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勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
ワルキューレ編

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Part9
132 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:50:38.00 ID:h7sEMOtHo
堕女神「……陛下、お目覚めですか?」ガチャ
勇者「ああ、起きてるよ」
堕女神「…『ゆうべはおたのしみでしたね』」
勇者「言いたかったんだろうが、全然楽しめてなんかいないよ」
堕女神「何かありましたか?」
勇者「何もできなかったんだよ。……あのワルキューレがいきなり熱出して咳き込んで、冷や汗かいて震えだしやがった」
堕女神「いい気m……い、いえ。ゴホン。地下に幽閉して、雨にも打たれ、ろくに食事もしてませんでしたからね」
勇者「お前、今明らかに『いい気味』って……まぁとりあえず、敵意は無いようだし、適当に看病してから国に帰してやれ」
堕女神「はい、かしこまりました。ただちに準備を」バタン
勇者「おい、聞こえてたな?調子が戻ったら帰れ」
ワルキューレ「…す、すまな……ゴホッ……」
勇者「いいからもう少し寝てろ。……久しぶりに真面目こいたのが惨めな気分だ」

133 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:51:06.34 ID:h7sEMOtHo
堕女神「失礼します、陛下」コンコン
勇者「早いな、おい」
堕女神「彼女の部屋とベッドを暖めました。それと、陛下の朝食の準備が整っております」
勇者「ああ、ご苦労。彼女にも何か頼む」
堕女神「心得ております」
勇者「という訳で、一度起きろ。お前の部屋に戻れ」
ワルキューレ「………」
勇者「……いや、違うか」
ワルキューレ「……!」ガバッ
勇者「…病人に歩け、と言うのは酷だものな」
ワルキューレ「お、下ろして……くれ…歩く、から……」/////
勇者「駄目だ。さて、彼女の部屋に……って、どうした、堕女神」
堕女神「……いえ、何でも」
勇者「……へぇ」
堕女神「何ですか」
勇者「いや、何でも。……とりあえず、彼女の部屋へ案内してくれ」
堕女神「はい。……こちらです」

134 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:51:45.47 ID:h7sEMOtHo
ぐったりと脱力したワルキューレを抱きかかえ、運ぶ最中に彼はふと思い出す。
かつての旅の途中、毒に倒れた「魔法使い」を抱いて、雪深い山麓の村を目指した時の事を。
猛烈に吹き荒ぶ自然の息吹の中、息を乱して、震える彼女を抱きながら歩いた事を。
時間にして、5分ほどの間。
懐かしく、険しい旅の事を思い出していた。
足を取られるような深雪ではなく、平坦な床。
身を切るような寒風ではなく、厳かに整えられた「城」の空気。
しかし腕の中には、かしましい仲間をどこか想起させるような、「ワルキューレ」。
林檎のように染まった頬。
苦しげに喘ぐ口元。
潤み、熱が籠ったように赤くなった瞳。
どれも、彼がかつて腕の中に抱いていた仲間を思い出させるようだ。
―――あいつらは、どうしているんだろうな。
瞬きほどの間、浮かんだ感情は微笑みとなって消えた。
3年の時を経ても、仲間たちの顔は鮮明に思い出せた。
横断するように魚の骨のような傷を刻まれた、あの屈強な男の顔も。
底無しの慈愛を湛えた、どこまでも柔和な、それでいて決意を感じさせる彼女の顔も。
歯に衣着せぬ物言いだが、決して悪意ある人間ではなく、彼に時折熱を帯びた視線を向けていた彼女の顔も。
容易く、思い出せた。

135 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:52:22.38 ID:h7sEMOtHo
堕女神「この部屋です。……陛下?」
勇者「あ。……ちょっと違う事を考えてた」
堕女神「火を入れて、ベッドも暖めております」ガチャ
勇者「悪いな。……ほら、横になれ」
ワルキューレ「……感謝する…ゲホッ…ゲホ、ゴホ…!」
勇者「少し眠れ。後で何か用意させるから」ファサッ
堕女神「念の為、メイド達にも彼女の様子を見るように指示しております。ご心配無く」
勇者「流石だな。……それじゃ、いい子にして寝ているんだ」
ワルキューレ「………スー……スー…」
堕女神「もう寝たようですね。……この図太さは一体何なのでしょうか」
勇者「もう俺は気にしないことにした」
堕女神「………それでは、大食堂へどうぞ」

136 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:53:10.11 ID:h7sEMOtHo
――暖かく重る毛布と掛布団の感触が、彼女には心地よく感じた。
悪寒に満たされ、ぎこちなく凍てつくような関節は、思うように動いてはくれない。
誇り高き戦乙女が、「淫魔」の国で斯様な醜態を晒しているというのに。
それでも、彼女は…安心したように、眠っていた。
体は暖かく包まれ、火照った顔は、やわらかい外気に撫でられて心地よく。
戦争状態にないと言っても、「淫魔」と「戦乙女」は相容れない存在なのに。
寝首を掻かれる、という危惧すら抱かず、むしろ愚鈍と表現するのが相応しいほどに。
ふと、扉が開く音を意識の底で聞いた。
車輪の音とともに、高く響く靴音が近づいてくる。
体を起こそうとしても、気怠さと悪寒に支配された体は、指を動かす事さえ叶わない。
瞼越しに、暖かな気配が近づく。
その気配は瞼の上を通り、額へと当てられた。
「何者か」の手が、額へ優しく載せられる。
身じろぎ一つせず彼女はその手を受け入れ、むしろ、より深い安堵をもたらされた。
その「手」は、あまりにも優しかった。
暖かく、柔らかく、爪の先までも温もりが通っていそうな手。
よく知る「主神」とも違う、触れられているだけで、心の隅の隅までも満たされるように。
顔の筋肉がほどけ、安らかな寝顔は「微笑み」を湛えはじめる。


137 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:55:08.58 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……誰…だ…?」
熱に浮かされるように、彼女は口を開く。
その手の主に問いかけるが、不快なものはない。
むしろ、その優しい手の持ち主が誰なのかを、知りたくて仕方がない。
堕女神「……この程度なら、一日か二日寝ていれば治りますね」
その声の主に、緊張をわずかに取り戻す。
恩寵の力を吸い取り、無力な女へと堕とした、当人の声。
感じた圧倒的な力の差を思い出して、神経がヒリつくように覚醒した。
ワルキューレ「……何…?何故、貴様……」
堕女神「我が主の命によって。……起き上がれますか?」
ワルキューレ「………!」
堕女神「…それでは、失礼いたします」
堕女神が、ワルキューレが体を起こすのを助ける。
彼女が背中に感じた温もりは、畏怖さえ感じるほどだった。
堕女神「…食事をお持ちしました。人界に倣って、米を柔らかく煮てみましたが。ご自分で食べられますか?」
ワルキューレ「……大丈夫、みたいだ」

138 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:56:03.06 ID:h7sEMOtHo
額に触れられた時から、気づけば倦怠感はかなり薄れていた。
波紋のように暖かさが全身に広がって、祓われたように不調が追い出されていた。
呪いを解かれた剣に意思があるとすれば、このように感じたのだろうか?
ワルキューレ「……私に、何かしたか?」
堕女神「いえ。どうしました?」
ワルキューレ「体が、何だか楽になった気がするんだ。……触れられてから」
堕女神「気のせいでしょう。病や外傷ならともかく、風邪は私には治せません」
ワルキューレ「……そうなのか」
堕女神「厳密には、できなくもありませんが……副作用として、一週間ほど強烈な催淫効果が持続します。それでも良いなら」
ワルキューレ「遠慮する!」
堕女神「賢明です」
枕を除け、彼女の体をヘッドボードによりかからせながら、言葉を交わす。
仕草の一つ一つが彼女への労りに満ちて、在りし日の神性すら匂わせるように。
「愛」を司る女神であった、過去の。
堕女神「失礼します。お熱いので、お気を付け下さいませ」
彼女の太腿部分にかぶさる布団の上に、見慣れない器の載った盆を載せる。
陶器で作られた、地味な色合いの鍋のような器。
小さな穴の開いた陶器の蓋が被せられており、中身は未だ見えない。
滞りなく彼女の前に差し出されると、次いで、蓋が取り払われた。
ほわぁ、と湯気が立ち上り、鼻孔をくすぐり、胃を起こすような良い香りが広がった。
器の中には、くつくつと米が煮えていた。
生米から煮られ、鶏から取った出汁が溶け込み、少量の塩で整えられた粥。
散らされた葱が雪の中芽吹く緑をも想起させる、豪奢な料理とも違うが、確実に「美しい」と評せる料理。

139 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:57:00.01 ID:h7sEMOtHo
堕女神「……毒見をいたしましょうか?」
ワルキューレ「あ、い、いや……すまない。見とれてしまって」
堕女神「そうですか。……お口に合うかは分かりませんが、召し上がってください」
言われるがまま、彼女は、磁器製の匙を手に取る。
粥を一掬いし、口元へ運ぶと、二度、三度と息を吹きかける。
冷めた頃合いを見計らって、その一掬いを口に入れた。
息で冷ましても、なおも熱かった。
唇をわずかに開き、空気を取り入れながら、舌で味わう。
ほのかに甘く、鶏の香りがほどよく忍び、口に入れただけでも栄養が全身に行き渡るような、凝縮された旨味。
振られた塩が絶妙に味を際立たせる、シンプルにして胃を原初の感覚へ導くような味わい。
飲み込めば食道をほのかな熱とともに滑り降り、胃へと落ちる直前に、もう一口を頬張っていた。
ろくに食事を摂っていなかった胃に優しく染み込むような、摂食の歓喜。
一口、また一口と食べるたびに細胞が活性化していくようだ。
堕女神は、黙って彼女を見つめていた。
供した料理がその量を減らしていくのを見て、わずかに安堵したようにも見える。
口角は上がり、黙々と粥を口に運ぶワルキューレを見る目には、どこかしらの愛しささえ備わっているようだ。
食事が終わると、器の載った盆を除け、台車へと載せる。
米粒一つ残らず平らげられ、食した者、作った者、どちらの顔にも容易く見て取れる「満足」が浮かんでいた。
堕女神「さて、お休みください。水差しは置いていきます。何かございましたら、部屋の外にメイドを待たせておりますので」
ワルキューレ「……待って、くれ」
堕女神「?」

140 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:57:33.91 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……何者、なんだ。…貴様は、いったい……?」
堕女神「…私は、淫魔の王の側近です。……前身は、『女神』でしたが」
ワルキューレ「女神…?」
堕女神「はい。…今となっては神位を追われ、淫魔の国に腰を据えておりますけれど」
ワルキューレ「それでか。我が主と同じ匂いを感じたのは」
堕女神「貴女や貴女の主と違い、戦いは嫌いですが」
ワルキューレ「……よくも言う」
堕女神「ただ……『人間』は今でも好きです。陛下とは別にしても」
ワルキューレ「…理由を訊いても良いのか?」
堕女神「もっとも大きなものを一つだけ、挙げるとすれば」
立ち上がり、再び彼女の体を支えながら、横にさせる。
仕上げに、毛布と布団を首元までかけさせてから、台車を押してゆっくりと扉へと歩き出す。
堕女神「…こんな私でも、今でも誰かを、何かを『愛』して良いのだと。陛下が……教えてくれたからです」

141 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:58:46.95 ID:h7sEMOtHo
執務室
勇者「……そう、か。具合は良いんだな」
堕女神「はい。早ければ、明日にでも回復するでしょう」
勇者「それは良かった。……にしても、だ」
堕女神「どうかされましたか?」
勇者「『戦乙女』と言うからには、スキの無い女傑だとばかり思ってたんだが」
堕女神「…………これは、何百年か前の事ですが」
勇者「あんまり期待できない前フリだな」
堕女神「『戦乙女』の一団。そうですね…20人はいたでしょうか。我が国の領地へ侵入してきた事がありました」
勇者「…続けてくれ」
堕女神「私がサキュバス10人と堕天使4人を率いて現場に向かうと……」
勇者「何があったんだよ」
堕女神「彼女らは、どこかへ任務で向かう予定だったのが。地図もコンパスも、誰も持ってきていなかったと」
勇者「」
堕女神「……あの時も気が抜けて。話を聞いて、目的地らしき場所に印をつけた地図とコンパスを渡しました」
勇者「マジ女神」
堕女神「余談ですが、食料と水もさっさと消費してしまっていたようです」
勇者「……」
堕女神「もう捕らえる気力も殺す気力も著しく削られて仕方なくそれも分けましたが……あんなにムダな出費は初めてでした」

142 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:59:25.23 ID:h7sEMOtHo
勇者「……つまり、こういう事か?」
堕女神「何でしょう」
勇者「ワルキューレは、特徴としてバ―――」
堕女神「いけません、彼女らの名誉にかけて」
勇者「……そうだな」
堕女神「使わない器官は退化するものです。そこを貶してはいけません」
勇者「お前の方がヒデーよ!!」
堕女神「さて、本日は少々お務めが。隣国からのこちらの書状に目をお通し下さい」
勇者「うん。……これ、いつ届いた?」
堕女神「今朝です」
勇者「…内容に文句はない。ただ、もう少し食料ねだって来ても良いのに。妙に奥ゆかしいな、隣女王は」
堕女神「それが女王陛下ですから。まぁ、これから外交の駆け引きについて学ぶ事でしょう。たまには厳しくする事です」
勇者「……ただ、この追伸の部分だ」
堕女神「何ですか?」
勇者「『追伸、先日は戦乙女をお届けいただき感謝いたします。我が民も 彼 女 も 喜んでおります』」
堕女神「…………意味を考えるのが恐ろしいですね」

143 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 03:59:56.60 ID:h7sEMOtHo
―――――
勇者「しかし、書類仕事ばっかだなぁ」
堕女神「一息入れましょうか」
勇者「そうだな。30分ほど」
堕女神「承知しました。それでは、お茶をお持ちします」
勇者「それもいいけど。……気分転換に、どうだ?」
堕女神「……っ」
勇者「ここには誰も来ないぞ」
堕女神「………嫌、です」
勇者「意外だな」
堕女神「いえ、そうではなくて……」
勇者「?」
堕女神「30分だけなんて……嫌です」
勇者「…そうだったな」
堕女神「……すみません」

144 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 04:00:33.92 ID:h7sEMOtHo
庭園
サキュバスA「あら、こんなに伸びちゃってたのね。……少しこの辺りはサボりすぎたわ」
サキュバスB「…Aちゃんが手入れしてると思ってたから」
サキュバスA「だって、最近は生長が滞りがちだったもの。雨のせいで早まったかしら?」
サキュバスB「……っていうか」
サキュバスA「何?」
サキュバスB「何で服着てるの?」
サキュバスA「あらぁ、知りたい?」
サキュバスB「………陛下?」
サキュバスA「きっかけはね」
サキュバスB「じゃ、今は何で?」
サキュバスA「…ふふ。陛下がね、褒めてくれたの」
サキュバスB「えぇ!?」

145 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 04:01:01.72 ID:h7sEMOtHo
サキュバスA「嘘じゃないわ。正直言うと窮屈だけど……これはこれで、気持ちが引き締まるもの」
サキュバスB「…………ずるいよ」
サキュバスA「なら、貴女も服を着ればいいじゃない。可愛いのを沢山持ってるでしょ?」
サキュバスB「だって……恥ずかしいし……」
サキュバスA「今さら何を言うの」
サキュバスB「あんな、フリフリなの……」
サキュバスA「なら何故買うのよ。いい値段してたじゃない?」
サキュバスB「…うぅ……」
サキュバスA「服は着る為にあるのよ。……それに、貴女はこんなに可愛いんだもの。きっと似合うわ」
サキュバスB「………」
サキュバスA「たまには気分を変えてみるのもいいんじゃないかしら」
サキュバスB「…うん」

146 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 04:01:58.10 ID:h7sEMOtHo
サキュバスA「……あら、ちょうど陛下が来たわね」
サキュバスB「!?」
勇者「…何の話をしてた?」
サキュバスA「いえ、何も。……至って真面目に働いておりましたわ」
勇者「ふぅん。……B、どうした?」
サキュバスB「…い、いえ……ちゃんと仕事してますよ?」
勇者「そうか。……Aはまだ服着てるのか。もう腫れてないだろ?」
サキュバスA「ええ。でも、中々気に入って」
勇者「そうしてくれ。いつも目のやり場に困っていたんだ。Bもな」
サキュバスB「え」
勇者「いや、いろいろ可愛い服持ってるんだろ?……見てみたいよ」
サキュバスB「あ、え……えっと……」
勇者「ムリにとは言わないけどさ」
サキュバスB「わ、解りました……陛下が仰るなら……」
勇者「楽しみにしてる」
サキュバスB「………は、はい!」

147 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 04:02:44.27 ID:h7sEMOtHo
サキュバスA「それにしても、改めてご尊敬申し上げますわ」
勇者「ん?」
サキュバスA「仕事の手を休めて窓から拝見させていただきましたが……まさか、彼女相手に勝つなんて」
サキュバスB「……ちょっと、ドキドキしましたけど」
勇者「……っていうか今サボり告白したよね?」
サキュバスA「えっと……『陛下の御身が心配で、仕事が手につきませんでした』」
勇者「よっくもまぁそんなヌケヌケと」
サキュバスB「わ、私は……本当に心配で…陛下が、もし死んじゃったらって……!」
勇者「…そうか、すまなかった」
サキュバスA「酷いですわ」
勇者「日頃の行いだ」
サキュバスA「私も心配しましたのよ?ほんの少しだけ」
勇者「少しかよ」
サキュバスA「『陛下の勝利を信じておりました』」
勇者「もういいから」

148 : ◆1UOAiS.xYWtC :2012/03/27(火) 04:03:14.91 ID:h7sEMOtHo
サキュバスB「…良かったです」
勇者「何だ?」
サキュバスB「陛下が勝ってくれて。……あんまり、あぶない事しないでください」
勇者「…流石に、平服のままだとヒヤっとしたな」
サキュバスB「胸がぎゅーってなって……怖かったんですよ!」
勇者「B……」
サキュバスB「…す、すみません!私なんかが……こんな、事…」
勇者「…いや、すまない。謝るのは俺だ。……もう、ムチャはしない。少なくとも、装備は整えてからにする」
サキュバスA「『装備しないと意味がない』ですのよ?」
勇者「装備したら呪われて外れなくなるだろ、アレは」
サキュバスA「…呪われたら、解けば良いじゃありませんか」
勇者「お前……」

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