サシャ「隠し味なんてどうでしょう?」
Part6
122 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:16:46 ID:RwT190kE
サシャ「……」サクサク
ライナー「顔赤いぞ。どうした?」サクサク
サシャ「だ、だってこれ……顔、近すぎません? それに、このままだとーー」
ライナー「このままだと?」
サシャ「……………………き、キス、することになっちゃいますけど」
ライナー「そうだな。……それで?」
サシャ「そ、それでってーー」
ライナー「気づいてなかったのか? それに、キスくらいいつもしてるだろ?」
サシャ「そりゃそう……ですけど。いつものは、こんな風にゆっくりじゃないですし、顔が少しずつ近づいてきて、その…………恥ずかしい、っていうか」ボソボソ
ライナー「ああ悪い。声が小さくて聞き取れなかった」サクサクサクサクサクサクサクサク
サシャ「ひゃあっ!?」パッ
123 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:17:30 ID:RwT190kE
サシャ(は、鼻が……鼻のてっぺんが、当たった……!)ドキドキドキドキ
ライナー「離したな?」ニヤッ
サシャ「……あっ」
ライナー「俺の勝ちだな。というわけで残りは俺のもんだ」サクサクサクサク
サシャ「ああっ、ああー……」ガクッ
サシャ(そんな、食べ物がかかった勝負で私が負けるなんて……!)ギリッ...
サシャ「……ライナー、最初から気づいてたんですね?」
ライナー「むしろお前が気づかなかったのかと俺は聞きたい。ーーあーおいしかった。ごちそうさん」
サシャ「うぐぐ……卑怯ですよライナー! 知ってるなら教えてくれればよかったのにぃっ!」
ライナー「勝負事は駆け引きが重要だろ? 今回は俺が上だったってだけだ。それに知ってる情報を明かさなかったのはお前も同じだ。ーーさあ、続けるぞ」
サシャ「まっ、まだやるんですか!?」
ライナー「お前がやりたいって言ったんだろ? 俺は付き合ってやってるだけだ」ニヤニヤ
サシャ「うっ……」
124 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:18:40 ID:RwT190kE
サシャ(食べ物がかかってるのに勝てる気がしません……こうなったら!)
サシャ「ダメです!残りの一本は私が食べます!」ササッ
ライナー「あっ、こら! 食べたらお前の負けだぞ!?」
サシャ「えっ、ええっ!? ずるいですよライナー!!」
ライナー「当然だろ、するくないっ! これは俺が没収する!」ヒョイッ
サシャ「あーっ! ダメですよ返してくださいっ! もうっ!!」ピョンピョン
ライナー「こうでもしないとお前食っちまうだろ! こらっ、シャツを引っ張るな、伸びるっ!」ジタバタジタバタ
サシャ「私のさつまいもー!」グイグイ
ジャン「やっぱこれだねー♪ ……っと」ガチャッ
ライナー「」ピタッ
サシャ「」ピタッ
125 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:19:47 ID:RwT190kE
ジャン「……こんばんは」ペコッ
ライナー「……おう」ペコッ
サシャ「……どうも」ペコッ
ジャン「……」
ライナー「……あのな、ジャン。これには深い理由があってだなーー」
ジャン「慌てるな、ライナー。俺は同期の中でも取り分け現状を認識する能力が高いんだ。今がどういう状況かもわかってる」
ライナー「お、おお……そうか」
サシャ「……」
ジャン「……ライナーがサシャからお菓子を取り上げた!」ビシッ!
ライナー「ちがうっ!」
サシャ「そうですっ!」
ジャン「よし、たぶんライナーが正しい」
ライナー「っしゃあっ!」グッ
サシャ「なんでそうなるんですか!?」
126 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:21:03 ID:RwT190kE
ジャン「いいかサシャ。お前の足りない頭でよーく考えろ……この状況、どう見てもお前がライナーに菓子を取り上げられたと考えるほうが自然だ」
サシャ「だったらーー」
ジャン「だが、あのライナーが否定してるんだからそんなことはありえない」
サシャ「なっ……! で、でも、ライナーが嘘を吐いてる可能性だってあるはずです!」
ジャン「ていうかぶっちゃけお前よりライナーのほうが信用できる」キリッ
サシャ「ぐうっ、こんなところでも日頃の行いの差が出るなんて……っ!」ダンッ!!
ライナー「はっはっは、俺の勝ちだな!」
ジャン「テンション上げてるところ悪いんだけどよ、ライナー。誰か他にここに来なかったか?」
ライナー「いいや? 今の時間は見回りも来ないしな。誰も見てないぞ」
ジャン「そうか。っかしいなー……」ボリボリ
サシャ「何かあったんですか?」
127 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:21:48 ID:RwT190kE
ジャン「俺もよくわかんねえんだけどよ、手紙でここに呼び出されたんだ。なんでも、日頃のお礼にポッキーゲームしたいんだとさ。よくわかんねえんだけど」ピラッ
ライナー「……相手はミカサか?」
ジャン「はぁ? なんでミカサが出てくるんだ? 違ぇよ」
サシャ「では、全く知らない相手なんですか?」
ジャン「相手は……確か、この前の立体機動訓練で同じ組になった奴だな。知らない奴ってわけじゃないけど、話はほとんどしたことねえ」
ライナー「帰ったほうがいい」
サシャ「出口はあちらです」
ジャン「なんで俺を帰そうとする」
ライナー「年上の忠告はありがたく聞いとくもんだ!!」
サシャ「いくら叶わない恋だとしても、はじめては好きな人じゃないとダメですよ!!」
128 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:22:37 ID:RwT190kE
ジャン「な、なんだよその反応…………あっ、お前らもしかしてポッキーゲームが何か知ってるのか?」
ライナー「いやー知らないなー」
サシャ「全く身に覚えがありませんねー」ピーヒョロロ
ジャン「おいおいお二人さん。さっきも言ったが、俺は現状を認識する能力が高いんだぜ? ーー知ってんだろてめえら二人」ギロッ
サシャ「……はい、知ってます」
ジャン「それならちょうどいい。どういうゲームか教えてくれよ。それさえ聞いたら、お前らの忠告通り帰るからさ」
ライナー「……まあ、教えてやるくらいなら構わんが」
ジャン「ちょっと待った。ーーただ教えてもらうってのもわかりにくいから、どうせなら実演してくれ」
ライナー「」
サシャ「」
129 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:23:22 ID:RwT190kE
ライナー「……実演?」
サシャ「……私とライナーで?」
ジャン「おう」
ライナー「……」チラッ
サシャ「……」チラッ
ライナー(さっきまでのアレを、ジャンに見せるのか……?)
サシャ(誰もいないならともかく、ほ、他の人の前でキスをするのは……)モジモジ
ジャン「ほら、早くしてくれよ。相手が来ちまうだろ?」
130 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:24:43 ID:RwT190kE
サシャ「ら、ライナー……本当にやるんですか? 私、わたし……」クイクイ
ライナー「大丈夫だサシャ。ーー俺を信じろ」
サシャ「……はい」
ライナー「いいかジャン。ここに一本のさつまいもスティックがある。……ポッキーゲームというのはだな、こいつを使うんだ」
ジャン「おお! ーーやっぱりな、さっきから意味ありげに持ってるから何か関係あると思ってたんだ」ポンッ
ライナー「まずはこれを二本に折る」ポキッ
サシャ「……ん? 折る?」
ジャン「おおっ! 今ポキッって音がしたぜ!? ーーなるほどな、ポッキーゲームの『ポッキー』はそこからきてるのか!」ワクワク
131 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:26:36 ID:RwT190kE
ライナー「そうだ。こういう長い棒状の物が折れた時の、『ポキッ』という擬音がこのゲームの名前の由来だ。ーーさあサシャ、こっちの短いほうを持て」
サシャ「はーい」スッ
ライナー「そして、互いに持った棒を打ちあう」ペシッ
サシャ「……」ペシッ
ジャン「……チャンバラか」
ライナー「そんな感じだ。この時、あくまで棒の端を持つのが重要だな。ーーこうすることで、身持ちの堅い昔の人は口づけの代わりとしたんだ」
ジャン「!? ……いきなり話が飛んだな」
ライナー「昔から伝わる伝統や風習ってのはそんなもんだ。何気ない行動がとんでもないことに繋がっていたりする」
ジャン「へー……ライナー、物知りなんだな」
ライナー「というわけでだ。ーージャン、お前がポッキーゲームをすれば、その相手とキスしていることになる」
ジャン「」
132 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:27:18 ID:RwT190kE
ジャン「……俺、帰るわ」クルッ
ライナー「ああ、そうしたほうがいい」
サシャ「そうですね。相手の子には私から話しておきますよ」
ジャン「やっぱりファーストキッスは好きな女子としないとな。ーーじゃあ二人とも、おやすみ!」ガチャッ バタンッ ダダダ...
ライナー「……走って逃げたな」
サシャ「そうですね」
ライナー「聞き分けがよくて助かった」ハァ
サシャ「よくもまあ、あんな嘘すらすら出て来ましたね」
ライナー「嘘は言ってないぞ。……結果論だが」
サシャ「確かに嘘ではありませんでしたね。キスすることには変わりありませんし」
ライナー「ああ。それにあんなゲーム、他人の前でやれるもんでもないだろ」
サシャ「……そうですね」
ライナー「それともなんだ。ーーお前、ジャンに見せつけたかったのか?」
サシャ「………………ライナーのいじわる」プイッ
133 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:27:59 ID:RwT190kE
サシャ「まあ、それはそれとして。ポッキーゲーム、もうできませんね」サクサクサクサク
ライナー「あっ! ……いや、まだ俺が持ってるさつまいもスティックがある!」
サシャ「隙あり!」ピョンッ
ライナー「そう簡単にやるか! ーーさあ、勝負の続きだ。次も俺が勝つ!」
サシャ「……」ジーッ
ライナー「なんだ? そんな目で見たってやらんぞ?」
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「……」
ライナー「……負けた。やる」スッ
サシャ「へへへ、ありがとうございます」パクッ
134 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:28:55 ID:RwT190kE
サシャ「……♪」サクサクサクサク
ライナー「……捨てられた子犬みたいな目しやがって」ブツブツ
サシャ「言葉じゃ勝てなさそうでしたからね。私なりに頭を使った結果です。ーーというわけで、ごちそうさまでした!」フーッ
ライナー「おう。よかったな」ムスッ...
サシャ「ああっ、拗ねないでくださいよー。ほらほら、ジャンも事実を知らずに帰れたんですから、それでいいじゃないですか。ね?」ナデナデ
ライナー「……お前は俺でよかったのか?」
サシャ「? 何がですか?」
ライナー「最初の相手だよ。キスは好きな人とじゃないとダメなんだろ?」
サシャ「それは、その………………………………ないしょです。教えてあげません」
ライナー「……生意気な奴め」ワッシャワッシャ
サシャ「ああっ! クリスタにお手入れしてもらったばかりなのに!」ジタバタジタバタ
135 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:29:47 ID:RwT190kE
サシャ「仕方ありませんね……じゃあ今度、もう一回さつまいもスティック買いに行って、また勝負しましょうか」
ライナー「は? まだやるのか?」
サシャ「だって結局、味の違いがわからなかったんですもん。ーー私に勝ったら、さっきの質問の答えを教えてあげてもいいですよ」
ライナー「よし、乗った。……絶対勝つからな」
サシャ「私だって、今度はそう簡単に負けませんからね!」
おわり
136 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:33:02 ID:RwT190kE
(本編を書きためしないと)やばいと思ったが衝動が抑えきれなかった&次回に組み込もうと思ったけれど無理そう&スレ立てするには短すぎる&次回更新の時に投下じゃ時期的に遅すぎる ので、ここに番外編として投下しました
というわけで書きために戻ります あと>>1はトッポのほうが好きです
137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 20:48:44 ID:nw6XC2gw
乙!素敵でした!
二人がくっつくの楽しみ
138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 21:07:17 ID:QjSC9HRk
>>じゃがりこも良いよな
139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 01:13:50 ID:mUesLVno
乙!ニヤけた
ちなみに俺はプリッツ
140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 08:13:28 ID:46tUQQt6
乙
>>1の書くがサシャが可愛すぎてニヤニヤ止まらない
自分は芋けんぴが好き
141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 01:41:56 ID:y9xGG2d.
乙!可愛いなこいつらー!
142 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:53:35 ID:CCN8p4is
感想ありがとうございましたー
じゃがりこ&プリッツ&芋けんぴのキーワードで更に妄想が降りてきたので、取り敢えずじゃがりこ編を投下します
(投下は来週になりそうですが)本編もちゃんと書き溜め進んでますのでご心配なく
143 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:54:47 ID:CCN8p4is
ーー 数日後 消灯時間前 とある倉庫
サシャ「じゃがりこしましょう」
ライナー「意味がわからん」
サシャ「今朝、私宛にお菓子の詰め合わせが届いたんです」
ライナー「へえ……実家からか?」
サシャ「いいえ、知らない人からです」
ライナー「危ねえな」
サシャ「お菓子に罪はありません。それに、誰から届いたとかどうやって調達したとかそういう細かいことはいいんですよ」
ライナー「そういうもんか?」
サシャ「そういうものです。一番大事なのは、私たちの目の前にこうしてお菓子の詰め合わせがあるということです。タダですよ、タダ! ひゃっほう!」バンザーイ
ライナー「現金な奴だなぁ」
サシャ「なんとでも言ってください。ーーというわけで、じゃがりこしましょう」
ライナー「振り出しに戻った」
144 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:55:51 ID:CCN8p4is
ライナー「で、じゃがりこってなんだ?」
サシャ「お菓子の名前です。ここにそう書いてあります」
ライナー「何故読める」
サシャ「食べ物への愛があればこんなの簡単です。ーーほら、長年家畜を世話してると考えていることが大体わかるっていうでしょう? あれと同じです」
ライナー「すげぇな」
サシャ「ちなみに味はサラダ味だそうですよ。ここに書いてます」
ライナー「サラダ味? 野菜でも入ってんのか?」
サシャ「いいえ、サラダ油のサラダらしいですよ。ーーまあとにかく食べましょうよ。開けますね」ペリペリ
ライナー「!?」
145 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:57:04 ID:CCN8p4is
サシャ「うーん……さつまいもスティックよりは短いですね。でも量はたくさん入ってるので長く楽しめそうです。取り敢えず一本食べてみます?」
ライナー「サシャ、お前……」
サシャ「? なんですか?」
ライナー「その箱……箱? いや筒か? どうやって開けた?」
サシャ「え? ええっと、ここの『あけくち』って書いてある部分を摘んでですね、ひょいっと上に」クイ
ライナー「ちょっとその筒、見せてくれ。頼む」
サシャ「いいですよー。どうぞ」スッ
ライナー「どうも。ーーなんだこれ、箱なのか……? いや、それ以前にこれは紙か? なんだこれ……」ジーッ
サシャ「早く食べましょうよー」クイクイ
ライナー「中身出していいか?」ソワソワ
サシャ「いいですよ。ハンカチ持ってきましたから、その上にどうぞ」ファサッ
ライナー「よーし」ザラザラ
サシャ「わぁっ、こうやって並べたらいっぱい入ってますね! どれから食べましょうか?」ワクワク
ライナー「ちょっと待ってろ、この箱分解するから」ベリベリ
サシャ「えっ」
146 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:58:59 ID:CCN8p4is
ーー 五分後
サシャ「……」
ライナー「見たことない材質だな……この蓋も、一度糊付けしたのにどうやって剥がしたんだ……? こんな細工、どうやって……」ブツブツ
サシャ「…………」
ライナー「蓋と箱も、微妙に紙の厚さが違う……どういうわけだこれは……」ブツブツ
サシャ「……………………」
ライナー「サシャ、他にこれと同じような箱はあるか? 比べて見てみたいんだがーー」クルッ
サシャ「……」プクーッ...
ライナー(……あっ。やべっ)
147 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:59:58 ID:CCN8p4is
ライナー「サシャ、どうした? 腹が減ったのか?」アタフタアタフタ
サシャ「……それもあります」
ライナー「だったら先に摘んでてもよかったんだぞ? 俺を待ってなくてもーー」
サシャ「私は、このお菓子はライナーと一緒に食べようと思って持ってきたんです」
ライナー「……」
サシャ「だから、ライナーが一人で遊んでる間、ずーーーーーーーーーーーーっと待ってました。じゃがりこを長さ順に並べながら、ずっと待ってました」
ライナー「……ああ、そういや綺麗に階段状に並んでるな」
サシャ「…………さみしかったです」クスン
ライナー「すまん」
148 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 23:00:49 ID:CCN8p4is
サシャ「ライナーばっかり、一人で楽しんでぇ……」イジイジ
ライナー「悪かった悪かった、待たせてごめんな。サシャ」
サシャ「私もお楽しみしたいです」
ライナー「そうだな、そろそろ食うか。ーーほら、これなんか折れてないからうまそうじゃないか? 食ってみろ」
サシャ「……ライナー、本当に反省してます? 食べ物で誤魔化そうなんて思ってません?」
ライナー「なんだ、疑ってるのか?」
サシャ「そりゃそうですよ。ーーというわけで、口開けてください。私もお楽しみしますから、ちょっと付き合ってくださいよ」
ライナー「口? ……まさか、満杯に菓子詰めたりしないよな」ススッ
サシャ「そんなもったいないことしませんよ。いいから口開けてください」
ライナー「わかった。ーーこれでいいか?」パカッ
サシャ「はい、ばっちりです。ーーふっふっふ、それでは行きますよ!」クワッ!!
サシャ「……」サクサク
ライナー「顔赤いぞ。どうした?」サクサク
サシャ「だ、だってこれ……顔、近すぎません? それに、このままだとーー」
ライナー「このままだと?」
サシャ「……………………き、キス、することになっちゃいますけど」
ライナー「そうだな。……それで?」
サシャ「そ、それでってーー」
ライナー「気づいてなかったのか? それに、キスくらいいつもしてるだろ?」
サシャ「そりゃそう……ですけど。いつものは、こんな風にゆっくりじゃないですし、顔が少しずつ近づいてきて、その…………恥ずかしい、っていうか」ボソボソ
ライナー「ああ悪い。声が小さくて聞き取れなかった」サクサクサクサクサクサクサクサク
サシャ「ひゃあっ!?」パッ
123 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:17:30 ID:RwT190kE
サシャ(は、鼻が……鼻のてっぺんが、当たった……!)ドキドキドキドキ
ライナー「離したな?」ニヤッ
サシャ「……あっ」
ライナー「俺の勝ちだな。というわけで残りは俺のもんだ」サクサクサクサク
サシャ「ああっ、ああー……」ガクッ
サシャ(そんな、食べ物がかかった勝負で私が負けるなんて……!)ギリッ...
サシャ「……ライナー、最初から気づいてたんですね?」
ライナー「むしろお前が気づかなかったのかと俺は聞きたい。ーーあーおいしかった。ごちそうさん」
サシャ「うぐぐ……卑怯ですよライナー! 知ってるなら教えてくれればよかったのにぃっ!」
ライナー「勝負事は駆け引きが重要だろ? 今回は俺が上だったってだけだ。それに知ってる情報を明かさなかったのはお前も同じだ。ーーさあ、続けるぞ」
サシャ「まっ、まだやるんですか!?」
ライナー「お前がやりたいって言ったんだろ? 俺は付き合ってやってるだけだ」ニヤニヤ
サシャ「うっ……」
124 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:18:40 ID:RwT190kE
サシャ(食べ物がかかってるのに勝てる気がしません……こうなったら!)
サシャ「ダメです!残りの一本は私が食べます!」ササッ
ライナー「あっ、こら! 食べたらお前の負けだぞ!?」
サシャ「えっ、ええっ!? ずるいですよライナー!!」
ライナー「当然だろ、するくないっ! これは俺が没収する!」ヒョイッ
サシャ「あーっ! ダメですよ返してくださいっ! もうっ!!」ピョンピョン
ライナー「こうでもしないとお前食っちまうだろ! こらっ、シャツを引っ張るな、伸びるっ!」ジタバタジタバタ
サシャ「私のさつまいもー!」グイグイ
ジャン「やっぱこれだねー♪ ……っと」ガチャッ
ライナー「」ピタッ
サシャ「」ピタッ
125 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:19:47 ID:RwT190kE
ジャン「……こんばんは」ペコッ
ライナー「……おう」ペコッ
サシャ「……どうも」ペコッ
ジャン「……」
ライナー「……あのな、ジャン。これには深い理由があってだなーー」
ジャン「慌てるな、ライナー。俺は同期の中でも取り分け現状を認識する能力が高いんだ。今がどういう状況かもわかってる」
ライナー「お、おお……そうか」
サシャ「……」
ジャン「……ライナーがサシャからお菓子を取り上げた!」ビシッ!
ライナー「ちがうっ!」
サシャ「そうですっ!」
ジャン「よし、たぶんライナーが正しい」
ライナー「っしゃあっ!」グッ
サシャ「なんでそうなるんですか!?」
126 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:21:03 ID:RwT190kE
ジャン「いいかサシャ。お前の足りない頭でよーく考えろ……この状況、どう見てもお前がライナーに菓子を取り上げられたと考えるほうが自然だ」
サシャ「だったらーー」
ジャン「だが、あのライナーが否定してるんだからそんなことはありえない」
サシャ「なっ……! で、でも、ライナーが嘘を吐いてる可能性だってあるはずです!」
ジャン「ていうかぶっちゃけお前よりライナーのほうが信用できる」キリッ
サシャ「ぐうっ、こんなところでも日頃の行いの差が出るなんて……っ!」ダンッ!!
ライナー「はっはっは、俺の勝ちだな!」
ジャン「テンション上げてるところ悪いんだけどよ、ライナー。誰か他にここに来なかったか?」
ライナー「いいや? 今の時間は見回りも来ないしな。誰も見てないぞ」
ジャン「そうか。っかしいなー……」ボリボリ
サシャ「何かあったんですか?」
ジャン「俺もよくわかんねえんだけどよ、手紙でここに呼び出されたんだ。なんでも、日頃のお礼にポッキーゲームしたいんだとさ。よくわかんねえんだけど」ピラッ
ライナー「……相手はミカサか?」
ジャン「はぁ? なんでミカサが出てくるんだ? 違ぇよ」
サシャ「では、全く知らない相手なんですか?」
ジャン「相手は……確か、この前の立体機動訓練で同じ組になった奴だな。知らない奴ってわけじゃないけど、話はほとんどしたことねえ」
ライナー「帰ったほうがいい」
サシャ「出口はあちらです」
ジャン「なんで俺を帰そうとする」
ライナー「年上の忠告はありがたく聞いとくもんだ!!」
サシャ「いくら叶わない恋だとしても、はじめては好きな人じゃないとダメですよ!!」
128 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:22:37 ID:RwT190kE
ジャン「な、なんだよその反応…………あっ、お前らもしかしてポッキーゲームが何か知ってるのか?」
ライナー「いやー知らないなー」
サシャ「全く身に覚えがありませんねー」ピーヒョロロ
ジャン「おいおいお二人さん。さっきも言ったが、俺は現状を認識する能力が高いんだぜ? ーー知ってんだろてめえら二人」ギロッ
サシャ「……はい、知ってます」
ジャン「それならちょうどいい。どういうゲームか教えてくれよ。それさえ聞いたら、お前らの忠告通り帰るからさ」
ライナー「……まあ、教えてやるくらいなら構わんが」
ジャン「ちょっと待った。ーーただ教えてもらうってのもわかりにくいから、どうせなら実演してくれ」
ライナー「」
サシャ「」
129 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:23:22 ID:RwT190kE
ライナー「……実演?」
サシャ「……私とライナーで?」
ジャン「おう」
ライナー「……」チラッ
サシャ「……」チラッ
ライナー(さっきまでのアレを、ジャンに見せるのか……?)
サシャ(誰もいないならともかく、ほ、他の人の前でキスをするのは……)モジモジ
ジャン「ほら、早くしてくれよ。相手が来ちまうだろ?」
130 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:24:43 ID:RwT190kE
サシャ「ら、ライナー……本当にやるんですか? 私、わたし……」クイクイ
ライナー「大丈夫だサシャ。ーー俺を信じろ」
サシャ「……はい」
ライナー「いいかジャン。ここに一本のさつまいもスティックがある。……ポッキーゲームというのはだな、こいつを使うんだ」
ジャン「おお! ーーやっぱりな、さっきから意味ありげに持ってるから何か関係あると思ってたんだ」ポンッ
ライナー「まずはこれを二本に折る」ポキッ
サシャ「……ん? 折る?」
ジャン「おおっ! 今ポキッって音がしたぜ!? ーーなるほどな、ポッキーゲームの『ポッキー』はそこからきてるのか!」ワクワク
131 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:26:36 ID:RwT190kE
ライナー「そうだ。こういう長い棒状の物が折れた時の、『ポキッ』という擬音がこのゲームの名前の由来だ。ーーさあサシャ、こっちの短いほうを持て」
サシャ「はーい」スッ
ライナー「そして、互いに持った棒を打ちあう」ペシッ
サシャ「……」ペシッ
ジャン「……チャンバラか」
ライナー「そんな感じだ。この時、あくまで棒の端を持つのが重要だな。ーーこうすることで、身持ちの堅い昔の人は口づけの代わりとしたんだ」
ジャン「!? ……いきなり話が飛んだな」
ライナー「昔から伝わる伝統や風習ってのはそんなもんだ。何気ない行動がとんでもないことに繋がっていたりする」
ジャン「へー……ライナー、物知りなんだな」
ライナー「というわけでだ。ーージャン、お前がポッキーゲームをすれば、その相手とキスしていることになる」
ジャン「」
132 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:27:18 ID:RwT190kE
ジャン「……俺、帰るわ」クルッ
ライナー「ああ、そうしたほうがいい」
サシャ「そうですね。相手の子には私から話しておきますよ」
ジャン「やっぱりファーストキッスは好きな女子としないとな。ーーじゃあ二人とも、おやすみ!」ガチャッ バタンッ ダダダ...
ライナー「……走って逃げたな」
サシャ「そうですね」
ライナー「聞き分けがよくて助かった」ハァ
サシャ「よくもまあ、あんな嘘すらすら出て来ましたね」
ライナー「嘘は言ってないぞ。……結果論だが」
サシャ「確かに嘘ではありませんでしたね。キスすることには変わりありませんし」
ライナー「ああ。それにあんなゲーム、他人の前でやれるもんでもないだろ」
サシャ「……そうですね」
ライナー「それともなんだ。ーーお前、ジャンに見せつけたかったのか?」
サシャ「………………ライナーのいじわる」プイッ
133 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:27:59 ID:RwT190kE
サシャ「まあ、それはそれとして。ポッキーゲーム、もうできませんね」サクサクサクサク
ライナー「あっ! ……いや、まだ俺が持ってるさつまいもスティックがある!」
サシャ「隙あり!」ピョンッ
ライナー「そう簡単にやるか! ーーさあ、勝負の続きだ。次も俺が勝つ!」
サシャ「……」ジーッ
ライナー「なんだ? そんな目で見たってやらんぞ?」
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「……」
ライナー「……」
サシャ「……」
ライナー「……負けた。やる」スッ
サシャ「へへへ、ありがとうございます」パクッ
134 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:28:55 ID:RwT190kE
サシャ「……♪」サクサクサクサク
ライナー「……捨てられた子犬みたいな目しやがって」ブツブツ
サシャ「言葉じゃ勝てなさそうでしたからね。私なりに頭を使った結果です。ーーというわけで、ごちそうさまでした!」フーッ
ライナー「おう。よかったな」ムスッ...
サシャ「ああっ、拗ねないでくださいよー。ほらほら、ジャンも事実を知らずに帰れたんですから、それでいいじゃないですか。ね?」ナデナデ
ライナー「……お前は俺でよかったのか?」
サシャ「? 何がですか?」
ライナー「最初の相手だよ。キスは好きな人とじゃないとダメなんだろ?」
サシャ「それは、その………………………………ないしょです。教えてあげません」
ライナー「……生意気な奴め」ワッシャワッシャ
サシャ「ああっ! クリスタにお手入れしてもらったばかりなのに!」ジタバタジタバタ
135 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:29:47 ID:RwT190kE
サシャ「仕方ありませんね……じゃあ今度、もう一回さつまいもスティック買いに行って、また勝負しましょうか」
ライナー「は? まだやるのか?」
サシャ「だって結局、味の違いがわからなかったんですもん。ーー私に勝ったら、さっきの質問の答えを教えてあげてもいいですよ」
ライナー「よし、乗った。……絶対勝つからな」
サシャ「私だって、今度はそう簡単に負けませんからね!」
おわり
136 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/12(火) 20:33:02 ID:RwT190kE
(本編を書きためしないと)やばいと思ったが衝動が抑えきれなかった&次回に組み込もうと思ったけれど無理そう&スレ立てするには短すぎる&次回更新の時に投下じゃ時期的に遅すぎる ので、ここに番外編として投下しました
というわけで書きために戻ります あと>>1はトッポのほうが好きです
137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 20:48:44 ID:nw6XC2gw
乙!素敵でした!
二人がくっつくの楽しみ
138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 21:07:17 ID:QjSC9HRk
>>じゃがりこも良いよな
139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 01:13:50 ID:mUesLVno
乙!ニヤけた
ちなみに俺はプリッツ
140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 08:13:28 ID:46tUQQt6
乙
>>1の書くがサシャが可愛すぎてニヤニヤ止まらない
自分は芋けんぴが好き
141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 01:41:56 ID:y9xGG2d.
乙!可愛いなこいつらー!
感想ありがとうございましたー
じゃがりこ&プリッツ&芋けんぴのキーワードで更に妄想が降りてきたので、取り敢えずじゃがりこ編を投下します
(投下は来週になりそうですが)本編もちゃんと書き溜め進んでますのでご心配なく
143 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:54:47 ID:CCN8p4is
ーー 数日後 消灯時間前 とある倉庫
サシャ「じゃがりこしましょう」
ライナー「意味がわからん」
サシャ「今朝、私宛にお菓子の詰め合わせが届いたんです」
ライナー「へえ……実家からか?」
サシャ「いいえ、知らない人からです」
ライナー「危ねえな」
サシャ「お菓子に罪はありません。それに、誰から届いたとかどうやって調達したとかそういう細かいことはいいんですよ」
ライナー「そういうもんか?」
サシャ「そういうものです。一番大事なのは、私たちの目の前にこうしてお菓子の詰め合わせがあるということです。タダですよ、タダ! ひゃっほう!」バンザーイ
ライナー「現金な奴だなぁ」
サシャ「なんとでも言ってください。ーーというわけで、じゃがりこしましょう」
ライナー「振り出しに戻った」
144 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:55:51 ID:CCN8p4is
ライナー「で、じゃがりこってなんだ?」
サシャ「お菓子の名前です。ここにそう書いてあります」
ライナー「何故読める」
サシャ「食べ物への愛があればこんなの簡単です。ーーほら、長年家畜を世話してると考えていることが大体わかるっていうでしょう? あれと同じです」
ライナー「すげぇな」
サシャ「ちなみに味はサラダ味だそうですよ。ここに書いてます」
ライナー「サラダ味? 野菜でも入ってんのか?」
サシャ「いいえ、サラダ油のサラダらしいですよ。ーーまあとにかく食べましょうよ。開けますね」ペリペリ
ライナー「!?」
145 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:57:04 ID:CCN8p4is
サシャ「うーん……さつまいもスティックよりは短いですね。でも量はたくさん入ってるので長く楽しめそうです。取り敢えず一本食べてみます?」
ライナー「サシャ、お前……」
サシャ「? なんですか?」
ライナー「その箱……箱? いや筒か? どうやって開けた?」
サシャ「え? ええっと、ここの『あけくち』って書いてある部分を摘んでですね、ひょいっと上に」クイ
ライナー「ちょっとその筒、見せてくれ。頼む」
サシャ「いいですよー。どうぞ」スッ
ライナー「どうも。ーーなんだこれ、箱なのか……? いや、それ以前にこれは紙か? なんだこれ……」ジーッ
サシャ「早く食べましょうよー」クイクイ
ライナー「中身出していいか?」ソワソワ
サシャ「いいですよ。ハンカチ持ってきましたから、その上にどうぞ」ファサッ
ライナー「よーし」ザラザラ
サシャ「わぁっ、こうやって並べたらいっぱい入ってますね! どれから食べましょうか?」ワクワク
ライナー「ちょっと待ってろ、この箱分解するから」ベリベリ
サシャ「えっ」
146 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:58:59 ID:CCN8p4is
ーー 五分後
サシャ「……」
ライナー「見たことない材質だな……この蓋も、一度糊付けしたのにどうやって剥がしたんだ……? こんな細工、どうやって……」ブツブツ
サシャ「…………」
ライナー「蓋と箱も、微妙に紙の厚さが違う……どういうわけだこれは……」ブツブツ
サシャ「……………………」
ライナー「サシャ、他にこれと同じような箱はあるか? 比べて見てみたいんだがーー」クルッ
サシャ「……」プクーッ...
ライナー(……あっ。やべっ)
147 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 22:59:58 ID:CCN8p4is
ライナー「サシャ、どうした? 腹が減ったのか?」アタフタアタフタ
サシャ「……それもあります」
ライナー「だったら先に摘んでてもよかったんだぞ? 俺を待ってなくてもーー」
サシャ「私は、このお菓子はライナーと一緒に食べようと思って持ってきたんです」
ライナー「……」
サシャ「だから、ライナーが一人で遊んでる間、ずーーーーーーーーーーーーっと待ってました。じゃがりこを長さ順に並べながら、ずっと待ってました」
ライナー「……ああ、そういや綺麗に階段状に並んでるな」
サシャ「…………さみしかったです」クスン
ライナー「すまん」
148 : ◆H4iwFNXQsw:2013/11/14(木) 23:00:49 ID:CCN8p4is
サシャ「ライナーばっかり、一人で楽しんでぇ……」イジイジ
ライナー「悪かった悪かった、待たせてごめんな。サシャ」
サシャ「私もお楽しみしたいです」
ライナー「そうだな、そろそろ食うか。ーーほら、これなんか折れてないからうまそうじゃないか? 食ってみろ」
サシャ「……ライナー、本当に反省してます? 食べ物で誤魔化そうなんて思ってません?」
ライナー「なんだ、疑ってるのか?」
サシャ「そりゃそうですよ。ーーというわけで、口開けてください。私もお楽しみしますから、ちょっと付き合ってくださいよ」
ライナー「口? ……まさか、満杯に菓子詰めたりしないよな」ススッ
サシャ「そんなもったいないことしませんよ。いいから口開けてください」
ライナー「わかった。ーーこれでいいか?」パカッ
サシャ「はい、ばっちりです。ーーふっふっふ、それでは行きますよ!」クワッ!!
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