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幽霊「殺されました」

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Part3
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:02:10.00 ID:w1SR7+I60
42
女「幸いなことにあたしは隣隣人のゴミを出すタイミングを知っています」
幽霊「ストーカーですか」
女「断じて違う。いつも同じ時間帯に出しているんだよね」
幽霊「わざと時間をずらしてシャッターチャンスを狙うと」
女「そういうこと」
幽霊「うまくいきますかね」
女「コラ、立案者がそんな弱気でどうすんの」
幽霊「ごめんなさい」
女「とりあえずなんとしてでもやり遂げて見せます」
幽霊「その意気や良し」
女「そういう訳で」
幽霊「はい」
女「お風呂に入ってきます」
幽霊「いってらっしゃい」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:02:46.06 ID:w1SR7+I60
43
幽霊「あ、守護霊さん」
幽霊「なんですか? はい、彼女は今お風呂ですが」
幽霊「もう一度言ってください」
幽霊「いえ、そんな相談されても困るんですけれども」
幽霊「そもそも彼女は見えますから、ばっちり分かると思います」
幽霊「……」
幽霊「覗きなんかしたら悪霊認定されますよ」
幽霊「え?」
幽霊「…よくわかりました。近々除霊しに行くように樋口さんに言っておきます」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:03:19.93 ID:w1SR7+I60
44
女「ほかほか」
幽霊「ちゃんと髪を乾かしましょう」
女「めんどくさいんだもん」
幽霊「風邪ひきますよ」
女「しぶしぶ」
幽霊「擬音祭りですか」
女「佐野さんもなんか擬音言ってみてよ」
幽霊「ふよふよ」
女「すごいしっくりくる」
幽霊「ぷよぷよ」
女「好きだったよそのゲーム」
幽霊「私もです」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:03:53.39 ID:w1SR7+I60
45
女「あれっ」
幽霊「もうちょっとで日付替わりそうですね」
女「いつのまにこんな時間が進んでいたのだろう」
幽霊「押入れから洋服引っ張り出そうとして漫画を見つけたことが始まりですね」
女「だって懐かしいやつだったから…」
幽霊「お目当てのものは見つけられたんですか?」
女「うん。このセーターかわいいでしょ」
幽霊「かわいいですね」
女「この歳でかわいいセーターはいいのだろうか」
幽霊「まだまだセーフですから安心して着てください」
女「セーターだけにセーフ?」
幽霊「まったく意味が分かりません」
女「ですよねー」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:05:26.22 ID:w1SR7+I60
46
幽霊「寝るんですか」
女「寝ますね」
幽霊「おやすみなさい」
女「おやすみ…ん?」
幽霊「どうしましたか」
女「なんか外から物音しなかった? 変な音」
幽霊「そうですか? 私には何とも」
女「まあいいや、ちょっと気になるから出てみるよ」
幽霊「危ないですよこんな夜中なのに。治安悪いんでしょう?」
女「大丈夫だよ。ちょっとドア開けてあたりの様子うかがうだけ」
幽霊「私が見ますから」
女「いいってそんなことしなくても。…音が近いね、足音か」
幽霊「――まさか! 待って樋口さん!」


63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:07:32.43 ID:+HsS4qyt0
47
犯人「おや」
女「え」
犯人「こんな時間まで起きているんですね。こんばんは」
女「な、なにしてるんですか、あなた」
幽霊「ドアを閉めてください!」
犯人「見たとおり女の子を抱っこしているだけだよ。担いでいるのほうか正しいか」
幽霊「早く!」
女「その子、どうしたんですか?」
犯人「ちょっと寝ているんだ」
女「怪我してるじゃないですか、その女の子!」
犯人「別にいいんだよ」
女「あなたはよくてもその子は――」
幽霊「樋口さん、逃げて!」
犯人「結構うるさい人なんだね、君は」
女「が……! …ッ」
犯人「痛いよね。ちょっと黙ってて、引きずっちゃうけどすぐそこだから」
幽霊「ど、どうしよう…。私じゃ何にも…!」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:08:23.96 ID:+HsS4qyt0
48
犯人「樋口さんは、どこから食べようかな」

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 03:45:15.01 ID:lbjjN7aMO
もうクライマックスか

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 04:23:22.54 ID:7MN0kr/io


68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 04:38:27.25 ID:gUW3mzvAO


69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/14(水) 17:58:24.92 ID:ZejavnpD0
どうなる……!?

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:32:45.02 ID:js+/hQwS0
48

幼少時女「それでね、あのね」
友人「…ねえ、ゆかりちゃん」
幼少時女「なにー?」
友人「さっきから誰と話しているの?」
幼少時女「誰って、みやちゃんだけど」
友人「そこなんにもないじゃん」
幼少時女「いるよ?」
友人「いないよ! おかしなゆかりちゃん!」
幼少時女「……」


73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:33:15.99 ID:js+/hQwS0
49

中学時女「……」
男性「あの女が」
中学時女「……」
男性「俺を殺したんだ。事故死に見せかけて」
中学時女「それで、どうしてそれをあたしに?」
男性「頼む、あいつのやったことを警察に言ってくれ!」
中学時女「無理だよ。あたしは赤の他人だもの」
男性「きみしかいないんだ!」
中学時女「幽霊がそう証言してますって!? 信じてくれるわけないじゃない!」
男性「まったく使えないんだな…! 話しかけて損したよ」
中学時女「……」


74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:33:46.58 ID:js+/hQwS0
50

高校時女「……」
女子「ん? 樋口さん、なんか顔についてる?」
高校時女「ううん、なんにもないよ」
女子「ふうん?」
高校時女「……」
高校時女「血まみれの動物が周りにいっぱいいる以外は……」


75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:36:12.73 ID:/owjxFxq0
51
見えないほうが幸せだったかもしれないってずっと思ってた。

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:37:13.00 ID:/owjxFxq0
52
女「あいったぁ…みぞおちか…」
女「よく吐かないで済んだもの……あれ」
女「これは困りましたねー後ろ手に縛られてますよー」
女「どうしよ…」
亡霊「妬ましい……きれいな身体……」
女「っ!?」
亡霊「生きてる…妬ましい…すべてそろってる…」
女「まっ、ちょっと待って」
亡霊「わたしとおなじに…」
女「いや……!」

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:39:32.58 ID:/owjxFxq0
53
幽霊「樋口さん!」
武者「―――!」
亡霊「ぎゃあああぁああぁぁああ!!」
幽霊「大丈夫ですか、樋口さん!」
女「さ、佐野さん、その隣の今しがた亡霊斬った人は誰?」
幽霊「この方は先ほど説明した守護霊さんです」
女「はじめまして?」
武者「――――」
幽霊「恥ずかしがり屋さんみたいなので挨拶できないみたいです」
女「は、はぁ……」

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:40:08.71 ID:/owjxFxq0
54
幽霊「それより、来るの遅れてすいません。あの男にされたことを思い出してしまいまして起動停止してました……」
女「そうなんだ…佐野さん、ちょっとあたしの周りの状況を説明してくれる?」
幽霊「後ろ手に手錠と、手錠には重しがついてます。この部屋は窓が封鎖されていますから明かりは電気のみ、床と壁には防音措置がとられていますね」
女「ずいぶんと詳しいね…」
幽霊「だって私、ここの前の住人でしたから」
女「お、おう」
幽霊「あの冷凍庫は……まあ関係ないでしょう。早くここを出ませんと」
女「……どうやって出ようか」
幽霊「そこなんですよね…」
女「あたしこんな鉄を引きちぎるなんてできないし」
幽霊「そんなことが出来たらまずこんなことになっていない気が」
女「ですよねー」

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:40:52.27 ID:/owjxFxq0
55
幽霊「しかし真面目にどうしましょう。私も何度か脱走は試みていましたが」
女「いましたが?」
幽霊「ご覧のとおりです。ことごとく失敗に終わっては――はい」
女「だ、大丈夫? 今思考を放棄したような顔だったけど」
幽霊「気のせいです。今、あの男の意識は別のところにいってますから動くチャンスなんですよね」
女「それってどういうこと?」
幽霊「……」
女「佐野さん?」
幽霊「あの女の子の相手をしている、ということです」
女「そんな! 助けなきゃ!」
幽霊「やめてください。今は樋口さん、あなたが助かる方法を探さないと」
女「でも……」
幽霊「本当に、やめてください。助かる確率を自分から下げてどうするんですか」
女「なんでそんなこと言うの!?」
幽霊「他人を助けようとして殺された前例がいるからですよ!」

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:41:19.15 ID:/owjxFxq0
56
女「っ」
幽霊「私と一緒に捕まってた人が! 偶然自由になれて、逃げようって言って!」
女「佐野さ――」
幽霊「結局見つかって殺されたんですよ!? あのまま逃げればよかったのに!」
女「佐野さん」
幽霊「…ごめんなさい。少し高ぶってしまいました」
女「こちらこそ、ごめん」
幽霊「……」
女「……」
幽霊「逃げる云々よりもまずは手錠何とかしないといけませんでしたね」
女「そうだね。そこらへんに鍵とかあったらいいのに」
幽霊「うぅん、ないですね…基本的にあの男がもっているはずです」
女「それってどうあがいても絶望じゃん…」
幽霊「希望をもってください――私が言うとまるで説得力ないですが」


81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:41:57.33 ID:/owjxFxq0
57
女「こう、重しをぶら下げたままダッシュを」
幽霊「ドア開けられます?」
女「なにも手にこだわらなくてもいいんだぜ」
幽霊「重しをつけたまま安全な場所まで走れそうですか?」
女「ちょっとやってみ……重くない?」
幽霊「そりゃあ、重しというぐらいですから」
女「しかも手錠がすごく食い込んで痛い。人体はもろいね」
幽霊「もろいですよねぇ」
女「でも死ぬよりはマシだと思って――」
武者「――――!」
幽霊「! 樋口さん、座って!」
女「え? うん」
犯人「―――あ、もう起きてたんだ。ごめんね待たせちゃって」

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/17(土) 00:46:30.57 ID:hbAglo3AO
乙。この状況はひっくり返せるのだろうか。

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/18(日) 01:17:17.29 ID:R77w8mjU0
58
女「高橋、さん……」
犯人「寝間着姿じゃこの部屋寒いよねえ。まあ、凍死はしないと思うけど」
女「あなたは、なんでこんなことを」
犯人「こんなことって?」
女「あたしやあの女の子に何の恨みがあるんですか」
犯人「恨み、ね。別にそんな感情を持ってはないよ」
女「じゃあなんで」
犯人「食べたかったから――だけど。それだけじゃだめなのかい?」
女「そ、それだけって。どうして」
犯人「きみだって肉を食べるために買うだろう? まさか生肉を鑑賞するとかそういう趣味はないと思うけど」
女「ない、ですけど」
犯人「現物を自分で捌くか、パック詰めのものを買うかの違いだよ」

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/18(日) 01:17:43.51 ID:R77w8mjU0
59
女「あたしは…食べ物じゃありません」
犯人「鳥も豚も牛もみんなそう言うと思うよ?」
女「同族を食べるなんておかしいですよ」
犯人「ねえ、『同族』として見られていると思ってる?」
女「え?」
犯人「なんというのかなぁ…他人を同じ種族として見ることが出来ないんだよね、僕」
幽霊「……」
女「え…」
犯人「自分が神だとかそういうのは思ってないさ。だけど、どうしても『違う生き物』としてしか見ることが出来ないんだ」
女「…狂ってますよ」
幽霊「トチ狂ってます」
犯人「うん、ここに来たみんなそう言ったよ。…ん? みんなか?」
幽霊「私は初耳ですけどね。この話」
犯人「あ、そうか。佐野ちゃんはすぐ声潰したからこんな会話しなかったんだっけ」
女「佐野ちゃんって」
幽霊「私です」
犯人「あれ、知り合いだった? あの子すごい綺麗な人でさ。脂肪も程よかったし」

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