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神娘「人間など嫌いだ」
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1: 亀更新かもです ◆WjgYlacz.c:2015/12/10(木) 10:06:43 ID:I.XMW0eHSk



ーむか〜しむかし、とある場所で





259: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:29:31 ID:TXb2tRm0vc
村娘「神娘様はどうですか?修行の方は」

神娘「うむ、順調だぞ」

山神「冬までには村に降りて修行できそうね」

村娘「本当ですか!」パアッ

神娘「早くそっちに行きたいものだ」

山神「そうね。早く修行を一段落させて…」

村娘「男さんに会いに行かなくちゃいけないですもんね」

神娘「そういう意味ではないわ!」アセッ

神娘「こ、ここにいつまでも世話になっているわけにはいかんからな」

山神「そうね〜」ニヤニヤ

村娘「そうですね〜」ニヤニヤ

神娘「信じておらんだろ」

山神「でも男さんとそんな約束をしたなんてね」

村娘「てっきりあれでお別れするかと思ってました」

神娘「…心の声とやらに従ったら…ああなっただけだ」

山神「へぇ〜」

村娘「ほぉ〜」

神娘「いちいちうっとおしい奴らだな…」
260: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:30:03 ID:TXb2tRm0vc
山神「でも…頑張ってるかしらね、男さん」

神娘「…そうだな。何をしているのやら」

村娘「きっと頑張ってますよ。張り切って帰りましたもん」

神娘「……」

山神「にやけてるわよ、神娘」

神娘「っ!や、やかましい」

神娘「そろそろ再開するぞ!山神殿」

山神「はいはい。次は瞑想でもしましょうかしらね」

神娘「…あれか。退屈だ」フウ

山神「駄目よ。基礎の基礎は疎かにしては」

神娘「うむ…分かっておる」

神娘「では…」

モヤッ

神娘「ん…?」

村娘「どうかしました?神娘様」

神娘「……いや、何でもない」

ドクン ドクン…

神娘「…??」
261: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:30:35 ID:TXb2tRm0vc
神娘「……」メイソウ

山神「……」

神娘「……」

山神「……」

神娘「……」ソワソワ

山神「…神娘、集中が切れてるわよ」

神娘「あ、ああ…すまない」

神娘(…なんだ?この感じは…)

『ガラッ…』

神娘(ん…?)

『ガラガラガラ…ッ!』

『ドザザザザアアアッ!!!』

神娘「う、うわっ!?」バッ

山神「えっ?」

神娘「な、何だ!?今の音は!?」

山神「どうしたの神娘。音なんか何もしてないわよ?」

神娘「なんだと…?」
262: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:31:00 ID:TXb2tRm0vc
神娘「今、確かにしたではないか」

神娘「何かが崩れるような…大きな音が」

山神「落ち着いて。何もないったら」

神娘「ど、どういう事だ…?」

神娘(空耳?いや、そんなはずはない…)

山神「顔色が悪いわよ…どうかしたかしら?」

神娘「……」

神娘「…山神殿」

山神「なに?」

神娘「何やら不吉な予感がする」

山神「…どういうこと?」

神娘「とても大きな不安が湧き上がってくるような…」

神娘「今まで感じた事がない胸騒ぎがするのだ」

山神「胸騒ぎ…?」

神娘「ああ。これは何なのだ…」

山神「気のせいではないのね?」

神娘「うむ。断じて気のせいではない」
263: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:31:40 ID:TXb2tRm0vc
神娘「つい先ほどからなのだが…」

山神「いったい何かしら…私は何も感じないけど」

神娘「という事は、今この場所に関係ない事なのか?」

山神「そうかもね。この辺りに異変があれば私が真っ先に気付くわ」

神娘「……」

山神「…神娘」

神娘「ん?」

山神「例の鈴を出してみて」

神娘「鈴?これか」スッ

ズウン…

神娘「!?」ゾクッ

山神「どうかしたの!?」

神娘「…この鈴だ」チャリッ

山神「…」

神娘「触れただけで分かる。この鈴からその不安が湧き出ておる」

山神「やっぱりね。貸してみて」チャリッ

山神「……」

神娘「…どうだろうか」
264: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:32:15 ID:TXb2tRm0vc
山神「…今はこの鈴の片割れを男さんが持っているんだったわね?」

神娘「う、うむ」

山神「確かに…あまり良くない気が出ているわ」

神娘「やはりか。まさか、あやつの身に何かが…?」

山神「元々一つだった鈴が離れても神力で繋がっている可能性はあるわ」

山神「もう片方を通して、何かを伝えているのかも…」

神娘「な、何だと思う?例えば病気だとか、怪我だとか…」

神娘「そ、そうだ、大した事あるまい。なぁそうだろう?」

山神「…神娘」

神娘「……」

山神「認めたくない気持ちは分かるわ」

山神「でも、この鈴から感じ取れる気は…あなたも分かるはず」

神娘「う…む…」

山神「……」

神娘「…死だ」

山神「…」

神娘「死の気配が…その鈴からする」
265: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:32:46 ID:TXb2tRm0vc
神娘「あやつは今…死を感じるほどの目に遭っている…」

神娘「先ほど聞こえた音も…ただ事ではない」

山神「……」

神娘「や、山神殿!どうすればいい!?」

山神「落ち着いて神娘」

山神「この鈴の正体が掴めない以上、さっき私が言った事も仮説に過ぎないわ」

神娘「うむ…」

山神「もう少し様子を見て…」

神娘「それでは遅いかもしれないだろう!」

山神「!」

神娘「もし、山神殿が言った事が本当だったら…あやつは…」

山神「…」

神娘「…と、とにかく!私が様子を見に行ってくる!」

山神「神娘、それは…」

神娘「行かせてほしい」

山神「神娘…」

神娘「山神殿は無闇にここを離れられないだろう。村娘では時間がかかり過ぎてしまう」

神娘「私が行くしかない。今の私なら向こうまで数刻で行ける」

神娘「頼む。山神殿…!」

山神「……」
266: ◆WjgYlacz.c:2016/7/30(土) 18:33:26 ID:TXb2tRm0vc
山神「…分かったわ」

神娘「!」

山神「このままじゃあなたも修行どころではなさそうだしね」

山神「いいわ。様子を見に行ってきてちょうだい」

神娘「ありがとう」

山神「ただし」

神娘「む?」

山神「あなたの神力は回復してきたとはいえ…まだ完全ではないわ」

山神「過剰に力を使う事による消滅の危険はまだ残っているわよ」

神娘「…」

山神「いい?何が起こっていても…決して無茶をしては駄目よ」

神娘「…分かっておる」

山神「そう…じゃあ、行ってきなさい」

神娘「ああ」

神娘「…そうだ、村娘には…」

山神「上手く伝えておくわ。あまり心配かけたくないでしょう?」

神娘「頼む。では、行ってくるぞ」

タタンッ!
267: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:47:58 ID:YZA5Eqdiic





・・・・・・・・・・





268: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:49:30 ID:YZA5Eqdiic
タタタタッ



神娘「おっと…!」バシャッ



神娘(水たまりが多い。おまけに、やけに道がぬかるんでいるな…雨でも降ったのか?)



神娘(くそっ、走りづらい)



ドクンッ



神娘「!」タタタ



ドクンドクンッ



神娘「…っ」タタタ



ドックンドックンドックン



神娘(…どんどん死の気配が強くなっていく)



神娘(押し潰されそうだ…!)



神娘(もっと急げ!もっと…!)スタタンッ!



ビュオオオオッ
269: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:50:03 ID:YZA5Eqdiic





・・・・・・・・・・





270: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:50:37 ID:YZA5Eqdiic
ザザッ!

神娘「…はぁ、はぁ」

神娘(さすがに…少し疲れたな)

神娘(だが着いた。確かにここのはず…!)

神娘(とにかく、あやつを探しに…)ザッ

フラッ

神娘「おっと…」クラッ

神娘(いかんな。少し消耗が…)

…オイ!モットオウエンヲヨベ!

クソッ!ヨリニヨッテコノジキニ…

ザワザワザワ…

神娘「…?」

神娘(騒がしいな…何があったんだ?)

モウスグデシュウカクノジキダッタノニ…

マサカ、ガケガクズレルトハナア…

神娘「!?」

神娘「崖が崩れただと…!?」

『ガラガラガラ…ッ!』

『ドザザザザアアアッ!!!』

神娘「まさかあの音は…!」

神娘「くっ!」タタッ
271: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:51:04 ID:YZA5Eqdiic
ガヤガヤガヤガヤ…

オーイ!コッチヲドカシテクレ!

イヤアヒデエヒデエ…

神娘「……」

神娘(これは…確かにひどい有様だ)

百姓一「ん?おめえ、見慣れない顔だなあ」

神娘「!」

神娘「これはいったい何があったのだ?」

百姓一「ああ、ここ数日すげえ雨が降っただろ」

百姓一「地面が緩くなってたんだろうな。さっき裏山の崖が崩れたんだ」

神娘「…」

百姓一「それよりおめえ余所もんだろ?あんまり首を突っ込まない方が…」

神娘「心配無用だ」タタッ

百姓一「あっ、ちょっ…行っちまったよ」

神娘「……」キョロキョロ

神娘(あやつは…あやつはいないのか…?)

神娘(まさか…な)
272: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:51:34 ID:YZA5Eqdiic
ヒソヒソ…

…カワイソウニネエ

オトコサンノイエデショ?アソコ…

神娘「!?」ピクッ

神娘「い、今なんと言った!?」バッ

農婦一「えっ?」

農婦二「な、なによこの子…」

神娘「男の家だと言ったか!?」

農婦一「ええ…あの崖崩れの下敷きになっている場所がね…」

農婦二「本人も巻き込まれてるって話だし…」

神娘「なっ…なっ…」

農婦一「あの様子だとまず生きてはいないでしょうねぇ」

農婦二「まだ若かったのに残念…あら?」

神娘「…」ダッ!

農婦二「…ねぇ、あの子見た事ある?」

農婦一「いいえ。ないわね…」

神娘「…っ」ギリッ

神娘(嘘だ!嘘だ!嘘だ…!)
273: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:52:07 ID:YZA5Eqdiic
ガラッ

百姓二「ふう…もう手が付けらんねぇ」ザクッザクッ

百姓三「生きてはいないだろうな、これじゃあ…」ハアハア

ドケッ!ドクノダ!

百姓二「ん?なんだあ?」

ザワザワ…

百姓一「お、おい!そっち行くなって!」

神娘「うるさい!手を離せ!」バッ

百姓一「おわっ!」ドテッ

百姓一「な、なんだ?力つええ…」イテテ

神娘「……」ザッザッ

百姓二「誰だ…?見覚えがねえ格好してんな」

百姓三「おい!これ以上近付かない方が…」

神娘「…どけ」ギロッ

百姓二・三「っ!」ビクッ

神娘「どけと言っているのだ!!」

百姓二・三「ひ、ひぃぃ〜っ」ササッ

神娘「…」ズカズカ
274: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:53:28 ID:YZA5Eqdiic
百姓二「おい、なんだあいつは?」ヒソヒソ

百姓一「わ、分からねえ。やっぱりこの村のもんじゃねえだろ?」ヒソヒソ

百姓三「でもさっきの気迫…只者じゃないぞ…」


ヒソヒソ…ヒソヒソ…


神娘「……」


神娘「…なぁ。本当にあやつはこの下におるのか…?」


百姓一「へ?あ、ああ…間違いねえ」


神娘「そう、か…」


神娘「……」
275: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:54:54 ID:YZA5Eqdiic
『当然、お待ちしております』


神娘「……っ」


『その日までに、神様が驚かれるような立派な村にしますよ』 


神娘「……」ポロッ


『神様、またお会いしましょう』


神娘「……」ポロポロッ




神娘「……この…っ」ギリリッ




神娘「…この大馬鹿者がああぁぁっっ!!!」
276: ◆WjgYlacz.c:2016/8/5(金) 21:56:41 ID:YZA5Eqdiic
村人たち「!」ビクッ


神娘「お前は…待っているのではなかったのか…っ!!」


神娘「何故死んだ!私に顔も見せずに…っ!」ポロポロ


神娘「私との約束を…破るとは…!」


神娘「この不届き者!地上一の馬鹿者がぁぁっ!」


神娘「うぅぅ……うああぁぁぁぁ……っ!」ガクッ


「なんだ?」ザワ…


「どうしたって言うんだ…?」ザワザワ…


ザワザワザワ…


神娘「…せっかく…もう少しだったのに…っ」ヒック


神娘「もう少しで…また会えたはずだったのに…っ」エグッ


神娘「うっ…うっ…」


神娘「うぅ…」ポロポロ
277: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:33:57 ID:ErEHuXWIKY















…………ッ
278: ◆WjgYlacz.c:2016/8/11(木) 20:34:34 ID:ErEHuXWIKY



神娘「…?」



神娘(…なんだ?何かが聞こえる…)



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