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勇者「真夏の昼の淫魔の国」

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Part9
289 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/11(水) 02:34:23.83 ID:+kMTB924o
とうに日の落ちた林の中に、様々な虫たちの声が響き渡った。
轡を鳴らすような声、鈴を揺らすような声、それは、あのローパーが訪れる前とは違っていた。
風は、冷たかった。
雨で冷えて日が落ちたせいもあるかもしれないが、質そのものが違う。
それは、『夏』の風ではない。
「……『さっさと終われ』と思っていても。『終わり』は寂しいな」
もう、『暑く』はならない。
うだるような暑気は去り、突き刺すような日差しも去り、温ま湯をかけるような風も去る。
多少の残暑はあるのだろうが、恐らく頂点は越した。
『夏』が終わり、『秋』が来る。
すっかりと暮れた空の下、少し荒れた果樹園に背を向け、『馬』の待つ納屋へ戻る。
ポケットの中には、あの地図と『卵』。
おかしな事に、その二つは結びついていたものだという実感がある。
鍵もついていない扉を押し開けると、藁の上に――――裸の少女が寝ていた。
「お……っ!?」
「……ん。うるさい」
「何だその姿。夢の中限定じゃなかったのか!」
「いつでもできる。……弱ったり、疲れても……こう、なる」
少女――――ナイトメアの変身態が起き上がると、柔らかそうな白金の髪から藁が舞い落ちた。

290 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/11(水) 02:35:29.87 ID:+kMTB924o
「王さま。そろそろ、帰る……か?」
「その予定だが……どうかな。彼女を一人置いていくのが、心配だな」
「コマす?」
「なんでそこだけ流暢」
「いちおう、淫魔、だから」
「あぁ、そう……。今日から寒くなる。その姿なら、家に入れるだろ。一緒に寝るか?」
「いや。寒くない。ここがいい。……藁の匂い。落ち着く」
言うと、ぼふっ、と藁山の上に身を投げ出した。
まるでベッドの上に飛び込む少女のようで、微笑ましくもあった。
――――藁山の沈み具合さえなければ、だが。
姿を人に変えてはいるが、重さは『馬』のままだ。
寝返りを打つだけで、人など圧殺できてしまう。
「……王さま」
「ん?」
藁に顔を押し付けたまま、ナイトメアに呼びかけられた。
「たのしかった。……お城の外、出るの。……すごく、たのし、かった。……ありがと」
「……ああ、俺も楽しかった。ありがとう」
「また、どこか、行くとき……乗って、くれる?」
「もちろん」
「そっか。……役に立てて、うれしい。すごくうれしい」
「……ごめん。怖い目に遭わせてしまったよな」
「だいじょうぶ。わたし、飛べるから」
つい――――聞き漏らしてしまいそうだった言葉は、聞き捨てならないものでもあった。
「は……?」
「……翼、出すのがおそかった。だから、ちょっとだけ……ケガ、した」

291 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/11(水) 02:36:52.53 ID:+kMTB924o
藁山の上で足をばたばたさせて、そんな事を口走る。
思わずあんぐりと口が開いてしまい――――すぐに、疑問が飛び出た。
「待てよ、飛べるんならなんで走る」
「だって……王さま、『飛べ』っていわなかった。だから」
「馬に『飛べ』なんて命令するかっ!」
「……常識、よくない。捨てなきゃ」
「『地面に潜れ』って言ったらできるのか」
「できるわけない」
「……泳げる?」
「水の上なら、走れる。がんばる。あと、……光線、ちょっとだけ吐ける」
「『淫魔の常識』は非常識すぎる。……努力するよ」
「がんばって」
「…………うん。頑張る」
「よろしい。……それじゃ、おやすみなさい」
「……ああ、おやすみ」
どうにも釈然としない気分を残して、納屋を出る。
振り返った時には――――もう、『少女』はいない。
藁の上に寝そべる、白金の牝馬がいるだけだった。

312 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:06:59.98 ID:88AhXJAHo
****
夜も更けて、居間で毛布に包まりながらポケットの中身を漁る。
窓から差し込むわずかな月明かりで照らすと、それは妙に鮮明に見えた。
「……どう繋がるんだ。…………誰か、コイツの言葉が分かる奴でもいればな」
死斑のような色合いの『卵』はほのかに暖かく、確かな存在感を発していた。
襲いかかってきておきながら、今はもう何も敵意に類するものはない。
余力を残しておきながら、よもや降伏でもなく。
表情も発声器官も無い『ローパー』が何を考えているかなど、分かるはずもなかった。
ナイトメアに見せてみる気にもなれない。
「……おかしな気分だよ、まったく」
ポケットに再び戻しながら、今度は『城』を思い浮かべる。
ここにやって来た時には、まるで、『帰ってきた』ような安堵感まで覚えていたのに。
今この瞬間となっては――――その逆にある。
何となくそんな気分を誤魔化すように、サキュバスCの様子を見に行く事にした。
そう広くもない家で、食卓と台所を兼ねた居間に寝室、物置、といった構成だ。
居間から十歩も歩けば、すぐに辿り着く。
そこには鍵も扉もなく、戸口からすぐにベッドが見えた。
まず、耳をそばだてて戸口から様子を探る。
聴こえるのは寝息と、窓の向こうからの虫の声。
次いで覗き込む。

313 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:08:01.17 ID:88AhXJAHo
『右脚』のない彼女は、とても小さく見えた。
戸口に背を向け、毛布に包まって眠る姿は小さくて、今にも折れてしまいそうだった。
窓辺のテーブルに置かれた『脚甲』は青白い月光に煌めき、夜の海のように光っている。
「……オイ。いるんだろ」
「!」
あちらを向いたままの彼女から、声をかけられた。
別に気配を隠してはいなかったので、当然とも言えるが、察知されたようだ。
「……入って来なよ、『王様』」
軋みを上げる床板を踏みしめ、近づき――――ベッド脇の椅子を引き寄せて腰掛ける。
「……違う」
「何が?」
「…………部屋に、じゃねえよ。その……分かんだろ?」
「え……」
「……さみーんだよ。寒くて寝れねぇ。……それに、アンタが言った事じゃん」
数秒だけ逡巡して――――意を決して、靴を脱ぎ捨てて、言われたようにした。
ベッドに片膝を載せた時、彼女の身体がぴくりと震えたように見える。
近づけば近づくほど、更に、ぎゅっと縮こまっていくかのようだった。
手狭なベッドは、二人並んで寝るには窮屈だと思われたが予想したほどではない。
枕は取られているため、彼女の後ろ姿を見つめるように、腕を枕に横たわる。


314 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:08:50.07 ID:88AhXJAHo
「アンタ、さ。元の世界に帰りたいな、って思った事ないの?」
「……ああ、思ったな。つい最近。ここ数日でね」
どこかしおらしくなった口調の問いに、正直に答える。
更に返ってきた言葉は、彼女のものとは思えないほど、弱い声色だった。
「……送ってやっても、いいんだよ。人間界にさ」
「それは……遠慮するよ」
「どうして?」
「俺は……帰る場所がある。そしてもう、人間界にはない。……それだけさ」
人間界への望郷は、ここで過ごした日々で満ち足りてしまった。
城に居たときに覚えたそれは、全て溶けていった。
そして、今思うのは。
――――――帰るべき場所の事。
「……あのさ。帰る前にさ……返して、いけよ」
「?」
「…………だ、だから……。アタシ、と……その……さ」
切れ切れの言葉が、繋がり切る前に。
手を伸ばして、毛布越しの彼女の身体を、後ろから抱き寄せた。
横向きに寝ていた彼女を引き倒し、仰向けにすると――――闇に慣れた目は、気恥ずかしそうな表情を捉えた。
噛み締めた下唇には八重歯が食い込み、今にも裂けて、血が流れ出しそうだ。

315 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:09:22.56 ID:88AhXJAHo
「……アンタに、触られると……さ」
「俺に……?」
「ん。……脚、何も……感じなくなるんだ。ちゃんと。ちゃんと……無くなってくれるんだ。……痛く、なくなる」
「別に、何もしてないんだけどな」
「…………わかんねェよ。もう……わかんねェ。さっさと……触っ、て……」
サキュバスCが、毛布の中から握り締めていた手を解くと、毛布を下方へ下ろし始めた。
彼女は、許容の意思を見せた。
閉じ込めていた姿を――――見せてくれる、という。
毛布を下ろすと、彼女は左足でそれを追いやり、覆われていた裸身を晒してくれた。
質量を備えた乳房は重力でたわみ、その先端は――――見えなかった。
「アタシの……中に、引っ込んじまってんだ。……変、だよな……こんなの」
「いや」
指先で、乳頭のあるべき場所に触れる。
彼女の言った通り、内側に陥没してしまっているようで――――少し指先の力を強めれば、
内側に、確かにこりこりとしたものがある。
しばし、緊張を解すように乳房の先の色づきを撫で回していると、小さな喘ぎが漏れ聞こえ始めた。

316 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:10:03.62 ID:88AhXJAHo
「っ……ん……ふぅ……!」
「……可愛いな。……すごく、可愛い」
「る、せぇ……! こっち、見んな……よぉ……!」
抗議とともに、サキュバスCは真っ赤になった顔を押さえて隠す。
がら空きになった胸を更に愛撫し、落ち込んだ乳頭を外から搾り出そうと引っ掻き、乳輪を摘む。
そのたび、しゃっくりのような声が漏れて、身体が跳ねて――――時おり、高い喘ぎに化けた。
覗かせかけた乳首の先端を爪で穿つように弄ぶと――――。
「んあ、あぁぁんっ……!」
淫悦の叫びが、手狭な寝室を震わせた。
「もうそろそろ、出てきそうだ」
両方の乳房を弄ぶうちに、彼女の内側に窪んだ乳首は硬くなり、下の秘部からはとろりと蜜が流れ落ちた。
そこで、一気に吸い寄せようと――――まず、右の乳房に口を寄せた。
ほんの少し汗の匂いが鼻腔をくすぐり、唇を通して、固ゆでした卵のような弾力が伝わる。
唇に隠した乳輪の中心にある、硬いものを舌で探し当てると――――強く、吸った。

317 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:11:10.72 ID:88AhXJAHo
「あっ……か、ふ……ぅぅぅ……! そん、な……強く……!」
更に強く、強く吸うと――――彼女の背が反れて、段々と持ち上がる。
まるで乳房を掴んで持ち上げているようで、淫楽とはまた別の面白さまで覚えるほどだ。
――――やがて、乳輪の内からむくむくと、硬くしこった乳首が起き上がる。
そこで唇を離すと、ちゅぽっ、という音とともに唾液の糸を引きながら、彼女の体がベッドへ落ちて行った。
「……さて、次。もう片方残ってるな」
「えっ……!? ま、待て……よ……オイ……! やめ、やめろやめろ! やば、いって……ひゃぁぁっ!?」
要領を掴んだため、次に――――左の乳房へは、容赦なくかぶりつく。
「かっ……は……! 吸い、す……ぎぃ……!」
同時に、露わになった右の乳首を指先で引っかけながら、ゆっくりと揉み解す。
やや固めの手触りは、痛みを与えないようにするために神経を使う。
最初は表面を滑らせるように。
少しずつ、少しずつ馴らしながら力を加えて、律動を刻むように。
興が乗ってきたころに――――口の中に、ようやく左の突端の感触を捉えた。

318 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:13:07.19 ID:88AhXJAHo
「は、ぁ……。くそ……! 赤んぼ、かよ……胸ばっか……!」
「でも、出てきたな。見えるか? こんなに硬くなってる」
きゅむっ、と両方の乳首を摘み上げる。
こりこりと弾力があり、まるでそれ自体が性器のように、尖り、昂っていた。
一しきり、その手触りを楽しみ、普段は毒づく彼女の甘い吐息を愉しむと。
次に、目指したのは――――下肢の付け根。
必然、腿から先を欠いた、彼女の右脚が目に入る。
膝上の十センチほどで欠損して、断面には皮が張っていた。
触れると、断ち切れた神経が奇妙にくすぐられるのか、彼女の喉が震えて、忍び笑いに似た声が漏れた。
「っ……ごめんな。綺麗な体、じゃなくてさ」
「……人間を、俺達の……もしかすると、俺の祖先を守ってくれたかもしれない体だ。綺麗じゃないわけが、ないじゃないか」
「……て、め……! ハズく、ねぇのか……んな、クセェ事言って……!」
「本心さ」
引き寄せられるように――先ほど彼女の乳首を引き出した唇を、右の腿へと寄せる。
貴婦人の手を取ってそうするように、右腿へ口づけする。
続けて、舌を這わせていくと、汗の味と、ほのかな金属の香りがした。

319 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:14:04.53 ID:88AhXJAHo
「んっ……ん……! やめろっ……って……! そこ、……敏、か……きゃひっ!?」
腿を持ち上げ、裏側を嘗め上げると、仔犬のような喘ぎを発した。
千年の間閉じ込められていたそこは恐らく、感覚が昂って一種の性感帯になっていた。
ぺろりと嘗め上げ、唇で吸っているだけで、すぐ目の前にある秘所がひくひくと痙攣して蜜が漏れて、シーツに沁みを広げていった。
「……そろそろいいか?」
「えっ……は!? お、おい……! 早い、って……!」
「俺も、限界なんだよ。……その……可愛、すぎて……」
「っ……へ、変な事……言うな、テメ……! 死ね、もう……死ねっ……!」
「なら……君も道連れだ」
「や、っ……ちょ、待て……待って……!」
「?」
圧し掛かると、サキュバスCが両手を突っ張り、肩を押し留めた。
顔はこちらを見つめようとしては逸らし、視線は泳ぎ、落ち着きが無い。
やがて、彼女は――――声を震わせて言った。
「その……さ。千年、ぶり……なんだ。だから、さ……ぁ」
そこで溜めをつくり、開き直ったように、静かに言う。
「……いっぱい、いっぱい出さなきゃ……許さねぇ、からな」

320 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:14:38.39 ID:88AhXJAHo
彼女は、ゆっくりと、誘うように、ゆっくりと身体を開いた。
星明りを照り返す夜の海にも似た、楚々とした『銀色』が、『淫魔』の中心を為す部位を囲っていた。
「…………早く、早く……。アンタので、壊しておくれよ。アタシの……痛み、さ」
月明かりに、彼女の潤んだ眼が見えた。
その懇願、否――――『求め』を受け取ると、ゆっくりと、彼女の割れ目に先端を押し付ける。
少し盛り上がった肉の反発は強く、蜜の滑りをともなってなお、それ以上の進入を拒むようだった。
それは恐らく、彼女の鍛えられた肉体のしなやかさと強靭さが、そうさせているのだろう。
「……少し……強く、いくぞ」
返事を待たずに、千年の『壁』へ吶喊するように、あえて、勢いをつけて止まらずに、彼女の『肉』を割り広げていく。
「んっ……あ、あぁぁぁ……! は、入って……!」
締め付けの強さは、『肉』の門だけではなく、その内側に至っても、そうだった。
ごり、ごり、という感触が強い。
湿り気は伴っていても、なお――――ぎこちなくて、荒い。
粘膜との摩擦より、暗闇の道中を削り落として無理やりに侵入しているようで、どちらかといえば凌辱しているような感覚がある。

321 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:15:53.57 ID:88AhXJAHo
「……っ、痛く……ないか? 少し止める、か?」
ぎゅうぎゅうに締め付けられながら、およそ三分の二を埋め込んだところで、彼女へ問う。
枕の端を必死で握り締め、左足はこちらの太腿を強く挟み込み、痛みに耐えているようにも見えた。
やがて、少しして……ぎゅっと瞑られていた瞼がゆっくりと開き、こちらを見た。
「……ん。アタシ、なら……大丈夫。いいよ。アンタが、気持ちいいなら……アタシは、それでいいからさ」
サキュバスCがそう言い、僅かに口端を吊り上げて笑ってみせたのを皮切りに、動き始める。
引くにも、押すにも、ぎちぎちに絡みつく肉の襞の抵抗が強い。
こなれてはきても、どこか頑なで――――まるで、彼女の失った『脚』を補っていた、あの無骨な脚甲のようだった。
ゆっくりとした調子の抽挿を繰り返し、馴染ませながら――――身体を倒し、左腕を彼女の腰に差し入れ、浮かせる。
ただそれだけのつもりだったのに彼女の体は軽くて、上半身全体が、浮いた。
そのまま背を下から支えながら、覆いかぶさるように、肉を貪る人狼のように、彼女の乳房へかぶりつく。
前歯を立てて乳首を挟んだ拍子に、彼女の声が、甘い波濤になった。
「や、んっ……!」

322 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:16:39.62 ID:88AhXJAHo
舌先を用いて転がし、音を立てて吸い、前歯で甘噛み、歯ぎしりに巻き込むように摩擦する。
その度彼女の背筋が反れ、引き攣り――――連動するように、下部の「繋がり」にも力が込められ、緩んだ時には一段ずつ、頑なな洞穴は柔らかな肉の襞へと変わっていった。
「っ……お、っぱ……い……ばっか……! で、出ねぇ……か、ら……!」
「ぷはっ……。でも……気持ちいいのか?」
「うるせぇ……。もう、……あの、さ。……あぁ、畜生……恥ずかしいな、クソッ」
赤面しながら、しどろもどろに言葉をつづけ――――不意に、ぐいっと頭を引き寄せられる。
すぐに、耳元に口が寄せられ――――
「……あ、アタシを……めちゃくちゃ、に……して…………よ……」
どこかで聞いたような、そんな――――哀願。
それを聞いた時、理性とは反して、腰が動き――――激しいストロークが、意思とはほぼ無関係に開始した。

323 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:17:29.88 ID:88AhXJAHo
「あ゛ぁぁぁぁっ! す、凄……! なか、が……ぁ……!」
部屋に響き渡る、肉の破裂音と湿った摩擦音は――――もはや、窓を突き抜けているような気がした。
負けじと跳ね上がるサキュバスCの小さな体には汗の玉がびっしりと浮いて、揺らされる体に流れ、艶やかに光っている。
「い、いい……よぉ……! 突いて、突いてぇっ! もっとぉ……!」
熟して潰れた桃のような、崩壊を招くほどの甘みを帯びた声色は、これまでの彼女とは似ても似つかない。
嬌声は『サキュバス』の――――『夜』を貪る魔族、そのものだ。
「あ、あぅぅぅっ――――! い、イくっ……! イくぅぅっ……!」
絶頂を迎え――――彼女の膣内がぎゅぅっと収縮し、ぴくぴくとモノを甘く締めながら、痙攣する。
まだ一度も精を放っていないのに、彼女はこれで、四度目の絶頂となる。
まるで空白を埋め、再び、『淫魔』としての感覚を取り戻していくように――――激しく、彼女の身体は月に踊る。
「……ち、く……しょぉ……!」
絶頂の波をまた一度越え、ほんの少しだけ、彼女の意識が引き戻された。
「……なぁ。……そろそろ……出して、くれよ。焦らさないでさ……」
「……君が悪い。早すぎる」
「っ……うる、せぇよ……バカ。ほら、早く……」
悪戯心を出して抓るように、秘部がきゅっと締まった。
答えるかわりに、再び開始すると、彼女の生意気な口は、再びなりを潜めてしまう。

324 : ◆1UOAiS.xYWtC :2013/09/12(木) 03:17:59.48 ID:88AhXJAHo
もう、きつさ、硬さは無い。
鍛えられた下肢の肉が締め付けを生み出し、引き絞るような快感を『男』に届ける、魔性がある。
『淫魔』の肉の壺は、魔性。
溶け崩れるほどの快感をその内に宿した、魅惑にして禁断の果実。
楽園の果てに待つのは――――堕落。
やがて、サキュバスCの身体が、食虫花のように閉じていく。
左脚、尻尾、両腕で強く締められ、引きこまれ――――動きを奪われた。
「く、ぅ……! 出っ……!アタシの、中……いっぱい、に……して…!」
必死で絶頂を堪える彼女に、『五度目』が近づいた頃。
ようやく――――『精』が放たれ、瞬間、彼女の両目が輝きを放ち、その全てを体の奥から吸収した。
「っ……あ、あぁぁぁ――――――! 出、て……るぅ…………!」
どくどくと放つ精液は、子宮、卵巣……いや、その奥にある心臓にまで吸い取られていくように思えた。
サキュバスCの身体の周りに光の粒子が舞い、それは、呼吸するように少しずつ、彼女の身体へ収束し、浸透していく。
長い射精を終えて『自信』を引き抜くと、精液の糸は引かなかった。
あれほどの射精をしたのに、モノにまとわりついているのは、彼女の『蜜』だけ。
その理由は、考えずとも分かる。
全て。
全て――――彼女は、吸収してしまったからだ。
その直後、改めて――――仰向けのままの彼女に、抱き寄せられた。

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