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神娘「我を呼んだか!」男「呼んでません」

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Part4
104: ◆lwQY2qw84A:2013/09/11(水) 22:29:13 ID:0JCLP/Pc
神娘「こほん…まあよい、もうじき私の力が一区切りつくわけだが」
男「そうだな」
神娘「その…1つぐらいお前に何か加護を与えてやれるかもしれん、まあ程度にもよるが
男「加護?」
神娘「謂わば私が絶えずお前の傍についているのと同じだ、どうだ嬉しいだろう」
男「といっても神様っていつも寝たりしているからあんまり心強くは感じないんだが」
神娘「言うな、信仰が集まった暁にはそんなぐうたらともおさらばじゃ」

106: ◆lwQY2qw84A:2013/09/11(水) 23:37:58 ID:0JCLP/Pc
男「それで、どんな加護が選択肢にあるのか非常に気になるのだが」
神娘「ふむ…今のところはこんなもんじゃ」バタン
男「…微妙だな」
神娘「まあそんなものだぞ、まだ本調子じゃないからな」
男「じゃあまだよしておくよ」
神娘「良いのか?ほんの僅かと言えどそれは神の力、人知の及ばない力を得られるというのに…」
男「別に、そういうの求めてないし…うん、自分が欲しいものが見つかったら頼むよ」
神娘「…やっぱりおかしな奴だな、お前は」

107: ◆lwQY2qw84A:2013/09/11(水) 23:59:26 ID:0JCLP/Pc
男「こうして掃除してるとさ、心が安らぐんだよな」
神娘「…良い所か?ここは」
男「ああ」
シャワシャワシャワ…
男「何と言うか、風が生きてるんだ」
神娘「…ほぉ」
男「なんだろう、ここの風に当たっていると心が落ち着くんだ」
神娘「読み取る力はある、という事か」
男「どう言う事だ?」
神娘「人の子よ、その安寧こそわが力の一端だとしたらどうだ?」
男「…つまり、神様は風を司る神様って事?」
神娘「半分は当りだ」

108:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/12(木) 00:10:37 ID:hD20FPhA
か-たん可愛い!
か-たん頑張れ!
か-たん会いたい!
か-たん見たい!

109:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/12(木) 00:21:54 ID:8HLSYqvw
かみさまかみさまー
パンパンナモナモ


110: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 00:25:23 ID:1REbaSbQ
男「半分?」
神娘「半分、と言うより解釈としては半分正解と言ったところか」
男「もう半分は?」
神娘「秘密だ」
男「なんだよもったいぶって」
神娘「もったいぶってなどいない、話す必要がないだけだ」
男「なんだそりゃ」
神娘「知る必要のない事だってあると言う事だ、特に短い時を生きる人はな」

111: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 00:36:07 ID:1REbaSbQ
男「なんか腑に落ちんな」
神娘「神が人に己の全てを晒すと思うか?」
男「なんか不公平なんだよな」
神娘「神と人の間に公平さは無い、つまりそう言う事だ」
男「……風が気持ちいいな」
神娘「ふふ、そうか…もっと褒めるがよい、もっと私を畏れるがよい、其れは皆我が力となる」

112: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 02:00:24 ID:1REbaSbQ
男「…よっと」ポンッ
男「なんだかすっかり日課になったな、これ…」
シャワシャワシャワシャワ…
男「…やっぱり違うな あそこと、こことでは」

113: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 02:18:50 ID:1REbaSbQ
ちょこっとづつしか進みませんがやっていきます
今日はここまで

115: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 19:32:27 ID:1REbaSbQ
シャワシャワ…
神娘「……」
ヒュゥゥ
神娘「……ふ」
カツカツカツ
神娘「来たか、人の子」
男「来たぞ」
シャワシャワシャワ

116: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 19:38:19 ID:1REbaSbQ
男「いつも思うんだが」
神娘「なんじゃ?言ってみよ」
男「ここって不思議な空間だよな、暑くもないし寒くも無い」
神娘「そりゃそうじゃろ、我の住みやすい空間にしてあるからな」
男「引き篭り万歳だな」
神娘「じゃがのぉ、代わり映えのない空気も苦手じゃて」
男「暑くしたりとか」
神娘「へばるからいやじゃ、熱いのは嫌いじゃ」
男「じゃあ寒くしたりとか」
神娘「この景色で寒かったら違和感がの」
男「景色は変えられないのか?」
神娘「…さぁの」

117: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 23:38:45 ID:1REbaSbQ
男「あー…眠い」ザカザカ
神娘「どうした?寝不足は万病のもとだぞ?」
男「とは言ってもなー」
神娘「なにかあるのか?」
男「昔から寝つき悪くてさー…ベッドとかだとあんまり寝れないんだよね」
神娘「うむ…それはゆゆしき問題…おお、良い解決法があった」
男「えっ、まじ?」
神娘「ここで寝ればよかろう!」
男「えっ」
神娘「えっ」

118: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 23:41:01 ID:1REbaSbQ
神娘「駄目か?」
男「いや…でもどこで寝ればいいの?」
神娘「どこで寝るとか決めてもらわんと寝れんのか貴様は」
男「でもなぁ…外で寝た経験なんて無くて」
神娘「寝たいと思った場所で寝ると良い、昔はこの神社の周りで寝るものが多くてな…」
男「…試してみるか」
神娘「掃除も終わった頃合いだろう、存分に寝ると良いぞ」

119: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 23:44:12 ID:1REbaSbQ
男「と、言われたはいいがなー…」
―――神娘「枕?そんなもの必要ないぞ、草があれば普通に寝れるものだ」
男「ほんとかなー…」
神娘「我を疑うのをよさんか、信仰に影響が出るだろうが」
男「聞こえてるのか…」
男「あー…ん?なかなか良さげなポイント発見」
男「物は試しだ、寝てみるか…」

120: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 23:47:06 ID:1REbaSbQ
男「よいしょっと」ゴロン
男「(草の香りがする、なんか落ち着く)」
ヒュゥッ
男「(風の音が聞こえる、虫の音が聞こえる)」
男「(そう言えばここって神様の膝元って言われてたよな…)」ボー
男「(つまり…これは神様の膝枕で寝るって事か……)」ウトウト
男「(なに…ばかな事を……考え…………)」
男「………むにゃ」
神娘「やっぱり寝おったな」

121: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 23:55:50 ID:1REbaSbQ
神娘「全く…神を信用せんとは不届き者め、私がお前を騙すわけが無かろう」
男「………」
神娘「第一だな、幾ら寝れんとはいえそんな不健康な面を見せるでないぞ、心配するだろうが」クドクド
男「………」ゴロン
神娘「全く、それにお前は神に対して不躾過ぎだと思うぞ」クドクドクド
男「……あー…」ゴロゴロ
神娘「それにだなっとぉ…いかんなどうにも、年を食うと説教臭くなる」

122: ◆lwQY2qw84A:2013/09/12(木) 23:58:47 ID:1REbaSbQ
神娘「…………」ジー
男「……」ムニャ
神娘「………」ウルッ
男「……」スヤスヤ
神娘「いかんな、どうにも昔に比べて涙腺が弱くなった」
男「……」グーグー
神娘「こやつはこやつであって、他の誰でもないと言うのに…思い出す」
男「……」
神娘「あの時は、たくさん人がいて…みんな笑っていて…」
男「……」ゴロン
神娘「ああ、駄目だなこれ…こんな間抜けづら、あやつには見せられまいて…」

123: ◆lwQY2qw84A:2013/09/13(金) 01:57:40 ID:Qh6Zth12
男「……ここは?」パチッ
ザワザワ
男「当り一面の野原が…」
ザワザワザワ
男「風が吹いてる、あの神社と同じ風が吹いてる」
……人の子
男「…神様?」
人の子、人の子ら
男「神様、誰を呼んでいるんだ?」
シャワシャワシャワ
男「虫の声が…」
娘「……」
男「…神様?」
娘「人の子よ」
男「あんた、どうして――――」

124: ◆lwQY2qw84A:2013/09/13(金) 02:00:54 ID:Qh6Zth12
男「……ん」パチッ
神娘「起きたか、随分心地よさそうにねおって」カラカラ
男「…こんなにぐっすり寝たのは初めてだ」
神娘「神の力じゃて、別におかしいことは無い」
男「安心すると言うか…なんだろう、誰かに守られている気がして」
神娘「…ふむ、人の子よ」
男「ん?」
神娘「お前が眠れないのはひょっとすると…なにかが憑いているのやもしれん」
男「えっ?なにが憑いてるんだ?」
神娘「分からぬ、我は厄払いではないから用意なしには見る事すらかなわぬ」
男「なんだ…ちょっと残念だな」
神娘「まあ用意すれば見る事も祓う事も可能…かもしれん」
男「凄いな、専門外の事までできるのか」
神娘「神じゃからな」

125: ◆lwQY2qw84A:2013/09/13(金) 02:07:16 ID:Qh6Zth12
男「…ひょっとして金をとられたりはしないよな?」
神娘「するかたわけが、信者の悩みを解決するのも神の仕事じゃて」
男「ありがたい、じゃあ頼むよ」
神娘「…疑うなよ、私を」
男「へっ?」
神娘「お前は我を信じよ、我はお前を裏切らん…約束しよう」
男「…もしかして最近信仰が減ってたとか?」
神娘「まあの、行いで打ち消して差引無しといったところだが…信用されてないと言うのは悲しい」
男「……」
神娘「分かったな?」
男「あ、ああ」
神娘「ではもう帰るがよい」


126: ◆lwQY2qw84A:2013/09/13(金) 02:08:58 ID:Qh6Zth12
男「よいしょっと」ガサゴソ
男「いやぁよく寝れた…神様に感謝だな」
男「それにしても…」
―――神娘「信用されていないのは悲しい」
男「…神様も悲しんだりするんだな」

128:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/15(日) 13:37:48 ID:4gF/watU
先生「それでは修学旅行に行きたい場所を多数決で決定する」
友「男よ、君と会うのは非常に久しぶりな気がする」
男「そうか?」
先生「では…」
友「しっかし修学旅行か」
男「どこに行きたい?」
友「うーん色々あるけど俺は一つかな」
男「ほぉ」
先生「では…」
友「そう言うお前だって決まってるんだろ?」
男「ああ」
先生「では最後、○○神宮!」
男「はい」
友「はいっ!」
先生「…決まりだな、では修学旅行は○○神宮とする」

130:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/09/15(日) 14:38:28 ID:4gF/watU
神娘「……ぐぅ」
男「神様?聞いてる?」
神娘「すまぬ、寝てた」
男「最近力を取り戻したんじゃなかったの?」
神娘「いやさ、事情があってだな…」ノビー
男「事情?」
神娘「案ずるな、後々話す」
男「あ、ああ…それで修学旅行に行く事になったからその間はここにはこれないよ」
神娘「なんじゃ寂しい…とは言わんぞ?若いうちは仲間とともに大いに騒ぎ、楽しむがよい」
男「常々思うけどやっぱり神様は神様なんだな」
神娘「はっはっは、我に普通を求めてはいかんぞ、神と人は違うからな」

131: ◆lwQY2qw84A:2013/09/15(日) 14:56:14 ID:4gF/watU
sageと酉忘れてた
神娘「して?どこに行くのじゃ?」
男「ああ、○○神宮」
神娘「○○神宮?」
男「神様と出会ったからな、折角だから正式な神宮に言っておこうと」
神娘「ここだって神社じゃぞ」
男「うーん、このご時世国に認められた唯一の場所と言うか…そんなの」
神娘「人が生意気な事をするのぉ」
男「言うなって、まあそう言う訳だから」
神娘「神宮…○○神宮のぉ…面白い事になってきおったわい」ニヤリ
男「なにか?」
神娘「なにも」

132: ◆lwQY2qw84A:2013/09/15(日) 15:03:34 ID:4gF/watU
男「で」
神娘「うん?」
男「見立てでは今日ぐらいに外に出られるぐらい力が溜まると言っていたが」
神娘「もしかして楽しみにしてたのか?」
男「それなりに」
神娘「あっはっは、そなたも案外子供…すまん」
男「あん?」
神娘「本当にすまん」
男「正直に何があったのか言いなさい」

133: ◆lwQY2qw84A:2013/09/15(日) 15:39:49 ID:4gF/watU
神娘「いやの?実は昨晩力が丁度溜まっての?」
男「うむ」
神娘「長らくこの神社から出られなかったのもあっての?」
男「はしゃいだわけだな」
神娘「……」
男「そうなんだな」
神娘「…そうだ」
男「それで体力使い果たして寝ぼけてたわけだ」
神娘「うむっ!」シャキーン
男「うむっ!じゃねーぞこら」

134: ◆lwQY2qw84A:2013/09/15(日) 15:54:13 ID:4gF/watU
神娘「だって嬉しかったから…」
男「神様もこっちの事言えんじゃないか」
神娘「ええい、お前には分かるまい!こっちは数百年は待ったぞ!」
男「確かにそう考えると酷だな」
神娘「まあ…すまんかった、折角信者であるお前が楽しみにしていたのに答えられそうにない」
男「体力の問題か?」
神娘「信仰を使えば回復出来る、が…お前が捧げた信仰をそんな事で使いたくはない」
男「(変な所で律儀なんだな)」
神娘「だから…今日はお前と外に行く事は叶いそうにない、すまん」
男「いや?方法はある」
神娘「あん?」

135: ◆lwQY2qw84A:2013/09/15(日) 16:00:57 ID:4gF/watU
―――――
男「こっちか?」
神娘「そっちにはあけびの実がある、旨いぞ」
男「ふむふむ…お、なかなか良い」
神娘「こっちにも寄越さんかい」
男「はいはい」

136: ◆lwQY2qw84A:2013/09/15(日) 16:01:36 ID:4gF/watU
神娘「いやぁ、まさか”おんぶをすれば体力を使わん”とか言われるとは思わんかったぞ」
男「(下心には気づいてないのな)」
神娘「はっはっは!中々快適快適!」
男「(やべえ、当ってる!当ってるってこれ!)」
神娘「次はこっちじゃ!桑の群生地があるぞ!」
男「(神様ってプロポーション最高じゃないか?神だからか?)」ジーン
神娘「…なんかやましい信仰が集まってきておるぞ?」
男「(不覚っ!)」
神娘「まあよい、こっちじゃこっち」
男「(あぶなかった…)」ホッ

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