しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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733 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:07:43.51 ID:gw+EmeqQ0
リーリエ「しんちゃん、貸してもらえませんか……? わたし1人じゃ……」
ひろし「え……」
ひろし「……あ、ああ! うちの息子でよけりゃ好きに使ってくれ。しんのすけもいいよな?」
しんのすけ「ほ、ほいっ」
リーリエ「じゃ、しんちゃん……」ギュッ
リーリエは、蒼白な顔のまま、しんのすけの手を握って連れて行った。彼女の周りの空気だけ、ぜったいれいどになっている。口調も、まったく抑場がない。
ハウ「……ほしぐもちゃんが動かなくなっちゃったからかなー? なんか、急に元気なくなったねー」
グラジオ「……リーリエ」
734 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:09:34.26 ID:gw+EmeqQ0
ルザミーネの屋敷
ルザミーネが使っていたベッドに座って俯くリーリエを、しんのすけはおとなしく眺めていた。リーリエの宝石のような翠眼は濁っていて、なにも映っていない。
しんのすけ「……」
リーリエ「……」
ほしぐもちゃん「……」
リーリエ「かあさま……ほしぐも……ちゃん」
しんのすけ「り、リーリエちゃん……?」
リーリエ「……」
しんのすけ「お、お元気出しなよ。オラなんてしょっちゅうかーちゃんからげんこつとかグリグリ攻撃されてるから……」
リーリエ「ううっ……うううっ」ポタポタ
しんのすけ「ほ、ほらっ、ケツだけ星人ブリブリ~ブリブリ~! ほしぐもちゃんも大好きでしょ~? だから目ェ覚まして~! ブリブリ~ブリブリ~!」
リーリエ「くうっ……うっ……あぁっ」
735 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:10:10.07 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「ケツ顔マン! ぷっぷす~ぷっぷす~! ぷっp」
ギュッ
リーリエ「うぁぁっ……ぁぁぁぁっ!! かあさま……かあさまっ!!」
しんのすけ「……リーリエちゃん」ポンポン
しんのすけ「今日はオラが布団になったげるから。いっぱい泣いていいよ」
リーリエ「ううっ……うううっ……!!」ブルブル
しんのすけ「よしよし……」ナデナデ
736 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:13:01.99 ID:gw+EmeqQ0
1時間後
リーリエはようやく胸の内から溢れる悲しみを吐き出し尽くすと、そのまましんのすけを抱きかかえたままベッドへと転がった。
ルザミーネが使っていたベッドは、どこまでも深く沈んで、リーリエを包んでくれるような柔らかさがある。
リーリエ「……しんちゃん」
しんのすけ「……」
リーリエ「……寝ちゃいましたか」
リーリエ「さっきは、びっくりしたでしょう? ごめんね……」
しんのすけ「……」
リーリエ「まだかあさまのこと、引きずってると思ってます? いいえ、たくさん泣いて……むしろスッキリしちゃいました」
リーリエ「かあさまがいなくなって……ほしぐもちゃんも動かなくなって……こんなに悲しいこと、きっとこの先無いと思います」
リーリエ「ですけど、今でもほしぐもちゃんを元の世界に帰して、かあさまをビーストの世界から連れて帰りたいという気持ちもあるんです」
737 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:13:52.74 ID:gw+EmeqQ0
リーリエ「だから……わたしもゼンリョクを出してもっと、もっと頑張ってみせます」
リーリエ「ポケモンさんとたくさんの試練を乗り越えたしんちゃんとハウさんのように……」
リーリエ「……かあさまと一緒に寝てたベッドですが、まさかしんちゃんと一緒に寝るとは思いませんでした」
リーリエ「ですが……ここで寝るのも、今日が最後です」
リーリエ「……しんちゃん。そばにいてくれて、ありがとうね」ギュウ
リーリエ(……こんな小さな背中がわたしとほしぐもちゃんを守ってくれたのですね)
しんのすけから伝わってくる温もりと優しさが、悲しみと惨めさでボロボロになったリーリエの心を埋めるように癒していった。
もっともっと、この子が欲しい。この子の優しさと勇気が、欲しい。
自然と、しんのすけを抱きしめる力が強くなっていった。
リーリエ「今度は……わたしが……ほしぐもちゃんと……しんちゃんを守りたい……な」
リーリエはしんのすけの小さな身体だけでなく、想いと決意も手放さないようにきつく抱きしめながら、ゆっくりと眠りに落ちた。
リーリエ「……」スースー
738 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:14:34.26 ID:gw+EmeqQ0
モゾモゾ
しんのすけ「ぶはっ!」
しんのすけ「あー苦しかった。リーリエちゃんきつく抱きしめすぎだって」
リーリエ「……」スースー
しんのすけ「うんうん、よく寝てますな」
しんのすけ「えーっと、オラのリュックどこだっけ」ゴソゴソ
しんのすけ「あったあった! さーて、作りますか」チョキチョキ
リーリエ「……ほしぐもちゃん」
しんのすけ「……」
ナデナデ
739 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:15:41.33 ID:gw+EmeqQ0
その頃、ボールの中では……。
ヨワシ『リーリエさん、かわいそう……』
ジュナイパー『自分の親に暴力を振るわれて、大切なコスモッグも動かなくなっちゃったらね……』
キテルグマ『しんちゃんも優しいね。リーリエさんの辛さを受け止めてあげてるもの』
ヨワシ『でも、女の人も怖い時は怖いんだね』
キテルグマ『当たり前でしょ! 女の人はね、時には男の人よりおっかないことをしでかすことだってあるんだから!』
ヨワシ『ネネちゃんが言うと、説得力あるね……』
キテルグマ『どういう意味よ? えっ? ボールから出てあんたをピッピちゃんの刑にしたろか?』
ヨワシ『ひいいいーっ! 深い意味はないって!』
ミミッキュ『……』
ジュナイパー『……ボーちゃん、どうしたの?』
ミミッキュ『あ、ごめん、ちょっとウルトラホールのこと考えてた』
キテルグマ『ウルトラホールって、あの変なポケモンが出てきた穴のこと?』
ミミッキュ『うん。カザマくん、気付いた?』
740 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:16:50.41 ID:gw+EmeqQ0
ジュナイパー『え? なにが?』
ミミッキュ『ウルトラホールから、エネルギーが流れていたこと』
ジュナイパー『そういえば、どこかで感じたことが……あーっ!』
ヨワシ『ど、どうしたのカザマくん?!』
キテルグマ『急に大声ださないでよ。びっくりするじゃない!』
ジュナイパー『あのエネルギー! Zパワーとぬしポケモンがまとうオーラに似ているんだ!』
ミミッキュ『ボ……カザマくん、大正解』
ミミッキュ『ぬしポケモンは、たぶん、ウルトラホールのエネルギーを浴びてパワーアップしたポケモンだと思う』
ジュナイパー『じゃあZパワーの正体は……ウルトラホールから流れているエネルギーってことか!』
ヨワシ『ネネちゃん、意味わかる? 僕ちっともわからないや』
キテルグマ『さぁ?』
741 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:17:30.32 ID:gw+EmeqQ0
ジュナイパー『それじゃあZクリスタルもウルトラホールから生まれたものなのかな?』
ミミッキュ『……わからない』
ミミッキュ『僕の仮説だけど、ZリングとZクリスタルは、人間の体力をウルトラホールのエネルギーに変えて、僕たちをパワーアップするためのアイテムだと思う』
ジュナイパー『なんのために?』
ミミッキュ『たぶん、ウルトラビーストからアローラ地方を守るためにカプと人間が作ったかも』
ジュナイパー『目には目を、ZパワーにはZパワーを、ってところか』
ミミッキュ(だけど、Zパワーは人間の強い心にも反応する。人間の心とポケモンの心の繋がりがZクリスタルの誕生と深く関わっているのかも……)
742 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:18:26.72 ID:gw+EmeqQ0
翌日
しんのすけ「ふわぁ~あ……」
しんのすけ「あれ? リーリエちゃんがいない……」
ドンドンッ
ひろし「おーい、しんのすけー! 起きてるか?」
しんのすけ「とーちゃん?」
ウィィン
ハウ「おはよー! しんのすけー」
しんのすけ「とーちゃんにハウくん……結婚したの?」
ハウ「なに寝ぼけてるのー? もうみんな起きてるよー」
743 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:19:02.09 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「てゆうか、なんで部屋ン中紙くずが散らばってるんだ?」
ハウ「リーリエとグラジオが外で待ってるよー。早く行こ行こー!」
しんのすけ「お? もうリーリエちゃん起きてたのかぁ。早起きですなぁ」
ひろし「お前が寝坊しすぎなの!」
ハウ「しんのすけーリーリエの姿見たら、きっとびっくりすると思うよー」
しんのすけ「?」
744 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:19:55.40 ID:gw+EmeqQ0
ルザミーネの屋敷の前
リーリエ「……」
しんのすけ「ほっほーい!」
リーリエ「あ……しんちゃん」
しんのすけに笑いかけたリーリエは、がらりとイメージチェンジしていた。
白のワンピースとロングヘアーから一転して、半袖のシャツとポニーテールに変わっており、活発的なイメージを感じさせる。
リーリエ「マリエで買ったままの服……似合いますか?」
しんのすけ「ふつー」
リーリエ「もうっ! せっかく気合を入れて着たのに……」
ひろし「こーらっ、こういうときは『似合ってる』って言うもんだろ」
しんのすけ「ふつーはふつーだもーん」
リーリエ「ほしぐもちゃんの事も……かあさまの事も……わたしには、やらねばならないことばかりです。わたし……しんちゃんのように、どんな試練にも立ち向かえるようになりたいのです!」
リーリエ「ですからわたし、気合いれてみました! はい、全力の姿です!」
バッ! バッ! バッ! ジャーン!
リーリエ「…………」ニコッ
745 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:20:43.82 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「ち、ち、ゼンリョクのポーズするなら、お尻を出したほうが締まるんだよ」
リーリエ「出せませんよ!」
スタスタ
グラジオ「起きたか。ずいぶん寝てたようだな」
しんのすけ「クジラくん、おっはー」
グラジオ「リーリエ、コレクションルームで見つけた太陽の笛だ。アローラに古くから伝わるものと聞いた。太陽の下で吹くものらしい」つ太陽の笛
グラジオ「太陽の笛、月の笛、2本そろえ、音色を捧げ、伝説のポケモンを呼びだす……そんな話があるらしいな」
グラジオ「……伝説のポケモンすら、自分のコレクションに加えるつもりだったのかもな」
しんのすけ「オラは? ねぇオラにはなんかあるの?」
グラジオ「お前のロトム図鑑を見てみろ」
しんのすけ「え? ぶりぶりざえもん?」
ロトム図鑑「こんなこともあろうかと、財団のサーバーに潜入して、ウルトラビーストのデータを入手したのだ」
ハウ「ビーストの情報ー!?」
グラジオ「……と、言っても一種類だけだ。昨日、オレ達の前に現れたあのビースト……母がウツロイドと名付けたウルトラビーストのデータだがな」
746 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:22:06.90 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「なんだ、たかが一種類かぁ」
ひろし「一種類でも無いよりマシだろ」
グラジオ「もし伝説のポケモンを呼び出し、向こうの世界に行くことになったら、そのデータを活用しつつリーリエのサポートを頼む」
しんのすけ「えーっ、オラが? めんどくさ」
リーリエ「にいさまは、なにをなさるのですか?」
グラジオ「後始末。エーテルパラダイスのな。相棒のヌルと遠くへ……そう願っていたが、結局ここにとどまるのか」
しんのすけ「とーちゃんは?」
ひろし「俺は一度メレメレに帰るよ。メレメレにもビーストが現れたみたいだし、かーちゃんたちの無事かどうか確かめなきゃな」
しんのすけ「心配しなくてへーきだよ、かーちゃんならたぶんビーストを返り討ちに出来るから」
ひろし「ははっ、そうかもな。でも、ひまわりやシロだって心配だろ?」
しんのすけ「ハウくんは?」
ハウ「おれねー鍛えるのー! もっともっとだよー! しんのすけやーポケモンにー助けてもらってばかりでしょー。やっぱり、自分でポケモンを助けられないとねー! しまキングになれないし、みんなを笑顔にできないよねー!」
ハウ「それに、アセロラの試練とかぜんぜんほったらかしだしー」
しんのすけ「そーいえば、全然やってなかったね」
747 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:22:57.41 ID:gw+EmeqQ0
グラジオ「……家族の話に巻きこんで、悪かったな」
ハウ「そーだよー。でもすごかったー! スペクタクルってやつー!? 鍛えれば、あんな不思議なこと、また体験できるかもだしー!」
グラジオ「スケールがでかくてな……オレらの母親は……」
リーリエ「ハウさん、来てくれてうれしかったです!」
ひろし「……グラジオくん、リーリエちゃん」
リーリエ&グラジオ「?」
ひろし「……あんまり無理すんなよ。どれだけ頑張ったって、お前たちはまだ子供なんだ。もし、また苦しいことや辛いことがあったらメレメレにあるうちに来な。いつでも歓迎するぜ」ニッ
リーリエ「はいっ! ありがとうございます!」
グラジオ「……そうだな」
748 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:23:59.18 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「あ、そうだ! みんなーこれあげる」つアローラ防衛隊バッジ
ハウ「なにこれー?」
リーリエ「ダンボールで作ったのですか?」
しんのすけ「オラが夜なべして作ったアローラ防衛隊のバッジ! これを付けてれば、いつでもどこでもアローラ防衛隊だゾ!」
ハウ「へーお揃いだねー!」
リーリエ「アローラ防衛隊……とはなんですか?」
しんのすけ「アローラ地方を守る、愛と正義の戦士たちのことをアローラ防衛隊というの。隊長はオラね」
ひろし「なんだなんだぁ? カスカベ防衛隊の真似か?」
しんのすけ「ほい、クジラくんにもお一つ」
グラジオ「……必要ない」
しんのすけ「なになにー照れてるのぉ?」
グラジオ「そういう馴れ合いをするつもりはないだけだ……」
749 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:24:40.04 ID:gw+EmeqQ0
リーリエ「にいさま、そう言わないであげてください。きっと、私たちはひとりじゃないっていう、しんちゃんなりのメッセージですよ」
しんのすけ「いや、そこまで考えてないけどね」
リーリエ「」ズルッ
グラジオ「……フッ、面倒なやつだ」スッ
しんのすけ「よーし! 掛け声行くぞ! せーの、アローラ防衛隊、ファイヤーッ!」
リーリエ&ハウ&ひろし「ファイヤーーッ!」
グラジオ「しんのすけ、リーリエ、次の島……ポニ島に案内する」
リーリエ「ではしんちゃん! ゼンリョクで行きましょう!!」ギュッ
しんのすけ「いやん、いきなり手をつなぐなんて……。リーリエちゃん、なんかキャラ変わったねぇ。オラびっくりだよー」
ひろし「じゃ、しんのすけ。最後の試練頑張れよ。時間があったら、家族で応援に行くからな」
しんのすけ「ほーい!」
★挿入歌 ひとりぼっちじゃない★
【エーテルパラダイス編 おしまい】
750 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:25:54.89 ID:gw+EmeqQ0
今日はここまで。
次回の更新は明日の午後から少しずつ。
じゃ、そゆことで~
751 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:29:17.35 ID:gw+EmeqQ0
【おまけ】
キテルグマ『ついにネネも進化したわよ! これで女子力アップなんだから』
ジュナイパー『じょ、女子力って……』
ヨワシ『ヌイコグマと比べるとずいぶん大きくなったね』
ミミッキュ『マサオくんが言っても、説得力ないと思う』
しんのすけ「うーむ、主に食べ過ぎですな」
キテルグマ『食べ過ぎじゃないわよ! これでも体重には気を遣ってるんだから! 失礼しちゃうわ』
キテルグマ『ねえねえ、ところで新しいリアルおままごとのネタ考えたの。アンタたちどうせ暇だし、せっかくだからやりましょうよ』
しんのすけ「えぇ……」
ジュナイパー『またリアルおままごと?』
ヨワシ『もういい加減離婚するのやなんだけど』
ミミッキュ『僕も、ポニ島にある石を集めたい』
ドゴッ!
キテルグマ『やるわよねぇ? みんな』
全員「『はっ、はいいっ!!』」
752 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:30:48.09 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ(前の夫との間に生まれた子供役)「わーい! オラ、このきあいのたすき、欲しかったんだあ!」
ミミッキュ(赤ん坊役)『おぎゃあおぎゃあ』
キテルグマ(未亡人で現在3度目の結婚生活を送る美人妻役)『いったいどうしたの? いつもケチなあなたがあんな高いものをお土産に買ってくるなんて』
ジュナイパー(夫の会社の先輩役。この後、妻を寝取る予定)『マサオくん、すごいんですよ。ホラ、奥さんに伝えなよ』
ヨワシ(夫役。ごく普通の冴えないサラリーマン)『え? えっとね……』
ヨワシ『……実は今日昇進して、課長になったんだ』
キテルグマ『ホントに? 嬉しい! 愛してるわ! あなた!』ギュッ
しんのすけ「おお、ママも新しいパパもラブラブですなあ」
ヨワシ『ま、待ってネネちゃん! なんかすんごく苦しいんだけど! 力強すぎだよ!』メキメキ
ミミッキュ『凄い音、出してる……』
リーリエ「しんちゃん、貸してもらえませんか……? わたし1人じゃ……」
ひろし「え……」
ひろし「……あ、ああ! うちの息子でよけりゃ好きに使ってくれ。しんのすけもいいよな?」
しんのすけ「ほ、ほいっ」
リーリエ「じゃ、しんちゃん……」ギュッ
リーリエは、蒼白な顔のまま、しんのすけの手を握って連れて行った。彼女の周りの空気だけ、ぜったいれいどになっている。口調も、まったく抑場がない。
ハウ「……ほしぐもちゃんが動かなくなっちゃったからかなー? なんか、急に元気なくなったねー」
グラジオ「……リーリエ」
734 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:09:34.26 ID:gw+EmeqQ0
ルザミーネの屋敷
ルザミーネが使っていたベッドに座って俯くリーリエを、しんのすけはおとなしく眺めていた。リーリエの宝石のような翠眼は濁っていて、なにも映っていない。
しんのすけ「……」
リーリエ「……」
ほしぐもちゃん「……」
リーリエ「かあさま……ほしぐも……ちゃん」
しんのすけ「り、リーリエちゃん……?」
リーリエ「……」
しんのすけ「お、お元気出しなよ。オラなんてしょっちゅうかーちゃんからげんこつとかグリグリ攻撃されてるから……」
リーリエ「ううっ……うううっ」ポタポタ
しんのすけ「ほ、ほらっ、ケツだけ星人ブリブリ~ブリブリ~! ほしぐもちゃんも大好きでしょ~? だから目ェ覚まして~! ブリブリ~ブリブリ~!」
リーリエ「くうっ……うっ……あぁっ」
735 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:10:10.07 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「ケツ顔マン! ぷっぷす~ぷっぷす~! ぷっp」
ギュッ
リーリエ「うぁぁっ……ぁぁぁぁっ!! かあさま……かあさまっ!!」
しんのすけ「……リーリエちゃん」ポンポン
しんのすけ「今日はオラが布団になったげるから。いっぱい泣いていいよ」
リーリエ「ううっ……うううっ……!!」ブルブル
しんのすけ「よしよし……」ナデナデ
736 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:13:01.99 ID:gw+EmeqQ0
1時間後
リーリエはようやく胸の内から溢れる悲しみを吐き出し尽くすと、そのまましんのすけを抱きかかえたままベッドへと転がった。
ルザミーネが使っていたベッドは、どこまでも深く沈んで、リーリエを包んでくれるような柔らかさがある。
リーリエ「……しんちゃん」
しんのすけ「……」
リーリエ「……寝ちゃいましたか」
リーリエ「さっきは、びっくりしたでしょう? ごめんね……」
しんのすけ「……」
リーリエ「まだかあさまのこと、引きずってると思ってます? いいえ、たくさん泣いて……むしろスッキリしちゃいました」
リーリエ「かあさまがいなくなって……ほしぐもちゃんも動かなくなって……こんなに悲しいこと、きっとこの先無いと思います」
リーリエ「ですけど、今でもほしぐもちゃんを元の世界に帰して、かあさまをビーストの世界から連れて帰りたいという気持ちもあるんです」
737 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:13:52.74 ID:gw+EmeqQ0
リーリエ「だから……わたしもゼンリョクを出してもっと、もっと頑張ってみせます」
リーリエ「ポケモンさんとたくさんの試練を乗り越えたしんちゃんとハウさんのように……」
リーリエ「……かあさまと一緒に寝てたベッドですが、まさかしんちゃんと一緒に寝るとは思いませんでした」
リーリエ「ですが……ここで寝るのも、今日が最後です」
リーリエ「……しんちゃん。そばにいてくれて、ありがとうね」ギュウ
リーリエ(……こんな小さな背中がわたしとほしぐもちゃんを守ってくれたのですね)
しんのすけから伝わってくる温もりと優しさが、悲しみと惨めさでボロボロになったリーリエの心を埋めるように癒していった。
もっともっと、この子が欲しい。この子の優しさと勇気が、欲しい。
自然と、しんのすけを抱きしめる力が強くなっていった。
リーリエ「今度は……わたしが……ほしぐもちゃんと……しんちゃんを守りたい……な」
リーリエはしんのすけの小さな身体だけでなく、想いと決意も手放さないようにきつく抱きしめながら、ゆっくりと眠りに落ちた。
リーリエ「……」スースー
モゾモゾ
しんのすけ「ぶはっ!」
しんのすけ「あー苦しかった。リーリエちゃんきつく抱きしめすぎだって」
リーリエ「……」スースー
しんのすけ「うんうん、よく寝てますな」
しんのすけ「えーっと、オラのリュックどこだっけ」ゴソゴソ
しんのすけ「あったあった! さーて、作りますか」チョキチョキ
リーリエ「……ほしぐもちゃん」
しんのすけ「……」
ナデナデ
739 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:15:41.33 ID:gw+EmeqQ0
その頃、ボールの中では……。
ヨワシ『リーリエさん、かわいそう……』
ジュナイパー『自分の親に暴力を振るわれて、大切なコスモッグも動かなくなっちゃったらね……』
キテルグマ『しんちゃんも優しいね。リーリエさんの辛さを受け止めてあげてるもの』
ヨワシ『でも、女の人も怖い時は怖いんだね』
キテルグマ『当たり前でしょ! 女の人はね、時には男の人よりおっかないことをしでかすことだってあるんだから!』
ヨワシ『ネネちゃんが言うと、説得力あるね……』
キテルグマ『どういう意味よ? えっ? ボールから出てあんたをピッピちゃんの刑にしたろか?』
ヨワシ『ひいいいーっ! 深い意味はないって!』
ミミッキュ『……』
ジュナイパー『……ボーちゃん、どうしたの?』
ミミッキュ『あ、ごめん、ちょっとウルトラホールのこと考えてた』
キテルグマ『ウルトラホールって、あの変なポケモンが出てきた穴のこと?』
ミミッキュ『うん。カザマくん、気付いた?』
740 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:16:50.41 ID:gw+EmeqQ0
ジュナイパー『え? なにが?』
ミミッキュ『ウルトラホールから、エネルギーが流れていたこと』
ジュナイパー『そういえば、どこかで感じたことが……あーっ!』
ヨワシ『ど、どうしたのカザマくん?!』
キテルグマ『急に大声ださないでよ。びっくりするじゃない!』
ジュナイパー『あのエネルギー! Zパワーとぬしポケモンがまとうオーラに似ているんだ!』
ミミッキュ『ボ……カザマくん、大正解』
ミミッキュ『ぬしポケモンは、たぶん、ウルトラホールのエネルギーを浴びてパワーアップしたポケモンだと思う』
ジュナイパー『じゃあZパワーの正体は……ウルトラホールから流れているエネルギーってことか!』
ヨワシ『ネネちゃん、意味わかる? 僕ちっともわからないや』
キテルグマ『さぁ?』
741 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:17:30.32 ID:gw+EmeqQ0
ジュナイパー『それじゃあZクリスタルもウルトラホールから生まれたものなのかな?』
ミミッキュ『……わからない』
ミミッキュ『僕の仮説だけど、ZリングとZクリスタルは、人間の体力をウルトラホールのエネルギーに変えて、僕たちをパワーアップするためのアイテムだと思う』
ジュナイパー『なんのために?』
ミミッキュ『たぶん、ウルトラビーストからアローラ地方を守るためにカプと人間が作ったかも』
ジュナイパー『目には目を、ZパワーにはZパワーを、ってところか』
ミミッキュ(だけど、Zパワーは人間の強い心にも反応する。人間の心とポケモンの心の繋がりがZクリスタルの誕生と深く関わっているのかも……)
742 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:18:26.72 ID:gw+EmeqQ0
翌日
しんのすけ「ふわぁ~あ……」
しんのすけ「あれ? リーリエちゃんがいない……」
ドンドンッ
ひろし「おーい、しんのすけー! 起きてるか?」
しんのすけ「とーちゃん?」
ウィィン
ハウ「おはよー! しんのすけー」
しんのすけ「とーちゃんにハウくん……結婚したの?」
ハウ「なに寝ぼけてるのー? もうみんな起きてるよー」
743 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:19:02.09 ID:gw+EmeqQ0
ひろし「てゆうか、なんで部屋ン中紙くずが散らばってるんだ?」
ハウ「リーリエとグラジオが外で待ってるよー。早く行こ行こー!」
しんのすけ「お? もうリーリエちゃん起きてたのかぁ。早起きですなぁ」
ひろし「お前が寝坊しすぎなの!」
ハウ「しんのすけーリーリエの姿見たら、きっとびっくりすると思うよー」
しんのすけ「?」
744 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:19:55.40 ID:gw+EmeqQ0
ルザミーネの屋敷の前
リーリエ「……」
しんのすけ「ほっほーい!」
リーリエ「あ……しんちゃん」
しんのすけに笑いかけたリーリエは、がらりとイメージチェンジしていた。
白のワンピースとロングヘアーから一転して、半袖のシャツとポニーテールに変わっており、活発的なイメージを感じさせる。
リーリエ「マリエで買ったままの服……似合いますか?」
しんのすけ「ふつー」
リーリエ「もうっ! せっかく気合を入れて着たのに……」
ひろし「こーらっ、こういうときは『似合ってる』って言うもんだろ」
しんのすけ「ふつーはふつーだもーん」
リーリエ「ほしぐもちゃんの事も……かあさまの事も……わたしには、やらねばならないことばかりです。わたし……しんちゃんのように、どんな試練にも立ち向かえるようになりたいのです!」
リーリエ「ですからわたし、気合いれてみました! はい、全力の姿です!」
バッ! バッ! バッ! ジャーン!
リーリエ「…………」ニコッ
745 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:20:43.82 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「ち、ち、ゼンリョクのポーズするなら、お尻を出したほうが締まるんだよ」
リーリエ「出せませんよ!」
スタスタ
グラジオ「起きたか。ずいぶん寝てたようだな」
しんのすけ「クジラくん、おっはー」
グラジオ「リーリエ、コレクションルームで見つけた太陽の笛だ。アローラに古くから伝わるものと聞いた。太陽の下で吹くものらしい」つ太陽の笛
グラジオ「太陽の笛、月の笛、2本そろえ、音色を捧げ、伝説のポケモンを呼びだす……そんな話があるらしいな」
グラジオ「……伝説のポケモンすら、自分のコレクションに加えるつもりだったのかもな」
しんのすけ「オラは? ねぇオラにはなんかあるの?」
グラジオ「お前のロトム図鑑を見てみろ」
しんのすけ「え? ぶりぶりざえもん?」
ロトム図鑑「こんなこともあろうかと、財団のサーバーに潜入して、ウルトラビーストのデータを入手したのだ」
ハウ「ビーストの情報ー!?」
グラジオ「……と、言っても一種類だけだ。昨日、オレ達の前に現れたあのビースト……母がウツロイドと名付けたウルトラビーストのデータだがな」
746 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:22:06.90 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「なんだ、たかが一種類かぁ」
ひろし「一種類でも無いよりマシだろ」
グラジオ「もし伝説のポケモンを呼び出し、向こうの世界に行くことになったら、そのデータを活用しつつリーリエのサポートを頼む」
しんのすけ「えーっ、オラが? めんどくさ」
リーリエ「にいさまは、なにをなさるのですか?」
グラジオ「後始末。エーテルパラダイスのな。相棒のヌルと遠くへ……そう願っていたが、結局ここにとどまるのか」
しんのすけ「とーちゃんは?」
ひろし「俺は一度メレメレに帰るよ。メレメレにもビーストが現れたみたいだし、かーちゃんたちの無事かどうか確かめなきゃな」
しんのすけ「心配しなくてへーきだよ、かーちゃんならたぶんビーストを返り討ちに出来るから」
ひろし「ははっ、そうかもな。でも、ひまわりやシロだって心配だろ?」
しんのすけ「ハウくんは?」
ハウ「おれねー鍛えるのー! もっともっとだよー! しんのすけやーポケモンにー助けてもらってばかりでしょー。やっぱり、自分でポケモンを助けられないとねー! しまキングになれないし、みんなを笑顔にできないよねー!」
ハウ「それに、アセロラの試練とかぜんぜんほったらかしだしー」
しんのすけ「そーいえば、全然やってなかったね」
747 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:22:57.41 ID:gw+EmeqQ0
グラジオ「……家族の話に巻きこんで、悪かったな」
ハウ「そーだよー。でもすごかったー! スペクタクルってやつー!? 鍛えれば、あんな不思議なこと、また体験できるかもだしー!」
グラジオ「スケールがでかくてな……オレらの母親は……」
リーリエ「ハウさん、来てくれてうれしかったです!」
ひろし「……グラジオくん、リーリエちゃん」
リーリエ&グラジオ「?」
ひろし「……あんまり無理すんなよ。どれだけ頑張ったって、お前たちはまだ子供なんだ。もし、また苦しいことや辛いことがあったらメレメレにあるうちに来な。いつでも歓迎するぜ」ニッ
リーリエ「はいっ! ありがとうございます!」
グラジオ「……そうだな」
748 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:23:59.18 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ「あ、そうだ! みんなーこれあげる」つアローラ防衛隊バッジ
ハウ「なにこれー?」
リーリエ「ダンボールで作ったのですか?」
しんのすけ「オラが夜なべして作ったアローラ防衛隊のバッジ! これを付けてれば、いつでもどこでもアローラ防衛隊だゾ!」
ハウ「へーお揃いだねー!」
リーリエ「アローラ防衛隊……とはなんですか?」
しんのすけ「アローラ地方を守る、愛と正義の戦士たちのことをアローラ防衛隊というの。隊長はオラね」
ひろし「なんだなんだぁ? カスカベ防衛隊の真似か?」
しんのすけ「ほい、クジラくんにもお一つ」
グラジオ「……必要ない」
しんのすけ「なになにー照れてるのぉ?」
グラジオ「そういう馴れ合いをするつもりはないだけだ……」
749 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:24:40.04 ID:gw+EmeqQ0
リーリエ「にいさま、そう言わないであげてください。きっと、私たちはひとりじゃないっていう、しんちゃんなりのメッセージですよ」
しんのすけ「いや、そこまで考えてないけどね」
リーリエ「」ズルッ
グラジオ「……フッ、面倒なやつだ」スッ
しんのすけ「よーし! 掛け声行くぞ! せーの、アローラ防衛隊、ファイヤーッ!」
リーリエ&ハウ&ひろし「ファイヤーーッ!」
グラジオ「しんのすけ、リーリエ、次の島……ポニ島に案内する」
リーリエ「ではしんちゃん! ゼンリョクで行きましょう!!」ギュッ
しんのすけ「いやん、いきなり手をつなぐなんて……。リーリエちゃん、なんかキャラ変わったねぇ。オラびっくりだよー」
ひろし「じゃ、しんのすけ。最後の試練頑張れよ。時間があったら、家族で応援に行くからな」
しんのすけ「ほーい!」
★挿入歌 ひとりぼっちじゃない★
【エーテルパラダイス編 おしまい】
750 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:25:54.89 ID:gw+EmeqQ0
今日はここまで。
次回の更新は明日の午後から少しずつ。
じゃ、そゆことで~
751 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:29:17.35 ID:gw+EmeqQ0
【おまけ】
キテルグマ『ついにネネも進化したわよ! これで女子力アップなんだから』
ジュナイパー『じょ、女子力って……』
ヨワシ『ヌイコグマと比べるとずいぶん大きくなったね』
ミミッキュ『マサオくんが言っても、説得力ないと思う』
しんのすけ「うーむ、主に食べ過ぎですな」
キテルグマ『食べ過ぎじゃないわよ! これでも体重には気を遣ってるんだから! 失礼しちゃうわ』
キテルグマ『ねえねえ、ところで新しいリアルおままごとのネタ考えたの。アンタたちどうせ暇だし、せっかくだからやりましょうよ』
しんのすけ「えぇ……」
ジュナイパー『またリアルおままごと?』
ヨワシ『もういい加減離婚するのやなんだけど』
ミミッキュ『僕も、ポニ島にある石を集めたい』
ドゴッ!
キテルグマ『やるわよねぇ? みんな』
全員「『はっ、はいいっ!!』」
752 :超超ゴルーグロボ ◆g/SXBgh1y6 :2017/06/10(土) 22:30:48.09 ID:gw+EmeqQ0
しんのすけ(前の夫との間に生まれた子供役)「わーい! オラ、このきあいのたすき、欲しかったんだあ!」
ミミッキュ(赤ん坊役)『おぎゃあおぎゃあ』
キテルグマ(未亡人で現在3度目の結婚生活を送る美人妻役)『いったいどうしたの? いつもケチなあなたがあんな高いものをお土産に買ってくるなんて』
ジュナイパー(夫の会社の先輩役。この後、妻を寝取る予定)『マサオくん、すごいんですよ。ホラ、奥さんに伝えなよ』
ヨワシ(夫役。ごく普通の冴えないサラリーマン)『え? えっとね……』
ヨワシ『……実は今日昇進して、課長になったんだ』
キテルグマ『ホントに? 嬉しい! 愛してるわ! あなた!』ギュッ
しんのすけ「おお、ママも新しいパパもラブラブですなあ」
ヨワシ『ま、待ってネネちゃん! なんかすんごく苦しいんだけど! 力強すぎだよ!』メキメキ
ミミッキュ『凄い音、出してる……』
しんのすけ「アローラ地方を冒険するゾ」
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