神様「科学の神様だ」
Part15
339 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:00:52 ID:YALSta/U
妹「うん、複数の回線を使うときはもの凄いスピードで切替えがあるの」
妹「でもこの信号にはそれがなくてずっと一定で繋がってるんだ」
妹「おかしいと思って調べてみたら、このファイルが」
神様「妹、そのファイルを小箱に流してもらえるか?」
妹「うん」
神様「・・・・・・」
男「何か分かった?」
神様「大量のノイズに包まれているが・・・ テキストファイルがある」
男「なんて書いてあるの?」
神様「・・・・・・」
340 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:04:07 ID:YALSta/U
女「女神様、どうかなされましたか?」
神様「男、ごめんなさい」
男「どうしたの、急に謝ったりして」
神様「ファイルの中身を読んだだけだ。 幼の意識パターンも検出できる」
男「!?」
店主「幼ちゃんに意識がある!?」
神様「脅迫文を送ってきた脳波パターンと、添付ファイルの脳波パターンが微妙に違う」
男「どういうこと?」
神様「まだ何とも言えないが・・・ 少なくとも添付ファイルの方は幼のオリジナルであると思う」
341 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:05:33 ID:YALSta/U
店主「オリジナル?」
女「まさか、2つの人格!?」
神様「いや、性格や記憶に関する部分は共通で命令を出す部分だけが2つあるのであろう」
女「第三者が幼さんを操ってると?」
男「それって幼の背後に誰かがいるって事じゃ」
神様「あぁ、黒幕ありということだ」
店主「一体誰が」
342 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:06:46 ID:YALSta/U
神様「女よ、脅迫文の発信元は突き止められるか?」
女「ログを出します」
店主「どうだ?」
女「座標軸にある建物は・・・ 県立第一高校?」
男「第一高校って、うちの学校じゃん」
妹「これ、たぶんトラップだよ」
男「トラップ?」
幼「うん、幼さんの方の添付に付いてるキーを入れると・・・」
店主「座標が変わった?」
神様「地図を拡大してくれ」
女「はい」
神様「・・・ BSC病院付属脳科学センターか」
男「BSC!?」
343 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:09:46 ID:YALSta/U
女「やはりBSCが裏で・・・」
神様「少し厄介なことになったな」
男「厄介?」
神様「CP67の件と、幼の件が一つに繋がってしまったということだ」
店主「引っかかることがあるのですが」
神様「なんだ?」
店主「なぜBSCは幼ちゃんからアカシックの情報を引き出せないのでしょうか」
男「確かに、わざわざ小箱から引き出さなくても幼から直接聞けば済むじゃん」
神様「神官制度・・・ 脳波登録による認証機能だ」
男「神官・・・」
344 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:13:17 ID:YALSta/U
神様「小箱に脳波登録された者以外に神託を出すことは出来ない」
店主「そうか、それで小箱から直接抜き出そうと」
神様「そう考えるのが妥当だ」
男「幼がBSCの奴らを登録しちゃうとマズいね」
神様「それはないだろう」
男「なんで?」
神様「幼の意識が不安定すぎて正常登録がうまくできないのであろう」
345 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:15:42 ID:YALSta/U
神様「しかし、本来の幼の意識の方がゆっくりとではあるが覚醒に向かっているようだ」
店主「それは良かった」
神様「・・・いや、かなりまずい状態だ」
男「え? 良いことじゃないの?」
神様「意識と肉体を持ってアカシックと接続することは出来ない」
男「あっ」
神様「幼の意識レベルがこれ以上覚醒に近くなると体が持たない」
女「覚醒レベルになるまでどのくらいの猶予が」
神様「3日、いや2日以内に幼と小箱を切断する必要がある。 今の幼には相当負担がかかっているはずだ」
女「早すぎますね」
店主「CP67より幼ちゃんの救出を優先ですね」
神様「念のためGPSを使ってCP67に信号を送る作業は並行して進めてほしい」
店主「分かりました。 2日で終わらせます」
神様「偽情報に乗っかってくれたお礼に、こちらも彼奴らの策に乗ってやろう」
346 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:07:33 ID:YALSta/U
ーーー 研究所・6日目・夕方
女「女神様、文面はこれでよろしいでしょうか?」
神様「どれ」
男「『幼へ 鍵を渡す 明日14時に第一高校 科学部準備室で待つ』」
神様「大丈夫だ。 妹よ送信を頼む」
妹「はいな」ポチッ
男「なんでうちの高校? しかも部室じゃなくて準備室って」
神様「ここから高校まで車で5分、出来るだけ近い方が都合が良い」
神様「そして科学部の準備室は狭い。これも重要だ」
妹「返信来ました!」
男「早っ!」
女「りょ。 とあります」
神様「よし」
347 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:08:32 ID:YALSta/U
神様「店主よ、今日中に官僚達に言ってサイクロトロンを準備させてくれ」
店主「サイクロトロン!?」
ガー ガー ガー
神様「プリンターから出した手順でRIを生成し<でるで~る>に混ぜて欲しい」
店主「RIですか?」
神様「あぁ、それと一緒に出した設計図の物を超特急で作って欲しい」
店主「了解です」
348 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:09:36 ID:YALSta/U
神様「それと男、幼が涙が出るほど欲しがっている物を探して準備してくれ」
男「知らないよそんなの・・・」
神様「分からなければ幼の親友にでも聞いて何が何でも準備しろ」
男「何の役に立つの~」
神様「それはお前の気持ち次第だ」
男「?」
神様「女と妹、話がある。 神託の間へ来て欲しい」
女「はい」
妹「うん」
スタスタ
349 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:11:00 ID:YALSta/U
神様「さて、女と妹に作戦を話す」
妹「店主さんとにーちゃんはいいの?」
神様「あの二人は絶対に反対するであろうからな」
女「女神様・・・」
神様「名付けてメガミープラン」
350 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:40:44 ID:epasaBmQ
ーーー 研究所・6日目・夜
prpr prpr
ガチャ
男「もしもし~、男だけど」
幼友『どうしたの? 珍しいね』
男「幼の件でちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」
幼友『幼?』
男「あいつが一番欲しがってる物って知ってる?」
幼友『は?』
男「いや、幼がのどから手が出るほど欲しがってる物」
351 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:41:34 ID:epasaBmQ
幼友『なに? プレゼントの相談?』
男「そういうわけでもないんだけどさ」
幼友『ふ~ん』
幼友『来月幼の誕生日だもんね』
男「え? そうなの?」
幼友『・・・・・・』
男「ちょ、なんで無言」
幼友『嘘でしょ? 知らないの?』
男「あ~そう言えば1月だった気がする」
幼友『は~っ、それは幼がかわいそうだよ』
男「そんなクラスのヤツの誕生日なんて覚えてないって」
352 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:42:36 ID:epasaBmQ
幼友『他のヤツは良いかもだけど幼は覚えておかないとダメだよ』
男「なんだかんだで付き合い長いし、なぁなぁな感じなんだよな~」
幼友『あんたこの前の誕生日プレゼント幼からもらってたでしょ』
男「ん? なんかもらったっけ」
幼友『スマホの壁紙』
男「あ~ これって誕生日プレゼントなの?」
幼友『私が言って良いのか分からないけど、それ描くの何ヶ月もかかっているんだよ』
男「え? 写真じゃないの?」
353 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:43:26 ID:epasaBmQ
幼友『暇を見つけてプラネタリウム行ったり、一緒に流星群見に遠くまで出かけたり』
男「・・・・・・」
幼友『毎年壁紙もらってるんでしょ? 』
男「そう言われれば・・・」
幼友『壁紙だったら無くさないし毎日見てもらえるからって』
幼友『毎年アンタが興味持ってるモノ調べて作ってるんだよ?』
男「何でそこまで・・・」
幼友『そんなの決まってんじゃない』
男「・・・まじで!?」
354 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:44:09 ID:epasaBmQ
幼友『今年はあんた都市伝説にはまってるから、冬休みににゅうにゅう神社に行くんだって』
男「・・・・・・」
幼友『はぁ~、アンタからもらえるんだったら幼はなんだって喜ぶよ』
男「はい」
幼友「後は自分で考えなさい」
男「はい」
355 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:45:12 ID:epasaBmQ
ーーー 研究所・7日目・朝
prpr prpr
ガチャ
女「はい」
官僚『サイクロトロンの設置が終わりました』
女「店主さん、サイクロトロンの設置完了したそうですよ」
店主「お~、待ってました。 今行くと伝えてくれるか?」
女「今、技術の者が伺いますのでお待ち下さい」
官僚『分かりました』
356 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:46:56 ID:epasaBmQ
男「サイクロトロンって何?」
店主「加速器だ」
男「加速器って、あの素粒子を加速するヤツ?」
店主「よく知ってるな」
男「一応科学部ですし・・・ っていうかそんなもん何に使うんです?」
店主「ラジオアイソトープを作る」
男「らじお?」
店主「検査用の薬品だ」
357 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:47:55 ID:epasaBmQ
店主「<でるでーる>に混ぜて幼ちゃんに飲ませる」
男「大丈夫なんですか?」
店主「問題ない」
神様「準備が整ってきたな」スッ
男「あっ、神様」
神様「店主よ、1時間で準備できるか?」
店主「大丈夫です」
神様「よし男よ、1時間後に出かけるぞ」
男「うん」
神様「女よ、官僚に車をまわすように言ってくれ」
女「承知いたしました」
358 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:49:02 ID:epasaBmQ
ギィー
男「う~ん、久しぶりのお外」
官僚「お車の手配できております。 どうぞ」
神様「うむ」
運転手「どちらへ向かいましょう」
神様「第一高校まで頼む」
運転手「はい、では出発いたします」
359 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:50:27 ID:epasaBmQ
神様「官僚よ、高校の見張りは問題ないであろうな」
官僚「はい、昨日ご指示を頂いてから今まで学内への出入りは誰もございません」
神様「BSC病院の調査の方はどうだ」
官僚「付属脳科学センターに幼という少女が今月1日に急患で運ばれています」
神様「私が調べた限りでは病院のデータベースに該当がなかったようだが」
官僚「はい、データベースには記録がありませんでしたが119の指令に記録がありました」
神様「間違いないのか?」
官僚「近くのぬめぬめ病院へ搬送する予定だったようですが・・・」
官僚「簡易脳波チェックのシートを送った途端BSC病院から受入れ希望があったようです」
360 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:52:08 ID:epasaBmQ
神様「その際の状況は分かるか」
官僚「はい、にゅうにゅう神社前で倒れていたようです」
男「にゅうにゅう神社!?」
神様「・・・・・・」
神様「官僚よ、その神社の周辺地図を見せてくれ」
官僚「はい。 地図で言うと・・・ あったココです」パラパラ
神様「この下には大きな泉源がある」
男「泉源?」
神様「研究所の温泉はここから引いている。 非常に強い硫化水素泉だ」
361 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:53:15 ID:epasaBmQ
神様「52年前までここは研究所の管轄で、年に1度だけ地下からガスが吹きだすため禁足地に指定していた」
男「ガス・・・」
神様「大量に吸い込むと死に至るほどの濃度だ。 そして今月の1日にガスが吹き出している」
神様「恐らく幼は何かの理由で敷地に入りガスを吸い込んだのであろう」
男「俺のせいだ・・・」
男「俺がにゅうにゅう神社の都市伝説に興味を持っていたから幼は・・・」
神様「・・・・・・」
362 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:53:59 ID:epasaBmQ
神様「官僚よ、続けてくれ」
官僚「はい。 救命士の確認で発見時の意識レベルは200、朝6時に脳科学センターへ搬送されています」
神様「なるほど」
官僚「その後、朝7時に少女は病院から出て行っています」
神様「意識レベル200の人間が1時間後に退院・・・ そこで幼の脳に小細工をしたのだな」
神様「よく調べた。 もう少し早くお前達を頼っていれば良かったな」フッ
官僚「? ありがとうございます」
363 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:54:50 ID:epasaBmQ
神様「男よ、幼は生きている。 そして絶対に助ける。 今は目の前のことだけに集中しろ」
男「・・・・・・」
神様「心配するな、幼が絶対に死ぬことはない。 私が保証する」
男「・・・分かった。 ありがとう神様」
運転手「お待たせいたしました、到着です」
神様「よし、荷物を頼む」
妹「うん、複数の回線を使うときはもの凄いスピードで切替えがあるの」
妹「でもこの信号にはそれがなくてずっと一定で繋がってるんだ」
妹「おかしいと思って調べてみたら、このファイルが」
神様「妹、そのファイルを小箱に流してもらえるか?」
妹「うん」
神様「・・・・・・」
男「何か分かった?」
神様「大量のノイズに包まれているが・・・ テキストファイルがある」
男「なんて書いてあるの?」
神様「・・・・・・」
340 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:04:07 ID:YALSta/U
女「女神様、どうかなされましたか?」
神様「男、ごめんなさい」
男「どうしたの、急に謝ったりして」
神様「ファイルの中身を読んだだけだ。 幼の意識パターンも検出できる」
男「!?」
店主「幼ちゃんに意識がある!?」
神様「脅迫文を送ってきた脳波パターンと、添付ファイルの脳波パターンが微妙に違う」
男「どういうこと?」
神様「まだ何とも言えないが・・・ 少なくとも添付ファイルの方は幼のオリジナルであると思う」
341 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:05:33 ID:YALSta/U
店主「オリジナル?」
女「まさか、2つの人格!?」
神様「いや、性格や記憶に関する部分は共通で命令を出す部分だけが2つあるのであろう」
女「第三者が幼さんを操ってると?」
男「それって幼の背後に誰かがいるって事じゃ」
神様「あぁ、黒幕ありということだ」
店主「一体誰が」
342 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:06:46 ID:YALSta/U
神様「女よ、脅迫文の発信元は突き止められるか?」
女「ログを出します」
店主「どうだ?」
女「座標軸にある建物は・・・ 県立第一高校?」
男「第一高校って、うちの学校じゃん」
妹「これ、たぶんトラップだよ」
男「トラップ?」
幼「うん、幼さんの方の添付に付いてるキーを入れると・・・」
店主「座標が変わった?」
神様「地図を拡大してくれ」
女「はい」
神様「・・・ BSC病院付属脳科学センターか」
男「BSC!?」
343 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:09:46 ID:YALSta/U
女「やはりBSCが裏で・・・」
神様「少し厄介なことになったな」
男「厄介?」
神様「CP67の件と、幼の件が一つに繋がってしまったということだ」
店主「引っかかることがあるのですが」
神様「なんだ?」
店主「なぜBSCは幼ちゃんからアカシックの情報を引き出せないのでしょうか」
男「確かに、わざわざ小箱から引き出さなくても幼から直接聞けば済むじゃん」
神様「神官制度・・・ 脳波登録による認証機能だ」
男「神官・・・」
神様「小箱に脳波登録された者以外に神託を出すことは出来ない」
店主「そうか、それで小箱から直接抜き出そうと」
神様「そう考えるのが妥当だ」
男「幼がBSCの奴らを登録しちゃうとマズいね」
神様「それはないだろう」
男「なんで?」
神様「幼の意識が不安定すぎて正常登録がうまくできないのであろう」
345 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 22:15:42 ID:YALSta/U
神様「しかし、本来の幼の意識の方がゆっくりとではあるが覚醒に向かっているようだ」
店主「それは良かった」
神様「・・・いや、かなりまずい状態だ」
男「え? 良いことじゃないの?」
神様「意識と肉体を持ってアカシックと接続することは出来ない」
男「あっ」
神様「幼の意識レベルがこれ以上覚醒に近くなると体が持たない」
女「覚醒レベルになるまでどのくらいの猶予が」
神様「3日、いや2日以内に幼と小箱を切断する必要がある。 今の幼には相当負担がかかっているはずだ」
女「早すぎますね」
店主「CP67より幼ちゃんの救出を優先ですね」
神様「念のためGPSを使ってCP67に信号を送る作業は並行して進めてほしい」
店主「分かりました。 2日で終わらせます」
神様「偽情報に乗っかってくれたお礼に、こちらも彼奴らの策に乗ってやろう」
346 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:07:33 ID:YALSta/U
ーーー 研究所・6日目・夕方
女「女神様、文面はこれでよろしいでしょうか?」
神様「どれ」
男「『幼へ 鍵を渡す 明日14時に第一高校 科学部準備室で待つ』」
神様「大丈夫だ。 妹よ送信を頼む」
妹「はいな」ポチッ
男「なんでうちの高校? しかも部室じゃなくて準備室って」
神様「ここから高校まで車で5分、出来るだけ近い方が都合が良い」
神様「そして科学部の準備室は狭い。これも重要だ」
妹「返信来ました!」
男「早っ!」
女「りょ。 とあります」
神様「よし」
347 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:08:32 ID:YALSta/U
神様「店主よ、今日中に官僚達に言ってサイクロトロンを準備させてくれ」
店主「サイクロトロン!?」
ガー ガー ガー
神様「プリンターから出した手順でRIを生成し<でるで~る>に混ぜて欲しい」
店主「RIですか?」
神様「あぁ、それと一緒に出した設計図の物を超特急で作って欲しい」
店主「了解です」
348 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:09:36 ID:YALSta/U
神様「それと男、幼が涙が出るほど欲しがっている物を探して準備してくれ」
男「知らないよそんなの・・・」
神様「分からなければ幼の親友にでも聞いて何が何でも準備しろ」
男「何の役に立つの~」
神様「それはお前の気持ち次第だ」
男「?」
神様「女と妹、話がある。 神託の間へ来て欲しい」
女「はい」
妹「うん」
スタスタ
349 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/23(土) 23:11:00 ID:YALSta/U
神様「さて、女と妹に作戦を話す」
妹「店主さんとにーちゃんはいいの?」
神様「あの二人は絶対に反対するであろうからな」
女「女神様・・・」
神様「名付けてメガミープラン」
350 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:40:44 ID:epasaBmQ
ーーー 研究所・6日目・夜
prpr prpr
ガチャ
男「もしもし~、男だけど」
幼友『どうしたの? 珍しいね』
男「幼の件でちょっと聞きたいことがあるんだけどさ」
幼友『幼?』
男「あいつが一番欲しがってる物って知ってる?」
幼友『は?』
男「いや、幼がのどから手が出るほど欲しがってる物」
351 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:41:34 ID:epasaBmQ
幼友『なに? プレゼントの相談?』
男「そういうわけでもないんだけどさ」
幼友『ふ~ん』
幼友『来月幼の誕生日だもんね』
男「え? そうなの?」
幼友『・・・・・・』
男「ちょ、なんで無言」
幼友『嘘でしょ? 知らないの?』
男「あ~そう言えば1月だった気がする」
幼友『は~っ、それは幼がかわいそうだよ』
男「そんなクラスのヤツの誕生日なんて覚えてないって」
352 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:42:36 ID:epasaBmQ
幼友『他のヤツは良いかもだけど幼は覚えておかないとダメだよ』
男「なんだかんだで付き合い長いし、なぁなぁな感じなんだよな~」
幼友『あんたこの前の誕生日プレゼント幼からもらってたでしょ』
男「ん? なんかもらったっけ」
幼友『スマホの壁紙』
男「あ~ これって誕生日プレゼントなの?」
幼友『私が言って良いのか分からないけど、それ描くの何ヶ月もかかっているんだよ』
男「え? 写真じゃないの?」
353 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:43:26 ID:epasaBmQ
幼友『暇を見つけてプラネタリウム行ったり、一緒に流星群見に遠くまで出かけたり』
男「・・・・・・」
幼友『毎年壁紙もらってるんでしょ? 』
男「そう言われれば・・・」
幼友『壁紙だったら無くさないし毎日見てもらえるからって』
幼友『毎年アンタが興味持ってるモノ調べて作ってるんだよ?』
男「何でそこまで・・・」
幼友『そんなの決まってんじゃない』
男「・・・まじで!?」
354 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:44:09 ID:epasaBmQ
幼友『今年はあんた都市伝説にはまってるから、冬休みににゅうにゅう神社に行くんだって』
男「・・・・・・」
幼友『はぁ~、アンタからもらえるんだったら幼はなんだって喜ぶよ』
男「はい」
幼友「後は自分で考えなさい」
男「はい」
355 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:45:12 ID:epasaBmQ
ーーー 研究所・7日目・朝
prpr prpr
ガチャ
女「はい」
官僚『サイクロトロンの設置が終わりました』
女「店主さん、サイクロトロンの設置完了したそうですよ」
店主「お~、待ってました。 今行くと伝えてくれるか?」
女「今、技術の者が伺いますのでお待ち下さい」
官僚『分かりました』
356 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:46:56 ID:epasaBmQ
男「サイクロトロンって何?」
店主「加速器だ」
男「加速器って、あの素粒子を加速するヤツ?」
店主「よく知ってるな」
男「一応科学部ですし・・・ っていうかそんなもん何に使うんです?」
店主「ラジオアイソトープを作る」
男「らじお?」
店主「検査用の薬品だ」
357 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:47:55 ID:epasaBmQ
店主「<でるでーる>に混ぜて幼ちゃんに飲ませる」
男「大丈夫なんですか?」
店主「問題ない」
神様「準備が整ってきたな」スッ
男「あっ、神様」
神様「店主よ、1時間で準備できるか?」
店主「大丈夫です」
神様「よし男よ、1時間後に出かけるぞ」
男「うん」
神様「女よ、官僚に車をまわすように言ってくれ」
女「承知いたしました」
358 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:49:02 ID:epasaBmQ
ギィー
男「う~ん、久しぶりのお外」
官僚「お車の手配できております。 どうぞ」
神様「うむ」
運転手「どちらへ向かいましょう」
神様「第一高校まで頼む」
運転手「はい、では出発いたします」
神様「官僚よ、高校の見張りは問題ないであろうな」
官僚「はい、昨日ご指示を頂いてから今まで学内への出入りは誰もございません」
神様「BSC病院の調査の方はどうだ」
官僚「付属脳科学センターに幼という少女が今月1日に急患で運ばれています」
神様「私が調べた限りでは病院のデータベースに該当がなかったようだが」
官僚「はい、データベースには記録がありませんでしたが119の指令に記録がありました」
神様「間違いないのか?」
官僚「近くのぬめぬめ病院へ搬送する予定だったようですが・・・」
官僚「簡易脳波チェックのシートを送った途端BSC病院から受入れ希望があったようです」
360 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:52:08 ID:epasaBmQ
神様「その際の状況は分かるか」
官僚「はい、にゅうにゅう神社前で倒れていたようです」
男「にゅうにゅう神社!?」
神様「・・・・・・」
神様「官僚よ、その神社の周辺地図を見せてくれ」
官僚「はい。 地図で言うと・・・ あったココです」パラパラ
神様「この下には大きな泉源がある」
男「泉源?」
神様「研究所の温泉はここから引いている。 非常に強い硫化水素泉だ」
361 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:53:15 ID:epasaBmQ
神様「52年前までここは研究所の管轄で、年に1度だけ地下からガスが吹きだすため禁足地に指定していた」
男「ガス・・・」
神様「大量に吸い込むと死に至るほどの濃度だ。 そして今月の1日にガスが吹き出している」
神様「恐らく幼は何かの理由で敷地に入りガスを吸い込んだのであろう」
男「俺のせいだ・・・」
男「俺がにゅうにゅう神社の都市伝説に興味を持っていたから幼は・・・」
神様「・・・・・・」
362 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:53:59 ID:epasaBmQ
神様「官僚よ、続けてくれ」
官僚「はい。 救命士の確認で発見時の意識レベルは200、朝6時に脳科学センターへ搬送されています」
神様「なるほど」
官僚「その後、朝7時に少女は病院から出て行っています」
神様「意識レベル200の人間が1時間後に退院・・・ そこで幼の脳に小細工をしたのだな」
神様「よく調べた。 もう少し早くお前達を頼っていれば良かったな」フッ
官僚「? ありがとうございます」
363 : ◆8YCWQhLlF2:2016/01/24(日) 01:54:50 ID:epasaBmQ
神様「男よ、幼は生きている。 そして絶対に助ける。 今は目の前のことだけに集中しろ」
男「・・・・・・」
神様「心配するな、幼が絶対に死ぬことはない。 私が保証する」
男「・・・分かった。 ありがとう神様」
運転手「お待たせいたしました、到着です」
神様「よし、荷物を頼む」
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