神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
Part37
964 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:27:50 ID:z7QyLviE
神使「・・・妹は数年前までお社の主神様に仕える神使だったんです」
神様「へぇ〜 誰に仕えてたの?」
神使「くろがね大神宮の第二神使です」
神様「くろがね・・・か」
神使「私が言うのも何ですが、妹はとても素晴らしい神使です」
神様「だろうな。 私も枠があったら妹を神使に付けたいくらだ」
神使「自慢の妹です。 私よりも先に神使の最高位を取得したんですよ?」
神様「お前より先にか!? それは凄いな・・・」
神使「今は階位が下がって第二階位ですが、出仕時代はどっちが先に神宮の神へお仕えできるか競争していましたね」
神様「神宮の神?」
神使「神宮の神にお仕えするのは、私たちの憧れでしたから」
神様「ふ〜ん、お前夢かなってんじゃん。 仕えてんの最低神のダメ神のだけど・・・」
神使「そうですね、私の夢は叶いました。 しかも尊敬できる最高神さまですから。 これ以上は望めませんね」
神様「ん・・・・・・///」
965 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:30:29 ID:z7QyLviE
神使「でも・・・ 本来ならば、神様の横にいるのは私でなく妹だったと思います」
神様「えっ?」
神使「妹は神宮所属の主神付き神使として私より前に内定を頂いていました」
神様「・・・・・・」
神使「でも、妹は辞令が出る直前に・・・ 失職しました」
神様「失職!?」
神使「厳密に言えば失職直前に神様機構の長官に拾って頂いたのですが・・・」
神様「もしかして、四年前の裏金事件か?」
神使「!? 神様ご存じで・・・」
神様「話題になったからな。 その時の神使がお前の妹だったのか」
神使「妹は・・・ そんな事には加担などしていないです・・・」
966 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:32:41 ID:z7QyLviE
神様「言い方が悪かった、すまない」
神使「・・・・・・」
神様「嵌められたんだろ?」
神使「え?」
神様「当時のくろがね大神宮の第一神使が犯人だ。 極秘で懲戒解雇処分が下っている」
神使「それは・・・ 初めて聞きました」
神様「公になるとかなり問題になる規模のお金が動いていたから神宮が極秘で処理したはずだ」
神使「そうでしたか」
神様「ここ百年では最大規模の神社界の汚点だ」
神使「・・・・・・」
967 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:34:09 ID:z7QyLviE
神様「無念だっただろうな、妹は・・・ 夢を壊してしまった・・・」
神使「でも、今はあの通り元気にやってますから。 社長ですし私なんか足下にも及ばないくらい給料良いんですよ?」
神様「・・・申し訳ない、お前の妹を巻き込んでしまって」ドゲザ
神使「そんな、やめて下さい。 神様が頭を下げることじゃないです。 それに・・・」
ザバーン
神使「浮き輪の上で正座なんてしたら落ちるに決まってるじゃないですか・・・」
ブク ブク ブク…
968 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:39:01 ID:z7QyLviE
誤字脱字多いですね……
すんません
969 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:16:20 ID:Y6GLr2y6
ーーー 数日後
神様「・・・これで最後!」オリオリ
神様「終わった!!」
神使「お疲れ様でした、神様」
神様「いや〜 百年分は仕事をしたな」
神使「そこまでの作業量ではないと思うのですが・・・」
妹「ありがとうございました神様、お兄ちゃんもお疲れ様」
神使「これだけ作ればしばらくは急な発注にも耐えられますね」
970 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:17:02 ID:Y6GLr2y6
妹「はい神様、仕事の後のコーラです」コトッ
神様「妹ちゃん分かってるね〜」グビグビ
神使「神様、今日はぐっすりお休みになって、明日朝一番でここを立ちましょう」
神様「はぁ? まだ夏休み満喫してねーよ!」ゲップ
神使「先日海に行ったじゃないですか」
神様「半日だけじゃん!」
神使「しかし、明日は夕方までに次の勤務先にご挨拶に行かないといけませんので」
神様「まじかよ・・・ なんだよそれ・・・」
971 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:18:05 ID:Y6GLr2y6
妹「あっ、じゃぁバイト代を先に渡しておくね」
神様「そうだ! バイト代もらえるんだった」ヤッター
妹「はい、お兄ちゃん」
神使「ありがとうございます」
神様「♪〜」ワクワク
妹「じゃぁ、私は発送用の荷物を梱包してくるね」スタスタ
神様「?」キョトン
神使「どうされました神様?」
神様「ん? 私のバイト代は?」
神使「私が一緒に頂きましたので」
神様「もしかして・・・」
神使「ご説明が必要ですか?」
神様「・・・いえ、予想はしてましたのでショックはそれほど大きくありません」
972 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:18:46 ID:Y6GLr2y6
ーーー 翌日
神使「では妹さん、また」
妹「うん、元気でね。 神様も兄をよろしくお願いいたします」
神様「妹ちゃん」
妹「はい?」
神様「妹ちゃんには正直に話しておこうと思う」
妹「なんでしょう」
神様「妹ちゃんのお兄さんは神宮の神に仕える最高位の神使だ」
妹「はい、妹として誇りに思います」
神様「そして〜 私は何を隠そう神宮の最高神なのだよ」カッ カッ カッ
妹「え?」
973 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:20:13 ID:Y6GLr2y6
神使「神様! それはトップシークレットでは・・・」
神様「良いんだよ。 妹ちゃんは神宮三神って知ってる?」
妹「最高神様、内宮神様、外宮神様ですよね?」
神様「その三神は私が兼任している。 ちなみに、神宮は私のために建てられた」
妹「・・・・・・」
神使「妹さん、驚いたかもしれませんが本当なんです」
神様「訳あって素性を隠しているんだけどね〜」
妹「神様が最高神様!?」
神様「そう、だから私には叶えられない願いなどない!」
神使「・・・・・・」
神様「妹ちゃん、世話になったお礼に願いがあるなら一つだけ叶えてあげる」
妹「願い・・・ ですか?」
神様「うん、どんなことでも叶えてあげるから。 その代わり本心以外は受け付けないよ」
神使「・・・・・・」
974 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:21:57 ID:Y6GLr2y6
妹「私の願い・・・」
神様「遠慮せずに、ほらほら〜 夢とか希望とか一つくらいあるでしょ〜?」
妹「これからも、お兄ちゃんをどうぞよろしくお願いします」フカブカ
神使「妹さん・・・」
神様「・・・・・・」ジーッ
妹「」フカブカ
神様「本心みたいだね」ニコッ
神様「分かった! その願い、最高神・神様がしかと受け止めた」
妹「口うるさい兄ですがよろしくお願いします、神様」ニコッ
神様「神使よ」
神様「はい」
神様「お前の妹は本当に素晴らしいな」
神使「ありがとうございます。 私も誇りに思います」
975 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:22:51 ID:Y6GLr2y6
神様「では、神勅を申し伝える!」
神使・妹「!?」
神様「私、神様は“妹”を神宮・内宮神付きの神使として任命する!」
妹「えっ!? 私が神宮の神使!?」
神様「」ゴホン!
神使「妹さん、神勅が発せられてる間は神さまからの問い以外で神使は言葉を発してはいけません」ボソッ
妹「・・・・・・」
976 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:23:31 ID:Y6GLr2y6
神様「続ける」
神様「同時に本日付けで、妹の階位を第二位から最高位である特位へ昇格とする」
妹「!?」
神使「・・・・・・」
神様「我が神使よ」
神使「はい」
神様「神勅内容を神宮へ通達せよ」
神使「・・・承知いたしました」フカブカ
神様「以上、神宮審査神・神様から神勅を申し伝えた」
神使「・・・・・・」フカブカ
977 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:24:11 ID:Y6GLr2y6
妹「」ポカーン
神使「ちょっと神様!」
神様「あ?」
神使「どういうことですか?」
神様「神勅で伝えたとおりだ」
神使「こんな手順で妹が特位へ戻れるわけないじゃないですか。 しかも神宮の神付き神使だなんて」
神様「神様機構長官と神使協会、神宮大宮司の許可は得た。正式な手順を踏んだ発令だ」
神使「え? いつの間にそんな事したんです?」
神様「内宮神の神ちゃん経由で数日前から脅し・・・ 根回しをした」
神使「しかし、内宮神付の神使となると妹は神宮に行かなくては・・・ 仕事もありますし・・・」
神様「神宮に行く必要はない。 内宮神が必要であると召還したときにだけ神宮に来れば良い」
妹「・・・・・・」
978 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:25:40 ID:Y6GLr2y6
神様「妹、それから神使よ」
妹・神使「はい」
神様「勘違いしないでもらいたいが、私は同情や償いのためにこんな事をした訳じゃない」
妹「・・・・・・」
神様「妹、其方は神宮に必要であると最高神である私が判断した」
妹「え?」
神様「今すぐという訳ではないが、いつか妹の力が神宮に必要になると思ったから今回の神勅を発令した」
妹「神様・・・」
神様「最高神の神使であるお前の兄、本日より内宮神の神使となった妹。 二人の力が神宮の将来を変える。 私はそう思っている」
神使「・・・・・・」
神様「迷惑か? 妹よ」
妹「いいえ。 内宮神様の神使をお受けいたします」フカブカ
神様「よろしい。 期待している、妹よ。 いや神使兄妹」
979 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:26:45 ID:Y6GLr2y6
ーーー 電車内
ガタンガタン
神様「ねぇ、本当にコレで夏休み終わりなの?」
神使「そうですよ」
神様「ハァ〜 夏休みをバイトに費やし、そのバイト代も取られて私の夏とは一体何だったのであろうか・・・」
神使「そんなに拗ねずに」ゴソゴソ
神使「はい、これ神様のお小遣いです」
神様「え?」
神使「今回妹からもらったバイト代のうち、神様分は全部お小遣いとしてお渡しします」
神様「うそ! 良いの!?」
神使「妹から少し多めにもらってしまったので・・・ 今回だけ特別です」
神様「やったー!!」
980 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:27:25 ID:Y6GLr2y6
神使「途中で買い物でもしていきましょう」
神様「なんか気持ち悪いな〜 お前なにか裏があるんじゃないか?」ジロッ
神使「そんなことございません」
神様「お前、まさかさっきのお礼とかーーー」
神使「神様? 私はそんな公私混同はしない主義ですよ?」
神様「・・・・・・」
神使「でも、妹を救っていただきありがとうございました」フカブカ
神様「私は神さまだ。 私を慕ってくれる者の願いは絶対に叶える」
神様「神力がない分、どんな手を使ってでもな」
神使「そうでした、神様は立派な女神様でした」
981 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:28:37 ID:Y6GLr2y6
神様「だろ? だからお前はかわゆい神ちゃんをもっと崇め奉るが良い!」カッ カッ カッ
神使「では、実力で神階を上げてダメ神を返上して下さい」
神様「ぅっ・・・・・・」
神使「神様?」
神様「それは・・・」
神使「できないのでしたら、あまり調子に乗らないで下さいね?」
神様「神使君さぁ、私にけんか売ってる?」
神使「そんなことはございません。 これでもダメ神に付く最高位神使ですから」
神様「やっぱ、けんか売ってんじゃねーかよ! 神罰」ゲシッ ゲシッ
神使「痛っ! ですから、それは神罰でなくただの足蹴りです」
神様「うひゃひゃ、折檻だー!」ゲシッ ゲシッ
ドタバタ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」#8 ーEND
982 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:36:37 ID:Y6GLr2y6
#01 「ひのひの村」 >>1-160
神宮から出向となった神様は、神使と共に田舎神社へ向かうがそこは駐車場に・・・
#02 「おきつねこんこん教」 >>165-320
廃神社の裏手にある新興宗教団体、そこには廃神社に放置されていたご神体が・・・
#03 「にゃんにゃん島」 >>328-424
小さな島の社で喫茶店を開く猫神、最高位の神階を持つ猫神が何故こんな所に・・・
#04 「吉祥寺」 >>430-577
代理神として赴任した神社へ神宮で神様とダメ巫女コンビを組むA子が手伝に・・・
おまけ「月刊神様」 >>578-588
#05 「京都」 >>595-703
10年前の神法改正に猛反対した神様を快く思わない宮司達が嫌がらせを計画し・・・
#06 「神宮」 >>707-824
神様の正体に気づき、自ら最高神になろうと計画を進める時期大宮司だったが・・・
#07 「こわこわ神社」 >>832-917
古より村に伝わる女神伝説と奇祭、社から消失した神体女神像は神様と関係が・・・
#08 「神使」 >>922-981
生活費の足しにするため、神使の妹を手伝うことになった神様は神使家別荘へ・・・
983 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:37:29 ID:Y6GLr2y6
ありがとうございました
984 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/08/02(火) 22:04:06 ID:Tw0iLCpk
次スレも神ちゃん期待してるよ♪
985 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/08/02(火) 22:24:01 ID:l/0jZPZg
おつ
ところでフカブカってときどんな姿勢なの?
986 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 22:45:53 ID:Y6GLr2y6
>>984
!?
>>985
立礼のときは60°位の深い敬礼〜最敬礼でしょうかね?
座礼は合手礼でしょうね。
たぶん・・・
987 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/08/02(火) 23:48:37 ID:SXoxZVg2
やる時はちゃんとやる神ちゃんかっこ可愛いんだよなあ…
次スレでもかわゆい神ちゃんみたいなあ〜?
988 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/08/03(水) 02:34:39 ID:er1BiLSs
最初に投下された時からずっと読んでたぞ
当然次スレも期待して待ってる
面白かった
乙!
神使「・・・妹は数年前までお社の主神様に仕える神使だったんです」
神様「へぇ〜 誰に仕えてたの?」
神使「くろがね大神宮の第二神使です」
神様「くろがね・・・か」
神使「私が言うのも何ですが、妹はとても素晴らしい神使です」
神様「だろうな。 私も枠があったら妹を神使に付けたいくらだ」
神使「自慢の妹です。 私よりも先に神使の最高位を取得したんですよ?」
神様「お前より先にか!? それは凄いな・・・」
神使「今は階位が下がって第二階位ですが、出仕時代はどっちが先に神宮の神へお仕えできるか競争していましたね」
神様「神宮の神?」
神使「神宮の神にお仕えするのは、私たちの憧れでしたから」
神様「ふ〜ん、お前夢かなってんじゃん。 仕えてんの最低神のダメ神のだけど・・・」
神使「そうですね、私の夢は叶いました。 しかも尊敬できる最高神さまですから。 これ以上は望めませんね」
神様「ん・・・・・・///」
965 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:30:29 ID:z7QyLviE
神使「でも・・・ 本来ならば、神様の横にいるのは私でなく妹だったと思います」
神様「えっ?」
神使「妹は神宮所属の主神付き神使として私より前に内定を頂いていました」
神様「・・・・・・」
神使「でも、妹は辞令が出る直前に・・・ 失職しました」
神様「失職!?」
神使「厳密に言えば失職直前に神様機構の長官に拾って頂いたのですが・・・」
神様「もしかして、四年前の裏金事件か?」
神使「!? 神様ご存じで・・・」
神様「話題になったからな。 その時の神使がお前の妹だったのか」
神使「妹は・・・ そんな事には加担などしていないです・・・」
966 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:32:41 ID:z7QyLviE
神様「言い方が悪かった、すまない」
神使「・・・・・・」
神様「嵌められたんだろ?」
神使「え?」
神様「当時のくろがね大神宮の第一神使が犯人だ。 極秘で懲戒解雇処分が下っている」
神使「それは・・・ 初めて聞きました」
神様「公になるとかなり問題になる規模のお金が動いていたから神宮が極秘で処理したはずだ」
神使「そうでしたか」
神様「ここ百年では最大規模の神社界の汚点だ」
神使「・・・・・・」
967 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:34:09 ID:z7QyLviE
神様「無念だっただろうな、妹は・・・ 夢を壊してしまった・・・」
神使「でも、今はあの通り元気にやってますから。 社長ですし私なんか足下にも及ばないくらい給料良いんですよ?」
神様「・・・申し訳ない、お前の妹を巻き込んでしまって」ドゲザ
神使「そんな、やめて下さい。 神様が頭を下げることじゃないです。 それに・・・」
ザバーン
神使「浮き輪の上で正座なんてしたら落ちるに決まってるじゃないですか・・・」
ブク ブク ブク…
968 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/01(月) 23:39:01 ID:z7QyLviE
誤字脱字多いですね……
すんません
ーーー 数日後
神様「・・・これで最後!」オリオリ
神様「終わった!!」
神使「お疲れ様でした、神様」
神様「いや〜 百年分は仕事をしたな」
神使「そこまでの作業量ではないと思うのですが・・・」
妹「ありがとうございました神様、お兄ちゃんもお疲れ様」
神使「これだけ作ればしばらくは急な発注にも耐えられますね」
970 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:17:02 ID:Y6GLr2y6
妹「はい神様、仕事の後のコーラです」コトッ
神様「妹ちゃん分かってるね〜」グビグビ
神使「神様、今日はぐっすりお休みになって、明日朝一番でここを立ちましょう」
神様「はぁ? まだ夏休み満喫してねーよ!」ゲップ
神使「先日海に行ったじゃないですか」
神様「半日だけじゃん!」
神使「しかし、明日は夕方までに次の勤務先にご挨拶に行かないといけませんので」
神様「まじかよ・・・ なんだよそれ・・・」
971 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:18:05 ID:Y6GLr2y6
妹「あっ、じゃぁバイト代を先に渡しておくね」
神様「そうだ! バイト代もらえるんだった」ヤッター
妹「はい、お兄ちゃん」
神使「ありがとうございます」
神様「♪〜」ワクワク
妹「じゃぁ、私は発送用の荷物を梱包してくるね」スタスタ
神様「?」キョトン
神使「どうされました神様?」
神様「ん? 私のバイト代は?」
神使「私が一緒に頂きましたので」
神様「もしかして・・・」
神使「ご説明が必要ですか?」
神様「・・・いえ、予想はしてましたのでショックはそれほど大きくありません」
972 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:18:46 ID:Y6GLr2y6
ーーー 翌日
神使「では妹さん、また」
妹「うん、元気でね。 神様も兄をよろしくお願いいたします」
神様「妹ちゃん」
妹「はい?」
神様「妹ちゃんには正直に話しておこうと思う」
妹「なんでしょう」
神様「妹ちゃんのお兄さんは神宮の神に仕える最高位の神使だ」
妹「はい、妹として誇りに思います」
神様「そして〜 私は何を隠そう神宮の最高神なのだよ」カッ カッ カッ
妹「え?」
973 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:20:13 ID:Y6GLr2y6
神使「神様! それはトップシークレットでは・・・」
神様「良いんだよ。 妹ちゃんは神宮三神って知ってる?」
妹「最高神様、内宮神様、外宮神様ですよね?」
神様「その三神は私が兼任している。 ちなみに、神宮は私のために建てられた」
妹「・・・・・・」
神使「妹さん、驚いたかもしれませんが本当なんです」
神様「訳あって素性を隠しているんだけどね〜」
妹「神様が最高神様!?」
神様「そう、だから私には叶えられない願いなどない!」
神使「・・・・・・」
神様「妹ちゃん、世話になったお礼に願いがあるなら一つだけ叶えてあげる」
妹「願い・・・ ですか?」
神様「うん、どんなことでも叶えてあげるから。 その代わり本心以外は受け付けないよ」
神使「・・・・・・」
974 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:21:57 ID:Y6GLr2y6
妹「私の願い・・・」
神様「遠慮せずに、ほらほら〜 夢とか希望とか一つくらいあるでしょ〜?」
妹「これからも、お兄ちゃんをどうぞよろしくお願いします」フカブカ
神使「妹さん・・・」
神様「・・・・・・」ジーッ
妹「」フカブカ
神様「本心みたいだね」ニコッ
神様「分かった! その願い、最高神・神様がしかと受け止めた」
妹「口うるさい兄ですがよろしくお願いします、神様」ニコッ
神様「神使よ」
神様「はい」
神様「お前の妹は本当に素晴らしいな」
神使「ありがとうございます。 私も誇りに思います」
975 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:22:51 ID:Y6GLr2y6
神様「では、神勅を申し伝える!」
神使・妹「!?」
神様「私、神様は“妹”を神宮・内宮神付きの神使として任命する!」
妹「えっ!? 私が神宮の神使!?」
神様「」ゴホン!
神使「妹さん、神勅が発せられてる間は神さまからの問い以外で神使は言葉を発してはいけません」ボソッ
妹「・・・・・・」
976 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:23:31 ID:Y6GLr2y6
神様「続ける」
神様「同時に本日付けで、妹の階位を第二位から最高位である特位へ昇格とする」
妹「!?」
神使「・・・・・・」
神様「我が神使よ」
神使「はい」
神様「神勅内容を神宮へ通達せよ」
神使「・・・承知いたしました」フカブカ
神様「以上、神宮審査神・神様から神勅を申し伝えた」
神使「・・・・・・」フカブカ
977 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:24:11 ID:Y6GLr2y6
妹「」ポカーン
神使「ちょっと神様!」
神様「あ?」
神使「どういうことですか?」
神様「神勅で伝えたとおりだ」
神使「こんな手順で妹が特位へ戻れるわけないじゃないですか。 しかも神宮の神付き神使だなんて」
神様「神様機構長官と神使協会、神宮大宮司の許可は得た。正式な手順を踏んだ発令だ」
神使「え? いつの間にそんな事したんです?」
神様「内宮神の神ちゃん経由で数日前から脅し・・・ 根回しをした」
神使「しかし、内宮神付の神使となると妹は神宮に行かなくては・・・ 仕事もありますし・・・」
神様「神宮に行く必要はない。 内宮神が必要であると召還したときにだけ神宮に来れば良い」
妹「・・・・・・」
978 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:25:40 ID:Y6GLr2y6
神様「妹、それから神使よ」
妹・神使「はい」
神様「勘違いしないでもらいたいが、私は同情や償いのためにこんな事をした訳じゃない」
妹「・・・・・・」
神様「妹、其方は神宮に必要であると最高神である私が判断した」
妹「え?」
神様「今すぐという訳ではないが、いつか妹の力が神宮に必要になると思ったから今回の神勅を発令した」
妹「神様・・・」
神様「最高神の神使であるお前の兄、本日より内宮神の神使となった妹。 二人の力が神宮の将来を変える。 私はそう思っている」
神使「・・・・・・」
神様「迷惑か? 妹よ」
妹「いいえ。 内宮神様の神使をお受けいたします」フカブカ
神様「よろしい。 期待している、妹よ。 いや神使兄妹」
979 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:26:45 ID:Y6GLr2y6
ーーー 電車内
ガタンガタン
神様「ねぇ、本当にコレで夏休み終わりなの?」
神使「そうですよ」
神様「ハァ〜 夏休みをバイトに費やし、そのバイト代も取られて私の夏とは一体何だったのであろうか・・・」
神使「そんなに拗ねずに」ゴソゴソ
神使「はい、これ神様のお小遣いです」
神様「え?」
神使「今回妹からもらったバイト代のうち、神様分は全部お小遣いとしてお渡しします」
神様「うそ! 良いの!?」
神使「妹から少し多めにもらってしまったので・・・ 今回だけ特別です」
神様「やったー!!」
980 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:27:25 ID:Y6GLr2y6
神使「途中で買い物でもしていきましょう」
神様「なんか気持ち悪いな〜 お前なにか裏があるんじゃないか?」ジロッ
神使「そんなことございません」
神様「お前、まさかさっきのお礼とかーーー」
神使「神様? 私はそんな公私混同はしない主義ですよ?」
神様「・・・・・・」
神使「でも、妹を救っていただきありがとうございました」フカブカ
神様「私は神さまだ。 私を慕ってくれる者の願いは絶対に叶える」
神様「神力がない分、どんな手を使ってでもな」
神使「そうでした、神様は立派な女神様でした」
981 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:28:37 ID:Y6GLr2y6
神様「だろ? だからお前はかわゆい神ちゃんをもっと崇め奉るが良い!」カッ カッ カッ
神使「では、実力で神階を上げてダメ神を返上して下さい」
神様「ぅっ・・・・・・」
神使「神様?」
神様「それは・・・」
神使「できないのでしたら、あまり調子に乗らないで下さいね?」
神様「神使君さぁ、私にけんか売ってる?」
神使「そんなことはございません。 これでもダメ神に付く最高位神使ですから」
神様「やっぱ、けんか売ってんじゃねーかよ! 神罰」ゲシッ ゲシッ
神使「痛っ! ですから、それは神罰でなくただの足蹴りです」
神様「うひゃひゃ、折檻だー!」ゲシッ ゲシッ
ドタバタ
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」#8 ーEND
982 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:36:37 ID:Y6GLr2y6
#01 「ひのひの村」 >>1-160
神宮から出向となった神様は、神使と共に田舎神社へ向かうがそこは駐車場に・・・
#02 「おきつねこんこん教」 >>165-320
廃神社の裏手にある新興宗教団体、そこには廃神社に放置されていたご神体が・・・
#03 「にゃんにゃん島」 >>328-424
小さな島の社で喫茶店を開く猫神、最高位の神階を持つ猫神が何故こんな所に・・・
#04 「吉祥寺」 >>430-577
代理神として赴任した神社へ神宮で神様とダメ巫女コンビを組むA子が手伝に・・・
おまけ「月刊神様」 >>578-588
#05 「京都」 >>595-703
10年前の神法改正に猛反対した神様を快く思わない宮司達が嫌がらせを計画し・・・
#06 「神宮」 >>707-824
神様の正体に気づき、自ら最高神になろうと計画を進める時期大宮司だったが・・・
#07 「こわこわ神社」 >>832-917
古より村に伝わる女神伝説と奇祭、社から消失した神体女神像は神様と関係が・・・
#08 「神使」 >>922-981
生活費の足しにするため、神使の妹を手伝うことになった神様は神使家別荘へ・・・
983 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 21:37:29 ID:Y6GLr2y6
ありがとうございました
次スレも神ちゃん期待してるよ♪
985 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/08/02(火) 22:24:01 ID:l/0jZPZg
おつ
ところでフカブカってときどんな姿勢なの?
986 : ◆8YCWQhLlF2:2016/08/02(火) 22:45:53 ID:Y6GLr2y6
>>984
!?
>>985
立礼のときは60°位の深い敬礼〜最敬礼でしょうかね?
座礼は合手礼でしょうね。
たぶん・・・
987 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/08/02(火) 23:48:37 ID:SXoxZVg2
やる時はちゃんとやる神ちゃんかっこ可愛いんだよなあ…
次スレでもかわゆい神ちゃんみたいなあ〜?
988 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/08/03(水) 02:34:39 ID:er1BiLSs
最初に投下された時からずっと読んでたぞ
当然次スレも期待して待ってる
面白かった
乙!
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
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