ーむか〜しむかし、とある場所で
141: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:09:37 ID:Cu6x.Ta2oE
男「…今日は神様、よくお話しされますね」
神娘「ん?」
男「いつもはそういった神の事情など話したがらないではないですか」
神娘「…別に話すこと自体は都合の悪い事ではない」
神娘「ただ、人間の間で言いふらされると困るだけだ」
男「そうなのですか」
神娘「お前はそういった事をしなそうだし、別にもう構わん」
男「おお、少しは信用されてきたようですね」
神娘「……」
『思った以上にあの人間の事、信用しているようねぇ?』
神娘「……そうかもな」ボソッ
男「えっ」
神娘「ん?」
神娘「……あっ、ち、違う!今のはお前に返事したのではなくてだな…!」アセッ
男「ははは、これは驚きました。嬉しいですねえ」
神娘「うぅ…また調子に乗り出すぞこやつ…」
142: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:10:25 ID:Cu6x.Ta2oE
男「では、信用されついでに教えていただきたい事が」
神娘「…早速か。なんだ」
男「山神様より、神様は昔ここにおられたと聞きました」
神娘「!」
男「この麓にある村に住んでおられたとも」
神娘「また余計な事を…」
男「それなのに何故、神様は人間をお嫌いに?」
神娘「……」
男「お聞きしとうございます」
神娘「聞いてどうする。また興味本意か」
男「確かにそれもあります」
神娘「正直か」
男「しかしそれ以上に…悔しいのです」
神娘「悔しい…?」
男「神様がこれほど悩んでおられるのに、事情を知らぬ私は力になる事ができない」
男「私は神様のお役に立ちたいと思っていますが…それができず歯がゆい」
神娘「……」
男「せめてその悩みに寄り添う事ができれば…と思っております」
神娘「…呆れた奴だな」
男「……」
神娘「お前に話したところで…どうする事もできん」
男「…そうですか」
143: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:11:49 ID:Cu6x.Ta2oE
神娘「…だが、久しぶりだ」
男「え?」
神娘「この十年あまり…誰とも関わらなくなっていたからな」
神娘「誰かにそんな言葉をかけてもらえる事もなかった」
男「神様…」
神娘「もっとも、お前の場合は半分程がお節介だが」
男「感激が台無しです」
神娘「わはは、まあ正直少し嬉しかったぞ」ケラケラ
男「それは何より」
神娘「分かったよ。お前の気持ちに免じて話してやろう」
男「なんと。本当ですか」
神娘「今となってはそう意地になって隠すものでも無いしな」
男「ありがたや」
神娘「最初に言った通り、話したところで何もない」
神娘「それでも…寄り添ってくれるのだな?」
男「勿論です」
神娘「そうか…うむ」
144: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:39:52 ID:hBCJ2uwvuc
「そうさなぁ…どこから話すか」
「ああ、歩きながらで良い。その方が気も紛れるやもしれんし」
ザッザッ…
「お前も聞いた通り…私は修行の一環としてこの山の麓にある村に滞在した」
「村人たちは気の良い者たちでな。すぐに私を迎え入れてくれたぞ」
「何年も何年も、私は村人たちと過ごした」
「無論、ただふんぞり返っていたわけではないぞ。共に畑仕事も行ったし、病が流行った時も治して回った」
「私も村人たちから様々な恩を貰ったしな。互いに助け合っていたのだ」
「修行は村人からの信仰を集める事が目的だ。そうして集めた信仰は私の神力を強化する」
「そうしていずれは本神…つまり天界での役割を持つ神となる」
「しかし、あの村人たちとは信仰だけではない。もっと確かな信頼で繋がっていたと思う」
「そうだ。確かに私はあの頃は人間を好いていた」
「ああ、先ほど会った巫女…あやつはあの村にいた子だ」
「ん?…うぅむ、まあ、あのような態度をとってしまったのは…少し後悔している」
145: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:40:59 ID:hBCJ2uwvuc
「しかしある日の夜に、事件が起きた」
「村の者たちが私を捕縛しようと襲撃してきたのだ」
「武器?ああ、農具や竹槍なんかを持ち出していたな」
「当然そんなもので私を殺す事はできぬ。しかし…私は油断していた」
「皆、話をしようにも全く聞く耳を持たない。挙句、不覚を取り足を傷付けられる始末」
「ん?ああ、今は何ともないが…跡が残ったな。これだ」スッ
「恐ろしかった…その日まで普通に接していた村人たちが急に牙を向けてきたのだから…」
「情けない事よ。それでも私は反撃せず、村人たちを傷付ける事ができなかった」
「相手は本気で殺す気で向かってきていたというのに…」
「……」
「…ああ、すまんな。大丈夫だ」
「今でも思い出すと冷や汗が止まらぬ。時折夢にも出てくるしな」
「……そんな顔するな。大丈夫だと言っておろう」
「え〜と、どこまで話したか。ああ、そうだったな」
146: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:41:32 ID:hBCJ2uwvuc
「結局、私は命からがら村から逃げ出した」
「村で集めた信仰も…全部失うまで山の中を逃げ回った」
「この山を抜け出した後は、遠くへ離れる事だけを考えた。とにかく遠くへ」
「逃げて逃げて…辿り着いた先があの洞窟だ」
「あそこに辿り着いた時、私は全ての力を失っていた。疲弊し、足の傷も痛み、動く事さえままならぬ状態だったな」
「そこから現在に至る。お前が来るまで誰にも見つからなかったぞ」
「…ん?ああ、そうだな。肝心な事を忘れていた」
「何故村人たちがそんな事をしたのか…これは私も逃亡中に小耳に挟んだ話なのだが」
「実はな、向こうの山を越えた先に京の都があるのだ。名前くらい聞いた事あるだろう」
「その時期、都の貴族たちの間でとある噂が立ったのだ」
「…神の肉を食らった者は神の力を得る、とな」
「もちろんそんなもの迷信だ。しかし、真に受けた者は多かったらしい」
「貴族たちはこぞって各地にいる神を捕えようと画策したようだ」
147: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:42:53 ID:hBCJ2uwvuc
「愚かしい事だ。しかし、その話は広まった。近隣の村にも届いていたらしい」
「…もちろん、私が滞在していた村にもな」
「そして、神の肉を届けた村には莫大な恩賞を出すとも……」
「……」
「…ちょうどその年、村が不作だったのも重なっていた」
「結局、村人たちはその恩賞に目がくらみ…私を捕らえようと、殺そうとしたようだ」
「……」
「今まで私が積み重ねてきた信頼は何だったのか…あの日々は幻だったのか…」
「そう考えるともう止められなかった」
「村の者たちを恨む事しか考えられなかった」
「そうなった原因を作った都の者たちも…全てが憎かった」
「…気付けば、もう人間そのものを憎悪するようになっていたよ」
「もし私がこれほど弱っていなくとも…人間には会わないようにしていただろうな」
148: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:43:19 ID:hBCJ2uwvuc
神娘「…と、これが今までの私の話だ」
男「……」
神娘「お前にとっては気分の悪い話になったかもしれん」
男「いえ。ですが、神様の心中を察しますと…」
神娘「…最近はな、もう過ぎた話だと思えるようになってきた」
男「えっ…」
神娘「いつまでもこうしているわけにはいかぬ。修行は終えなければ」
神娘「そのためには、またいずれ人間の村に戻る必要がある」
男「…」
神娘「まあ、決心がつくのには…もう少し時間がかかりそうだがな」
男「ゆっくりでいいではありませんか」
神娘「…そう、だな」
男「お話しいただき、ありがとうございました」
神娘「うむ」
男「さて、お腹も減りましたし戻りますか」
神娘「切り替え早いな」
男「空腹ですと思考が鈍りがちですから」
神娘「…お前を見ておると悩むのが馬鹿らしくなってくるわ」
149: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:44:01 ID:hBCJ2uwvuc
ザッ
男「ふぅ、少し迷いましたが無事に帰れましたね」
神娘「適当に歩くからだろう」
男「いいではないですか。それも散策の醍醐味…ん?」
神娘「誰か参拝に来ておるな」
村娘「…」
村娘「……」ブツブツ
男「……」
神娘「……」
男「…先ほど、後悔していると言いましたね?」
神娘「あ、う、うむ…しかしだな」
男「もうそれを晴らす機会はないですよ」
神娘「ま、待て!心の準備が…っ」
ザッザッ
男「先ほどぶりですね、村娘さん」
村娘「え?」
村娘「…っ!」
神娘「……」
150: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:45:47 ID:hBCJ2uwvuc
村娘「あ…あ…」
神娘「え〜、その…」
村娘「ごめんなさい!失礼します!」タッ
神娘「あっ、ま、待てっ!待つのだ、村娘!」
村娘「っ」ビクッ
神娘「…」
神娘(参った。こういった時に何て言えばいいのやら…)
男(神様、思うままを伝えれば大丈夫ですよ)ボソッ
神娘「!」
神娘「…村娘」
村娘「は、はい…」
神娘「先ほどはすまなかった。謝らせてほしい」
村娘「か、神娘様…?」
神娘「あの当時、お前はまだ子どもだ。大人たちの企てに関わっているはずがない」
神娘「お前には八つ当たりをしてしまったようなものだ。すまなかった」ペコッ
村娘「そ、そんな…おやめください!」アセッ
神娘「…よければまた、昔のように話がしたい。どうだ?」
村娘「も、もちろんですっ!」タタッ
村娘「またお会いできたらと…私、ずっと…」ポロポロ
神娘「よしよし。泣くな泣くな」ナデナデ
村娘「だ、だって……うえぇぇ〜ん……」
151: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:49:28 ID:pz81d1paTU
村娘「ぐすっ…」
神娘「落ち着いたか?」
村娘「はい。ごめんなさい、取り乱してしまって…」
神娘「お前は昔もよく笑い、よく泣く子だったな」
村娘「そうでしたっけ?」
神娘「うむ。覚えておる」
村娘「嬉しいです!」パアッ
神娘「ほら、もう笑いおった」
村娘「あっ…も、もう!からかわないでくださいよ!」カアッ
神娘「わはは、しかし十年も経てば人は大きくなるものだ」
村娘「神娘様は全然変わっていません。思い出の中のままです」
神娘「私は成長などせんからな」
村娘「そうなんですか?」
男「えっ」
神娘「何でお前がそれほど驚いている。私は何百年経とうともこの姿のままだ」
男「そうですか、大きくならないのですか…」
神娘「…邪な事を考えている気がするぞ」
男「決してそのような」
152: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:49:55 ID:pz81d1paTU
村娘「あの、男さん…でしたっけ?」
男「はい」
村娘「先ほどは大変失礼しました。山賊だなどと…」
男「構いませんよ。怪しまれても仕方ありません」
村娘「しかし何故男さんが神娘様を背負っているんですか?」
男「ああ、これは神様が甘えん坊なもので…」
神娘「おい」
男「私の背中に体を預けたいと言って聞かなくてですね」
神娘「何を好き勝手言っておる!」
村娘「あら、そうなんですか〜」ニヤニヤ
神娘「お前も納得するなっ!」
神娘「よいか。今、私は多少力が衰えて自分で歩けぬ」
神娘「故に非常に不本意だが、こやつにおぶらせているだけの事だ」
村娘「っ!そ、そうだったのですか…」
村娘「ごめんなさい。私たちのせいでそのような目に…」
神娘「…否定はせぬが、お前が気負う事ではないぞ」
153: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:50:36 ID:pz81d1paTU
村娘「あの日の事は今でも忘れられません」
神娘「……」
村娘「何も知らされず、何もできなかった自分を恨みました」
村娘「もちろん村の人たちも恨みました。神娘様にはとてもお世話になったのにどうしてって…」
村娘「もう色々と嫌になって、あの後すぐ両親と村を出てしまったのです」
村娘「その後でした。村を竜巻が襲って全部吹き飛んで…ご存知でしたか?」
男「えっ、そうなのですか?」
神娘「以前山神殿から聞いていた。それでお前は生きていたのか」
村娘「ええ…」
神娘「…村娘」
村娘「はい」
神娘「あの村は私にとっては全てであった」
神娘「故に村人たちに裏切られた時…私はこの世の全てから裏切られたような気でいた」
村娘「…」
神娘「だが、お前のように思ってくれている者もいた」
神娘「それだけで私はとても救われたぞ」
村娘「神娘様…!」
154: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:51:04 ID:pz81d1paTU
神娘「だから恨むな。自分の事も、周りの事も…」
神娘「あまり過去に囚われないでくれ。な?」
村娘「は…はいっ!」
神娘「よしよし、良い子だな」
村娘「良かった…神娘様にそう言ってもらえて…本当に良かった…」グスッ
神娘「わはは、また泣きおって」
村娘「だって…だってぇぇ…」
神娘(…過去に囚われないでくれ、か)
神娘(ふっ、どの口がそう言うんだか…)
男「ほらほら、せっかくのお綺麗な巫女服が汚れてしまいますよ」
村娘「ぐすっ…うぅ、そうですね…」
神娘「そういえばお前、ここの巫女になったのだな」
村娘「え?」
神娘「ここは私がいた頃から随分と寂れていた。良い事だと思うぞ」
村娘「あ、その、え〜っとですね…」
男「どうかしたんですか?」
村娘「…ごっ、ごめんなさい!」
神娘「どうした!?」
155: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:51:30 ID:pz81d1paTU
村娘「実は…私、巫女様でも何でもなくって…」
神娘「なんだと?では、その服はどうした」
村娘「この中を散策していた時に偶然見つけて…」
男「…着てみた、と」
村娘「はい…」
神娘「なんと」
村娘「ごめんなさい。あんまり素敵だったのでつい…」
男「では先ほど掃除をしていたのも?」
村娘「み、巫女様の真似事と言いますか…その気になってしまって」
神娘「呆れたな」
村娘「うぅ、そんな目で見ないでくださいよぅ」
男「しかしどうりで最初にお会いした時、山神様のお名前を出しても分からなかったのですね」
神娘「そういえばそうだったな」
村娘「ここにもやはり神様がおられるのですか?」
神娘「いるぞ。会った事はないのだな?」
村娘「ええ、ここには何度も来ているんですけど…」
神娘「まったく、姿くらい見せてやればいいものを」
山神「あら、呼んだかしら?」
村娘「えっ」
156: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:52:08 ID:pz81d1paTU
男「山神様、いつの間にいらっしゃったのですか」
山神「今しがたよ」
神娘「暇なのか」
山神「失敬ね。やる事はいっぱいあるわよ」
山神「この山の平穏を守るためにいろいろ気を回して…」
村娘「え?え?何故烏が喋って…?」アタフタ
神娘「この烏が山神殿だ、村娘」
村娘「え、えええっ!?」
山神「私がこの山の主、山神よ。どうもお初ね、村娘さん」カアーッ
村娘「あ、ど、どうも…」ペコッ
山神「あなたの事は見てたわよ。ここに来た当初からね」
村娘「そうなんですか!?」
山神「ええ」
村娘「それで、あの…」
山神「ああ、話は聞いていたわよ」
村娘「ごめんなさい、あの、勝手に…」
山神「ふふふ…そうね」
山神「よくもまあ勝手にやってくれたわ」ピリッ
村娘「!」
157: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:52:46 ID:pz81d1paTU
山神「何度も勝手に土足で境内の中にまで入り込んで?」ゴゴゴ…
村娘「あ、あの…」
山神「何度も勝手に中にあった巫女服まで着ちゃって?」ゴゴゴ…
村娘「ひっ…!」
山神「何度も勝手に物に触り、動かし、掃除をして回ってくれちゃったことよねぇ?」ゴゴゴ…
村娘「あ…あ…」ガクガク
山神「ふふ…そんなあなたには…」
山神「少しばかり、罰をあげてもいいわよねぇ?」
ポンッ!
村娘「え、ええっ!?」
ズズウウン…!
男「熊に変化した…」
山神「グオオオオッ!!」バッ
村娘「きゃあああっ!!」
山神「な〜んて、冗談よ!」
村娘「」
158: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:53:13 ID:pz81d1paTU
山神「そりゃ勝手に中の物を動かしたのは褒められないけど」
山神「人間が来てくれたのは久しぶりだったしねぇ」
山神「掃除してくれたのは大助かりだったし、感謝すらしてるわよ」
山神「本当に嫌だったらとっくに追い出して…」
神娘「…山神殿」
山神「何よ?」
神娘「気絶しておるぞ」
山神「え?」
村娘「」キュー
山神「…あら、やり過ぎたかしら」
神娘「まごうことなくやり過ぎだ。この性悪め」
山神「まったく、これくらいで。ねえ男さん?」
男「普通いきなり目の前に熊が現れたら失神しますって」
神娘「こればかりはこやつに同意せざるを得ん」
山神「あ、あら?そう?」
159: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:53:42 ID:pz81d1paTU
村娘「…ああ、怖かった」ホッ
山神「ごめんなさいねぇ」
村娘「でも山神様、すごいですね。色々化けられるんですか?」
山神「ええ。できるわよ」ググッ
ポンッ!
山神「コーン」
村娘「あ、きつねさん」
ポンッ!
山神「グルル…」
村娘「おおかみさん!」
ポンッ!
山神「キー!キー!」
村娘「すごい、おさるさんにまで…!」
山神「ふふっ、すごいでしょう」エッヘン
男「楽しんでらっしゃいますねえ」
神娘「…山神殿まで楽しんでいるのは何なのだ」
男「なかなかお披露目する機会もないのでしょう」
ポンッ!
村娘「わああっ!すごいすごい!」キラキラ
男「いやあ、鮮やかに新たな信者を獲得しましたね」
神娘「信者と言えるのか?あれは」
160: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:54:55 ID:pz81d1paTU
山神「ふぅ、じゃあ今日はここまでね」
村娘「とっても面白かったです!」
山神「そう。なら、対価を払ってもらおうかしら?」
村娘「えっ」
山神「ふふふ、あなたにはね…」
村娘「…」ゴクリ
山神「ここの巫女をやってもらうわ!」バーン
村娘「え、ええっ!?」
山神「そのくらい構わないでしょう?」ニヤリ
村娘「私は巫女様の仕事など何も分かりませんけど…」
山神「別に今まで通りでいいのよ。祭事があるわけでもなし」
山神「ここら辺の掃除でもしてもらって…あとは私の話し相手をしてもらったり、たま〜〜に来る客人の案内したり…」
村娘「で、でも私なんかに…」
山神「その巫女服もあげるから」
村娘「やりますっ!」キリッ
山神「よし決まりね!」バーン
神娘「待て待て何だそれ!」
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