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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 『作者』編

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Part5
190 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/16(土)00:51:46 ID:z8G
赤ずきん「見知らぬ相手でも狼に襲われているとなると他人事とは思えないわね…。早く赤鬼達のところに戻りましょうか、本格的にはぐれては面倒だものね」スタスタ
・・・
ネズミお嬢「今の光景…ご覧になりまして?ライオンおじ様?」ガサガサ
ライオンの王「あぁ、勿論だとも。この森は危険だという噂が広がり、近頃では足を踏み入れる者も減ったと思っていたが…愚かな人間共は後を絶たないようだ」ガサッ
ネズミお嬢「そうですわね…それにあの赤いずきんの娘、可愛いなりをしていながら狼を攻撃する時は確実に狩る側の目をしていましたわ…少女といえども油断なりませんわよ?」
ライオンの王「勿論だとも、どのような相手だろうと侮ってはならないことはお前との一件で学習したのだ。決して油断してはならぬ、少女といえど猟銃を構えるというのならば…それは狩人に他ならない」
ネズミお嬢「…相手が狩人だというのならば、私達がとる手段はひとつですわね」
ライオンの王「うむ、我々も狩りはするが…それは生きる為食う為だ。道楽や自分たちの利益のために必要以上の命を奪う奴等とは本質が違う。黙って見過ごしてはおけん」
ネズミお嬢「でしたらいつものように返り討ち、ですわね?」
ライオンの王「うむ、この森には戦う手段を持たぬ者も多い、平和を脅かす余所者は我々が駆逐せねばならん。戦う覚悟と力を持った者がな」
ネズミお嬢「もちろんですとも!でしたらおじ様!いつもの奴をやりましょう!」
ライオンの王「戦いの誓いだな?いいだろう、では…」スッ
ネズミお嬢「私はすばしっこい小さな体と鋭利な前歯を武器に…!」
ライオンの王「我は鋭い牙と雄々しき体躯を武器に…!力の限り戦い、必ずやこの森の平和を守り、皆のための安寧を手に入れよう」
ネズミお嬢「必ずや愚かな狩人の娘を捕らえて血祭りにあげてやりますわっ!それではおじ様と私のゴールデンコンビ…森の平和を守るために出動ですわよっ!」ハイターッチ!
ライオンの王「うむ、この森は我々の領域。欲に溺れ足を踏み入れた愚かな狩人共に目にものみせてやろうではないか」ハイターッチ!

191 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/16(土)01:03:03 ID:z8G
ハイターッチ!
今日はここまで、場面切り替わりが多くて読みにくいかも…ぐぬぬ
次回更新は日曜日を予定しています!

192 :名無しさん@おーぷん :2016/04/16(土)03:15:29 ID:cPh
ハイターッチ!w
イッチ来てたー!
お嬢におじ様とな…w意表をつかれたw
そしてオズ一派?集結ワクテカ(・∀・)
……てーかワクテカしながら読んでる最中に余震…震度3くらいかさっきの…orz@九州
皆様お気をつけて

193 :名無しさん@おーぷん :2016/04/16(土)23:44:22 ID:DfL

おいおいお嬢様口調のねずみとかケモナーの俺歓喜じゃねぇか。
期待

195 :名無しさん@おーぷん :2016/04/17(日)23:53:00 ID:w5c
乙です!
おぉ!オズのメンバーが揃う!
あと、ライオンとネズミどんな奴なんだろ…
続き待ってます!!


196 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:20:34 ID:bKA
赤鬼「狼の鳴き声はこっちから聞こえたと思ったが…どこだ?赤ずきんの奴急に飛び出していくもんだから見失っちまったぞ…」キョロキョロ
人魚姫の声『空から探そうにもこんなに木が多くちゃなぁ…あっ、赤鬼!あの赤いのそうじゃね?赤ずきーん、こっちなんですけどぉー!』
赤ずきん「あら、ここに居たのね」スタスタ
人魚姫の声『「ここに居たのね」じゃないんですけどー!急に飛び出して行ったらびっくりすんじゃん!』
赤ずきん「それは悪いことをしたわね。でも一歩遅れていれば一人の狩人が狼の餌になっていた…それを防ぐことは出来たのだから大目に見て頂戴」
人魚姫の声『それはいい事したと思うけどさぁー、狼は危険な獣だって聞いてたしこっちは心配すんじゃん!赤鬼だってそうっしょー?』
赤鬼「まぁそうだが、無事だったからいいじゃねぇか。その様子じゃどこも怪我なんかしてねぇんだろ?」
赤ずきん「狼に遅れなんかとらないわ。それよりもこのおとぎ話の主人公達を探しましょう、時間は無いのだし」
人魚姫の声『了解了解ー。でもちょーっとだけその狼達も可哀想だよねー、誰か襲わなきゃご飯にありつけないわけだしさー。あっ、別に赤ずきんを責めてるわけじゃないかんね?』
赤鬼「まぁ言いたいことはわかるぞ、自然界じゃ弱肉強食が基本だ。襲われる方が悪いと言えばそれまでだが…やっぱりこっちとしちゃあどうしても人間の味方をしちまうよな」
赤ずきん「狼にとっても生きるために必要な行動なのはわかってるわ。だけどそれは黙って食べられる理由になんかならない、牙を剥くなら迎え撃つだけ」
赤ずきん「たとえ見ず知らずの他人でも、狼に襲われているのなら当然助けに入る…私は故郷の村を狼に襲われたから特にそう思うのでしょうね」

197 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:22:13 ID:bKA
人魚姫の声『うんうん、海中じゃあ人魚も鮫には困ってたしねー』
赤鬼「鮫ってぇと確か鋭い牙を持った肉食の魚だったか?」
人魚姫の声『そうそう!人魚も魚も基本的にはお互いを食べないから共生出来てたけどさ、鮫は別だったなー。赤ずきんみたいに鮫に家族を食べられて恨んでる人魚は結構居たしさ』
赤ずきん「海も陸も変わらないのねそのあたりは。けれど当然よ、家族や村の仲間を奪われたのなら…どんな理由があろうとも納得なんかできないもの」
赤鬼「だがそう考えるとおいら達鬼は熊を捕って食ったりもするわけだ、そりゃやっぱ熊からは恨まれてんだろうななぁ…」
赤ずきん「そうかもね。でも私も野ウサギはよく口にしていたし、それを言ってしまうと……ね」
赤鬼「鬼と人間と共存とか言って他の動物は食ってるじゃねぇかって言われると、反論できねぇな……」
赤ずきん「……人間を襲う狼は駄目でウサギを食べる私達は大丈夫、なんて都合良すぎるものね」
二人「……」
人魚姫の声『あははっ!今更そんな事気にしたってしょうがなくない?昔姉ちゃん言ってたよー?生きるために何かを食べるときはその命に感謝しなさいって、それで良いじゃん!気にすることないってー』ヘラヘラ
赤ずきん「…私はたとえ狼が感謝していたとしても、家族を食べられたことを納得できないけどね」ボソッ
赤鬼「お、お前この流れでそれ言っちまうとどうしようもねぇじゃねぇか…」

198 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:24:02 ID:bKA
ライオンの王「いいや、お前の言葉は正しい。赤き頭巾の狩人よ」ザッ
人魚姫の声「あれってライオンじゃね…!あれライオンだよね?もしかしなくてもあたし達が探してる奴なんじゃね?喋ってるし」
赤鬼「おそらくな…だがいつの間に、あれだけの巨体が動けばそれなりに気配がするもんだぞ?」
赤ずきん「…どちらでもいいじゃない、些細な問題よ。出向いてくれて助かったじゃない探す手間が省けたのだし」
ライオンの王「ほぅ、人語を操る我を見て驚かぬ人間は初めてだ。大抵驚愕するか、珍しさから躍起になって捕らえようとするものだが」
赤ずきん「あぁ…私達は普通の人間じゃないのよ。それよりも出会えて嬉しいわ、私達はあなたのことを探していたの」
ライオンの王「そうであろうな、この森に足を踏み入れる人間は全て同じ目的だ」ザッ
赤ずきん「それ…どういう事かしら?」
ライオンの王「狩人の目的など知れている。我等、森に住む者達の捕縛あるいは殺戮…お前の目的もまた同様のものだろう?」
赤ずきん「待って頂戴、それは違うわ。私達はあなたに危害を加えるつもりはない、それに私は狩人なんかじゃないわ」
ライオンの王「ほう、狩人では無い?解せんな、罠で我等を騙し捕らえるお前たちにしては随分と稚拙な嘘だ……」ビュッ
赤鬼「マズい!あのデカさでなんて素早さだ…!赤ずきん!」バッ
ガバッ
赤ずきん「くっ…!」ズサーッ
ライオンの王「狩人では無いならばそのマスケットは何だ?それは我等を殺す道具、貴様が狩人であり…我々の敵である証拠ではないか」グワッ

199 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:26:59 ID:bKA
人魚姫の声『ちょ、それは誤解だっての!…あぁ、あたしの声は届かないんだった!赤鬼!』
赤鬼「あぁ!そいつぁ誤解だ!そいつは確かにマスケットを持っちゃいるが狩人なんかじゃねぇんだ!放してやっちゃくれねぇか!?」
ライオンの王「それは無理な相談だ、お前たちを逃がせばこの森に住むもの達は蹂躙され殺される。王として我は見過ごすわけにはいかぬ」
赤ずきん「くっ…私達はあなたたちを襲った人間とは違うの!だからお願いよ、話を聞いて頂戴!」
ライオンの王「命乞いに耳を貸すつもりは無い。お前たち狩人は仲間達の無念の叫びに耳を傾けたことがあるか?あるはずなかろう、我と違い皆は人語を操れぬからな」
ライオンの王「報いを受けよ赤き狩人よ。その身体、我等の血肉となるべく捧げろ」グワァァ!
赤鬼「クソォ!そっちが聞く耳もたねぇってぇなら仕方ねぇ!うおおぉ!」バッ
ビュオンッ
ライオンの王「本性を現したか狩人の仲間よ。それで良い、敵意が無いフリなどまどろっこしいだけだ」スッ
赤鬼「お前たち森の連中が狩人に酷い扱い受けたってのは同情するが、こいつは本当に狩人じゃねぇ!そこは信じてやれねぇか!?」
ライオンの王「今更そんなことを議論する必要はあるまい。我は牙を剥き、お前はそれに応じた…あとはどちらかが餌食となるだけだ」ビュッ
赤鬼「うおぉっ!だから話を聞いてくれ!」ガキン
人魚姫の声『あいつ今度は赤鬼に!あぁもう、何も出来ないとか…悔しい!赤ずきん!あいつなんとかしてくんない!?』
赤ずきん「そうね…でもマスケットを使えば彼らの疑心は深まるばかりよ、何か別の手段を…!」

200 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:29:05 ID:bKA
ビュンッ ガキィンッ
赤鬼「ぐぅっ!なんて力だ!これじゃいつまでもつかわかんねぇぞ…!」
ガアァ ビュバッ
ライオンの王「防戦を演じれば我の隙を誘えるとでも思っているのか?無駄だ、防ぐばかりで押されているではないか」ズバッ
赤鬼「くっ…!赤ずきん!これじゃあ埒があかねぇぞ!残念だがもう諦めたほうがよくねぇか!?」ガシィッ
赤ずきん「誤解を残したまま逃げるのは心残りだけど、そんな事は言ってられないわね。残念だけどここは…」
ライオンの王「逃すはずがなかろう。男よ、貴様は随分と頑丈なようだが…これで終いだ」ググッ
ドガッ
赤鬼「突進…!だがそれなら受け止めちまえば……うおぉっ!?」ズサーッ
人魚姫の声『えぇっ!?赤鬼が消えたんですけど!?どゆこと!?』
赤ずきん「落とし穴…!赤鬼を攻撃しながらそっちへ誘導していたのね!?」クッ
ライオンの王「以前訪れた狩人が仕掛けた卑劣な罠だ。この森にはまだいくつも存在する、今の我にとってはお前たちを捕らえる道具でしかないがな」グルルッ

201 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:31:02 ID:bKA
赤鬼「くっ…なんて深く掘りやがったんだ、出られねぇことは無さそうだが容易くは無ぇぞ!」
ライオンの王「お前たち狩人が我々に向けた悪意の深さだ、容易くは出られまい」
赤ずきん「…人魚姫、私の側へ。赤鬼を連れてすぐに別世界へ逃げr」
ライオンの王「言ったはずだが?逃がさんとな」バッ
赤ずきん「…退きなさい。私は彼と共にこの場から去る」
ライオンの王「やってみせよ、だが我はそれを必ず阻止する。狩人は一人たりとも帰さん」
赤ずきん「私は狩人じゃないわ、けれどあなたが私の大切な友人を帰さないというのなら…」
ガチャッ
赤ずきん「なってやろうじゃないの、狩人に」
ライオンの王「ふん…ようやく狩人らしくなったではないか、赤き狩人よ」
赤ずきん「後悔なさい、私は素人だけどこのマスケットは…ただの猟銃じゃないわよ?」

202 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:36:33 ID:bKA
ライオンの王「御託はいい、引き金を引け赤き狩人。銃弾を浴びれば我は倒れ、そうでなければ貴様に食らいつく…ただそれだけだ」
赤ずきん(気は進まないけど…赤鬼を助けることが優先だもの、せめて急所は外して……)
赤ずきん「いいわ、あなたを倒さなければ彼を救えないのなら私はそうするだけよ。……っ!?」ビクッ
ズダーン スカッ
人魚姫の声『えぇーっ!?ちょ、盛大に外してるんですけど!?赤ずきん一体どうして…』
赤ずきん「やられたわ…!服の中に何か潜り込んd…ひゃぅ!」ビクッ
人魚姫の声『いやいや何かってなんなの!?…あっ、もしかしてあのライオンがこのおとぎ話の主人公っていうなら、その相棒の…!』
赤ずきん「くっ…!いつまでも人の服の中に潜んでないで出て行きなさこの…!」グッ
スサササッ ガジッ
ネズミお嬢「あらあら、私のくすぐりに耐えるなんて随分と我慢強い娘さんですこと!でも、これならどうでして?」スサササッ
赤ずきん「ひゃう…!…こんな事で無力化されるなんて屈辱だわ…!これじゃあ狙いを定めるなんて…」クッ
ネズミお嬢「あいにくですけどおじ様は私にとって大切な方なのですわ!狩人の餌食になど決してさせませんわよ?」
ネズミお嬢「おじ様は恩人であり私のパートナー!指一本弾丸一発振れさせませんわよ!」

203 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:39:54 ID:bKA
ライオンの王「さて、では仕上げといこうか。お嬢、構わんな」ググッ
ネズミお嬢「いいですとも!」スサササッ
赤ずきん「くっ…!」
人魚姫の声『赤鬼の時と同じ突進の構えじゃんあれ!うぅっ、赤鬼!どうすんの!?空気の精の私じゃなんにも…!』
赤鬼「落ち着け、お前は悪かねぇ!だがすぐに出られそうにないんだ、赤ずきんは何とか耐えられねぇか!」ヨジヨジ
赤ずきん「そうは言ってもね…このネズミがそうさせてくれないのよ…!」スサササッ
ライオンの王「では赤き狩人よ、終いにしよう」ドガッ
赤ずきん「…っ!」ドサッ ビュンッ
バサーッ!
人魚姫の声『あぁ…!赤ずきんがなんか網で吊し上げられた!』
赤ずきん「くっ、身動きがとれない…!」
ネズミお嬢「そうでしょうとも!これは獲物を網で捕らえて吊す罠!自分の体重が掛かることで縄が体に食い込んで身動きがとれない、そういう代物でしてよ!」
ライオンの王「かつて我を苦しめた罠と同様のものだ。これでようやく気がついたか、赤き狩人よ」
ライオンの王「この森は我等の領域、ここでお前たちは狩る側ではなく、狩られる側だと言うことにな」

204 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:43:06 ID:bKA
ネズミお嬢「男は落とし穴に、そして狩人は網の罠!私達の勝利ですわ!おじ様、やりましたわね!」ハイターッチ!
ライオンの王「うむ、人間共が仕掛けた罠で捕らえられるとはいい気味だなお嬢よ」ハイターッチ!
ネズミお嬢「全くですわね!捕らえられた皆の恨み、思い知れですわ!」プークスクス
赤ずきん「あなた達のやってることは狩人のそれと何が違うのよ、お互い様に見えるけれどね。私には」
ネズミお嬢「なんとでも言えですわ!マスケットがなければお前なんてただの人間の娘、おいしく頂いてやりますわ!」
ライオンの王「さて、どうしてくれよう。とりあえず息の根を止めて…先ほど無念に倒れた狼達の家族に分け与えようか」
ネズミお嬢「いいですわね!そういえば西に住んでるキツネの奥さん出産が近いみたいですわよ、娘の方はそのお祝いにいたしましょう!」
ライオンの王「良い考えだ。では早速娘の方から息の根を…」
赤ずきん「…赤鬼、人魚姫。少し席を放すわ…悪いけれど待ってて頂戴、すぐに戻るから」
赤鬼「…あぁ、そういうことか。まかせろ!」
人魚姫「あっ、なーんだ、その手があったね普通に!オッケー、なんもできないけど待っとくー」ヘラヘラ
ネズミお嬢「余裕ぶるのも大概にするのですわ!その網の罠からは決して……」
赤ずきん「私が敵じゃないという証人を連れてくるわ。少し待っていて、彼に危害を加えたら…許さないわよ」ヒュンッ
バサッ

205 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:46:30 ID:bKA
ライオンの王「なんだと…赤き狩人が消えた!?」
ネズミお嬢「ど、どういうトリックですの!?」
赤鬼「別のおとぎ話の世界に行ったのさ、おそらく【ブレーメンの音楽隊】だろう」
ライオンの王「ぬぅ?お前たちもおとぎ話の世界の住人だったか…だが我等に仇なす狩人であることには変わりない」
ネズミお嬢「わざわざこのおとぎ話の世界へ来ておじ様を捕らえるつもりだったのですわよ!きっと!」
赤鬼「違うってのに…まぁもうじき信じるしかなくなると思うぞ、赤ずきんとブレーメンの音楽隊は顔見知りだ。実際…音楽隊の連中はこの世界に来たんだろ?」
ライオンの王「あの愉快な音楽隊なら我の仲間達を楽しませて満足そうに去っていったが…その手引きを赤き狩人がしたというのか?」
赤鬼「あぁ、以前世話になったお礼に演奏したがってるあいつらをこの世界へ送ったって言ってたからな」
ライオンの王「デマカセには聞こえんな…本当にあの音楽隊の仲間だというなら、狩人でないという言葉も…真実やもしれんぞ」ヒソヒソ
ネズミお嬢「そうですわね…でもまだそうと決まったわけではないですわよ!」ヒソヒソ
ライオンの王「うむ、もしも真実ならば我々がしたことは非常に無礼な振る舞い、謝罪が必要だ。だが…狡猾な嘘は人間の十八番、援軍を呼ぶための口実かもしれん、ここで下手に出るのは下策」ヒソヒソ
ネズミお嬢「ですわね、はっきりとした真実がわかるまで油断してはいけませんわ!よってまだ謝る必要もなし!ですわね!」

206 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:51:08 ID:bKA
・・・小一時間後
ライオンの王「まさかお主等が本当に狩人ではないとは…そうと知らずに申し訳ないことをした、すまない」ペコリ
ネズミお嬢「散々調子乗った事言って申し訳ありませんですわー!」ペコー
赤ずきん「いいのよ、わかってくれたなら。こうして赤鬼も解放してくれたんだし」
赤鬼「なりゆきとはいえ俺達も手を出しちまったしな…ここはひとつお互い様って事にしねぇか?恨みっこなしだ」
ライオンの王「おぉ、我々の勘違いで被害を被ったというのになんと懐の深い男だろうか…!」
ネズミお嬢「感謝感激ですわね!おじ様!」
赤鬼「いいってのに、それよりあんたたちに話が聞きたいんだ。どこか話ができそうな場所に案内しちゃくれないか?」
赤ずきん「……」フゥ
人魚姫の声『んー?ため息なんかついてどーしたわけ?大きな怪我もなくって皆無事で良かったじゃん!』ヘラヘラ
赤ずきん「また彼等に借りができてしまったと思ってね。ライオン達に説明して貰った後さっき元の世界へ送り届けたとき言われたわよ、また新しいライブの場を準備してくれって」
人魚姫の声『あははっ、足元見るねぇ』ヘラヘラ
赤ずきん「まぁいいんだけどね…世話になったのは事実だし」
人魚姫の声『そーいえば結局さ、この世界の【ライオンとネズミ】ってどんなおとぎ話なの?聞きそびれちゃってたしさ、教えてよ。あの二人があーなったのもそういう筋書きだからっしょ?』
赤ずきん「教えるのは良いけどもうこうなったら二人に直接聞いた方がいいんじゃないかしら?その方が詳しく聞けるでしょうし」
赤ずきん「【ライオンとネズミ】がどんなおとぎ話なのかをね」

207 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/18(月)00:55:27 ID:bKA
今日はここまでです
悪気なく足元を見るブレーメンの音楽隊の面々
『作者』編 次回に続きます

208 :名無しさん@おーぷん :2016/04/18(月)00:56:20 ID:vRB
お疲れ様どす..

209 :名無しさん@おーぷん :2016/04/18(月)01:26:44 ID:J9P
乙乙
やはりお嬢とおじ様良いキャラw

210 :名無しさん@おーぷん :2016/04/18(月)08:08:55 ID:lgT
乙でござるwwwwww
拙者、お嬢にチ〇ビを噛まれたい所存でござるwwwww


211 :名無しさん@おーぷん :2016/04/19(火)12:29:23 ID:eaC
乙!
お嬢の手のひら返しがwww
(俺も女の子の服のなかに潜り込みたい)

212 :名無しさん@おーぷん :2016/04/19(火)16:39:50 ID:fgx
>>210>>211
ズダーンズダーン

229 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/24(日)00:47:05 ID:ruY
ライオンとねずみの世界 ライオン達の住処へ向かう道中
ライオンの王「ほう、我等のおとぎ話【ライオンとねずみ】の筋書きを聞きたいと?」ノシノシ
赤ずきん「えぇ。どうやら人魚姫が興味あるみたいなの、私が教えても良かったんだけど…本人がいるのだしどうせならあなた達に話して貰った方が良いと思ってね」スタスタ
ネズミお嬢「確か人魚姫っていう空気の精霊さんがその辺にふわふわしてるんでしたわね!私達のおとぎ話に興味を持ってもらえて嬉しいのですわ!」
人魚姫の声『おとぎ話自体にはそんな興味ある訳じゃないけどさー。まっ、人間と人魚が仲良くできるのを願う私としては気になっちゃうわけですよー、ライオン達の仲良しの秘密って奴がさー』ヘラヘラ
赤鬼「オイラからも頼む。是非お前たちのおとぎ話を聞かせてくれ、お前たちがあれほどの連携をこなせる秘訣って奴が気になるからな」
ライオンの王「うむ、よかろう。我等の住処まではもうしばらく歩くことになる、その道すがら話そうではないか」
ネズミお嬢「しっかし照れますわねー!このおとぎ話を語るということは必然的に私の活躍を語ることになりますもの!」
赤鬼「照れるなんて言ってる割には誇らしそうだな?」ガハハ
ネズミお嬢「もちろんですわ!照れはするものの誇らしいことに変わりはありませんもの!私の活躍に刮目せよ!」フフン
ライオンの王「さてどこから語るとするか…改めて思い起こせばもう随分昔の事のように感じるものだ。どちらにしろお嬢が今より多少は可愛げがあった頃の話になるだろうか」フフッ
ネズミお嬢「なっ!?今でも私は可愛らしいお嬢様でしてよ!?今も昔も変わりなく、ですわ!」ポカポカ
ライオンの王「ははっ、それは失礼。…と、今でこそ我等はこの様に冗談を言い合える仲だが…お互い初対面の印象が最悪だったことはよく覚えている、なぁお嬢?」
ネズミお嬢「えぇ!ぶっちゃけ殺されると思いましたわ!」
ライオンの王「あぁ、実際我はお嬢を殺すつもりだったのだ。見知らぬねずみの娘に眠りを妨げられたことに相当腹を立てていたからな」
赤鬼「おいおい、眠るのを邪魔されたくらいで…そりゃあやりすぎじゃねぇか?」
ライオンの王「あぁ、その通りだ。恥ずかしながらあの頃の我は未熟でな…そう思う事ができなかったのだ、自分自身がもっとも優れた王者だと思いこんでいたのでな…」

230 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/04/24(日)00:48:41 ID:ruY
随分と昔
ライオンとネズミの世界 森の中
ビュッ
ネズミ「うぐっ!」ガシッ
ライオンの王「百獣の王たる我の背を横切るとはいい度胸だ。当然、その命を置いていく覚悟あっての振る舞いであろうな…?」ギロリ
ネズミ「わーっ!すいません!ちょーっと慌ててて前をよく見てなかったんですぅ、悪気とかこれっぽっちもなかったんです!」
ライオンの王「故意かどうかなど我には関係の無いことだ。だが貴様のようなネズミ風情が王たる我の眠りを妨げたことは動かぬ事実…王者を軽んじるその行為、万死に値する」
ネズミ「いやだからうっかりなんですって!勘弁してくださいって!」
ライオンの王「貴様など喰らっても腹に足しにもならんが…我が尊厳に傷を付けた償いはして貰おう。その命、我が血肉となるべく捧げよ」グアッ
ネズミ「ちょ、ちょーっと待ってください!命だけは勘弁してください!あっ、そうだ!一つ提案させてください!」
ライオンの王「提案だと…?よかろう、言うだけ言ってみるがいい」
ネズミ「はい!私を逃がしてくれたら必ずライオン様に恩返しします!絶対です!」
ライオンの王「…恩返し?」
ネズミ「はい!私なんか食べでもすぐにお腹空くし意味ないですって!だからここは私を逃がして恩返しして貰う方がずっとお得ですよ!そうしましょう!ねっ?」

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