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神娘「人間など嫌いだ」
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1: 亀更新かもです ◆WjgYlacz.c:2015/12/10(木) 10:06:43 ID:I.XMW0eHSk



ーむか〜しむかし、とある場所で





267: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:47:58 ID:YZA5Eqdiic





・・・・・・・・・・





268: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:49:30 ID:YZA5Eqdiic
タタタタッ



神娘「おっと…!」バシャッ



神娘(水たまりが多い。おまけに、やけに道がぬかるんでいるな…雨でも降ったのか?)



神娘(くそっ、走りづらい)



ドクンッ



神娘「!」タタタ



ドクンドクンッ



神娘「…っ」タタタ



ドックンドックンドックン



神娘(…どんどん死の気配が強くなっていく)



神娘(押し潰されそうだ…!)



神娘(もっと急げ!もっと…!)スタタンッ!



ビュオオオオッ
269: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:50:03 ID:YZA5Eqdiic





・・・・・・・・・・





270: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:50:37 ID:YZA5Eqdiic
ザザッ!

神娘「…はぁ、はぁ」

神娘(さすがに…少し疲れたな)

神娘(だが着いた。確かにここのはず…!)

神娘(とにかく、あやつを探しに…)ザッ

フラッ

神娘「おっと…」クラッ

神娘(いかんな。少し消耗が…)

…オイ!モットオウエンヲヨベ!

クソッ!ヨリニヨッテコノジキニ…

ザワザワザワ…

神娘「…?」

神娘(騒がしいな…何があったんだ?)

モウスグデシュウカクノジキダッタノニ…

マサカ、ガケガクズレルトハナア…

神娘「!?」

神娘「崖が崩れただと…!?」

『ガラガラガラ…ッ!』

『ドザザザザアアアッ!!!』

神娘「まさかあの音は…!」

神娘「くっ!」タタッ
271: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:51:04 ID:YZA5Eqdiic
ガヤガヤガヤガヤ…

オーイ!コッチヲドカシテクレ!

イヤアヒデエヒデエ…

神娘「……」

神娘(これは…確かにひどい有様だ)

百姓一「ん?おめえ、見慣れない顔だなあ」

神娘「!」

神娘「これはいったい何があったのだ?」

百姓一「ああ、ここ数日すげえ雨が降っただろ」

百姓一「地面が緩くなってたんだろうな。さっき裏山の崖が崩れたんだ」

神娘「…」

百姓一「それよりおめえ余所もんだろ?あんまり首を突っ込まない方が…」

神娘「心配無用だ」タタッ

百姓一「あっ、ちょっ…行っちまったよ」

神娘「……」キョロキョロ

神娘(あやつは…あやつはいないのか…?)

神娘(まさか…な)
272: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:51:34 ID:YZA5Eqdiic
ヒソヒソ…

…カワイソウニネエ

オトコサンノイエデショ?アソコ…

神娘「!?」ピクッ

神娘「い、今なんと言った!?」バッ

農婦一「えっ?」

農婦二「な、なによこの子…」

神娘「男の家だと言ったか!?」

農婦一「ええ…あの崖崩れの下敷きになっている場所がね…」

農婦二「本人も巻き込まれてるって話だし…」

神娘「なっ…なっ…」

農婦一「あの様子だとまず生きてはいないでしょうねぇ」

農婦二「まだ若かったのに残念…あら?」

神娘「…」ダッ!

農婦二「…ねぇ、あの子見た事ある?」

農婦一「いいえ。ないわね…」

神娘「…っ」ギリッ

神娘(嘘だ!嘘だ!嘘だ…!)
273: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:52:07 ID:YZA5Eqdiic
ガラッ

百姓二「ふう…もう手が付けらんねぇ」ザクッザクッ

百姓三「生きてはいないだろうな、これじゃあ…」ハアハア

ドケッ!ドクノダ!

百姓二「ん?なんだあ?」

ザワザワ…

百姓一「お、おい!そっち行くなって!」

神娘「うるさい!手を離せ!」バッ

百姓一「おわっ!」ドテッ

百姓一「な、なんだ?力つええ…」イテテ

神娘「……」ザッザッ

百姓二「誰だ…?見覚えがねえ格好してんな」

百姓三「おい!これ以上近付かない方が…」

神娘「…どけ」ギロッ

百姓二・三「っ!」ビクッ

神娘「どけと言っているのだ!!」

百姓二・三「ひ、ひぃぃ〜っ」ササッ

神娘「…」ズカズカ
274: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:53:28 ID:YZA5Eqdiic
百姓二「おい、なんだあいつは?」ヒソヒソ

百姓一「わ、分からねえ。やっぱりこの村のもんじゃねえだろ?」ヒソヒソ

百姓三「でもさっきの気迫…只者じゃないぞ…」


ヒソヒソ…ヒソヒソ…


神娘「……」


神娘「…なぁ。本当にあやつはこの下におるのか…?」


百姓一「へ?あ、ああ…間違いねえ」


神娘「そう、か…」


神娘「……」
275: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:54:54 ID:YZA5Eqdiic
『当然、お待ちしております』


神娘「……っ」


『その日までに、神様が驚かれるような立派な村にしますよ』 


神娘「……」ポロッ


『神様、またお会いしましょう』


神娘「……」ポロポロッ




神娘「……この…っ」ギリリッ




神娘「…この大馬鹿者がああぁぁっっ!!!」
276: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:56:41 ID:YZA5Eqdiic
村人たち「!」ビクッ


神娘「お前は…待っているのではなかったのか…っ!!」


神娘「何故死んだ!私に顔も見せずに…っ!」ポロポロ


神娘「私との約束を…破るとは…!」


神娘「この不届き者!地上一の馬鹿者がぁぁっ!」


神娘「うぅぅ……うああぁぁぁぁ……っ!」ガクッ


「なんだ?」ザワ…


「どうしたって言うんだ…?」ザワザワ…


ザワザワザワ…


神娘「…せっかく…もう少しだったのに…っ」ヒック


神娘「もう少しで…また会えたはずだったのに…っ」エグッ


神娘「うっ…うっ…」


神娘「うぅ…」ポロポロ
277: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:33:57 ID:ErEHuXWIKY















…………ッ
278: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:34:34 ID:ErEHuXWIKY



神娘「…?」



神娘(…なんだ?何かが聞こえる…)



279: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:35:22 ID:ErEHuXWIKY















………ンッ
280: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:35:52 ID:ErEHuXWIKY



神娘「……」



281: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:36:26 ID:ErEHuXWIKY















………ドクンッ
282: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:38:47 ID:ErEHuXWIKY
神娘「!」ガバッ

…ドクンッ……ドクンッ……

神娘(こ、これは…)

百姓一「お、おい。何だか知らねえがもうどいてくれよ」

神娘「…聞こえる」

百姓一「ん?」

神娘「あやつの…命の鼓動が聞こえる…」

百姓二「な、何言ってんだあ?んなもん聞こえねえよ」

神娘「!」ハッ!

神娘「この鈴か…?」チリッ

ドクン…ドクン…

神娘(やはり…!)

神娘(あやつが持っている片割れを通し…心臓の音を伝えているのか!)

神娘「あやつは…男はまだ生きておるぞ!」

百姓一「へっ?そんな馬鹿な…」

神娘「いいから掘るのだ!まだ間に合う!」ユサユサ

百姓一「お、おおお…ゆ、揺するんじゃねえって」ガクガク

神娘「あっ…す、すまん」パッ

百姓三「それに掘ると言ってもねえ…」

百姓二「もうおら達じゃ手が付けらんねえよ…」

神娘「そんな事を言うな!諦めては…」ハッ
283: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:39:46 ID:ErEHuXWIKY
百姓たち「…」ボロッ

神娘(…皆、よく見れば手も足も泥と傷だらけ)

神娘(この土砂を取り除こうと…)

神娘(……)

神娘「…分かった」

百姓たち「?」

神娘「お前たちは…男を救い出そうと必死に頑張ったのだろう」

神娘「だが、お前たちの腕はこの村の支えに必要な腕」

神娘「これ以上、無闇に傷を付ける必要はあるまい」

百姓一「…」

神娘「人に為せぬ事を為すのが神たる所以」

神娘「あとは私に任せよ」ザッ

百姓二「お、おい!何をする気だあ!?」

百姓一「…なあ、今…神って言ったか?」

百姓二「えっ?」

神娘「……」

神娘「すぅ〜っ…」

パンッ

神娘「…皆、離れておれ」

百姓たち「!」

「み、みんな!言われた通りにしろ!」

「何が起こるか分からんぞぉ!」

ワー!ワー!

神娘「…」ググッ…

ヒュオオオ…
284: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:40:12 ID:ErEHuXWIKY
『いい?何が起こっていても…決して無茶をしては駄目よ』

神娘「……」オオオ…

神娘(すまん、山神殿。言い付けを破る)

神娘(ここでこうせねば…私は悔やんでも悔やみきれない)

ビュオオオ…!

百姓一「ま、まるで風が集まってるみてえだ…」

農婦一「ちょっとお前さん!あの子はいったい何なの?」タタッ

百姓一「わ、分かんねえ…」

百姓一「…でも、多分あいつは……いや、あの方は…」

ゴオオオオッ…!

神娘「…くぅ…っ!」ビキビキッ

神娘(これは…っ、体が耐えられるか分からん…!)

神娘(だが…!今の私の全力をぶつけねば…!)

神娘(…そういえばいつか言ったな、男)

神娘(私が本気を出せば大岩でも吹き飛ばせると…!)

神娘(わはは、嘘であった。本気を出せば…それどころではない!)

神娘「おおおおおっ!!」ググッ

神娘「死の気配ごと!吹き飛ばしてくれるわああっ!!!」

バッ
285: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:40:39 ID:ErEHuXWIKY



ドッゴオオオオオオオオン!!!!



286: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:41:08 ID:ErEHuXWIKY





山神「!」ピクッ

村娘「どうかしました?山神様…」

山神「……」

山神(何かしら…この大きな気の流れ…)

村娘「山神様…?」

山神「……いいえ、なんでもないわ」
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