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神娘「人間など嫌いだ」
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1: 亀更新かもです ◆WjgYlacz.c:2015/12/10(木) 10:06:43 ID:I.XMW0eHSk



ーむか〜しむかし、とある場所で





121: ◆WjgYlacz.c:2016/4/3(日) 22:42:38 ID:ZdjbHGVS7E
コソッ

??「〜♪」ササッ…カサッ…

神娘「…誰かおるな」

男「あれが神様の御友人ですか?」

神娘「いや、あそこにいるのは人間だ」

男「あの服装…この神社の巫女様でしょうか」

神娘「ふむ、以前はそのような者はいなかったと思うが…」

男「とにかく尋ねてみましょうか」

神娘「いやだ、人間には関わりたくない。…特にこの地の者とは」

男「そんな事仰らずに。さあ行きましょう」ザッ

神娘「ま、待てっ!もう少し様子を…」

巫女「どなたですか…?」

男・神娘「!」

巫女「…出てきてくださいませ」

男「ほら、神様が大声を出すから…」

神娘「出させたのはお前だろうが」

男「もう観念して行きますよ。…どうもこんにちは」ザッ

巫女「…っ!」

巫女「背中に女子を背負って…山賊か人攫いですか?」キッ

男「ああ、あらぬ勘違いをされています」

神娘「無理もないな」
122: ◆WjgYlacz.c:2016/4/3(日) 22:43:03 ID:ZdjbHGVS7E
男「待ってください。私たちは怪しい者ではありません」

巫女「こんなに怪しい方も珍しいです」

男「神様も何とか言ってくださいよ」

神娘「…ふぅ、仕方ない」

神娘「そこの者、案ずるな。私は攫われているわけではない」

巫女「えっ、そうなのですか…?」

神娘「私はここの主に会いに来ただけだ」

巫女「主…?」キョトン

神娘「山神殿だ。神職の者ならば通せるであろう?」

巫女「あっ、えっと、私は…」オドッ

神娘「神娘という名を伝えよ。そうすれば分かる」

巫女「神娘……」

巫女「……」

神娘「…?」





巫女「か、神娘様っ!?」

男・神娘「えっ」
123: ◆WjgYlacz.c:2016/4/3(日) 22:45:44 ID:ZdjbHGVS7E
タタタッ

巫女「ああ…本当に神娘様だ…」

巫女「なんとお懐かしい…帰ってきていただけるなんて…」ウルッ

神娘「……」アゼン

男「神様、お知り合いの方ですか?」

神娘「いや、知らぬ。気安く話しかけるな」ギロッ

巫女「あっ…」ビクッ

巫女「そ、そうですよね…私、小さかったし。覚えていらっしゃらないのも…」

神娘「小さかった…?」



ミーンミンミン……





『ねぇねぇ神様!これ見て〜!』





……ンミンミー

神娘「……蝉」

巫女「…!」

神娘「お前は…昔、私に捕まえた蝉を見せてきたな?」

巫女「は、はいっ!」パアッ

神娘「たしか名は……村娘、といったか」

巫女改め村娘「はい!村娘にございますっ!」パアアッ
124: ◆WjgYlacz.c:2016/4/3(日) 22:46:11 ID:ZdjbHGVS7E
村娘「神様…またお会いしとうございました…!」ウルッ

神娘「…っ」ピクッ

村娘「神様がいなくなられてからも私…」

神娘「…」ギリッ

神娘「ま、また会いたかっただと…!?」ワナワナ

村娘「!」

男「神様…?」

神娘「あの村の人間が!!どの面を下げてその様な事を言うのだ!!?」ゴオッ!

村娘「…う、うぅ」

神娘「私がどのような思いをしたと思っている!!お前たちのせいで私は、私は…っ!!」

男「神様、落ち着いてくださ…」

神娘「お前は黙っていろ!!」

男「しかし…」

村娘「…いいのです」

男「えっ?」
125: ◆WjgYlacz.c:2016/4/3(日) 22:46:36 ID:ZdjbHGVS7E
村娘「私たちは…っ、それだけの事をしてしまったのです…」ポロポロ

男「…」

村娘「許していただけるはずなどありません…」

神娘「……」フーッ、フーッ

村娘「ごめんなさい、失礼します…っ!」

タタタッ

男「あっ、待っ…」

男「行ってしまった。神様、今のはどういう事ですか?」

神娘「…お前には関わりのない事だ」

男「……」

神娘「それよりも…いつの間に戻っていたのだ?山神殿」

男「?」

『随分早い再会になったわね、神娘』

神娘「ふん」

サアアアッ

男「うわっ、風が…」

バサバサッ
126: ◆WjgYlacz.c:2016/4/3(日) 22:47:06 ID:ZdjbHGVS7E
カラス「カアーッ」バサバサ

男「えっ、烏?」

神娘「なんだ。近頃はその姿が気に入りなのか?」

カラス「飛べる姿の方が何かと便利なのよね」

男「か、烏が喋った…」

山神「うふふ、初めまして…になるのかしらね、男さん。私はこの山の守り神、山神と言います」

男「何故私の名を」

山神「当然よ、これでも神だもの」

男「ははーっ」ズザッ

神娘「…私が以前教えたんだろうが」

山神「ちょっと。そこは黙っててほしかったわね」

男「以前…?」

山神「実はつい最近、あの洞窟に私も行っててね」

山神「その時にあなたを見ているのよ。私は姿を消していたけど」

男「そうだったのですか」

山神「よくこんな手のかかる神を相手してくれてるわね」ケラケラ

神娘「やかましい」

男「いえいえ、たしかに手はかかりますが放ってもおけませんし」

神娘「何だこれ、いじめ?」
127: ◆WjgYlacz.c:2016/4/3(日) 22:47:35 ID:ZdjbHGVS7E
山神「さ、おぶったままじゃ疲れるでしょ。ここへ座って」トントン

神娘「うむ、そうさせてもらおう」

男「では失礼…よっと」

神娘「ん」ストッ

山神「長旅ご苦労だったわね、男さん」

男「いえ、そのような」

山神「男さんを使ってまでここへ来たからには何か理由があるんでしょうね?」

神娘「…話合わねばならぬ件があってな」

山神「そう、良いわよ」

男「あ〜っと…私は少しはずしていた方がよろしいでしょうか?」

山神「そうね。人間に聞かれてはいけない話もあるかもしれないし…」

男「分かりました。牛も気になりますし、私は外へ」

神娘「ああ」

男「それでは失礼致します」

タタタッ
128: ◆WjgYlacz.c:2016/4/11(月) 23:11:43 ID:o2opobT8.M
山神「……」

神娘「どうした?山神殿」

山神「そっけない態度取っちゃって。少しは感謝してあげなさいよ」

神娘「いいのだ。あやつはそうするとすぐ付け上がるからな」

山神「あら、よく心得ていること」

神娘「…何が言いたい?」

山神「どうやら思った以上にあの人間の事、信用している様ねぇ?」

神娘「な、なにっ?」

山神「じゃあ何故ここまであの人間と一緒に来たの?」

神娘「それは…今、私は一人では歩くこともできないし、他に頼る者もいない。それに…」

山神「…あの人間なら、必ずここまで連れて来てくれるって思ったから?」

神娘「!」

山神「普通頼まないわよ、こんな無茶な長旅のお供なんて」

山神「よっぽど信頼できる者にしか…ねぇ」クス

神娘「…なあ、私はそんな話をしに来たわけではないのだ」

山神「うふふ、分かってるわよ〜。ちょっとからかってみただけ」

神娘「この性悪め」
129: ◆WjgYlacz.c:2016/4/11(月) 23:12:34 ID:o2opobT8.M
山神「あなたがまた来ることは分かってたわ。予想よりずっと早かったけど」

神娘「何故だ?」

山神「迷っているんでしょ?人間の村に戻るべきか否かを」

神娘「!」

山神「図星って顔してるわね」クスッ

神娘「山神殿はいつも、そうやって私を見透かす」

山神「ふふっ、あなたの思いつめた顔を見れば一目瞭然よ」

神娘「……」

神娘「…あの日の事は何度も夢に出てきた。そのたびに人間への恨みも重なっていった」

神娘「しかし、最近は別の夢も見るようになった」

山神「?」

神娘「あの村で…人間たちと田畑を耕し、井戸を掘り、子どもたちと遊び、飯を食い、笑い合っている夢だ」

山神「……」

神娘「忘れていたのだ。あの村にいた頃は、そういった日々を積み重ねていたことを」

神娘「確かに毎日、楽しいと感じて生きていたことを…な」

山神「そう…」
130: ◆WjgYlacz.c:2016/4/11(月) 23:13:03 ID:o2opobT8.M
神娘「しかし人間への恨みも消えるはずがない。今までその思いが私を生かしていたようなものだしな」

神娘「さっきもそうだ。あの村の者と会って…それだけで怒りがこみ上げてきてしまう有様だ」

神娘「近頃はその二つの思いが私の中でぶつかり合い、頭が割れそうになる」

山神「……」

神娘「私がこれからどうすべきか…山神殿に尋ねたい」

山神「……」

山神「…私から言えることは一つよ」

山神「あなたは人間の村に入って信仰を集める必要があるの」

山神「いずれ本神としての役割を持つために…それがあなたに課せられた修行でしょう?」

神娘「…やはり、それしかないだろうか」

山神「修行を放棄することは許されないわ。何をためらう必要があるの」

山神「このままではあなたは消滅を待つだけの身よ」

神娘「…分かっている。本当はそうしなければならない事は」

神娘「しかし、どうにも気が進まぬのだ」

山神「どうして?」

神娘「…恐らく、私はどうしようもない弱虫なのだろう」

山神「恐れているのね。繰り返される事を」

神娘「…」コクン
131: ◆WjgYlacz.c:2016/4/11(月) 23:13:37 ID:o2opobT8.M
神娘「信じていたのだ。あの村の者たちを心から…」

神娘「なのに…何故ああなってしまったのか分からぬ」

山神「欲というものは、人間を変えるわ。あの人間たちも…そうだったのよ」

神娘「忘れられぬ。私を追いかける松明の灯、振り下ろされる鍬や鎌…」

神娘「そして何より、あの狂気に満ちた村人たちの目…」

山神「…辛かったわね。力になれなくて本当にごめんなさい」

神娘「山神殿は不在だったのだ。仕方あるまい」

山神「とにかく、私としては以前のような生活に戻れる事を願ってる」

山神「そのためにもその恐怖心を乗り越えないと…」

神娘「これも修行の内だろうか」

山神「そうかもしれないわね」

神娘「…考えてみる」

山神「ふふっ、そうしなさい」
132: ◆WjgYlacz.c:2016/4/11(月) 23:14:40 ID:o2opobT8.M
神娘「それにしても、久しぶりに来てみればここの空気は気が安らぐな」

山神「そりゃあ私の敷地ですもの。神力で満ちているわよ」

神娘「ここにいれば、私の回復も早まるだろうか」

山神「…まあ、あの辺鄙な洞窟よりは遥かに良いでしょうね」

神娘「そうか…」

山神「ふふ、戻ってくる気になった?」

神娘「…さあな」

山神「そう」

山神「…さて、湿っぽい話はおしまい。ちょっと私は出かけてくるわ」

神娘「分かった」

山神「悩みなさい、若者!」

神娘「やかましい」

バサアッ





山神(もうひと押し、何か必要ね)

山神(さ〜て、次は男さんでも突っついてみようかしら?)

バサッ、バサッ…
133: 名無しさん@読者の声:2016/4/15(金) 21:16:06 ID:CHHmrRAsEw
支援だぜ☆彡
134: 支援ありがとだぜ ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:00:02 ID:Cu6x.Ta2oE
鳥居の外ー

男「よしよし、お疲れさんだね」ナデナデ

牛「ンモー…」

バササッ

牛「モッ?」クイッ

男「どうかした?」

山神「カァー」バサッ

男「あっ」

山神「カー、カァーッ」

男「山神様ですか」

山神「んもう、どうしてこう皆に見破られるのかしらね」

男「せめてそこは名前をカラスにしませんと」

山神「メタな話は止めて」

男「話はもうお済みでしょうか」

山神「ええ」

男「そうですか。では、私は神様の所へ」

山神「あ、ちょっと待って」

男「?」

山神「少し私とお喋りしない?」

男「…分かりました」
135: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:01:05 ID:Cu6x.Ta2oE
山神「あなた、あの洞窟の山の麓に住んでいるのよね」

男「はい」

山神「大変だったでしょう?ここまで来るのは」

男「いえいえ。道は神様が示してくださいましたし、頑張ったのはこの牛です」

牛「モーッ」

山神「そう。ふふっ、お利口さんね」

男「…山神様は神様の古い御友人だとお聞きしております」

山神「そうね。あの子が修行を始めて一番最初に来たのがこの山だったわ」

山神「麓にある村で暮らし始めて、その時から色々と世話を焼いているのよ」

男「やはり、神様はこの近くの村におられたのですね」

山神「あら、初耳なの?あなた、神娘からどのくらい話を聞いているのかしら?」

男「神様は何も話してくださいません」

山神「…何も?」

男「何となく言動の節々から、以前は人間の村に住んでいた事は察していました」

男「しかし、ご自分から昔のことを話そうとはしませんし、尋ねても答えてくださいません」

山神「そう…」
136: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:01:52 ID:Cu6x.Ta2oE
山神「聞きたくないかしら?あの子の事…」

男「…聞きたいですが、できれば神様御自身からお聞きしたいです」

山神「ふ〜ん」

男「まあ、私の事を厄介者だと思っていますし無理でしょうが」

山神「厄介者?」

男「神様の元へは半ばお節介で様子を伺いに行っているようなものですから」

山神「…本当にあなたはただの厄介者かしらね」

男「え?」

山神「あなたと神娘の間でどんなやり取りがあったかは知らないけど」

男「普通に食べ物を食べたりお話をしたり…それだけですよ」

山神「その普通が今のあの子にとってはとても重要よ」

山神「あの子自身ですら気付いていないみたいだけどね」

男「…そうでしょうか」

山神「あの子は心に大きな傷を抱えている。人間のせいでね」

山神「でも、その傷を癒せるのも…あなたのような人間なのかもしれないわ」

男「……」
137: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:05:44 ID:Cu6x.Ta2oE
男「…神様は常々、人間が嫌いだと仰ります」

山神「そうなの…」

男「ですが、その時の神様はとても悲しい目をされている」

男「まるで無理に嫌っているような…そんな雰囲気を感じるのです」

山神「……」

男「私が嫌われているのは一向に構いません。しかし…」

男「神様がこのまま心を閉ざしたまま過ごされるのは忍びなく思います」

山神「…あなたは」

男「はい」

山神「あの子の過去を受け入れる覚悟はある?」

男「…もちろんです」

山神「あの子の力になりたいと思ってくれてる?」

男「私に出来る事があるか分かりませんが…」

男「お力になれればと思っております」

山神「ふふ、その思いを伝えてあげて。そうすればきっと事は良い方向へ運ぶでしょう」

男「おお、まるで神様の啓示のようです」

山神「私は神なんだけど」
138: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:06:27 ID:Cu6x.Ta2oE
男「…では、そろそろ私は」

山神「あ、待って。もう一つだけ」

男「はい」

山神「あなたが神娘の世話を焼いていたのは…本当にただのお節介だけ?」

男「そうですが」

山神「他に何か意図はないのかしら?」クスッ

男「…いえ、ただのお節介です」

山神「ふ〜ん?」

男「自分で言うのも何ですが…弱っている者や困っている者を放っておけない性格なのですよ」

山神「そう」

男「…それでは、失礼します」

山神「ええ。あ、この牛も中へ入れてしまっていいわよ。私の神力で安全だから」

男「よろしいのですか?ありがとうございます」

牛「モーッ」

山神「……」
139: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:07:31 ID:Cu6x.Ta2oE
ザッ

男「神様」

神娘「…ん」

男「少し散策にでも参りませんか」

神娘「なんだ、藪から棒に。生憎だが今はそんな気分ではない」

男「思案ばかりでは禿げますよ」

神娘「何を言っとるか」

男「気付いた頃には手遅れな事が多いのです」

神娘「禿げについて何を悟っておる。要はお前が暇なだけだろう」

男「流石は神様。何でもお見通しですね」

神娘「こんな事で褒められてもなぁ」

男「さあ、共に参りましょう」

神娘「お前一人で行けばいいだろうが」

男「それこそ退屈です」

神娘「…はあ、分かったよ。このままではお前がやかましいだけだ」

男「ははは、それでは行きましょう」

神娘「おぶって行け」

男「勿論ですとも」ヨイショ
140: ◆WjgYlacz.c:2016/4/16(土) 21:08:50 ID:Cu6x.Ta2oE
ザッザッ

男「いや〜、林の中は涼しいですね」

神娘「悪くないな」

男「不思議とこの場所は心が休まります」

神娘「山神殿の敷地だからな。空気そのものが癒しの力だ」

男「山神様は名の通り、この山の主なのですか?」

神娘「ああ」

男「高名な神様なのですね」

神娘「うむ、まあそうなるかな」

神娘「もっとも、この地に慣れ親しみ過ぎて修行を終えても天に昇らずにいる変わり者だが」

男「なるほど…」

神娘「神の中にはそういった者も沢山おる。人間と子を為す神までいるくらいだからな」

男「それは驚きです」

神娘「何を考えているのか…そういう奴等の気は知れんよ」
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