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メイド「傭兵王女の冒険」

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Part5
62 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:18:07.23 ID:KRwY7qfAO
姫「厳しい現実……か……」
魔導師「特に南西草原の国は戦争続きで貧しい」
魔導師「なんとか農地開拓して生産性を上げられたら良いのだけど」
姫「よし、山賊崩れを安く雇ってこの辺りの開拓を始めるか」
メイド「へえ……良いですねそれ」
魔導師「傭兵国家設立ね」
女騎士「しばらくは南の国ギルドの要請を受けて傭兵として活動する訳ですね」
姫「うむ、そうと決まれば早速動くか!」
メイド「求人のビラをギルドに貼ってもらいましょう」
姫「農作業に危険な魔物は排除していくぞ」
姫「女騎士は魔導師と、料理人は私と来るのじゃ」
料理人「分かった」
姫「シスターは留守番な」
シスター「はあい、夕御飯の準備しておきます?」
料理人「私がやるからいいよ」
姫「シスター料理出来なさそうじゃし」
シスター「出来ません!」
姫「きっぱり言うでない!」
魔導師「行くよ」
女騎士「はい、魔導師さん!」
魔導師「年上なんだから敬語いらない」
女騎士「いえ、姫様のご友人ですから!」
魔導師「……」
魔導師がまた赤くなっている
可愛い友人じゃ
この先も危険にさらすのが忍びない

63 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:20:43.08 ID:KRwY7qfAO
周辺の森に入り、凶暴そうな魔物や畑を荒らしそうな動物を駆逐していく
料理人「こいつらもちゃんと食ってやろう」
姫「そうじゃの、干し肉にして保存しよう」
料理人「雇った農民に振る舞うのもいいな」
姫「ぜひそうしよう!」
私達は逃げ出すものは極力追わずに森の木を切り開き追い払う
この木も資源になる
修復した砦を更に改築するかな?
料理人「スパイの入りづらい造りにしてやるよ」
姫「お前器用じゃのう」
砦に帰ると既に数十人の山賊崩れが集まっていた
私は開墾と砦の改築を指示する
山賊崩れの中でもリーダー格の猟師のような男に話を聞く
猟師「ワシらは心を入れ替えて働きやす」
猟師「頭領のご指示には必ず従いやす!」
姫「信じて良いのかの?」
姫「邪教に従っておる者はおらんだろうな?」
猟師「ワシ共は食うのに困って山賊をやっていました」
猟師「飯さえ食えるなら裏切ることは有りません」
姫「ふむ、信じよう」
姫「邪教について知っている事は有るか?」
猟師「山賊や海賊、蛮族をまとめあげている男の裏に邪教があると聞いたことがある程度で……」

64 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:22:22.21 ID:KRwY7qfAO
料理人「嘘はついて無さそうだな」
姫「敵の心臓は遠そうじゃ」
料理人「とりあえず海賊や山賊を片付けて領地を広げていこう」
姫「うむ、そのうち何らかのアクションがあるじゃろ」
姫「ここからは力押しじゃな」
姫「よし、お前たちもしっかり働けよ!」
猟師「はいでさ!」
こうして私達は奇しくも国を作る事になった
国として大きくなる事で様々な問題が起こるだろう
ともあれ、それは少し先の話
料理人「今日の料理は猪肉ときのこの黒胡椒炒め」
料理人「干し魚と貝のスープ」
料理人「恐竜ハム山盛りサラダ」
料理人「デザートに南の国の果物のコンポートだ」
姫「おっほう、これじゃこれ!」
シスター「ご飯だーっ!」
魔導師「美味しそう」
女騎士「皆さん元気ですね……走り回って疲れました」
メイド「しっかり食べないと明日も走り回って貰いますよ?」
姫「うむ、スープもサラダも美味い」
魔導師「肉も美味い」
女騎士「デザートも」
姫「デザートから食うな!」
女騎士「うう……」
シスター「肉をたっぷり食べて教会を作り正しい教えを広めないと!」

65 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:24:46.99 ID:KRwY7qfAO
女騎士「うう……肉食シスターめ……」
姫「その教え本当に正しいのか?」
猟師「ワシらもこんなご馳走いただいて良いんで?」
姫「これからしっかり働いてもらうからの?」
猟師「合点でさ!」
姫「それでじゃ、お前が軸になって建築、開墾、食料調達をやってもらいたい」
猟師「ワシは頭の方はどうも……」
姫「考えるのはこっちがやるからお前は報告をしっかりやってくれ」
猟師「分かりやした!」
メイド「私達はどうしましょうか?」
姫「現場監督班とギルドの仕事で分かれようかの」
メイド「では姫様と私と魔導師さんはギルドの仕事」
メイド「女騎士とシスターと料理人には監督をやってもらいましょう」
姫「うん、とりあえずこの辺りの危険は去ったし、遠出になるから戦力もいるし」
姫「ちょうど良いバランスなんじゃ無いか?」
魔導師「うん、私とメイドさんがいれば姫も守れるし」
姫「守ってくれるか!」
魔導師「……馬鹿姫」
魔導師は可愛いの
次の日、私達は南の国のギルドに向かった
もう仲間に戦力を隠す必要も無いので難しい任務を選択する事にしよう
メイド「宝石五つまでの仕事を探しますか」

66 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:27:56.33 ID:KRwY7qfAO
魔導師「それだけ稼げたら農民達もしばらくは養えるし、家畜も買える」
メイド「とにかく収穫の早い野菜とか兎や鶏の飼育から始めますかね」
姫「うむ、今回の収益はそれに当てよう」
魔導師「捕らぬ狸の皮算用だけど」
姫「むむっ」
魔導師「南の国から東の海賊砦の攻城戦の要請が出ている」
魔導師「南の国の兵が侵攻するために切り込むと良いらしい」
姫「続けて対人戦か」
メイド「まあこの辺りは戦ばかりですからねえ」
魔導師「城に行く?」
姫「南の国は同盟国じゃから私の顔もバレてるからのう……」
魔導師「私かメイドさんで契約だけ取ってくる?」
メイド「ついでに東一番砦の領有を認めてもらっておかないとですね?」
姫「おお、忘れてた」
姫「仕方ない、私が顔を出すしかないかの……」
私達は三人で城に向かう
兵に用件を伝えると顔見知りの大臣さんが走ってきた
大臣「おお、姫様!」
大臣「わざわざお越し頂き申し訳ありません!」
私は東一番砦の領有と二年間の納税の約束、東の海賊砦の攻撃の契約をする
大臣「全て承りました、東の港国王様にもよろしくお願いします」
姫「メイド、伝えておいてくれるか?」


67 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:30:19.74 ID:KRwY7qfAO
メイド「はいはい、抜かりなく」
姫「では明日にも出陣します」
大臣「分かりました、騎士団にも通達しておきます」
さて、宿に帰るか
魔導師「あの大臣、ずいぶん腰が低かったね」
姫「うん、私とメイドの事は同盟国のトップならだいたい知ってるはずだし」
メイド「同盟国とは言っても実質東の港国の一強ですからね」
姫「う〜ん、しかしこうなってくると勇者も戦力として置いとくべきじゃったか」
メイド「まあそこらへんにいるでしょ、姫様の警護が任務みたいですし」
姫「そうかのう」
魔導師「私達がいる」
メイド「そうですよ、何があっても守りますから!」
姫「お、おう」
翌朝私達は騎士団と共に東の海賊砦に向かう
沖にある船は海賊の物か
姫「あの船も沈めんといかんかの?」
私の質問に騎士団の団長が答える
団長「あの船は私共の海兵が押さえます」
姫「そうか、私達は砦を開城させれば良いんじゃな?」
団長「お願いします」
砦前に着くとまず弓兵達を魔導師が薙ぎ払う
私達も協力し、火球の雨を降らせる
砦から巣を焼かれた虫のように海賊達が逃げ出してきた
……貧弱じゃな
団長「速い……」

68 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:34:15.90 ID:KRwY7qfAO
姫「ほれ、さっさと行かんか」
団長「は、はい!」
団長「かかれ!」
おおっと言う掛け声と共に千人ほどの重騎士達が駆ける
私達の仕事はあっさり終わった
メイド「騎士団にも力を示せたし、一先ずはこれで良いでしょうか」
姫「そうじゃな」
魔導師「家畜や野菜の種を買い込んで帰ろう」
姫「うむ」
報酬を受け取り、家畜を買い、一日宿泊してから南西草原東一番砦に帰る事にする
雑事を皆がやってくれている
私達の戦利品に砦は歓喜に湧いた
しばらくは地盤固めを行う
次々と私達は南の国の任務をこなし
……そして初収穫の頃
メイド「そろそろ領地拡張を目指しますか?」
姫「うむ、実は海際が気になっておる」
姫「海賊砦を落として海までを支配しよう」
魔導師「海鮮を食べたくなった?」
姫「私港国育ちだし!」
魔導師「ふふ、いいよ……私が取ってくる」
そんな果物を取ってくるみたいな!
飯が食えるというだけで砦に集まった三千人ほどの民から守備兵を除いて派兵できる者を五百人ほど連れて、魔導師が出陣した
メイド「一人で大丈夫ですかね?」
料理人「既に南海賊砦二つを偵察済みだ……海兵含め四千人程度」
メイド「流石」

69 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:37:28.26 ID:KRwY7qfAO
姫「少し荷が重いかの?」
メイド「女騎士も派遣しましょう」
メイド「……ついでにあの者も派遣しました」
姫「あ〜、あいつの」
料理人「?」
料理人「ああ、あいつもいるのか」
シスター「……誰かな?」
南海賊砦の戦いは
魔導師の大魔法で始まり
それで逃げ出す敵兵が半分
魔法使いが敵にもいればまずいが、それも山賊だの海賊だのやっている者たちにいるはずもなく
魔導師の陣営の小ささを見て突撃してきた敵も女騎士にさばかれ
更に攻めてきた別の砦からの大部隊を
勇者が撃滅した
勇者「姫様によろしく〜!」
勇者はそれだけ言って去っていったらしい
わりと甲斐甲斐しいやつじゃ
ちょっとは話を聞いてやるかのう
メイド「ははっ、二度と姫様には会わせません」
壁は高そうじゃな
魔導師は無事南海賊砦を二つ奪取し、そこに新たな拠点を築いた
姫「ちょっと寂しいの」
メイド「そうですね」
農民や漁民を集めるまで、しばらくは離れ離れだ
かわりにメイドを送ろうか
メイド「姫様と離れることはできません!」
姫「舌噛み切って死にそうじゃな」
メイド「お望みとあらば」
姫「やめい」

70 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:40:45.31 ID:KRwY7qfAO
各拠点の開発はどんどん進んだ
姫「兵力が分かれてしまうことで一般兵の重要度も上がってくるのう」
メイド「まあまだまだ必要有りませんが」
料理人「兎肉や鶏肉の輸出を始めて、そのお金で兵を雇えるぞ」
姫「ふむ」
シスター「海賊砦も海産物の輸出をしています」
シスター「海の幸食べ放題です!」
姫「うふふふふ」
メイド「それで人が徐々に増え始めましたが、そろそろ法律なども必要になってきますね」
姫「ひとまずは東の港国の法律体系をコピーして運用しよう」
姫「問題は本業じゃな」
料理人「近隣の砦はほとんど南西草原国の支配下だ」
料理人「攻め入れる地域も無いし……南の国ギルドでも大きな仕事はだいたいやってしまった」
魔導師「海から攻める」
姫「魔導師!」
久しぶりに魔導師が帰ってきた
どうやら何か策を持ってきたようだ
しかしその前に
姫「お帰り」
魔導師「うん」
しっかりハグをする
メイド「う、うらやましい……」
姫「女騎士は砦番か」
魔導師「うん」
魔導師「塩田を開発しそのお金で海賊の軍船を修理した」
魔導師「海から西に攻め入れる」
姫「それはすごい」

71 : ◆J9pjHtW.ylNB :2015/01/04(日) 21:42:42.35 ID:KRwY7qfAO
私は魔導師と共に西に攻め入ることにした
東の砦三つは南の国に管理を要請、拠点を西に移す
西の砦攻略も前例の通り楽勝……のはずだったが
敵兵の中に魔法を使う者が現れた
メイド「厄介ですね」
姫「うむ、シスターや魔導師が結界を張ってくれているが」
魔導師「迂闊に動けない」
姫「こんな時にあいつがいたらな」
メイド「噂をしたら出てきますからやめてください」
勇者「お呼びですか姫!」
お前はどこで聞いているんだ
料理人「私並の隠密スキルだな」
勇者「姫様の軍の斬り込み隊長こと勇者、行きます!」
ご苦労様
メイド「適当に使ってるだけみたいだしいいですけど」
勇者はしっかり働いて敵魔法使いを撃破
後は自軍兵達が蹂躙するだけだ
姫「勇者よ、魔法使いを捕らえたか?」
勇者「はい、もちろん!」
勇者「捕虜に尋問しますか?」
姫「頭も働くようじゃな」
勇者「勇者は何でも出来ないとですからね〜」
姫「私なんぞに執着せず自分で国を建てたらどうじゃ?」
勇者「俺姫様好きですから」
姫「ぶっ!」
料理人「まあ今日はお手柄だし、飯を食っていけ」
勇者「あざーっす!」