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ディオ「そんな貴様が嫌いだったよ」

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Part4
104 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/04(木) 21:36:00 ID:wjP6HEd6
ポルナレフ「……ジョースターさん…まさかここにきて、次の日の出を待つなんてことは言わないよな…」
ポルナレフ「言っておくがジョースターさん!俺はこのままおめおめと逃げ出すことはしねーからなッ!」
花京院「僕もポルナレフと同じ気持ちです」
ジョセフ「……わしだって同じ気持ちじゃ…しかし、DIOが太陽の光に弱いということ。アヴドゥルとイギーを一刻も早く安全な場所に移さなくてはならんこと…」
ジョセフ「何より、ポルナレフ!お前が体感したDIOのスタンドの謎!それがわからん今、下手に動くことは得策と言えんッ!!」
ポルナレフ「う…う……」
花京院「………」
花京院「承太郎ッ!君の意見を聞こうッ!」
承太郎「……アヴドゥルとイギーを助ける……それと同時にDIOと戦う…つまり」
承太郎「二手に分かれて…挟み撃ちの形になるな」
ポルナレフ「!!」
花京院「………」ニコリ

105 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/04(木) 21:37:51 ID:wjP6HEd6
ジョセフ「……よし!わしと花京院はDIOを追おう。ポルナレフはアヴドゥルとイギーの居場所を知っている。承太郎、怪我をしている彼をサポートするんじゃ」
ジョセフ「DIOの肉体はジョナサン…わしの祖父のもの。承太郎もうっすらと感じておるかもしれんが、血の繋がりか、DIOの動きはなんとなくわかる。そしてそれはDIOも同じこと」
ジョセフ「二手に分かれるならばこの組み合わせがベストじゃろう。頼んだぞ、二人とも」
承太郎「ああ」
ポルナレフ「ジョースターさんも花京院も!無茶はするんじゃねーぜッ!?…俺はもう……友人を失うのは御免だ!!」
花京院「…わかっているよ。……ジョースターさん、急ぎましょう。陽が沈む、もうほとんど光が射していません」
ジョセフ「……ああ…ヤツの時間が…来てしまった」

106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/04/04(木) 22:39:10 ID:fH2yzEn6
上手くつなげるなぁ

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/04/04(木) 22:44:03 ID:vN.4p1aU
いいねぇ

108 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 00:37:31 ID:QsuX/h8w
ありがとうございます!

ディオ「……ヤツらは二手に分かれたようだな…」
ジョナサン「あれは確か…トラックとかいう自動車か。いつ見てもすごいパワーとスピードだ」
ディオ「……まずはジョセフを追う。この首の傷を癒すには、承太郎よりも貴様に近いジョセフの血が最適だろう」
ジョナサン「………」
・・・
ベギン
DIO「……前座席へ行け。運転してもらおう」
上院議員「おげえぇぇあああ~ッッ!!イイデェーッ」ピューッ
ジョナサン「おい、ディオ!あまり酷いことをするな!」
ディオ「フン。貴様は黙っていろ、偽善者が。耳障りだ」
DIO「…貴様もだ。ギャーギャー喚く気力があるなら結構。もう一度言う……運転しろ」バギボギベギ


109 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 00:38:36 ID:QsuX/h8w
上院議員「うぎゃああああ!! …ッ助け…助けてッ!」
ジョナサン「! そうだっ!逃げてくれ!」
ディオ「…無駄無駄無駄。このディオの力を忘れたか?」ドドドドド
・・・
DIO「……軽トラックに追いつくまで飛ばせ…追いつけなければどうなるか…」
上院議員「はッはいぃ~!!」

110 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 00:42:24 ID:QsuX/h8w
上院議員「じゅ…渋滞ですゥ~ッ…この時間帯は道路が混んでギシギシなんですゥ」
DIO「…歩道が広いではないか。行け」
ジョナサン「なっ!」
上院議員「ほ、歩道~ッ!?仕事帰りの人があふれていますよォォォ」
ジョナサン「やめろ、ディオ!!自動車にぶつかったら人が怪我をする!そんな事、許さないぞ!」
ディオ「………」
ディオ「………」クスクスクス
DIO「関係ない。行け」
上院議員「は……はいィィィィーッッ!!」ドドドドド
ジョナサン「やっやめろ!やめるんだァァァッッ!!」
きゃああああ!!
     ひぃいいッッ…!!
ジョナサン「ッ……!!ううッ!!くそ…くそぉッ……!!」ギリギリ
DIO「…もっとだ。もっと飛ばせ。近くでなければザ・ワールドは使えん」

111 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 00:44:22 ID:QsuX/h8w
DIO「………ん?」
ドドドドド
DIO「…これは…花京院の」
花京院「DIOッ!くらえ!エメラルド・スプラッシュ!!」ドバァァッ
DIO「………フフ」ビシィッ
花京院「!! なんてヤツだ…シートから腰を浮かさず指一本だけで弾き返した!」
DIO「………」
ディオ「………フー……」
ディオ「面倒臭いな。ジョジョ。お前がやれ」
ジョナサン「………ッ………ッ!!」
ディオ「やれ。過ぎたことをいつまでクヨクヨしている。相変わらず女々しいヤツだ」
ディオ「お前がやらぬならば、またそこらを歩いている人間を捕まえて盾にでもするか」
ジョナサン「………!」
ディオ「さあ。どうする?ジョジョ」

112 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 00:46:21 ID:QsuX/h8w
花京院「これならどうだッ!集中砲火エメラルド・スプラッシュ!!」ドババァッ
ジョナサン「………ッ!!」
ドッバァァァ!!!
花京院「なッ!!?」
ジョセフ「なんじゃと!?」
花京院「集中エメラルド・スプラッシュをも弾かれた……い、いや、それも脅威だが…それ以上の!!衝撃が!」
花京院「DIOの乗る自動車を護るように包んだあの蕀はッ!まさしく!!」
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」バァァーンッ
ジョセフ「それにあの量はなんじゃッ!?あれだけの蕀はわしも出せるかどうか……ハーミット・パープルにこんなにもパワーがあったのか!?」
花京院「DIOのスタンドは…ジョースターさんと同じハーミット・パープルなのか…?……ハッ!!」
ワールド「無駄ァッ!!」ドッゴォォン!!
花京院「ぐあああッッ!!」
ジョセフ「花京院!!」

113 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 00:48:46 ID:QsuX/h8w
ジョセフ「花京院!大丈夫か!?気をつけろ!ヤツに近づきすぎじゃぞ!怪我をしたのか!?」
花京院「す…すみません…つい…。し、しかし…ジョースターさん、見ましたか、今の」
花京院「DIOのスタンドは…2種類あるのか…?接近パワー型のスタンド…あれがザ・ワールド。そして…まるでジョースターさんのスタンド、ハーミット・パープルのような……」
花京院「わ…わからない…スタンドは複数持てるのか?DIOの謎は一体……」
ジョセフ「……むっ?………おかしい…ヤツの車が停止したぞ」
花京院「!! 気をつけてッ!なにか飛んでくる!」
ジョセフ「!? あれはッ、ぬおおお!!?」
ーー それは蕀!!ジョセフのスタンドと酷似したハーミット・パープル!
ジョセフ達を襲う蕀はたったの一本。しかしッ!太い!!ジョセフのハーミット・パープルを紐に例えるならば!襲ってきた蕀は綱!
それがジョセフ達の乗る自動車に、前輪タイヤに突き刺さり、パンクさせ!勢いそのままに自動車は転がり大破した!

114 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 00:51:07 ID:QsuX/h8w
ジョナサン「…すまない…運転してくれた彼の命を守るためだ」
上院議員「ひッ、ひッひッ」ガクガクブルブル
DIO「………ジョセフ達がいない。フン。上に逃げたか」
花京院「………」
ジョセフ「何をしている、花京院!早く来いッ」
花京院「ジョースターさん……DIOのスタンドの謎を解けるかもしれません」
ジョセフ「何ッ!?何か思いついたのか!?」
花京院「はい。…しかし、大きな賭けになるかもしれません。ハーミット・パープルそっくりのスタンド……謎の近距離パワー型スタンド……上手くいけばどちらの正体も暴け、倒せる…大きな賭けに!!」

115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/04/05(金) 01:13:43 ID:PQgyZSpE
アツいッッ!!

116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/04/05(金) 01:20:52 ID:4dapqeCE
予測不可能だ・・・これからどうなるのか・・・

117 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 11:03:58 ID:QsuX/h8w
ありがとうございます。

ポルナレフ「承太郎ッ!いたぜ、花京院とジョースターさんだ!DIOもいる!!」
承太郎「じじい達もDIOも建物の屋根を行ったようだな……」
DIO「…前方に…花京院とジョセフ。後方からはポルナレフと承太郎……二手に分かれた挟み撃ちか。フン。無駄なことを……」
ジョナサン「!! ディオ!下だ!!」
ドドンッ!!
DIO「ヌゥッ!これは……花京院のハイエロファント!」バシバシバシ
ジョナサン「後ろからも!」
ディオ「蕀でガードしろ!ジョジョッ!!」ドバァァッ
DIO「ハイエロファントの結界…!!」
花京院「近距離パワー型なら!半径20メートルも離れれば射程範囲外!蕀でのガードも四方八方から発射されるエメラルド・スプラッシュを防ぎきれまい!」
花京院「くらえッ!DIOッ!半径20メートル、エメラルド・スプラッシュをーッ!」ドドドドド
DIO「間抜けが…知るがいい!ザ・ワールドの真の能力は…まさに!『世界を支配する』能力だということを!」

118 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 11:05:40 ID:QsuX/h8w
DIO「ザ・ワールド!!」ドォン!!
花京院「 」
ジョセフ「 」
DIO「…これが…ザ・ワールドの真の力だ……もっとも、時間の止まっているお前には見えもせず感じもしないだろうがな…!」
DIO「終わったな!花京院ッ!!」
ジョナサン「(ーー ダメだ!!)」
ジョナサン「(このままでは!彼が!花京院が危ない!!守らなくては!血統を!友を!彼らを守らなくては、それが僕の使命なんだッッ!!)」
ジョナサン「ディオォォォ!!僕に!呼吸を合わせろーッッ!!」コオオオオ!!
DIO「!! 波紋ッ!?」ピキピキ
ジョナサン「突き出された拳は止められない!ならば!!その勢いはそのままに!」
ジョナサン「貫く力に波紋を乗せる!同時に纏うは、"くっつく"波紋ッ!!自身に受けるダメージはディオの気化冷凍法でガード!貫かれた彼の傷口はくっつく波紋で即!塞ぐッ!!」
ディオ「ジョジョォォ!!貴様ァッ!!」

119 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 11:07:36 ID:QsuX/h8w
ーー 時は動き出す!!
ドッゴォォォンン!!
花京院「グハァッッ!!……ッ!な…に……!?」
ジョセフ「なッ!?な、なんじゃと!?花京院!な…何が起こった!一体!これは!?」
花京院「き…気づいたら……殴り飛ばされていた…ううッ…!」
花京院「(ハイエロファントの結界も破られている…いつの間に…?あの蕀を奮った?違う…何も見えなかった、斬ったという感じじゃない、一瞬……一瞬のことだった…)」
花京院「(こ…こんな芸当がはたして可能なのか?結界を破り、僕を殴り飛ばし…それも一瞬で……まるで時が止まったかのように…)」
花京院「……時…まさか……DIOの謎のひとつは…時……!?うぐッ!」ズキン
花京院「(それでも…謎の全てが解けたわけじゃない。ハーミット・パープルに似たスタンドはなんなのか…そ……それに…DIOに殴られた箇所が…実に奇妙…ッ!)」

120 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 11:09:28 ID:QsuX/h8w
花京院「(貯水槽にぶつかった衝撃で骨が折れたか……?でも、殴られた腹の傷が……無い!貫かれたように服がズタズタに破れているのに、腹に痛みが残っているのに、傷が無い…!)」
ジョセフ「花京院ッッ!!大丈夫かァッ!?」
花京院「ハッ!ジョ……ジョースター…さん…!わ、わかりました、DIOの能力の…ひとつが……ッ」
花京院「(…ダメだ……酷く目眩がする…い、意識が……気絶する前に…伝…えなくては……ッ!!)」
ドゴォッ!!
ジョセフ「ッッ!!?」
花京院「ジ……ジョースターさん…気づいてください……、…こ、これが…DIOの能力……ひと…つ…」ガクッ
ジョセフ「花京院ッッ!!なんじゃ、何故時計なんぞをエメラルド・スプラッシュで撃った?何かのメッセージなのか…?」
ジョセフ「時計…壊す……時計が止まる……時が…止まる?………!まさか!まさかDIOのスタンド能力は!」

121 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 11:13:36 ID:QsuX/h8w
ジョセフ「ーー ハッ!?」
ポルナレフ「あれはッジョースターさん!DIOに追われている!?」
ジョセフ「ハーミット・パープル!!」ビシュウッ
ジョセフ「よしッDIOを捕らえたッ!!続けて食らえい!太陽のエネルギー波紋ッッ!」
ディオ「………」
ディオ「………フー……」
ディオ「老いぼれが……貴様のスタンドが一番なまっちょろいぞッ!!」
ジョナサン「彼も僕らにだけは言われたくないだろう」
ディオ「言ってる場合かァァァァ!!」
DIO(ジョナサン)「波紋を消すにはどうすればいいか?……答えは!もうひとつ波紋を作るッ!」
DIO(ジョナサン)「おおおお!波紋疾走ッッ!!」
ジョセフ「!!?」
ドッギャァァーンンッッ!!

122 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/04/05(金) 11:14:52 ID:PQgyZSpE
見てますよ

123 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 11:17:08 ID:QsuX/h8w
>>122貴様ッ見ているなッ!?(ありがとうございます)

ジョセフ「なッ…なっなっ…なんじゃと……!?い、今のは…確かに…"波紋"…波紋……じゃったぞ…バカな…DIOが波紋を使った…?」
DIO(ジョナサン)「………」
DIO(ジョナサン)「そもそも波紋を使えば加齢も抑えられる…見たところ、波紋の呼吸を止めているようだ。だからかな、僕の波紋でも弾けたのは」
DIO(ジョナサン)「…僕も子供の頃は嫌いだったさ、復習…なんて。一度習ったことをもう一度やるなんて、時間の無駄じゃあないか?遊びに行きたい!そう思っていたものだよ」
DIO(ジョナサン)「でも…ダメなんだ、それじゃあ。復習に復習を重ねて…積み重ねて…そして漸く身に付くのが…それが……知恵ってものなんだ」
DIO(ジョナサン)「サボってしまうと…よく鞭で叩かれた。そう!こうやって!!」バシィッ
ジョセフ「ぐあぁッ!!」


124 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:21:28 ID:QsuX/h8w
ドサァッ!!
ジョセフ「う…うぐぐ」
客1「なんだ?こいつはよぉ~」
客2「空からじじいが降って来やがったぜ」
客3「サンタさんよ、サンタさん」
客4「おい、じいさん!屋根の上で何してた?女でも覗いていたのか?」 ギャハハハハハ
ジョセフ「ッく……」
承太郎「! じじい……」
ジョセフ「承太郎!下がってろ!わしの方へ来るんじゃない!」
ジョセフ「DIOのスタンドの正体は時じゃ!時を止めるスタンドなんじゃ!それだけじゃあないッ、ヤツは…波紋も、ハーミット・パープルも……!」
DIO「ザ・ワールド!!時よ!止まれいッッ!!」ドォーーーン
ジョセフ「 」
承太郎「 」

125 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:22:24 ID:QsuX/h8w
DIO「最初はまばたきほどの一瞬しか止められぬ能力だった」
ジョナサン「(DIOの進む先の障害は僕の蕀が避ける)」
DIO「しかし……この首の傷がなじんでくるにつれ、2秒……3秒と長く止められるようになった」
ジョナサン「(しかし僕の孫をからかい、笑い者にしたのは許せん)」ビシッ! ビシッ!
DIO「楽しみだ…だんだん長く時間を止めるのはな……」
ジョナサン「(怪我をしているかもしれない人間を!助けもせず笑うなど!紳士として恥ずべきことだぞ!)」ビシビシィッ!!
ディオ「………貴様は何をやっている、ジョジョ」
ジョナサン「………」フーフー
DIO「……おっと。ジョセフは波紋で全身をガードしているんだったな」
DIO「百年前は手を焼いた波紋も…貴様の祖父が直々に指導してくれたおかげで学習ができたぞ?フフフ…」

126 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:23:44 ID:QsuX/h8w
DIO「更に!我がスタンド、ザ・ワールドの前では全くの無力ッ!」
ジョナサン「!! ディオ…それはナイフ!?」
DIO「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」ビシュッ!!
ジョナサン「あっ!な、なんてことを!!」
DIO「ジョナサンの孫……ジョセフ。これで貴様は死んだ!……1秒前…ゼロ」
ーー 時は動き出す
ジョセフ「!! うぐっ!ぐあぁ…」ドバァッ
承太郎「!!!」
ジョナサン「なッ!なんてこと!!なんてことを!ディオォォォッッ!!」
承太郎「………野郎……DIO……!!」ドドドドド
ジョセフ「うが…あ……ああう…」ズシャァア
ジョセフ「に……逃げろ……承…太郎……」
承太郎「……じじい……」
ジョセフ「距離を……距離を、取るんじゃ…離れ………ろ…」

127 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:25:07 ID:QsuX/h8w
ジョナサン「ああああ!!なんということだ…僕の……僕の孫が…エリナと僕の孫が…死んでしまう!!目の前で!」
ジョナサン「そんなことッ!あってはならないことだッ!!」
ジョナサン「エリナ!エリナァァ!!僕に力をーッ!!!」
ーー 運命ッ!
ここでジョセフの命は尽きてしまうのか。ジョナサンの叫びはただ虚しく響くだけなのか。
違う!運命は!掴める!!繋がる!手繰り寄せるッッ!!
ジョナサン「ジョセフゥゥゥゥッッ!!!」ドシュゥゥッ
ーー 彼らを縛る運命が!血統が!蕀が!
今!繋がったッッ!!
・・・
ジョセフ「………」
ジョセフ「………んが、」

128 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:26:47 ID:QsuX/h8w
ジョセフ「ん~…ムニャムニャ……あと三時間…」
ジョナサン「………寝坊助にも程があるぞ。起きろ」
ジョセフ「…んが?あ…?なんだ、ここ。暗いとも違うし……黒いとも違う…」キョロキョロ
ジョセフ「それに、これもなんだァーッ?顔の皺がねェッ!ダンディーな髭もッ!!義手でもないぞッこれは俺の手じゃん!」ペタペタ
ジョナサン「簡単に言えば精神の世界だからね。感覚に合う姿になるんだろう。もっとも…感覚だけなんだから、"姿"というのも、おかしな話なんだけど」
ジョセフ「!! 誰だッ」
ジョナサン「間に合って良かった…本当に……目元はエリナ似かな?真っ直ぐで煌めく力を感じる…ああ、本当に良かった…ありがとうエリナ…力を貸してくれて」
ジョセフ「だから誰だって聞いてんだよッこのスカタン!ノックしなきゃ~返事はしねーのかァッ、呆けてブツブツと俺のばあちゃんの名前を呟いて………え?」

129 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:28:56 ID:QsuX/h8w
ジョナサン「だけど性格は誰に似たんだ?荒々しく乱暴で血気盛ん、…スピードワゴンにか?」
ジョセフ「目には見えない……耳に聞こえない…でも、なんでだ?姿を感じる、声を感じる!あっ頭がパンクしそうだ!!」
ジョセフ「そうだッこの姿!思い出した!昔、エリナばあちゃんに見せてもらった!肖像画!!まさかッ!あんたはまさか!?」
ジョセフ「じっじっ……じいちゃん!?ジョナサンじいちゃんなのかッ!?」
ジョナサン「………」ニコリ
ジョナサン「間に合って良かった。ディオの攻撃を受けて倒れた時…ディオから身を守るために全身を波紋でガードしていたこと、ハーミット・パープルを巻きつけていたこと、それが良かった」
ジョナサン「こうして蕀同士を絡め、繋げ…波紋に波紋を乗せて、君を引き止めることができた。本当に…良かった……」
ジョセフ「オーッ!ノーッ!!」
ジョセフ「おっおっ俺はァァァ死んじまったのかァーッ!?ここは天国か!?だってじいちゃんがいるもんなーッ!やっぱり死んじまったんだろーなァーッ!」

130 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:31:35 ID:QsuX/h8w
ジョナサン「………」
ジョナサン「君は死んでいないよ。死なせない。何故なら僕が守るからだ。エリナが守るからだ」
ジョナサン「だからこの蕀を解くな。手を離すな。今……僕の波紋を君に渡す。そうすれば復活できる」
ジョナサン「昔、僕の師匠がそうしてくれたように。ツェペリさん、彼がそうしてくれたように。君に僕の全てを伝える。……波紋で!」
ジョセフ「ツェペリ!?じいちゃんもツェペリを知って……いや、そうか、そうだよな。シーザーが話していたもんな」
ジョナサン「シーザー?」
ジョセフ「シーザー・アントニオ・ツェペリだよ、そいつから聞いたんだ。シーザーのじいさんも、俺のじいちゃんと一緒に戦ったってさ」
ジョナサン「……ツェペリさんの孫ということか?それは…実に奇妙な因果か、関係か……というかツェペリさん、血縁者がいたのか…あれ?」
ジョナサン「…まあいい、その辺りは察しよう」

131 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:33:51 ID:QsuX/h8w
ジョセフ「でッでもさッじいちゃん!波紋を渡したらじいちゃん、死んじゃうんじゃないか!?俺ヤダぜッ!そんなのヤダぜッ!」
ジョセフ「波紋はもうまっぴらごめんだ!確かに便利だけどさ、修行はチョー厳しかったしィ~ッ!今でもうっかり思い出すと呼吸ができなくなるよーな感覚になるんだ、ムカつくぜーッあのマスク!」
ジョセフ「それに、波紋を渡されるとか絶対イヤだ!もうイヤだ、二度も味わいたくねーんだよッ!大事なヤツが死んで!最期の形見が波紋!割れちまう、消えちまう波紋なんて!」
ジョセフ「スージーQと一緒にいられなくなる波紋なんて!もうイヤだッ!!たまに使うくらいが丁度イイんだよッ!多様しちゃあダメなんだ!」
ジョナサン「………」
ジョナサン「………この世界では…嘘が吐けなくなる」
ジョナサン「自分でも全く気づかない"本音"……普通なら聞くことのできない、自分でも聞けない本音。自分なのに知らない本音」
ジョナサン「吐き出すことで、またきっと、強くなれる」

132 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:36:23 ID:QsuX/h8w
ジョナサン「でも…ダメなんだ…それだけじゃあダメなんだ」
ジョナサン「覚悟を決めろッ!!ジョセフ!!」
ジョセフ「」ビクッ!
ジョナサン「紳士だったら!男だったら!!泣くんじゃない、泣き言を吐くんじゃないッッ!!」
ジョナサン「覚悟を決めろ!でなければ君の大事な人をまた失うぞ!?君の友を!妻を!娘を!孫を!!また失うことになる!」
ジョセフ「………」
ジョナサン「覚悟を決めて大切なものを守る!友人を守る、家族を守る!!それが男というものだ!」
ジョナサン「覚悟を決めた己を守り通すのが男というものだ!!」
ジョセフ「………」
ジョナサン「僕は死なない。いや、実際はとっくの昔に死んでいるけれど。僕は生きているよ、生きるよ。君の心の中に」
ジョナサン「君は思い出してくれたじゃあないか……僕のことを。それが…証さ。僕が生きている証。ありがとう、ジョセフ」

133 : ◆3ZVjJ8NVGc:2013/04/05(金) 17:37:57 ID:QsuX/h8w
ジョセフ「………じいちゃん~……」
ジョナサン「君達を守りたい…そう思って、その為に僕は……酷いことをたくさん、たくさんしてしまった…ディオを止められなかった…」
ジョセフ「そ…んなこと……ないぜッ、じいちゃん…じいちゃんはカッコイイよッ……」
ジョセフ「だって、俺のじいちゃんだもんなッ、カッコイイ俺の、カッコイイじいちゃんだもんなッ!でもッそれでもじいちゃんが悔やむんなら!嘆くんなら!!」
ジョセフ「殴ってやるぜ、じいちゃん!腹が立ったら殴る!疲れるまで殴る!俺もよくやったんだ、シーザーと。アイツ、キザでスッゲー腹立つからよ、ちょっとムカついたらすぐ殴りあった」
ジョセフ「でも、そのあとはスッゲースッキリするんだ……ムカついてたことなんかキレ~さっぱり忘れちまってさ、そんで…そんで、一緒に飯を食いに行くんだ」
ジョナサン「………」
ジョセフ「それまでムカついてたことなんか、ぜ~んぶ忘れちまうんだ…」

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