2chまとめサイトモバイル

メイド「傭兵王女の冒険」

Facebook Twitter LINE はてなブックマーク
Part6
72 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:45:57.89 ID:KRwY7qfAO
さて、美味い飯の前に大仕事だ
敵魔法使いの尋問を始める
姫「魔法使いよ」
敵魔法使い「わ、私は何も知らん!」
姫「うん、喋らんでいい……私が勝手に喋る」
姫「ぶっちゃけ南西草原国の司祭が黒幕なんじゃろ?」
敵魔法使い「な、な、」
姫「はい、確定じゃな」
敵魔法使い「何故だ!」
メイド「私も是非聞きたいです!」
メイド「姫様は独自の諜報員を使ってるんですね?」
姫「まあのう、しかし今回のはほとんど推測じゃ」
姫「まず問題は何故南西草原国は私らが山賊と戦闘になったタイミングぴったりに五つの砦を落とせたのか」
姫「そんな完全に狙った動きが出来たのは、つまり軍と山賊両方の情報を得られる者がいたからじゃ」
姫「そしてそいつは聖騎士を動かせる立場の人間でもあった」
姫「だいぶ絞れてきたじゃろ?」
女騎士「本当だ……国王様が病に倒れられてる事を考えたら……もう一人か二人しか居ませんね」
メイド「そして邪教を広めるには司祭と言うのはとてもいい立場ですね……」

73 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:48:11.30 ID:KRwY7qfAO
敵魔法使い「そ、それは偶々軍の諜報が上手く行っただけ……」
姫「しつこいの」
姫「じゃあ何故、戦争関係にある蛮族どもがその好機に南西草原を攻めなかったのか言ってみい!」
姫「蛮族を止めてぴったりと山賊の減った砦だけわずか数日で攻略できる大軍を派遣した」
姫「そして今のお前の反応で間違いなくなったわ!」
魔導師「……姫、知恵熱でるよ?」
姫「うん、実はちょっと……うっさいわ!」
敵魔法使い「……」
姫「まああくまでシラを切るなら構わん」
姫「魔導師、こいつに魔法が使えないようにしてくれ」
魔導師「いいよ」
メイド「魔法を使えなくしてどうするんですか?」
姫「放逐する」
メイド「はあっ?!」
魔導師「刺青で魔法を封じた……これでもう魔法は使えない」
姫「じゃ、そう言うことで」
敵魔法使い「くっ、くそ!」
敵の魔法使いは転がるように逃げ出した
姫「さ、飯じゃ飯じゃ!」
メイド「良いんですか?」
料理人「追跡しようか?」
姫「もう密偵は放った」

74 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:50:16.41 ID:KRwY7qfAO
メイド「?!」
シスター「いつ放ったんですか〜?」
姫「しょうがない、見せてやるかの」
私が昔、森に入った時
その時にできた友達が姿を現した
蝶の羽の者
蜻蛉の羽の者
小人
魔導師「!」
シスター「妖精だあ!」
女騎士「可愛い〜!」
メイド「なるほど、これは最強の密偵ですね……見つけていたんですか」
姫「こいつら頭悪いから何でも分かる訳じゃないがの」
蝶「姫様〜」
蜻蛉「もう姿見せていいの〜?」
小人「僕バカじゃないよ〜!」
姫「あいつの追跡に派遣した奴はちょっと賢いんじゃ、まあ後は果報は飯食って待とう」
魔導師「!」
魔導師「果報は……飯食って……待て……」
メモするな
料理人「さて、じゃあ私は私の仕事をするか」
テーブルに並んだのは海老や蟹、イカに魚の海鮮尽くしだった
やっぱり飯は美味いに限る
魔導師「そう言えば妖精は何を食べてるの?」
姫「花の蜜や蜂蜜じゃ」
シスター「食費がかからなくて良いですねえ」
女騎士「あの、姫様、私にも一人……」
姫「駄目じゃ」
女騎士「あうう……」

75 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:53:23.06 ID:KRwY7qfAO
姫「これであの魔法使いが司祭に会ってくれたらいいが……」
姫「司祭が私の口封じに出るかも知れんのう」
メイド「聖騎士と戦闘になるかも分かりませんね……」
姫「大部隊が来るかもじゃな……」
魔導師「とりあえず兵隊をしっかり集めてこの砦を堅めよう」
魔導師「聖騎士が大部隊で来れば流石の三大英雄も厳しいでしょ?」
勇者「そうですねえ」
姫「居たのか」
メイド「同盟関係は有りませんが、流石に東の港と南西草原で戦争になるのは不味すぎる…………援軍も呼べませんね」
魔導師「ん……」
魔導師「ちょっと作戦がある」
姫「お、流石魔導師じゃ!」
魔導師「姫様が珍しく頭を使ったから私も使わないとね」
姫「いちいち一言多いわ!」
魔導師「ふふっ」
魔導師「それでメイドさん、定期連絡要員さんに取ってきて欲しい物がある」
メイド「はいはい、構いませんよ」
魔導師「じゃあ……」
メイド「ふむふむ……へー、はいはい」
魔導師「お願いね」
メイド「了解しました〜!」

76 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:55:26.27 ID:KRwY7qfAO
それからしばらく敵に動きは無かった
流石にすぐにこの砦に大軍を派兵するのは難しかったか
魔導師「それで」
魔導師「姫が放った密偵は帰ってきた?」
姫「おう」
私が手を上げると四人目の妖精が現れた
シスター「な、何か小さいおじさんが見えるんですが」
女騎士「可愛い……」
シスター「えっ」
姫「小人のおっさんじゃ」
おっさん「はっじめまして〜!」
おっさん「いや〜お綺麗な方々が多い、おっさん感激ですわ〜!」
おっさん「ちょっと寝室にお邪魔して良いですかね、姫様命令してくれませんかね、お、こりゃ失礼セクハラでしたねぇ!」
姫「……」
魔導師「ちょっと沈黙の魔法かけていい?」
姫「そうじゃの……」
メイド「その前に、何か聞かなくて良いんですか?」
おっさん「お〜、おっさん喋りますよ見てきたこと全部〜!」
おっさん「つっても大体は姫様の推測通りでしたがね〜!」
おっさん「司祭が黒幕なのは間違いないですが、聖騎士長さん、なんか司祭に弱みを握られてるみたいですよ〜!」
メイド「そうですか、彼が……」
姫「知っておるのか?」
メイド「修行時代に少し」
姫「ほう」


77 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:57:43.08 ID:KRwY7qfAO
姫「その弱みをなんとかしてやらんといかんかな?」
メイド「しかし少し南西草原までは遠いですからねぇ」
姫「迂闊には動けんか」
魔導師「攻めてきてくれたら反撃して中央砦を落とすことでそこから調査もできるけれど」
姫「しかし全面戦争は危険じゃな」
魔導師「兵力をそがないと、ね」
女騎士「怖いですね」
実際かなり良くない事態だ……
シスター「お肉いっぱい食べて準備しましょう!」
姫「そうじゃのう」
姫「……料理人はどうした?」
メイド「南の国に行ってます……すぐに帰るかと」
姫「情報を集めるなら南の国が良いか」
私たちがお腹を空かせた頃、料理人が帰ってきた
その険しい顔を見てすぐに持ち帰った情報が深刻な物であると分かった
料理人「南西草原の国王が亡くなった」
姫「!」
メイド「それは……本当に大変な事態ですね!」
料理人「更に悪い話がある」
姫「もしや……」
料理人「司祭が国王位に着き、聖王を名乗っているらしい」
メイド「なんと!」
姫「……次は邪教徒狩りかのう」
メイド「!」
シスター「えっ、えっ、ひょっとして」
女騎士「私たちが邪教徒ですか?!」

78 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 22:00:52.38 ID:KRwY7qfAO
姫「そう言ってしまえばいつでも聖騎士を派遣できるからの……」
女騎士「こ、困りましたね」
王位継承のごたごたからか、それからしばらくは南西草原が動くことは無く
私は料理人と妖精たちに探し物をさせていた
そんなある日、突然一万近い聖騎士に砦を囲まれる
姫「多いの……」
メイド「敵に聖騎士長クラスが二人もいれば勝てるかどうか分からないって数ですね」
メイド「確か部隊長に相当強い人が三人いたかと」
姫「ふむ……じゃがなんとかしてその三人を捕らえれば……」
女騎士「と、捕らえられますか?」
私たちが困っていると魔導師が研究室から出てきた
魔導師「お待たせ」
姫「魔導師!」
魔導師「できたよ、とりあえず表に出よう」
姫「そうじゃな」
姫「……あいつはどこにいるのかの?」
メイド「外にいるはずです」
姫「シスター、結界を頼むぞ」
シスター「はい!」
姫「さて、期待しておるぞ、魔導師!」
魔導師「任せて」
とうとう本格的な戦争だ……
傭兵なんだから戦争をするのが当然なのだが……
ここから南西草原の国の攻略が始まる

79 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 22:02:20.51 ID:KRwY7qfAO
今日はここまでです
残りは明日か明後日に更新します

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/04(日) 22:04:15.42 ID:llE+/g7M0
乙。明日も楽しみにしてるよ!

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/01/04(日) 22:09:24.96 ID:urZ2J8ZxO


83 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/05(月) 21:06:49.32 ID:/wdWO4NAO
ありがとうございます、あと少しなんで更新します

84 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/05(月) 21:08:50.51 ID:/wdWO4NAO
私は砦の上に立ち、聖騎士に呼び掛けた
姫「これはこれは南西草原の聖騎士の皆様」
姫「この度はこのような大勢でどのようなご用件でしょうか?」
私の呼び掛けに応えたのは大柄な騎士だ
大柄な騎士「貴様達に邪教徒との疑いがかかっておる!」
大柄な騎士「大人しく投降すればよし、さもなくば……」
姫「我々に邪教を信じる者は一人もおりませぬ!」
姫「即刻兵を引き上げて頂きたい!」
大柄な騎士「ならば無理矢理にでも引きずり出すまでよ!」
姫「それは宣戦布告と受け取ってよろしいか!」
大柄な騎士「……」
大柄な騎士「全軍、突撃じゃ!」
宣戦の布告は無いまま、聖騎士たちが攻めてきた
それに対し
魔導師「白鳩草……」
魔導師「白き鳩の導きにより、諍う者達を常世の夢へ誘え」
魔導師「超広域催眠誘導……!」
魔導師が呪文を唱えると空から雪のように羽が降ってきた
その羽に当たった騎士たちはどんどんと眠りに落ちる
魔法に対する耐久力の高いほんの数人の騎士以外、全員眠ってしまうのに時間はかからなかった
姫「見事じゃな!」

85 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/05(月) 21:10:59.24 ID:/wdWO4NAO
大柄な騎士「ななっ、なんとっ!!」
姫「こちらは虐殺なんぞやりたくない……素直に降伏せい!」
大柄な騎士「ぐっおっおあああっ!」
大柄な騎士「こうなれば、一騎打ちじゃあああーっ!!」
姫「!」
メイド「私が行きますか?」
姫「いや、私が行く!」
シスター「お気をつけて、姫様!」
魔導師「危なかったら、逃げて」
姫「おう!」
私は大柄な騎士との一騎打ちに臨んだ
敵騎士はプレートメイルで身を包んでいたが、驚くほど速かった
魔法も剣もほとんど弾かれてしまう
こちらは腕を斬られ、胸を斬られ、腹を斬られ、脚を斬られた
メイド「ああっ、姫様がどんどん傷物に!!」
傷物じゃないわっ!
大柄な騎士「ふあははっ、もらったわ!」
相手の鋭い中段への突きを
腹で受ける
私の剣は敵の胸鎧を
叩く
女騎士「姫様!」
魔導師「……!」
シスター「神様……」
次の瞬間、バン、と音を立てて敵の鎧が内側に火を噴いた
大柄な騎士「ぼっふぁああああ……っ!!」
炎に巻き込まれた騎士はゴロゴロと土の上を転がった
姫「はあっ、はあっ…………」
姫「私の、勝ちじゃ!」

86 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/05(月) 21:13:41.74 ID:/wdWO4NAO
メイド「相手の鎧を剣に見立てて魔力を注ぎ込んだんですね!」
魔導師「すごい……」
女騎士「よかった……、姫様〜〜!」
シスター「今回復します!」
私はシスターの回復を受けながらまだ起きている敵将に呼び掛ける
姫「投降せよ!」
姫「こちらは無駄な犠牲を出したくない!」
私の呼び掛けに応え、色黒な騎士がこちらに歩んできた
武器を捨てる
色黒な騎士「お見事で御座います、姫様」
姫「!」
姫「ど、どこかで会ったか?」
色黒な騎士「東の港国第二王女様と北の国の王子との結婚式の折、現聖騎士長と前国王陛下とともに一部隊長として参列しておりました」
姫「五年前じゃな……良く分かったな」
色黒な騎士「私共の敗北です、この身はお好きなようにご処断下さい」
姫「……うちに一万もの捕虜を養う能力はない」
姫「武器と防具を全て差し出してもらった上でお前たちには農作業をしてもらうかの」
色黒な騎士「しっ、しかしそれでは反乱の芽を残すのでは……」
姫「いや、やらんよお前は」
姫「南西草原にはお姫様がおったじゃろ」
姫「その結婚式の時に遊んだ記憶がある」
色黒な騎士「……はい」