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少女「あなた誰?」 宇宙人「えっ宇宙人ですけど」

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Part5
227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 02:57:24.64 ID:18/y+5IbP
少女「……はぁ……はぁ……ぐッ!!」
宇宙人「ッ!? しっかりしてください!!」
少女「…………して」
宇宙人「え?」
少女「…………どう、して、……わたしなんか、を?」
宇宙人「……」
宇宙人「……そんな。いまさら何を言っているんです」
少女「ぇ?」
宇宙人「そんなの決まっているじゃないですか」
少女「……」
宇宙人「あなたは……」
宇宙人「あなたは、この広い宇宙の中で、たった一人の────」
宇宙人「──────私の、お友達でしょう?」

233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 03:04:40.48 ID:18/y+5IbP
少女「────…………ぁ」
宇宙人「友達のためなら、いくらでも『覚悟』をもつことができます」
宇宙人「私はあなたの全存在を……自らの果たすべき『責任』として、引き受けることを誓います」
少女「……あ、……あぁ────」ジワ
宇宙人「待って下さい、今処方をしますから!」
少女「……もう、────いいわ」ポロ……
少女「……死ぬ間際に、こんな……素敵な、友達が……できたんだもの」ポロポロ…
宇宙人「……あなたを死なせたりしません!」
少女「あなたが妄想でも、……ゴフッ……実在、していても、……もう、どちらでもいい」ポロポロポロ…
少女「ありがと、ね……」ポロ…
少女「私を、友達だと言ってくれ、て……ありが、とう……」
宇宙人「ちょっと! しっかり────」
────その瞬間、彼女は……事切れた

234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 03:05:30.05 ID:ceo+7jGW0
おい・・・

236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 03:07:07.53 ID:/CpYauEU0
夢オチでもいいよ
夢オチでいいから

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:05:06.87 ID:18/y+5IbP
──エピローグ
私は星を去った
しかし、調査任務を無事に遂行し終えたとは言い難い
母船に通信して向こうに引っ張ってもらってもらい、帰還して動力源を確保したのも束の間、先程発ったばかりの星へと無断で取って返したのだ
……しかし、彼女の死は避けようがなかった
私の躊躇いが、運命を分けたのだろうか
後悔が鈍い想念となってかけ巡る
確かに……母船に戻る前の段階で彼女を無理やり情報体化して連れだしたところで、
動力源を確保するために母船に帰還すれば即お縄だっただろう
結局は、こうするしかなかったのだと自分自身を無理やり納得させるしかない
過去へは……戻れないからだ


269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:12:41.70 ID:18/y+5IbP
これからどうすべきか
情報体同士の情報共有化はできない
そんなことをすれば、第三者に自分の位置をあからさまに教えるようなものだ
いずれ何らかの策を講じる必要があるが、当面はローカルな情報に頼らざるを得ない
──故郷にでも帰ろうか
そんなことを考えつつ舵を取る
……宇宙船の航行速度はとてつもなく速い
というか宇宙船と言っても、そもそも物理的形状をもった船に乗っているわけではないのだ
この宇宙船もまた一種の情報体に過ぎない
無形飛行の中で……私は今、前に進んでいるのだろうか、それとも逃げているのだろうか
「責任……か」
ぼんやりと意識を宙に浮かべて、独りごちる
今更になって何故か…………彼女との出会いが脳裏をめぐった

272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:19:18.71 ID:18/y+5IbP
────……
──……
─…
──通信機のトラブルで母船に帰還することができなくなり、動力源も底をついてしまったものの、
とりあえず目的の星に辿りつくことができたため、私はその段階でも比較的状況を楽観視していた
あまり物事を深刻に考えすぎないのは、他の個体とは異なる、私という個体の特性だろうか
「とは言え、気軽に出歩くのはマズイですよね~」
本来であれば、この星で接触をとる種族の姿に似せた肉人形を用意すべきところなのだが、その程度の動力源すら残っていなかったのだ
仕方なく私は現状ですぐに作ることのできる肉人形────我々の種族の祖先の姿形を模したものだ────を用意することにした
こうなると軽々には行動できない
こんな姿で街を悠々と闊歩しようものなら、たちまち衆目を集め、捉えられたり解剖されちゃったりするだろう
いや、この身体を解剖されたからといって死にはしないのだが

273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:25:29.10 ID:18/y+5IbP
当面、感情採取に協力してくれる現地民を探す必要があった
「あなた誰?」
──探すまでもなく見つかってしまった
「えっ宇宙人ですけど」
つい本当のことを答えてしまう自分の馬鹿正直さが憎らしい
「へぇ~」
なんだか目をキラキラさせていらっしゃる
「私ね、宇宙人とお友達になるのが夢だったの!」
──ほほぅ
「私も寄生さk……ゲフンゲフン……現地民のお友達ができるのは嬉しいです!」
そんな風に、無邪気な生き物ですよ~という感じのアピールをして彼女に近づいた

274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:30:02.57 ID:Bib/mpTV0
おいやめろ・・・

275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:32:06.19 ID:18/y+5IbP
「ねえねえ……宇宙人ってどんな生活してるの?」
──異変は彼女の家に入った瞬間に気づいた
腐臭……いや、屍臭だこれは
「さあ、あなたが思っているものとは随分違うと思いますが……」
臭いの出所は……1階……バスルームだろうか
「それにしてもあなた……変な姿してるのね。宇宙人ってみんなこんななの?」
「いえ、そうとも限りません。そもそもこの形は借り物で、私にとっての定型ではないので」
「ん? どういうこと?」
──彼女はこの臭いに気づいていないのか?
…………いや、気付かないはずはない
気づいている上で、『気にしていない』のだ……
彼女と会話しつつも、私は臭いの元が気になって仕方なく、どこか上の空だった

276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:37:40.92 ID:18/y+5IbP
「ちょっとトイレ借りてもいいですか?」
「えっ!? いいけど……宇宙人もトイレ行くの?」
「ええ……そんなもんです」
──もちろん嘘だ
1階に降りてバスルームを確認する
腐った死体を二体発見した
「──ふむ」
この種族には同族の死体をバスルームに放置する文化でもあっただろうか?
「いや、ないですないです」
自分のとぼけた発想に自分で突っ込むという何だかのんべりとした情報処理を行った後、2階の彼女の部屋に戻った

277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:43:15.52 ID:18/y+5IbP
「おかえりなさい」
「あぁ、ただいまです」
少女は自室でくつろいでいた
「あの……一つ聞きたいことがあるのですが」
「なに?」
「バスルームの死体は何ですか?」
「……」
「?」
「……」
「あのぉ~」
──き、気絶してる
なんだこの子……

278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:47:32.39 ID:18/y+5IbP
「あなた誰?」
目を覚ました一言目がそれだった
「えっ宇宙人ですけど」
それに馬鹿正直に返す私も私だが……って、何だか既視感
「ウチュージン?」
「そうですよ」
──ああ、なるほど
この子、イカレてるんだな
そう判断した私は、同時に、『むしろこれは好都合なんじゃないか?』……そう考えた
宇宙人の存在を何の躊躇もなく受け入れている時点でかなり頭がおかしいが、
感情採取を目的としている私にとっては、過剰に警戒されない分やりやすいと言える
そんなこんなで、私は彼女を寄生先に選ぶことにしたのだった
────……
──……
─…

279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 10:55:53.29 ID:18/y+5IbP
最初は利用しようとしただけだった
彼女の不幸な境遇や、その不幸な妄想の内容を悟った後も、特別、同情心は生じなかった
『いじめっ子排除プラン』も、彼女の生命力を弱らせないようにする方便でしかなかったし、
実際にその排除プランが彼女の賛同を得たとしても、適当に振舞って妄想の方向性を変えてやればいい程度に考えていたのだ
とは言えその妄想の方向性を変えてやるには、何らかの方法で『両親や級友が死んだ』と彼女に誤認させねばならなかった
もし虐待が妄想ではなく、現実に起こっていることであれば彼女の意向を無視してさっさと殺害を遂行していただろうが……
妄想の中の相手となるとそうすることもできず、彼女の動向に多少ヤキモキしていたのも確かだ
……そう、彼女には本当にヤキモキさせられた
それはひとえに、彼女のその偏向した考え方によるも所が大きい

280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:01:51.79 ID:18/y+5IbP
────責任は覚悟の形
小娘の戯れ言でしかなく、一笑に付してしかるべき妄言のはずだ
それなのに私の内なる変化をもたらしたのもまた……彼女のその言葉だった
妄想の友人に傷つけられた彼女が、友人の告発を自らの責任として受け止めようとする姿は滑稽でもあり、何故か美しくもあった
『生命の有り様』を美しいと感じる
これは我々の種族にとって退化した感情のはずだ
それなのに彼女の『覚悟』は……何故か私の琴線に触れ、私の魂を揺さぶった
そして、自身の両親を殺めた罪を引き受け、終には自らの命に幕を引こうと決意したその『覚悟』を見るに至って──
私は、彼女を、この美しいものを守らねばならないという強烈な衝動に襲われたのだ

283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:07:51.54 ID:18/y+5IbP
我々は岐路に立たされたとき、『その先で何を得るか』という基準をもって選択肢を選ぶ傾向がある
その際、往々にして『選んだその先で何を失うか』という視点は忘れられがちだ
そして、一度選択して先に進んでしまえばもはや失われたものに気など払わず、やがて、『自分が失ったのだ』という事実すら忘却の彼方へ追いやってしまう
その無数の忘却の果てに今の我々の姿があるとすれば、果たして、これまでの選択が正しかったのだろうかと、自分たちの道程に対する懸念が生じるだろう
疑い始めては前に進めない
だから私の仲間たちは疑念を抱かず、立ち止まることなく、忘却を恐れず、勇敢に前を向いて進んでいくのだ
────そう
ただ私は、そんな彼らと道を違えたに過ぎない
根底的な断絶でもって、彼らと訣別したのだ

284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:10:31.75 ID:2kIFcwJUi
何故だろう涙が

285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:13:55.81 ID:18/y+5IbP
彼らがかつて有し、今や遠い過去に置き忘れた、あの神聖感
私が彼女に対して抱いた、心を震わせつつ胸の奥からこみ上げてくるあの内なる情動
私は自分の仲間たちがかつて忘却したものに固執し、取り残される側に自らも残留することを、あえて選んだのだ
────そこまでする価値があるというのか?
それこそ、聞くまでもないことだ
……暖かく
……穏やかで
……勇気を湧かせ
……胸を熱くする
……何よりも尊い──────
少女「────ねえ。むっつりと思索にふけってないで、私とおしゃべりしなさいよ」
宇宙人「えっ……あぁ、すみません。さて、どんなお話をしましょうか?」
────元気な笑顔を見せてくれる彼女を守ること以上に、大切なものなどないのだから

286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:16:16.48 ID:u90lpMxL0
うん。

287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:19:35.55 ID:Cqh36RVZ0
よし。


288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:19:53.03 ID:18/y+5IbP
***
少女「ん~~~~ッッ!!」
少女「……ッ、はぁ~~!! 久しぶりの地面ね!」
宇宙人「長旅お疲れ様でした」
少女「本当よ! 宇宙船の中つまんないんだもの。歩けないし、食事もできないし」
宇宙人「あなたは情報体になったんですから、運動する必要も食事する必要もないんですよ?」
宇宙人「その代わりに、我々と同じく感情エネルギーが必要な存在になってしまいましたが」
少女「……まぁ、それはまだいいんだけど。この身体はなに?」
宇宙人「我々の種族の祖先の形を模した肉人形ですね。私がこれまでに使っていたのと同タイプのやつですよ」
少女「……元の身体がいい」
宇宙人「そこは我慢してくださいよ。あなたは……あなたの肉体は間違いなく死んだんですから」

293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:26:30.44 ID:18/y+5IbP
少女「それ、何度聞いてもよく分からないんだけど……私って死んだの?」
宇宙人「一般的な生物種としての死を迎えたことは間違いないでしょうね」
宇宙人「ただ、肉体の死と生命の死とは本来、別の現象なんです」
宇宙人「生命が肉体と不可離に結びついてる状態で肉体が滅びると、生命も肉体の死に引きずられて死んでしまいますが」
宇宙人「私や、今のあなたのように、生命を情報体の形で単独で存在させられるならば、肉体が死んでも生命は滅びません」
宇宙人「もっとも、肉体の寿命とは別に生命それ自体にも寿命がありますから、情報体になったからといって永遠に生きられるということではないんですが」

294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:33:12.95 ID:18/y+5IbP
少女「……相変わらずよく分からないんだけど。つまりどういうこと?」
宇宙人「ふむ。簡潔に言えば……」
宇宙人「あなたが肉体的な死を迎えた後、時間的猶予は全くありませんでしたが、何とかあなたの生命の情報体化に成功したので、あなたの生命それ自体は死なずにすんだんです」
宇宙人「とはいえ、あなたの肉体が失われたことは残念に思っています」
宇宙人「もっとどうにかできなかったものかと、後悔していますよ」
少女「それは……まぁ仕方がなかったから、別にいいんだけど」
宇宙人「……で、情報体になったあなたを宇宙船に乗せて、逃亡航行の果て、私の故郷にたどり着いた……というわけですね」
少女「……」
少女「やっぱりよく分からない」

296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:39:27.70 ID:18/y+5IbP
少女「……でも、この星は気に入ったわ」
少女「緑も多いし、水も多い。空気は……少し淀んでいるけど、そのうち馴染むと思うし」
宇宙人「気に入っていただけて何よりです」
宇宙人「一時期は地殻変動や気候変動、我々自身による森林伐採や資源採掘とかでひどい有り様だったんですが、長年の努力によってずいぶん改善しました」
宇宙人「今や異星人も少なくないので、歓迎……とまでいかないでしょうが、邪険に扱われることもないはずです」
少女「へぇ~。……ここ、あなたの故郷って言ってたけど、別にここで生まれたわけではないんでしょう?」
宇宙人「ええもちろん。正確に言えば、私の種族の祖先たちが住んでいた星ですね」
宇宙人「いま私やあなたが使っているこの肉人形ですが、これが私の祖先の姿形だったようですよ」
少女「ふーん。変なの……」
宇宙人「まぁまぁ、ほとぼりが冷めたらあなたの種族用の肉人形を用意してあげますから。今しばらくは我慢してくださいよ」
少女「……わかった。我慢する」

297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:47:02.32 ID:18/y+5IbP
少女「ま、まぁ……何にせよ? 私を連れだしたのはあなたなんだからね……」
宇宙人「? ええ、そうですね」
少女「だ、だからぁ……ちゃんと『責任』とってってことよ!」
少女「こんな星で、一人っきりでほっぽり出されたらたまったものじゃないし」
宇宙人「ああなるほど。大丈夫ですよ、きちんと面倒見ますから」
宇宙人「……しかし今の文脈、今の言葉の意趣、そしてあなたの種族の文化的背景から考えるに、この『責任とって』という台詞は……」
宇宙人「結婚の申し込み? プロポーズというやつでしょうか」
少女「……え? なに言ってるの?」
宇宙人「ふむ。まぁ一生連れ添うくらいの覚悟は元よりありますが、あなたに『そういう意図』があるとなると……」
宇宙人「性別の壁……、いえ……そもそも種族という大きな壁が……」ブツブツ

298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 11:54:00.92 ID:18/y+5IbP
少女「ちょっと、なにブツブツ言ってるのよ。……何か不穏なんだけど」
宇宙人「……ええ。分かりました。大丈夫です」
少女「え、何が?」
宇宙人「種族の違いがあるので子どもを作ることは不可能ですが、性生活で欲求不満にはさせません」
少女「はぁ?」
宇宙人「なに、不安になることはありません。性愛欲は我々にとって退化した欲求にすぎませんが、私の仲間でもエクスタシーを娯楽的に楽しむ者たちはいます」
宇宙人「その手の営みも研究し尽くされ、膨大な知識の蓄積があるのですよ。数万年にわたって発展してきた禁断の性技を披露致しましょう」
少女「……」
少女「……ほんッッとに」プルプル…
宇宙人「?」
少女「学ばないわねあなたはッッ!!!」ツンツンツンツンツンツン!!!
宇宙人「あっ! 痛い! 痛いです! でもなんか懐かしい! でも痛い!」
少女「だからなんで少し嬉しそうなのよ! このバカ!」

304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:00:10.34 ID:18/y+5IbP
少女「もう。ほんと懲りないんだから」
宇宙人「えへへ、すみません」
少女「……ほら、当面の亡命先に行くんでしょ?」
宇宙人「ええ、参りましょう」
少女「……って、ああもう歩きにくい!!」
宇宙人「申し訳ないですが、こればっかりは慣れてもらうしかないですね~」
少女「どうしてあなたはこんな身体でひょいひょいと歩けるの!?」
宇宙人「慣れですよ、慣れ」
少女「だいたいね……」
少女「そもそも、────なんだって脚が二本しかないわけ!? おかしいじゃない常識的に考えて!」

305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:04:37.61 ID:lVy4Wvnk0
えっ

306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:04:43.58 ID:Bib/mpTV0
>>304
え・・・?
どういうこと・・・
まさかもともと人間とはいってないのか

307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:04:48.31 ID:S0wstkdp0
え?

308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:05:24.36 ID:sTMa9kMi0
なん、だと

309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:05:53.50 ID:Vi4uHdj80
ここにきて急展開?

311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:06:27.81 ID:18/y+5IbP
宇宙人「それが私たちの祖先の身体だったんだから、仕方ないじゃないですか」
少女「脚も二本なら腕も二本! 不便ったらないわ!」
少女「それに身体全体もなんか縦にひょろっと長くて重心が安定しないし!」
少女「だいたいこのてっぺんについてるサワサワしたやつ何なの!?」
宇宙人「『髪』って言うんですよ。黒髪サラサラのロングストレートです。とってもお似合いですよ」
宇宙人「目もクリクリとしてて、鼻筋が通っていて、とても美人さんな顔立ちです」
宇宙人「体型はあなたの年代に合わせた小柄なものですが…………我々の種族の肉人形愛好家の間では、人気の高いモデルなんですよその身体」
少女「そんなこと言われても、おかしいものはおかしいって感じるんだからしょうがないじゃない!」
少女「…………はぁ。元の身体が恋しいわ」
宇宙人「ふふ。少しの間の我慢ですってば。ね?」

312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:07:42.34 ID:Bib/mpTV0
おい、まさか宇宙人が人g・・・ゲフン

313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:07:48.12 ID:S0wstkdp0
えwwwww

314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:08:12.39 ID:S0wstkdp0
元の体が気になるわ

315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:10:58.58 ID:Bib/mpTV0
つついてたのはまさか・・・おっp

316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:11:30.32 ID:18/y+5IbP
少女「……ねぇ、それはそうと肝心なことを聞き忘れていたんだけど」
──彼女が長い髪をたなびかせて振り返る
宇宙人「何ですか?」
少女「この星のことよ。なんていう名前なの?」
姿形がどのようであれ、彼女の強さとその煌めきには何の変わりもなく
宇宙人「あれ? 最初に言いませんでしたっけ?」
少女「聞いたかどうかも忘れちゃったわ」
その傍らに立ち、共に『覚悟』を持って未来を見据えられるならば、そこにあるのは希望だけで────
宇宙人「ふふ。そうですか」
宇宙人「私の故郷である、この星は────」
宇宙人「──────『地球』っていうんです。素敵な名前でしょ?」

317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:11:38.08 ID:Cqh36RVZ0
なんと

319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:12:35.18 ID:18/y+5IbP
──── 少女「あなた誰?」 宇宙人「えっ宇宙人ですけど」 fin.

320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:14:10.78 ID:Oc3fSo7o0

良い話だった

321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 12:14:25.04 ID:Bib/mpTV0
すっげええええええええええおもしれえええええええええええええええええええええええええええ
>>1乙
以外だったわ・・・・・・・・・・・・・・・・

347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/28(火) 13:24:45.88 ID:wXKxhlbRO
すごく面白かった>>1乙
ぜひまた書いてください

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