キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編
Part1
1 :◆oBwZbn5S8kKC:2016/10/31(月)00:42:08 ID:lx6
今からずっとずっと昔
現実世界 紀元前 古代ギリシャ とある富豪の屋敷
ワイワイ ガヤガヤ
奴隷「──そこで北風は太陽にこう言ったんだ『それならば俺と力比べをしよう、そうすればどちらが優れているかハッキリするだろう』ってな」
奴隷仲間1「おぉ!まさかのバトル展開か!北風と太陽のバトルとか胸熱!」ワクワク
奴隷仲間2「お前、話の腰を折るなよ。で、どうなるんだ?続きを聞かせてくれ」
奴隷「北風はこう続けたんだ『あそこに旅人が居るだろう、奴の上着を脱がせた方が勝者というのはどうだ?』ってな。そして太陽はそれに応じたんだ」
奴隷仲間3「ちょっと待て!なもん上着を吹き飛ばせばいいんだから北風の勝ち確じゃねぇか!」
奴隷仲間4「そう考えると卑怯な気もするな…太陽は風をおこせないわけだし、結果が見えてる勝負だぞ」
奴隷「ところがそう簡単にはいかないんだなー。北風にとっちゃプライドを賭けた戦いだ、気合い入れて旅人に風を吹き掛けたんだが…上着を吹き飛ばす事は出来なかった」
奴隷仲間1「マジか!何でだ?」ワクワク
奴隷「寒い風が吹けば当然旅人は上着が飛ばされないよう押さえ込むだろ?北風はそれを計算に入れていなかったんだ」
奴隷仲間3「おー、なるほどな。じゃあ勝負は引き分けか?北風に吹き飛ばせなかったもんを太陽が吹き飛ばせる訳ないしなぁ…で、どうなんだ?」
奴隷「太陽は悔しがる北風をよそに『ならば次は私が』と告げるとただサンサンと旅人を照らし続けた。すると辺りは次第に暖かくなって…ついに上着なんか着ていられない陽気になったんだ」
奴隷仲間4「おぉー!じゃあ太陽は気温を上げることで…」
奴隷「あぁ、太陽は旅人を照らすことで彼自らに上着を脱がせた訳だな」
奴隷仲間1「うぉー!すげぇな!俺には考え付かない方法だぜー!」
奴隷仲間2「だな。しかも北風の方法よりずっとスマートだ」
奴隷「そして見事、太陽は力比べに勝つことが出来た。めでたしめでたし、というところで終わりだ」
奴隷仲間4「いやー、今日も面白い話だったぞ!ところでこのおとぎ話は何ていうタイトルなんだ?」
奴隷「あー、話を考えるのは得意なんだがタイトル決めるのはどうも苦手でなー…適当に【北風と太陽】とかでいいんじゃないか?」
3 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)00:53:24 ID:lx6
奴隷仲間1「ははっ!お前そのまんまじゃねぇか!もっと捻れよ!」バシバシ
奴隷「いいんだよ、タイトルなんか何だって。重要なのはそのおとぎ話の内容だ。どうだ?今回の話は面白かったか?」
奴隷仲間2「あぁ、楽しませてもらったよ。毎度の事ながらお前の話は聞いてて飽きない、学の無い俺達にもわかりやすいしな」
奴隷仲間4「そうとも、こんな生活してるからお前の話が唯一の娯楽だけど…それを差し引いてもお前のおとぎ話はいつも面白いぜ」
奴隷仲間3「うんうん、それにタメになるし!俺も荷物運びの仕事、強引に無理矢理たくさん運ぼうとしてるけど…やり方変えりゃ太陽みたくスマートにできるかもな」
奴隷仲間4「それがいい、お前の仕事は強引な所あるからな。うまい具合に小分けして運んだ方がずっと効率的だ」ガハハ
奴隷仲間2「タメになるって言えば俺はこの間話してくれた【アリとキリギリス】が勉強になったな、最後アリがキリギリスに対して辛辣なのもいい。厳しいもんだしな現実は」
奴隷「あぁ、あの話か。あれは他の連中も喜んで聞いてくれたな、割と人気があるんだよ」
奴隷仲間2「あれは名作だ。あの話で前準備や支度の大切さがわかったからな、おかげで仕事も少し楽になった気がするよ。他の連中もそう言ってた」
奴隷仲間1「俺もそう思うぞ!ずっと奴隷してっから知らないこと多かったけど、お前のおとぎ話のおかげでいろいろ知れたし!感謝してるぜ!」
奴隷「そうか。俺は自分のおとぎ話を聞いてお前たちが楽しんでくれればそれで十分なんだがなぁ…」
奴隷「でもお前たちが生きていく上で俺のおとぎ話が何かしらの助けになってるなら、それは喜ばしい事だな。嬉しく思う」ニッ
奴隷仲間1「へへっ、嬉しいのは俺達の方だぜー!お前みたいな良い奴が来てくれたし、お前が来てからこの奴隷生活にもちょっとした楽しみg」
主人「なにやら騒がしいと思ったら…お前らー!何をこんなところでサボってるんだ!まだ仕事は残ってるんだぞ!持ち場へ戻れー!」ドンッ
5 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)00:56:18 ID:lx6
「うおっ!すんませんご主人!すぐ戻るんで!」ドタドタ
「ほら急げ!メシ抜きにされちゃかなわねぇ!」バタバタ
「そんじゃな!また休憩の時にでも話聞かせてくれよ?」ヒソヒソ
主人「まったく…あいつら少し目を放したらサボりよってからに…」
奴隷「ははは…それじゃ俺も仕事に戻るんでー…」コソコソ
主人「待て!お前には話がある。今、騒いでいたのはなんだ?お前が中心になっていたようだが?」ガシッ
奴隷「あー、いえ…俺が考えたおとぎ話を聞いてもらってただけです。大したことは何にもしてないですよ」
主人「おとぎ話…そうか、近頃奴隷共の間で噂になっていたのはお前だったのか」
奴隷「噂…ですか?俺が?」
主人「あぁ、なんだか奴隷共が以前よりもイキイキしていてな。話を聞いてみると面白い話をする奴隷が入ってきたとかで、そいつの話を聞くのが何よりの楽しみなんだと」
奴隷「へぇ…そんな噂が。なんていうか、そう言われるのは嬉しいですね」
主人「喜んでいる場合か!あいつらがサボる原因になっているだろうが!お前の話ひとつで奴隷共のやる気がでるというなら咎めはしないが…仕事中はやめろ。次見つけた時は完全に禁止にするぞ」
奴隷「楽しみにしてくれてる奴もいるから禁止は困るな…わかりました、休憩中だけにするように皆には言っておきます」
主人「わかればいい。で…だな、そこでお前にひとつ仕事を与える」
奴隷「今やっている荷物運び以外の仕事ですか?」
主人「あぁ、そうだ。お前には私の娘の為におとぎ話を作ってもらう」
6 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)00:59:06 ID:lx6
奴隷「お嬢さんの為…?確か聞いた話だと病で床に伏せているとか、なんでも重い病だと」
主人「…あぁ、娘は重い病気を患っていた。だが良い医者を付けて良く効く薬を取り寄せたおかげで病気自体はもう完治している」
主人「だが何年も部屋に籠りきりになっていたせいか…身体は治っても心が前を向けないようだ。珍しい鳥を見せても豪華な洋服を与えても美味しい料理でも娘を笑顔にはできなかった」
奴隷「そこで噂になってる俺のおとぎ話でなんとかできないか、と?」
主人「奴隷に託すなどまったくもって情けない事だが…方々を回り私に出来ることは全て試した、他にはもうアテが無いのだ」
主人「それに伝え聞いたお前のおとぎ話はまぁ悪くない、十分聞けるものだった。ということだ、娘を前向きにするようなおとぎ話…出来るな?」
奴隷「そうですね…ご主人の命令とあらばやらせてもらいます、でもお嬢さんがどのような方かわからないとどんな話を喜んでくださるのかわかりません」
主人「いいだろう、娘と話す機会を作れば良いな?」
奴隷「はい、それとなるべく早くおとぎ話を完成させる為に荷物運びは休ませて欲しいのですが」
主人「やむを得ん、いいだろう」
奴隷「あとお嬢さんの笑顔を取り戻したあかつきには奴隷達を少しだけ優遇して欲しいのですが」
主人「あまり調子に乗るんじゃあない!お前は奴隷なのだから主人の私に何か要求できる立場では無いのだぞ!」
奴隷「ははは…ですね。すんません、ご主人」
主人「だが…いいだろう、この仕事は特別だ。成功させれば奴隷共の食事の増量を約束してやる、お前の処遇も見直す。その代わり失敗は許さんぞ!」
奴隷「おぉ、ありがとうございます!お任せください、素晴らしい物語を考えてみせますよ」
・・・
7 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:02:36 ID:lx6
それから半月程…
奴隷仲間1「最近つまらんー!人生に喜びがないー!」ブーブー
奴隷仲間2「なんだよ急に、というか奴隷の人生にそんなもんないよ」モグモグ
奴隷仲間1「そうだけども!俺はアイツの面白おとぎ話をもっと聞きたいんだよ!お嬢さんがアイツを独り占めしてるせいでアイツの話聞くのが週一ペースになっちまった!なぁお前も残念だろ!?」
奴隷仲間3「まぁそりゃ残念だけどアイツにとっちゃ今の状況は好機だぜ、お嬢さんに気に入られれば奴隷解放も夢じゃない。お嬢さんは元気を取り戻しつつあるらしいし俺達の飯も増えてみんな幸せだろ」モグモグ
奴隷仲間1「そこはまあ、いいことだけども…でもさー」ブーブー
奴隷仲間2「仲間が充実した生活を送ってるんだ、何の不満があるんだよ。嬉しいことだろ?」
奴隷仲間1「まぁ…そうだよな。アイツが認められるのは嬉しいし、ここは我慢するかー」モグモグ
ドタバタドタバタ
奴隷仲間4「お、おいお前ら!すげぇ事になっちまってる!」ゼハーゼハー
奴隷仲間2「ホコリをたてるなよ、飯食ってんだぞ。で、どうしたんだ?」
奴隷仲間4「国王!国王だってよ!」ゼェゼェ
奴隷仲間3「いやわかんねーよ!国王がどうしたってんっだよ」モグモグ
奴隷仲間4「アイツがおとぎ話でお嬢さんの笑顔を取り戻したって話!あれがどうやら国王の耳に入ったらしくて、アイツにメッチャ興味持ったんだってよ!」
奴隷仲間1「そりゃあんな面白い話できる奴隷なんかいねぇからなぁ…ん?おい、それじゃあまさか!?」
奴隷仲間4「そのまさかだよ!アイツ、国王に謁見する事になっちまったんだとよ!国王の御前でおとぎ話を話す為に!」
8 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:04:59 ID:lx6
さらに数日後 城 謁見の間
奴隷「あの、ご主人。俺、なんでこんなところにいるんですかね…」
主人「仕方がないだろう、国王様がお前の噂を耳にして是非おとぎ話を聞きたいと仰るのだから。まったくどこから漏れたんだか…噂というのは怖い」
奴隷「興味を持っていただけるのは嬉しいんですけどこんな大舞台初めてですよ、当然ですけど」
主人「……そうか」
奴隷「だって俺、しがない奴隷ですよ?それがなんで国王様に呼ばれて城なんかに…評価してくれるのは嬉しいですけど」
奴隷「正直、結構緊張してるんですよね…ご主人?聞いてます?」
主人「少し黙っていろ…!私も国王様直々の呼び出しに緊張しているのだ、話しかけるな今は…!」
奴隷「もしも俺のおとぎ話が受けなかったら俺とご主人殺されますかね…なんちゃって」ハハハ
主人「やめろ縁起でもない…!いいか、絶対に失敗をするなよ…絶対に王を満足させろ!そうだ!娘を笑顔にさせた時のおとぎ話だ、あれを話せ!ネズミがライオンを助ける奴だ!」
奴隷「いや…国王様相手に百獣の王が失態を晒す話はどうなんですかね。大丈夫です、考えてきたおとぎ話には自信ありますから」
主人「そ、そうだな。これがうまくいけば私の評価もあがる、お前の望みもある程度は叶えてやるからしっかりな!受け答えも練習したようにやるように」
奴隷「はい、まぁまだ死にたくないですしね…おっと、いらしたようです」バッ
9 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:09:01 ID:lx6
国王「ふむ。長旅ご苦労、突然呼び出して済まなかったな」
主人「とんでもございません!国王様がお呼びとあらば直ぐ様馳せ参じます」ペコリ
国王「よい心掛けだ。お主は奴隷の主人だな、では隣のお主が例の奴隷か」
奴隷「はっ、左様でございます」ペコリ
国王「二人とも楽にせよ、とって食おうという訳ではないのだ。さて…奴隷よ」
奴隷「はいっ、何でございましょう」
国王「私は見ての通り随分と歳老いた…若い頃はあちこちを旅したものだが今ではもうそれも構わん。城の中でつまらぬ毎日を過ごすのみ…故に欲しているのだ、胸踊るような物語を。この気持ちがわかるか?」
奴隷「はい、お気持ちお察しいたします」
国王「お前の話は噂で聞いている。なんでも病で笑顔を失った娘に再び微笑みを取り戻したとか」
奴隷「はい、その通りでございます。しかし私はただお嬢様に自作のおとぎ話をお話しただけですので…大したことは」
国王「謙遜をするでない。お前たちを呼んだのは他でもない、私もお前のおとぎ話を聞いてみたいからだ。奴隷が語る物語などたかが知れていると言う家臣も居たが…私はお前に期待している」
国王「奴隷よ、話してみせよ。この私を満足させられる物語を、心踊る物語を…聞かせてもらおうか」
奴隷「はい、では僭越ながら…私が国王様の為に生み出したおとぎ話を幾つか」
国王「うむ、楽しみだ」フォッフォッフォ
主人(頼むぞ…!)
10 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:14:47 ID:lx6
・・・
奴隷「──そして愚かな木こりは神に嘘を見抜かれ、金の斧を手に入れるどころか自らの鉄の斧さえ失ってしまったのです」
奴隷「正直に生きるものには祝福が与えられますが不誠実な者には罰が与えられる…というおとぎ話にございます」ペコリ
国王「……」
主人「あ、あの、国王様?」ドキドキ
国王「奴隷よ、これらの物語は本当にお前が考え出したのだな?」
奴隷「はい、国王様にお話したいくつかのおとぎ話は全て私が生み出したものです。何かおかしな部分でも…?」
国王「いいや、あまりの素晴らしさに疑いをかけてしまった。お前のおとぎ話は本当に素晴らしい、久々に愉快な気持ちになれた。とても奴隷が生み出したものには見えない」
国王「奴隷よ、これだけの才能を持ちながらなぜ奴隷などに身を置く?お前ならば作家を志せるだろう」
奴隷「えっと…何故かと申されましても…。ご主人、なんて答えます?」ヒソヒソ
主人「わ、私に降るんじゃあない!」ヒソヒソ
国王「ならば主人に聞こう。お前は娘を助けられここまでの才能を持つこいつを何故いつまでも奴隷として扱っている?」
主人「えっと、あの、そのー…」シドロモドロ
主人「じ、実はこの謁見が終わったら彼を奴隷から解放しようと思ってまして!うん、そうなんですよ!そうだろ?そう言っていたよな私は?」アハハ…
奴隷「えっ」
11 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:28:36 ID:lx6
国王「そうか、ならばお前は自由の身だな。今後は存分に作家として作品を産み出していくとよい」
奴隷「は、はい。……いいんですか、ご主人?」
主人「あの状況じゃお前…ああ言うしかないだろう。その場しのぎだ」ヒソヒソ
国王「んっ?今なにやら聞こえたが?その場しのぎがどうのこうの…」
主人「と、とんでもございません!彼はもはや私の奴隷ではないので!そ、そうだな?」アセアセ
奴隷「は、はぁ…」
国王「なんだ、嬉しそうではないな?今後は誰かの所有物ではなく自由な生活を送れるのだぞ?」
奴隷「はい、それは嬉しいのですがなんと言いますか…ピンと来ないといいますか…」
国王「フォッフォッ、奴隷から解放されるとなれば普通はもっと喜ぶものだがな。深く考えずともお前がやりたいことをすればいい、何かないのか?」
奴隷「私がやりたいこと…ですか」
国王「うむ、聞かせてみよ。お前は自由の身、さぁ何を望むのだ?」
奴隷「そうですね…それなら私はこの国中を旅してまわりたいです」
奴隷「そして私のおとぎ話を行く先々で披露し、様々な人に知って欲しいのです」
14 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:45:58 ID:lx6
奴隷「無礼は承知なのですが、国王様は私のおとぎ話を楽しんでいただけたのですよね?」
国王「うむ、予想以上だ。是非とも別の話も聞きたいくらいだ」
奴隷「仲間の奴隷達もお嬢さんも喜んでくれました。自分のおとぎ話を楽しんで貰えること、私にとってはそれが何よりの幸せなのです」
奴隷「そして私がおとぎ話のおかげで幸せに、そして奴隷から解放されえたように…おとぎ話の力で人々を幸せにしたいのです」
国王「ほう、おとぎ話の力で?」
奴隷「おとぎ話には他人に思いを伝える力、未来に思いを残す力、そして世界を変える力があると私は信じています。ですから旅をしてたくさんの人におとぎ話を楽しんで欲しいのです」
奴隷「そうすればいずれ…世界中は平和で幸せになれます。私はそれを実現させたいのです」
国王「フォッフォッ、私にはとんだ夢物語に聞こえるな。そうそう世界を変えるのは容易くない……だが」
国王「志の大きな奴は好きだ、気に入った!その夢成し遂げてみよ!僅かばかりだが協力はしよう、旅の装備と資金はこちらで用意しよう。それと…奴隷だったお前には名前が無いのだったな、それでは不便だろう」
奴隷「よろしければ、国王様が名付けてはくれませんか?私がいずれ夢を実現させることの約束代わりとして」
国王「うむ、構わぬ。そうだな……よし、決めたぞお前の新たな名!」
国王「アイソーポス…!それがお前の名だ、その名を国中に轟かせ未来へ残せるよう精進し旅を続けよ!」
アイソーポス「はいっ!このアイソーポス、必ずやおとぎ話の力で未来を幸福なものに導いて見せましょう!」
15 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:50:56 ID:lx6
今日はここまで 不思議の国のアリス編 次回に続きます
アイソーポス、イソップ寓話の作者。そして前スレにも出てきたアイツですね
日本ではイソップの方が定着してるけど某海賊漫画の狙撃手っぽく聞こえるからこのssではアイソーポス呼びで行きます
いきなり回想から入ったけど次回アリス出るから勘弁!
16 :名無しさん@おーぷん :2016/10/31(月)01:59:26 ID:PqZ
待ってましたっ!!!
お疲れ様です!
28 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/02(水)00:19:04 ID:Fx5
ヘングレが好きすぎて本編そっちのけで書いた単発番外編
『グレーテルの好感度』
グレーテル「フフフ…この食べきれないほどのお菓子が全部私のもの…今の私はおかしセレブだよ…」ドッサリ
ヘンゼル「ハロウィンでたくさんお菓子貰ったからね、でも一度に食べちゃダメだよ?」
グレーテル「大丈夫…それに一人で食べたりしないでみんなにも分けてあげようと思ってる…。みんなで食べた方が美味しい…だからお兄ちゃんにも、はい…スニッカーズ」スッ
ヘンゼル「僕はいいよ。だってそれはグレーテルが一番好きな奴じゃないか」
グレーテル「スニッカーズはおいしい…一番好き。だからお兄ちゃんにも食べてほしいの…それにこれならひとつでおなかいっぱいになるからもうおなかすいて辛い思いしなくて大丈夫だよ…」
ヘンゼル(僕達兄妹は空腹の辛さを知ってる。だから僕がお腹を空かせないようにって思ってくれてるのか…)
ヘンゼル「君みたいな優しい妹をもって僕は誇らしいよ」ナデナデ
グレーテル「えへへ…優しいなんて、そんなことないよ…。たくさん食べ物を持ってる人がみんなに分けてあげれば、みんな幸せになれるもんね…」
グレーテル「スニッカーズはまだあるから…女王様とカイお兄ちゃん、お千代ちゃんとキモオタお兄ちゃん達にもあげるよ…あとラプお姉ちゃんにもスニッカーズ…」
グレーテル「裸王様はチョコレート食べなさそうだからビスケットをあげよう…赤ずきんちゃんにはチョコクッキー…。桃太郎さんとか赤鬼さんとか他のみんなにはキャンディをあげるの…」
ヘンゼル(特別好きな人には大好きなお菓子を、普通に好きな人にはそこそこ好きなお菓子を分けるのか。グレーテルらしいな)
グレーテル「ドロシーちゃんにはこの茎ワカメをあげよう…」
ヘンゼル「なんだか一気にランク下がったけど……ドロシーの事嫌いなの?」
グレーテル「そんなことないよ……特別にお千代ちゃんが前にお土産で貰ったおいしくないキャラメルもあげよう…」スッ
ヘンゼル(理由は知らないけど、ドロシーの事嫌いなんだな…)
29 :名無しさん@おーぷん :2016/11/02(水)07:05:33 ID:88m
おかしセレブw変な日本語?学習してるw
キモオタがスニッカーズランクなのが何気に嬉しい…キモオタも感激する事であろう(*´∀`)
ドロシー…ファイトっ(^_^;)
30 :名無しさん@おーぷん :2016/11/02(水)09:05:12 ID:jk2
グレーテルはヘンゼルとドロシーの越えなくちゃならない壁だなw
31 :名無しさん@おーぷん :2016/11/03(木)12:09:45 ID:SnQ
ハロウィンコスはしなかったのかなー
魔女っ子や黒猫に扮するグレーテルや赤ずきんをお菓子攻めしたい。スニッカーズは大量に用意しておくとも
あ、でも赤ずきんに「お菓子くれなきゃいたずらするわよ?」と言われたらお菓子拒否していたずらを選択しそうな気もしたりしなかったりおや誰か来た
32 :名無しさん@おーぷん :2016/11/03(木)21:29:25 ID:Gdy
グレーテルちゃんがかわいい
34 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/07(月)00:19:04 ID:pwy
ヤボ用で今日はちょい時間アレなので定期更新はお休みします、申し訳ない
本編最新話の更新は明日します!もうちょいお待ちを!
本編更新しろとツッコミ入れられる事を覚悟した番外編『気を抜かないスタイル』
吸血鬼ヘンゼル「まったく…僕達は遊んでいる場合じゃないのになんでハロウィンの仮装なんかしなきゃならないんだ…まぁお千代が準備したから着るけど」
赤鬼「がははっ、こいつぁ西洋の祭りなんだろう?祭りなら楽しめりゃそれでいいじゃねぇか」ガハハ
吸血鬼ヘンゼル「そもそも番外編だからって今更ハロウィンネタを掘り下げるとか…もう少し季節感を考えるべきだよ」
赤鬼「お、お前そういうのは言わないもんだぞ…まだギリギリだろ、ギリギリ。それより俺も仮装用意したぞ!」ゴソゴソ
獅子舞「どうだっ!?わざわざ木ぃ彫って作った自信作だぞ!」パカパカ
吸血鬼ヘンゼル「いや、それはハロウィンじゃないよ」
獅子舞「なにっ!?違うのか!?」ガーン
猫耳グレーテル「あっ…赤鬼さんの仮装は獅子舞いなんだね…かっこいいよ…」トコトコ
獅子舞「おぉ、嬉しい事言ってくれるなぁ!グレーテルの化け猫も可愛らしいぞ!」
猫耳グレーテル「ありがとう…でも化け猫じゃなくて黒猫だよ…」
吸血鬼ヘンゼル「マズイな、思った以上に可愛すぎる。これじゃ黒猫の仮装なのか天使の仮装なのかわからない…」ブツブツ
狼のきぐるみ「あら、まるでどこかの子煩悩魔女のような口振りね」クスクス
獅子舞「なぁ、赤ずきんお前その仮装…」
狼のきぐるみ「良くできているでしょう?ラプンツェルに頼んだら喜んで作ってくれたわ。ああ見えて裁縫得意だなんて意外よね。触ってみる?見た目以上にもっふもふよ」モフモフ
獅子舞「いや、出来がどうこうじゃなくてだな…なんでお前がよりによって狼の着ぐるみなんだよ。言っちゃ悪いがお前のその格好…」
猫耳グレーテル「そのきぐるみ…まるで赤ずきんちゃんが狼さんに食べられてるみたいに見えるね…」
吸血鬼ヘンゼル「そうだね、狼には痛い目に遭わされたのに君は随分とメンタル強いんだね」
獅子舞「おぉ…それ言っちまうのか…子供ってすげぇな…」
狼のきぐるみ「これは戒めなのよ、もう狼に利用されないようにね。お祭りと言えどハメをはずさないようにこうして自分を律するの」
吸血鬼ヘンゼル「あぁ、だから敢えて狼の仮装なんだね。僕も戒めとして常に小石を持つようにしてるから君の考えはよく解るよ」
猫耳グレーテル「なっとくしたよ…私も今からでも魔女の仮装に着替えようかな…いましめ、大事だもんね」
獅子舞「戒め戒めってお前ら…祭りぐらい素直に楽しめばいいんじゃねぇか?」
狼のきぐるみ「甘いわね赤鬼。そうやって油断をしていると狼に目を付けられて……一口でガブリよ?」キリッ
獅子舞「お、おう…」(本人は真面目なんだろうが…赤ずきんはちょいちょいズレてるときあるんだよなぁ…)
37 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/08(火)00:48:51 ID:IbV
アイソーポスが旅立ってから十数年の時が流れ…
古代ギリシャ アイソーポスが奴隷時代に暮らしていた街
ザッザッ
アイソーポス「おぉ、ようやく見覚えのある風景が見えて来た。この街に戻って来るのも随分と久し振りだが…案外覚えているものだな、実に懐かしい」フフッ
アイソーポス「幸福な未来を紡ぐ為におとぎ話を伝えていくというこの旅…まだまだ道半ばだが、時にはこうして原点に帰るのも悪くないものだ」
アイソーポス「旅を始めた頃は色々と苦労したものだが…様々な人々の助けもあって今日までやってこれた。ありがたいことに私の名を知らない者はもうこのギリシャには存在しないだろう」
アイソーポス「名声に興味はないが私の名が広まることは私のおとぎ話が広まっているということ。それは非常に喜ばしいことだ、おとぎ話のおかげで私が奴隷から解放されたように私のおとぎ話もまた人々を幸福に……」
アイソーポス「……と、また独り言を長々と呟いてしまった。やれやれ、これはもう私の悪いくせだな。長い間一人で旅をしてきた弊害か」クックック
使用人っぽい男「ん…?この聞き覚えのある声はもしかして…!なぁあんた!ちょっといいか!?」バッ
アイソーポス「おっと、ビックリするじゃあないか突然大きな声を出されては。私に何か用事かい?」
使用人っぽい男「やっぱり!お前あれだろ!?ずっと昔、俺達におとぎ話を話してくれた奴だよな?ほら、覚えてねーかな…俺、お前とよく一緒に仕事してた奴隷だぜ!」
アイソーポス「……おぉ!思い出した!君は確か当時の奴隷仲間の!すまない、随分と小綺麗でさっぱりした服装だったから気が付かなかった」
使用人っぽい男「へへっ、お前が旅立った後に俺もお前みたいに奴隷生活から解放されてさー。おっと、こんなところで立ち話もなんだしご主人の屋敷に行こうぜ!俺、未だにあそこで働いてんだ。正規雇用だぜ正規雇用!」
アイソーポス「いや、確かに挨拶でもと思ってはいたが、突然押し掛けても悪いだろう」
使用人「何を言ってんだよ!ご主人もきっと喜ぶって、っていうか俺達にまたあの時みたいに旅の話でも聞かせてくれよ。ほらほら行くぞー」ヘラヘラ
今からずっとずっと昔
現実世界 紀元前 古代ギリシャ とある富豪の屋敷
ワイワイ ガヤガヤ
奴隷「──そこで北風は太陽にこう言ったんだ『それならば俺と力比べをしよう、そうすればどちらが優れているかハッキリするだろう』ってな」
奴隷仲間1「おぉ!まさかのバトル展開か!北風と太陽のバトルとか胸熱!」ワクワク
奴隷仲間2「お前、話の腰を折るなよ。で、どうなるんだ?続きを聞かせてくれ」
奴隷「北風はこう続けたんだ『あそこに旅人が居るだろう、奴の上着を脱がせた方が勝者というのはどうだ?』ってな。そして太陽はそれに応じたんだ」
奴隷仲間3「ちょっと待て!なもん上着を吹き飛ばせばいいんだから北風の勝ち確じゃねぇか!」
奴隷仲間4「そう考えると卑怯な気もするな…太陽は風をおこせないわけだし、結果が見えてる勝負だぞ」
奴隷「ところがそう簡単にはいかないんだなー。北風にとっちゃプライドを賭けた戦いだ、気合い入れて旅人に風を吹き掛けたんだが…上着を吹き飛ばす事は出来なかった」
奴隷仲間1「マジか!何でだ?」ワクワク
奴隷「寒い風が吹けば当然旅人は上着が飛ばされないよう押さえ込むだろ?北風はそれを計算に入れていなかったんだ」
奴隷仲間3「おー、なるほどな。じゃあ勝負は引き分けか?北風に吹き飛ばせなかったもんを太陽が吹き飛ばせる訳ないしなぁ…で、どうなんだ?」
奴隷「太陽は悔しがる北風をよそに『ならば次は私が』と告げるとただサンサンと旅人を照らし続けた。すると辺りは次第に暖かくなって…ついに上着なんか着ていられない陽気になったんだ」
奴隷仲間4「おぉー!じゃあ太陽は気温を上げることで…」
奴隷「あぁ、太陽は旅人を照らすことで彼自らに上着を脱がせた訳だな」
奴隷仲間1「うぉー!すげぇな!俺には考え付かない方法だぜー!」
奴隷仲間2「だな。しかも北風の方法よりずっとスマートだ」
奴隷「そして見事、太陽は力比べに勝つことが出来た。めでたしめでたし、というところで終わりだ」
奴隷仲間4「いやー、今日も面白い話だったぞ!ところでこのおとぎ話は何ていうタイトルなんだ?」
奴隷「あー、話を考えるのは得意なんだがタイトル決めるのはどうも苦手でなー…適当に【北風と太陽】とかでいいんじゃないか?」
3 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)00:53:24 ID:lx6
奴隷仲間1「ははっ!お前そのまんまじゃねぇか!もっと捻れよ!」バシバシ
奴隷「いいんだよ、タイトルなんか何だって。重要なのはそのおとぎ話の内容だ。どうだ?今回の話は面白かったか?」
奴隷仲間2「あぁ、楽しませてもらったよ。毎度の事ながらお前の話は聞いてて飽きない、学の無い俺達にもわかりやすいしな」
奴隷仲間4「そうとも、こんな生活してるからお前の話が唯一の娯楽だけど…それを差し引いてもお前のおとぎ話はいつも面白いぜ」
奴隷仲間3「うんうん、それにタメになるし!俺も荷物運びの仕事、強引に無理矢理たくさん運ぼうとしてるけど…やり方変えりゃ太陽みたくスマートにできるかもな」
奴隷仲間4「それがいい、お前の仕事は強引な所あるからな。うまい具合に小分けして運んだ方がずっと効率的だ」ガハハ
奴隷仲間2「タメになるって言えば俺はこの間話してくれた【アリとキリギリス】が勉強になったな、最後アリがキリギリスに対して辛辣なのもいい。厳しいもんだしな現実は」
奴隷「あぁ、あの話か。あれは他の連中も喜んで聞いてくれたな、割と人気があるんだよ」
奴隷仲間2「あれは名作だ。あの話で前準備や支度の大切さがわかったからな、おかげで仕事も少し楽になった気がするよ。他の連中もそう言ってた」
奴隷仲間1「俺もそう思うぞ!ずっと奴隷してっから知らないこと多かったけど、お前のおとぎ話のおかげでいろいろ知れたし!感謝してるぜ!」
奴隷「そうか。俺は自分のおとぎ話を聞いてお前たちが楽しんでくれればそれで十分なんだがなぁ…」
奴隷「でもお前たちが生きていく上で俺のおとぎ話が何かしらの助けになってるなら、それは喜ばしい事だな。嬉しく思う」ニッ
奴隷仲間1「へへっ、嬉しいのは俺達の方だぜー!お前みたいな良い奴が来てくれたし、お前が来てからこの奴隷生活にもちょっとした楽しみg」
主人「なにやら騒がしいと思ったら…お前らー!何をこんなところでサボってるんだ!まだ仕事は残ってるんだぞ!持ち場へ戻れー!」ドンッ
5 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)00:56:18 ID:lx6
「うおっ!すんませんご主人!すぐ戻るんで!」ドタドタ
「ほら急げ!メシ抜きにされちゃかなわねぇ!」バタバタ
「そんじゃな!また休憩の時にでも話聞かせてくれよ?」ヒソヒソ
主人「まったく…あいつら少し目を放したらサボりよってからに…」
奴隷「ははは…それじゃ俺も仕事に戻るんでー…」コソコソ
主人「待て!お前には話がある。今、騒いでいたのはなんだ?お前が中心になっていたようだが?」ガシッ
奴隷「あー、いえ…俺が考えたおとぎ話を聞いてもらってただけです。大したことは何にもしてないですよ」
主人「おとぎ話…そうか、近頃奴隷共の間で噂になっていたのはお前だったのか」
奴隷「噂…ですか?俺が?」
主人「あぁ、なんだか奴隷共が以前よりもイキイキしていてな。話を聞いてみると面白い話をする奴隷が入ってきたとかで、そいつの話を聞くのが何よりの楽しみなんだと」
奴隷「へぇ…そんな噂が。なんていうか、そう言われるのは嬉しいですね」
主人「喜んでいる場合か!あいつらがサボる原因になっているだろうが!お前の話ひとつで奴隷共のやる気がでるというなら咎めはしないが…仕事中はやめろ。次見つけた時は完全に禁止にするぞ」
奴隷「楽しみにしてくれてる奴もいるから禁止は困るな…わかりました、休憩中だけにするように皆には言っておきます」
主人「わかればいい。で…だな、そこでお前にひとつ仕事を与える」
奴隷「今やっている荷物運び以外の仕事ですか?」
主人「あぁ、そうだ。お前には私の娘の為におとぎ話を作ってもらう」
6 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)00:59:06 ID:lx6
奴隷「お嬢さんの為…?確か聞いた話だと病で床に伏せているとか、なんでも重い病だと」
主人「…あぁ、娘は重い病気を患っていた。だが良い医者を付けて良く効く薬を取り寄せたおかげで病気自体はもう完治している」
主人「だが何年も部屋に籠りきりになっていたせいか…身体は治っても心が前を向けないようだ。珍しい鳥を見せても豪華な洋服を与えても美味しい料理でも娘を笑顔にはできなかった」
奴隷「そこで噂になってる俺のおとぎ話でなんとかできないか、と?」
主人「奴隷に託すなどまったくもって情けない事だが…方々を回り私に出来ることは全て試した、他にはもうアテが無いのだ」
主人「それに伝え聞いたお前のおとぎ話はまぁ悪くない、十分聞けるものだった。ということだ、娘を前向きにするようなおとぎ話…出来るな?」
奴隷「そうですね…ご主人の命令とあらばやらせてもらいます、でもお嬢さんがどのような方かわからないとどんな話を喜んでくださるのかわかりません」
主人「いいだろう、娘と話す機会を作れば良いな?」
奴隷「はい、それとなるべく早くおとぎ話を完成させる為に荷物運びは休ませて欲しいのですが」
主人「やむを得ん、いいだろう」
奴隷「あとお嬢さんの笑顔を取り戻したあかつきには奴隷達を少しだけ優遇して欲しいのですが」
主人「あまり調子に乗るんじゃあない!お前は奴隷なのだから主人の私に何か要求できる立場では無いのだぞ!」
奴隷「ははは…ですね。すんません、ご主人」
主人「だが…いいだろう、この仕事は特別だ。成功させれば奴隷共の食事の増量を約束してやる、お前の処遇も見直す。その代わり失敗は許さんぞ!」
奴隷「おぉ、ありがとうございます!お任せください、素晴らしい物語を考えてみせますよ」
・・・
7 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:02:36 ID:lx6
それから半月程…
奴隷仲間1「最近つまらんー!人生に喜びがないー!」ブーブー
奴隷仲間2「なんだよ急に、というか奴隷の人生にそんなもんないよ」モグモグ
奴隷仲間1「そうだけども!俺はアイツの面白おとぎ話をもっと聞きたいんだよ!お嬢さんがアイツを独り占めしてるせいでアイツの話聞くのが週一ペースになっちまった!なぁお前も残念だろ!?」
奴隷仲間3「まぁそりゃ残念だけどアイツにとっちゃ今の状況は好機だぜ、お嬢さんに気に入られれば奴隷解放も夢じゃない。お嬢さんは元気を取り戻しつつあるらしいし俺達の飯も増えてみんな幸せだろ」モグモグ
奴隷仲間1「そこはまあ、いいことだけども…でもさー」ブーブー
奴隷仲間2「仲間が充実した生活を送ってるんだ、何の不満があるんだよ。嬉しいことだろ?」
奴隷仲間1「まぁ…そうだよな。アイツが認められるのは嬉しいし、ここは我慢するかー」モグモグ
ドタバタドタバタ
奴隷仲間4「お、おいお前ら!すげぇ事になっちまってる!」ゼハーゼハー
奴隷仲間2「ホコリをたてるなよ、飯食ってんだぞ。で、どうしたんだ?」
奴隷仲間4「国王!国王だってよ!」ゼェゼェ
奴隷仲間3「いやわかんねーよ!国王がどうしたってんっだよ」モグモグ
奴隷仲間4「アイツがおとぎ話でお嬢さんの笑顔を取り戻したって話!あれがどうやら国王の耳に入ったらしくて、アイツにメッチャ興味持ったんだってよ!」
奴隷仲間1「そりゃあんな面白い話できる奴隷なんかいねぇからなぁ…ん?おい、それじゃあまさか!?」
奴隷仲間4「そのまさかだよ!アイツ、国王に謁見する事になっちまったんだとよ!国王の御前でおとぎ話を話す為に!」
さらに数日後 城 謁見の間
奴隷「あの、ご主人。俺、なんでこんなところにいるんですかね…」
主人「仕方がないだろう、国王様がお前の噂を耳にして是非おとぎ話を聞きたいと仰るのだから。まったくどこから漏れたんだか…噂というのは怖い」
奴隷「興味を持っていただけるのは嬉しいんですけどこんな大舞台初めてですよ、当然ですけど」
主人「……そうか」
奴隷「だって俺、しがない奴隷ですよ?それがなんで国王様に呼ばれて城なんかに…評価してくれるのは嬉しいですけど」
奴隷「正直、結構緊張してるんですよね…ご主人?聞いてます?」
主人「少し黙っていろ…!私も国王様直々の呼び出しに緊張しているのだ、話しかけるな今は…!」
奴隷「もしも俺のおとぎ話が受けなかったら俺とご主人殺されますかね…なんちゃって」ハハハ
主人「やめろ縁起でもない…!いいか、絶対に失敗をするなよ…絶対に王を満足させろ!そうだ!娘を笑顔にさせた時のおとぎ話だ、あれを話せ!ネズミがライオンを助ける奴だ!」
奴隷「いや…国王様相手に百獣の王が失態を晒す話はどうなんですかね。大丈夫です、考えてきたおとぎ話には自信ありますから」
主人「そ、そうだな。これがうまくいけば私の評価もあがる、お前の望みもある程度は叶えてやるからしっかりな!受け答えも練習したようにやるように」
奴隷「はい、まぁまだ死にたくないですしね…おっと、いらしたようです」バッ
9 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:09:01 ID:lx6
国王「ふむ。長旅ご苦労、突然呼び出して済まなかったな」
主人「とんでもございません!国王様がお呼びとあらば直ぐ様馳せ参じます」ペコリ
国王「よい心掛けだ。お主は奴隷の主人だな、では隣のお主が例の奴隷か」
奴隷「はっ、左様でございます」ペコリ
国王「二人とも楽にせよ、とって食おうという訳ではないのだ。さて…奴隷よ」
奴隷「はいっ、何でございましょう」
国王「私は見ての通り随分と歳老いた…若い頃はあちこちを旅したものだが今ではもうそれも構わん。城の中でつまらぬ毎日を過ごすのみ…故に欲しているのだ、胸踊るような物語を。この気持ちがわかるか?」
奴隷「はい、お気持ちお察しいたします」
国王「お前の話は噂で聞いている。なんでも病で笑顔を失った娘に再び微笑みを取り戻したとか」
奴隷「はい、その通りでございます。しかし私はただお嬢様に自作のおとぎ話をお話しただけですので…大したことは」
国王「謙遜をするでない。お前たちを呼んだのは他でもない、私もお前のおとぎ話を聞いてみたいからだ。奴隷が語る物語などたかが知れていると言う家臣も居たが…私はお前に期待している」
国王「奴隷よ、話してみせよ。この私を満足させられる物語を、心踊る物語を…聞かせてもらおうか」
奴隷「はい、では僭越ながら…私が国王様の為に生み出したおとぎ話を幾つか」
国王「うむ、楽しみだ」フォッフォッフォ
主人(頼むぞ…!)
10 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:14:47 ID:lx6
・・・
奴隷「──そして愚かな木こりは神に嘘を見抜かれ、金の斧を手に入れるどころか自らの鉄の斧さえ失ってしまったのです」
奴隷「正直に生きるものには祝福が与えられますが不誠実な者には罰が与えられる…というおとぎ話にございます」ペコリ
国王「……」
主人「あ、あの、国王様?」ドキドキ
国王「奴隷よ、これらの物語は本当にお前が考え出したのだな?」
奴隷「はい、国王様にお話したいくつかのおとぎ話は全て私が生み出したものです。何かおかしな部分でも…?」
国王「いいや、あまりの素晴らしさに疑いをかけてしまった。お前のおとぎ話は本当に素晴らしい、久々に愉快な気持ちになれた。とても奴隷が生み出したものには見えない」
国王「奴隷よ、これだけの才能を持ちながらなぜ奴隷などに身を置く?お前ならば作家を志せるだろう」
奴隷「えっと…何故かと申されましても…。ご主人、なんて答えます?」ヒソヒソ
主人「わ、私に降るんじゃあない!」ヒソヒソ
国王「ならば主人に聞こう。お前は娘を助けられここまでの才能を持つこいつを何故いつまでも奴隷として扱っている?」
主人「えっと、あの、そのー…」シドロモドロ
主人「じ、実はこの謁見が終わったら彼を奴隷から解放しようと思ってまして!うん、そうなんですよ!そうだろ?そう言っていたよな私は?」アハハ…
奴隷「えっ」
11 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:28:36 ID:lx6
国王「そうか、ならばお前は自由の身だな。今後は存分に作家として作品を産み出していくとよい」
奴隷「は、はい。……いいんですか、ご主人?」
主人「あの状況じゃお前…ああ言うしかないだろう。その場しのぎだ」ヒソヒソ
国王「んっ?今なにやら聞こえたが?その場しのぎがどうのこうの…」
主人「と、とんでもございません!彼はもはや私の奴隷ではないので!そ、そうだな?」アセアセ
奴隷「は、はぁ…」
国王「なんだ、嬉しそうではないな?今後は誰かの所有物ではなく自由な生活を送れるのだぞ?」
奴隷「はい、それは嬉しいのですがなんと言いますか…ピンと来ないといいますか…」
国王「フォッフォッ、奴隷から解放されるとなれば普通はもっと喜ぶものだがな。深く考えずともお前がやりたいことをすればいい、何かないのか?」
奴隷「私がやりたいこと…ですか」
国王「うむ、聞かせてみよ。お前は自由の身、さぁ何を望むのだ?」
奴隷「そうですね…それなら私はこの国中を旅してまわりたいです」
奴隷「そして私のおとぎ話を行く先々で披露し、様々な人に知って欲しいのです」
14 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:45:58 ID:lx6
奴隷「無礼は承知なのですが、国王様は私のおとぎ話を楽しんでいただけたのですよね?」
国王「うむ、予想以上だ。是非とも別の話も聞きたいくらいだ」
奴隷「仲間の奴隷達もお嬢さんも喜んでくれました。自分のおとぎ話を楽しんで貰えること、私にとってはそれが何よりの幸せなのです」
奴隷「そして私がおとぎ話のおかげで幸せに、そして奴隷から解放されえたように…おとぎ話の力で人々を幸せにしたいのです」
国王「ほう、おとぎ話の力で?」
奴隷「おとぎ話には他人に思いを伝える力、未来に思いを残す力、そして世界を変える力があると私は信じています。ですから旅をしてたくさんの人におとぎ話を楽しんで欲しいのです」
奴隷「そうすればいずれ…世界中は平和で幸せになれます。私はそれを実現させたいのです」
国王「フォッフォッ、私にはとんだ夢物語に聞こえるな。そうそう世界を変えるのは容易くない……だが」
国王「志の大きな奴は好きだ、気に入った!その夢成し遂げてみよ!僅かばかりだが協力はしよう、旅の装備と資金はこちらで用意しよう。それと…奴隷だったお前には名前が無いのだったな、それでは不便だろう」
奴隷「よろしければ、国王様が名付けてはくれませんか?私がいずれ夢を実現させることの約束代わりとして」
国王「うむ、構わぬ。そうだな……よし、決めたぞお前の新たな名!」
国王「アイソーポス…!それがお前の名だ、その名を国中に轟かせ未来へ残せるよう精進し旅を続けよ!」
アイソーポス「はいっ!このアイソーポス、必ずやおとぎ話の力で未来を幸福なものに導いて見せましょう!」
15 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/31(月)01:50:56 ID:lx6
今日はここまで 不思議の国のアリス編 次回に続きます
アイソーポス、イソップ寓話の作者。そして前スレにも出てきたアイツですね
日本ではイソップの方が定着してるけど某海賊漫画の狙撃手っぽく聞こえるからこのssではアイソーポス呼びで行きます
いきなり回想から入ったけど次回アリス出るから勘弁!
16 :名無しさん@おーぷん :2016/10/31(月)01:59:26 ID:PqZ
待ってましたっ!!!
お疲れ様です!
28 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/02(水)00:19:04 ID:Fx5
ヘングレが好きすぎて本編そっちのけで書いた単発番外編
『グレーテルの好感度』
グレーテル「フフフ…この食べきれないほどのお菓子が全部私のもの…今の私はおかしセレブだよ…」ドッサリ
ヘンゼル「ハロウィンでたくさんお菓子貰ったからね、でも一度に食べちゃダメだよ?」
グレーテル「大丈夫…それに一人で食べたりしないでみんなにも分けてあげようと思ってる…。みんなで食べた方が美味しい…だからお兄ちゃんにも、はい…スニッカーズ」スッ
ヘンゼル「僕はいいよ。だってそれはグレーテルが一番好きな奴じゃないか」
グレーテル「スニッカーズはおいしい…一番好き。だからお兄ちゃんにも食べてほしいの…それにこれならひとつでおなかいっぱいになるからもうおなかすいて辛い思いしなくて大丈夫だよ…」
ヘンゼル(僕達兄妹は空腹の辛さを知ってる。だから僕がお腹を空かせないようにって思ってくれてるのか…)
ヘンゼル「君みたいな優しい妹をもって僕は誇らしいよ」ナデナデ
グレーテル「えへへ…優しいなんて、そんなことないよ…。たくさん食べ物を持ってる人がみんなに分けてあげれば、みんな幸せになれるもんね…」
グレーテル「スニッカーズはまだあるから…女王様とカイお兄ちゃん、お千代ちゃんとキモオタお兄ちゃん達にもあげるよ…あとラプお姉ちゃんにもスニッカーズ…」
グレーテル「裸王様はチョコレート食べなさそうだからビスケットをあげよう…赤ずきんちゃんにはチョコクッキー…。桃太郎さんとか赤鬼さんとか他のみんなにはキャンディをあげるの…」
ヘンゼル(特別好きな人には大好きなお菓子を、普通に好きな人にはそこそこ好きなお菓子を分けるのか。グレーテルらしいな)
グレーテル「ドロシーちゃんにはこの茎ワカメをあげよう…」
ヘンゼル「なんだか一気にランク下がったけど……ドロシーの事嫌いなの?」
グレーテル「そんなことないよ……特別にお千代ちゃんが前にお土産で貰ったおいしくないキャラメルもあげよう…」スッ
ヘンゼル(理由は知らないけど、ドロシーの事嫌いなんだな…)
29 :名無しさん@おーぷん :2016/11/02(水)07:05:33 ID:88m
おかしセレブw変な日本語?学習してるw
キモオタがスニッカーズランクなのが何気に嬉しい…キモオタも感激する事であろう(*´∀`)
ドロシー…ファイトっ(^_^;)
30 :名無しさん@おーぷん :2016/11/02(水)09:05:12 ID:jk2
グレーテルはヘンゼルとドロシーの越えなくちゃならない壁だなw
31 :名無しさん@おーぷん :2016/11/03(木)12:09:45 ID:SnQ
ハロウィンコスはしなかったのかなー
魔女っ子や黒猫に扮するグレーテルや赤ずきんをお菓子攻めしたい。スニッカーズは大量に用意しておくとも
あ、でも赤ずきんに「お菓子くれなきゃいたずらするわよ?」と言われたらお菓子拒否していたずらを選択しそうな気もしたりしなかったりおや誰か来た
32 :名無しさん@おーぷん :2016/11/03(木)21:29:25 ID:Gdy
グレーテルちゃんがかわいい
34 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/07(月)00:19:04 ID:pwy
ヤボ用で今日はちょい時間アレなので定期更新はお休みします、申し訳ない
本編最新話の更新は明日します!もうちょいお待ちを!
本編更新しろとツッコミ入れられる事を覚悟した番外編『気を抜かないスタイル』
吸血鬼ヘンゼル「まったく…僕達は遊んでいる場合じゃないのになんでハロウィンの仮装なんかしなきゃならないんだ…まぁお千代が準備したから着るけど」
赤鬼「がははっ、こいつぁ西洋の祭りなんだろう?祭りなら楽しめりゃそれでいいじゃねぇか」ガハハ
吸血鬼ヘンゼル「そもそも番外編だからって今更ハロウィンネタを掘り下げるとか…もう少し季節感を考えるべきだよ」
赤鬼「お、お前そういうのは言わないもんだぞ…まだギリギリだろ、ギリギリ。それより俺も仮装用意したぞ!」ゴソゴソ
獅子舞「どうだっ!?わざわざ木ぃ彫って作った自信作だぞ!」パカパカ
吸血鬼ヘンゼル「いや、それはハロウィンじゃないよ」
獅子舞「なにっ!?違うのか!?」ガーン
猫耳グレーテル「あっ…赤鬼さんの仮装は獅子舞いなんだね…かっこいいよ…」トコトコ
獅子舞「おぉ、嬉しい事言ってくれるなぁ!グレーテルの化け猫も可愛らしいぞ!」
猫耳グレーテル「ありがとう…でも化け猫じゃなくて黒猫だよ…」
吸血鬼ヘンゼル「マズイな、思った以上に可愛すぎる。これじゃ黒猫の仮装なのか天使の仮装なのかわからない…」ブツブツ
狼のきぐるみ「あら、まるでどこかの子煩悩魔女のような口振りね」クスクス
獅子舞「なぁ、赤ずきんお前その仮装…」
狼のきぐるみ「良くできているでしょう?ラプンツェルに頼んだら喜んで作ってくれたわ。ああ見えて裁縫得意だなんて意外よね。触ってみる?見た目以上にもっふもふよ」モフモフ
獅子舞「いや、出来がどうこうじゃなくてだな…なんでお前がよりによって狼の着ぐるみなんだよ。言っちゃ悪いがお前のその格好…」
猫耳グレーテル「そのきぐるみ…まるで赤ずきんちゃんが狼さんに食べられてるみたいに見えるね…」
吸血鬼ヘンゼル「そうだね、狼には痛い目に遭わされたのに君は随分とメンタル強いんだね」
獅子舞「おぉ…それ言っちまうのか…子供ってすげぇな…」
狼のきぐるみ「これは戒めなのよ、もう狼に利用されないようにね。お祭りと言えどハメをはずさないようにこうして自分を律するの」
吸血鬼ヘンゼル「あぁ、だから敢えて狼の仮装なんだね。僕も戒めとして常に小石を持つようにしてるから君の考えはよく解るよ」
猫耳グレーテル「なっとくしたよ…私も今からでも魔女の仮装に着替えようかな…いましめ、大事だもんね」
獅子舞「戒め戒めってお前ら…祭りぐらい素直に楽しめばいいんじゃねぇか?」
狼のきぐるみ「甘いわね赤鬼。そうやって油断をしていると狼に目を付けられて……一口でガブリよ?」キリッ
獅子舞「お、おう…」(本人は真面目なんだろうが…赤ずきんはちょいちょいズレてるときあるんだよなぁ…)
37 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/11/08(火)00:48:51 ID:IbV
アイソーポスが旅立ってから十数年の時が流れ…
古代ギリシャ アイソーポスが奴隷時代に暮らしていた街
ザッザッ
アイソーポス「おぉ、ようやく見覚えのある風景が見えて来た。この街に戻って来るのも随分と久し振りだが…案外覚えているものだな、実に懐かしい」フフッ
アイソーポス「幸福な未来を紡ぐ為におとぎ話を伝えていくというこの旅…まだまだ道半ばだが、時にはこうして原点に帰るのも悪くないものだ」
アイソーポス「旅を始めた頃は色々と苦労したものだが…様々な人々の助けもあって今日までやってこれた。ありがたいことに私の名を知らない者はもうこのギリシャには存在しないだろう」
アイソーポス「名声に興味はないが私の名が広まることは私のおとぎ話が広まっているということ。それは非常に喜ばしいことだ、おとぎ話のおかげで私が奴隷から解放されたように私のおとぎ話もまた人々を幸福に……」
アイソーポス「……と、また独り言を長々と呟いてしまった。やれやれ、これはもう私の悪いくせだな。長い間一人で旅をしてきた弊害か」クックック
使用人っぽい男「ん…?この聞き覚えのある声はもしかして…!なぁあんた!ちょっといいか!?」バッ
アイソーポス「おっと、ビックリするじゃあないか突然大きな声を出されては。私に何か用事かい?」
使用人っぽい男「やっぱり!お前あれだろ!?ずっと昔、俺達におとぎ話を話してくれた奴だよな?ほら、覚えてねーかな…俺、お前とよく一緒に仕事してた奴隷だぜ!」
アイソーポス「……おぉ!思い出した!君は確か当時の奴隷仲間の!すまない、随分と小綺麗でさっぱりした服装だったから気が付かなかった」
使用人っぽい男「へへっ、お前が旅立った後に俺もお前みたいに奴隷生活から解放されてさー。おっと、こんなところで立ち話もなんだしご主人の屋敷に行こうぜ!俺、未だにあそこで働いてんだ。正規雇用だぜ正規雇用!」
アイソーポス「いや、確かに挨拶でもと思ってはいたが、突然押し掛けても悪いだろう」
使用人「何を言ってんだよ!ご主人もきっと喜ぶって、っていうか俺達にまたあの時みたいに旅の話でも聞かせてくれよ。ほらほら行くぞー」ヘラヘラ
元スレ:キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」十冊目
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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」 不思議の国のアリス編
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