力を使って、君を君の住む場所へ送り届けたというわけだ」
107: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/15(月) 01:01:44 ID:spmolqlGjY
千織「そうだったんですね…」
千織「…車掌さんは、ご自身の精力を使って、この列車を動かしているんですか?」
車掌「そうだ。この世界に住む者たちは、もともと死者だから精力を持ち合わせていないが、私は精力をもっている」
千織「車掌さんは生きているってことですか?」
車掌「この列車を動かすためだけに精力が与えられているだけだ。それが生きていると言うのかは知らない」
車掌「実際に目で見たほうがいいだろう。ついてこい」
108: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/15(月) 01:03:48 ID:spmolqlGjY
案内されたのは、車掌室だった
車掌「これが私の食事だ」
車掌が目をやった先をみると、茶色い箱があった
中には客から回収したと思われる乗車券が積まれている
千織「食事…?」
車掌「見ていろ」
車掌が手をかざすと、ゆらゆらと乗車券が揺れた
その形態は徐々に変化し、1枚1枚が青白い光になり、合わさっていく
109: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/15(月) 01:07:04 ID:spmolqlGjY
千織「…!?」
車掌はその光の塊を手のひらにのせると、自分の胸にあてがった
そのまま、ずずず、と自分の胸の中へ埋め込んでいく
千織「…」
呆気にとられている間に、光の塊は完全に車掌の体内へ入っていった
車掌「……これで終わり」
千織「い、いったい何が」
車掌「乗客は精力をもっていないので、金をだして精力を購入している。それが乗車券という形で私の元へきている」
車掌「私はその精力を吸収し、消費することで、この列車を動かしている」
千織「…!」
110: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/16(火) 01:18:08 ID:spmolqlGjY
千織「…わ、私のために払ったお金、車掌さんの精力を使ったんですよね?どのくらい使ったんですか…?」
車掌「別に気にしなくていい」
千織「でも!」
車掌「問題になる量ではないと言っている。ブリアンが大げさなだけだ」
千織「…」
千織「…本当に、ごめんなさい」
千織「私の精力、できる限り差し上げたいです。どうすればいいですか?」
111: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/16(火) 01:20:01 ID:spmolqlGjY
車掌「…」ハァ
車掌「君は躊躇もせず働くだの精力を渡すだの言うが、深刻さをわかっていないな」
千織「え…」
車掌「精力は生命力に等しいと、さきほど言ったことを忘れたのか?休めば回復する体力とは違う。自分の寿命を減らす覚悟があるなら考えてやる」
千織「そ、それは…」
そのとき
ぐううぅぅ〜〜
不意に、千織のお腹が鳴った
112: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/16(火) 01:21:21 ID:spmolqlGjY
千織「…」
車掌「…」
千織「ご、ごめんなさい…」 カアアァ
千織(もおぉ〜!何でこんな時に鳴るのよ!ばか!ばか!)
恥ずかしさで顔をおさえる
車掌「…まったく」
車掌「君は緊張感がないな」
千織「す、すみません…」
113: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/16(火) 01:22:30 ID:spmolqlGjY
車掌「…いや。普通に考えれば、君も腹がへって当然か。私の方こそ、自分だけ食事を済ませてしまってすまなかったな」
千織「い、いえ…」
謝られたことに少し驚く
車掌「積み荷に、乗客用の非常食があったはずだから、もってきてやる」
千織「あ、ありがとうございます」
114: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/16(火) 01:25:14 ID:spmolqlGjY
車掌がもってきたのは、「草」だった
千織「…草?」
車掌「ヤエヌクラ草という、この世界で最も簡単に手に入る食材だ」
車掌「この世界には人間がいないからな。君が慣れ親しんだ食料はない」
千織「た、食べても大丈夫でしょうか」
千織「食べたら元の世界へ戻れなくなるとか、ないですか?」
車掌「嫌なら食べなくてもいいが」
千織「た、食べます、食べます」
115: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/16(火) 01:27:11 ID:spmolqlGjY
シャク、と草を口の中へ入れる
千織「…」 シャク
千織「…」 シャクシャク
車掌「別にまずくはないだろう」
千織「無味、ですね…。噛み続けたガムの味です」
車掌「そのうちマシなものを調達するから、我慢してくれ」
千織「と、とんでもないです。餓死するよりずっとましです」
116: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/17(水) 23:50:20 ID:spmolqlGjY
食事を終えると、寝台車両へ案内された
1〜6両目が一般車両、7両目が寝台車両、8両目が貨物車両となっているようだ
車掌「ここの寝台で寝てくれ。最近ここは開放してないし、客がいきなり乗り込んでくることもない」
千織「はい」
千織「車掌さんやブリアンさんはどこで寝てるんですか?」
車掌「私は車掌室で寝ている。ブリアンは適当なところで寝ている」
千織「そ、そうなんですね」
117: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/17(水) 23:56:06 ID:spmolqlGjY
千織「…」 オドオド
車掌「?」
千織「あ、あの。ここが安全だとはわかってるんですけど…私、怖くて。魚人とか、未だに信じられないし…」
千織「ここは車掌室と距離があるので、何かあった時に不安で」 アセアセ
車掌「…」
千織「…」
車掌「…つまり?何が言いたい?」
千織「そ、その… 車掌さんの近くで寝させてもらったら安心だなって…」
118: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/17(水) 23:57:58 ID:spmolqlGjY
車掌は少し考える素振りを見せたが、小さく首を振った
車掌「君は甘えすぎだ。自分の身は自分で守ることも覚えろ」
千織「は、はい…」 ガーン
車掌「明朝6時に列車を動かす。5時には起きるように」
そういうと、車掌は寝台車両から出ていった
千織「…」
千織「…悪い人じゃ、ないんだけど」
気軽に話せるようになるには、まだ時間がかかりそうだ
119: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 00:00:09 ID:spmolqlGjY
補足:列車編成
・最前部:運転席
・1〜4両目:一般車両
・中間部:車掌室
・5〜6両目:一般車両
・7両目:寝台車両
・8両目:貨物車両
・最後部:運転席
120: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 20:56:06 ID:spmolqlGjY
―――魚人宅
恭太「へっくしゅん!」
柱に縛り付けられたまま、くしゃみをする
恭太(俺…死ぬのかな…)
寒さと空腹で、心身ともに限界だった
恭太(ちおちゃん…ちおちゃんは、食べられちゃったのかな)
恭太(俺、無力だ…好きな女の子ひとり、守れないなんて)
恭太(何でこんなことに…俺たちが何をしたっていうんだ…)
夢であってほしい
そう願いながら、恭太は眠りについた
121: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 20:57:25 ID:spmolqlGjY
魚人母「――な、な、何だってんだい、あんたたち!」
銃をつきつけられた魚人母が、後ずさりする
???「…」
???「隊長、家の中をチェックしましたが、人間とこの魚人以外いないようです」
???「そうか。仕事が少なくて助かるな」
???「人間はかなり衰弱しているようです。急いだほうがよろしいかと」
???「あぁ」
魚人母「…!? あんたら、あの人間を連れていくつもりなのかい!」
魚人母「そうはいかないよ、あれはウチの獲物だ!!」
122: ◆e.A1wZTEY.:2017/5/18(木) 21:01:04 ID:spmolqlGjY
???「静かにしろ」
バンッ、バンッ
魚人母「ぎえぇっ」 バタッ
容赦なく発砲され、魚人母は倒れこんだ
魚人母「よ、よくも…よくもおお…!」
???「歪世界に迷い込んだ人間を捕らえ、奴隷にしたり食したりすることは異界法違反だ。たとえそれが未遂でもな」
魚人母「なん、だと」
???「貴様は刑罰に処する」
バンッ
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