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神娘「我を呼んだか!」男「呼んでません」

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Part7
218: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 21:47:13 ID:5ceTIg3I
友「まあ修学旅行はあれだろ?○○神宮だろ?」
男「ん、そうだな」
友「不思議だよな、このご時世唯一政府に何故か認められた神宮…」
男「詳しいのか?」
友「あ、いや…これはネットから拾った情報なんだがな」

219: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 21:58:24 ID:5ceTIg3I
友「色々と取りたざされてるんだよな、各所で」
男「ほお」
友「”取り壊そうとすると呪いがかかる””観光名所”とか理由があるけど確証があるのは無いし…」
男「ますます不思議なもんだ」
友「それにだ、一番謎なのはな」
男「……」
友「”祭神が居ない”んだよ、あの神社」
男「…は?」
友「本当だって、あの神社は”誰も祭っていない”んだよ」
男「それじゃ、神社じゃないじゃないか」
友「でも神社として認められてるんだ、おかしくね」
男「確かにな」

220: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 22:07:12 ID:5ceTIg3I
友「不思議なもんだ」
男「良く調べたな」
友「結構齧ってるんだよ、俺」
男「初めて知ったんだが」
友「始めて言うからな、だって周りはこんな事言ったら馬鹿にするし」
男「ならなんで唐突に告白したんだよ…」
友「お前が友だからさ」
男「まあ、ありがとう」
友「うむ」

221: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 22:16:23 ID:5ceTIg3I
友「○○神宮、面白そうだと思わないか」
男「興味深いな(神様の事もあるしな)」
友「よっしゃ、向こうに行ったら一緒に調べような!相棒!」
男「おう、やってやろうじゃないの」
友「わくわくすんなぁ」

222: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 22:20:57 ID:5ceTIg3I
―――
男「と言う訳で来週から修学旅行だ」
神娘「おお神主、そこの地理教書取ってくれんか」
男「はいはい…ってここも随分と生活臭にあふれて来たな」
神娘「仕方ないじゃろ、私ならともかくここではお前も暮らしているに等しい」
男「ここに来た時は畳しかなかったのに今となっては卓袱台やらなんやらごちゃごちゃと…」
神娘「私としては楽しいんだがな?殺風景よりこういう方が」
男「そうか?」
神娘「人の気配がすると言うのは良い物だ」
男「…そうだな」


223: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 22:23:35 ID:5ceTIg3I
神娘「と言うか神主よ、お主まだ今年卒業ではないのだろう?」
男「そうだけどな、色々と変わったんだよ」
神娘「ほぉ」
男「就職する奴は三年次にはもう就職してるんだ、そいで進学する奴は三年になる」
神娘「なるほど、効率を取ったわけか」
男「まあ仕事をする分には十分な学力は与えられてるからな」
神娘「それで今年修学旅行と」
男「そうそう」

224: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 22:37:21 ID:5ceTIg3I
神娘「大変なのだな、今の人の子も」
男「変わらんか」
神娘「全くな、昔もひいひい言ってたな…懐かしい」
男「やってることは誰も変わらず、か」
神娘「それで、神主」
男「あん?」
神娘「お前はどこに行くつもりだ?どう進む?」
男「……まだ決めてない」
神娘「そろそろ決めんといかんだろう?」
男「一応就職はする、つもりだけど…」

225:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/18(水) 22:41:00 ID:T9l60c4g
この>>1は○○○○先生の神○○○を読んでいるハズ! つまりここは俺得SS

226:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/18(水) 22:44:54 ID:dTUS8fsg
なんでこのスレ外野が煩くてマナーなってなくてキモいの?

227: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 22:55:33 ID:5ceTIg3I
神娘「まあ、私がとやかく言うつもりは無い」
男「…なあ神様」
神娘「なんだ」
男「まだ迷ってるんだ、進学したとしてもどう進めばいいのか分からない、けど就職するとしても…まだ覚悟が出来てない」
神娘「…そうか」
男「どうするべきなのか分からないんだ、どうあるべきなのかも…」

228: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:00:54 ID:5ceTIg3I
神娘「私は、お前に何も言わない」
男「……」
神娘「それはお前が考えるべき事だ、私が言うべき事ではない」
男「そう、か」
神娘「……すまんな」
男「自分で決断しなくちゃいけないって分かった、ありがとう」
神娘「…ああ」

229: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:05:43 ID:5ceTIg3I
男「まあ今は修学旅行楽しむ…あ、そうだ神様」
神娘「おう?」
男「○○神社について何か知らんか?」
神娘「知っている事はある」
男「なんか面白い事は…」
神娘「それと私が話すかは別問題だ」
男「隠し事?」
神娘「その通り、大っぴらな隠し事だ」
男「隠してるんだか隠してないんだかわからんな」
神娘「隠している事は隠してないが、隠している事は隠したままだ」
男「…頭痛い」

230: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:08:11 ID:5ceTIg3I
神娘「隠し事のない者は居ない…例えばお前は家族になら全てを明け渡すか?自分の領域も何もかも曝け出せるか?」
男「…無理だ、絶対」
神娘「そうだろう、何もかも失くした私だがそれでも私だけの領地はある…隠しておきたい領土、秘密が」
男「神様って時々物凄く人間臭くなるよな」
神娘「生きていて生きてないからな」

231: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:11:08 ID:5ceTIg3I
神娘「さて、と…お前がどれぐらい”馴染んだか”見せてくれ」
男「ほいよ」
神娘「…ふむ」サワサワ
男「……」
神娘「ふむ…ふむ」クイッ
男「(神様って綺麗だよな)」
神娘「大分馴染んだな」
男「(そうやってこう…近寄られるとだな)」
神娘「興奮するか?」
男「……っ!?」

232: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:14:34 ID:5ceTIg3I
神娘「ばれんと思ったかどあほう、どれだけの人を見て来たと思っている」
男「い、いや…なんというかな」
神娘「怒りゃせんよ、年頃の男とあれば当然の反応」
男「…誘ってるのか?」
神娘「そうだとしたら?」
男「…いや、いい」
神娘「怖いのか?」
男「違う、答えは分からないけど…そんな事は求めてない」
神娘「…ほぉ?」

233: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:16:53 ID:5ceTIg3I
男「神様は綺麗だとは思う、少なくともそれは否定しない」
神娘「嬉しい事を言うな」
男「今、触られて近寄られて…興奮はした、それも否定しない」
神娘「ではなぜお前は否定するのだ?一体何が根拠で?」
男「…(あまりこう言う事を考えるのは苦手だ)」

234:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/18(水) 23:23:01 ID:q4Aq9m9c
神様ちゅっちゅっ

235: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:23:03 ID:5ceTIg3I
男「多分、神様は…そういった事とは別の場所に居るんだ」
神娘「続けよ」
男「同じ場所に居ないと言うか、何というか…別の存在、人とは明らかに別の次元の存在」
神娘「……」
男「敬意や恐怖は抱いても愛情は湧かない…少なくとも、今は」
神娘「それだけか?」
男「…それだけ、いやあと一つ」
神娘「なんだ」
男「やっぱり、神様は神様で…最初に会った時と今とで何も変わらない、そう思う」
神娘「そうか……」
男「……」
神娘「……」
男「……」
神娘「…ふっ」
男「…は?」

236: ◆lwQY2qw84A:2013/09/18(水) 23:29:12 ID:5ceTIg3I
神娘「ふふっ、ふははっ、そうか…なるほど、なるほど…」
男「…もしかして、からかわれた?」
神娘「そうではない、試したのだ」
男「試しっ…?」
神娘「最後まで聞け、確かにお前は此方側に入り影響力に対抗する力は得た」
男「まあ」
神娘「だがそれで再びこちらに対する畏れが消えてしまえば意味はない、あくまで私とお前の関係は何も変わらん…それを言っておきたかった」
男「そうか、そうだな」
神娘「こちらとてお前の努力を、お前の誠意を、お前の信頼を無駄にはしたくない」
男「…ありがとう」
神娘「お互い様だ」

237: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 00:02:07 ID:UAsR/Ks2
男「まあ…なんだ、いずれ決まるよ」
神娘「だといいがなぁ」
男「…今は考えるのいいか」
神娘「それがいい、お前に考える顔は似合わん」
男「創かも…」
神娘「眠いか」
男「…ああ」
神娘「…今は休め、掃除も終わっただろう」
男「……」スゥ
神娘「……」


238: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 00:08:10 ID:UAsR/Ks2
ザワッ…
男「…またここか」
ザワザワザワ
男「暑い、眩しい…」ザッザッ
ザザ…
男「…海?」
ザブッ ザブッ
男「海だ、相変わらず広い」
ザザザ…
男「…風の音が聞こえる、波の音が聞こえる」
人よ、ああ
男「また、神様か」
ああ、ああ
男「こっちか?」
娘「……」

239: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 00:12:03 ID:UAsR/Ks2
娘「……」
男「(横顔も、雰囲気も、全部神様だ)」
娘「……」
男「(…この空間は一体何なんだ?)」
男「なあ、神様…」
娘「神ではない」
男「…は?」
娘「神な筈がない、こんな無力な存在が…神である筈が無い」
男「だって、あんたは」
娘「こんな…私が欲しいのはこんな力じゃなかった、こんな…」
男「なあ…」
娘「こんな事の為に神になったんじゃなかった!」
男「…へ?」
―――――

240: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 00:14:27 ID:UAsR/Ks2
男「……」バッ
神娘「起きたか」
男「…なあ、神様」
神娘「なんだ?」
男「……いや、やっぱり、いい」
神娘「変だな、妙な夢でも見たか?」
男「いや、なにも見てない」
神娘「はぁ」
男「(この正体が分かるまでは言わない方が良い…そんな気がする)」

241: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 00:20:15 ID:UAsR/Ks2
神娘「なあ神主」
男「うん?」
神娘「散歩にでも行かんか?」
男「別に、良いけど」
神娘「何か今日は散歩に行きたい気分だからな」

242: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 00:24:00 ID:UAsR/Ks2
―――
男「……」ザッザッ
神娘「……」ザカザカ
男「…」ザカッ
神娘「なあ神主よ」
男「ああ」
神娘「私は回復した、こうして平然と森を歩けるぐらいには」
男「そうだな」
神娘「死ぬばかりだった私はお前に生かされた、お前が生きろと願うから私は生きる事が出来た」
男「何が言いたい、何が言いたいんだ神様」
神娘「…さあ、自分でもよく分からん」
男「……」

243: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 00:54:51 ID:UAsR/Ks2
神娘「会った時と何も変わらない、お前はそう言ったな」
男「ああ」
神娘「そうは言ったが…私にとってのお前は、少しだけ変わってきている」
男「…どういえばいいのか分からん」
神娘「私だってわからん、今だって混乱している…」
男「落ち着け神様、なにかおかしい」
神娘「…すまん、私としたことが」
男「驚いた、神様でもあんな顔するんだな」
神娘「失報したか?お前は神が超然とした存在だと思っていたのか」
男「(寧ろ魅力的だったんだがな)」
神娘「今日は…帰れ、きっとそれがいい」
男「…ああ、じゃあ帰ってるよ」ザカザカ
神娘「……」
神娘「なんなのだ、これは!」

244:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/19(木) 00:58:47 ID:4GvZgKzY
鯉ですね

245:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/19(木) 01:00:54 ID:YdGBAU26
おや、そこの池にも鯉が

246:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/19(木) 01:05:17 ID:ts1I2hSU
なんだ鯉か

247: ◆lwQY2qw84A:2013/09/19(木) 01:07:51 ID:UAsR/Ks2
―――――
男「結局その本が原因だったと」
神娘「真面目な話だと思ったか?」
男「おおいに思った」
神娘「…すまん」
男「全く、どうしようかと思った」
神娘「思えば恋愛物なんて読んだ事なかったからな、感化されたのだろう」
男「神様って案外のめりこんじゃうタイプ?」
神娘「大抵の神はそうだが」
男「(付き合ってると大変そうだ)」
神娘「何か?」
男「なんでも

248:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/19(木) 01:08:05 ID:ZucHJtg6
どう考えても鯉だろうな

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