俺のしょうもない思い出を話そうと思う。誰か聞いて
Part21ここまで来れば、S子と親戚との関係もかなり良好でした。
それが個人的には安心できて、何よりでした。
帰りは、北祖母が事前予約していた高級そうなお店へ向かい、北海道の名産品のフルコース。
S子を上座と言うのかな?凄く良い所に座らせ、その目の前にオレが要る感じだったのですが。
ビールもどんどん持ってこられ、オレはビールを普段飲めないのですが、少し頑張って飲みました。
S子の方にも、誰も手を付けないのだけど、どんどん物が運ばれて行って、
ちょっと、千と千尋のカオナシに豪華な料理をたくさん持って行く様を思い出したりしました。
で、気が付くと、オレとS子が隣り合わせに座っていた。
ずーーーーーーーっと、酔いもあってか、ヘラヘラしながら寄りかかっていた。
S子は困った顔をしながらも、何度も「もうぉ……」と言っていて、
それに萌えてました(´∀`*)
563 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)17:19:13 ID:zmjxvvIKQ
S子はニコニコしていた。
オレもニコニコしていた。
ちなみに酔いもあったけど、意識が失うほどじゃないです、気分が高揚する程度の酔いです。
其処まで酷い事にはなりませんでした。
ただ……S子の足を……ゲフンゲフン。
その後、クルマの中で眠りにつき、家に帰り、>>560の様な事態になりました。
564 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)17:23:15 ID:zmjxvvIKQ
疲れたので休憩します……暑すぎる……
この調子なら、今日中に話終わりそうです!
何故か自分で安心した……w
565 :メーテルカードマン :2014/08/04(月)17:30:13 ID:1fVjeYcvr
うん
566 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)19:16:31 ID:zmjxvvIKQ
>>563続き
その日の晩、オレはとにかく寝れなかった。
いや、筋肉痛の前兆を感じていたし、疲れて布団に沈み込む様に横になっていた。
隣にはS子が居て、S子はボーッと天上の模様を見ていた。
帰って来てから、あんなことを北祖母に言われ妙に意識していたけど、
そう言う気にはならなかった。少し残念だったけど、仕方がない。
寝る前に北祖母から、明日の除霊について説明された。
ここからそう離れていない小さな山の神社を借りて、S子を天国へ送ると。
北母「いいかい、オレ。
S子ちゃんと一緒に過ごせるのは今日で最後になります。
決して悔いの残らない様、
同時に貴方もS子ちゃんも、強い未練が残らない様に務めなさい。」
そう北祖母は、オレだけを呼んで話した。
頭の中では十分に分かっているつもりだった。
ただ、いざ目の前に来ると、何とも言えないほど、何も出来なかった。
いや、何をすればいいか分からないと言う感じだろうか。
先ほどまでの幸福感は嘘の様に、悲しさと寂しさと不安がこみあげていたのを、よく覚えてる。
最後の夜、って下手に意識して、何か気を使おうと思う。
ただ、何を話しかければいいか分からない。
とりあえず喋ればと思ったが、その言葉が出る寸前で止まっちゃうんだ。
いつもなら、S子の方から何か話題を振ってくる……こういう時なら。
毎回S子へリードされていることが多いし、気にはしていたけど、今回は期待していた。
S子「……。」
ただ、S子は上を見たまま、何かを言う気配がない。
オレ「……。」
対抗するつもりは無いけど、俺も無言になる。
568 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)19:27:45 ID:zmjxvvIKQ
すまん、エンターキーが壊れてやばい、ずっと改行されてるから、一端治るまでまってて。
本当に済まない。
569 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)19:47:05 ID:zmjxvvIKQ
応急処置した
>>567
時計の針の音と、外で鳴く生き物の声しか聞こえない寝室。
電気が消えてから異常なほど長く感じた夜。
この空気は気まずいと言うより、そう言う空気なんだ。
お通夜と同じだ。
声を出しちゃいけない、笑っても、出来ることなら泣いてもいけない。
泣いちゃうなら仕方がないね、悲しいのも仕方がないね。
ただ、色々な人が、色々なことを想っている時間。
あの時間が流れていた。
いや、お通夜の雰囲気は人それぞれだと思うけど、オレはそうお通夜ではそう感じてる。
だから、ここで声を出さないのは正解だと思うと、不思議と安心してきた。
そもそも、悲しいとか寂しいとか不安だとか、そう言う考えになるのは間違えだ。
オレ(強気で行こう。S子に心配かけない為にも)
そう思うことで、気持ちを誤魔化しながら落ち着かせた。
570 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)19:49:12 ID:zmjxvvIKQ
そんなんで寝たもんだから、翌日はかなり早く起きた。
外はまだ暗かった。
S子の方を見ると、S子は可愛い寝顔でいた。
両手を胸の下で組、落ち着いた表情で眠いっている。
はぁ……制服だから寝苦しそうだけど、はぁ……可愛すぎる……っ!
そんな変態思考で目覚め、とりあえず台所の方へ向かった。
571 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)19:57:25 ID:zmjxvvIKQ
北母「あら、本当に早いのね」
オレ「お、おはようございます……」
北祖母はすでに起きていた。
小さなライトスタンドを使い本を読んでいる。
おいおい、幾らなんでも早すぎるだろ。
外じゃ、まだ虫が鳴いているし、陽太様だって登ってねーぞ。
と内心思いながら、それを見透かされ「年を取ると早起きするのよ」と言われ。
本当に敵わない人。
心の底からそう思った。
洗面台へ向かい、顔を洗い、歯を磨き、台所へ戻ると祖母はお茶を出してくれる。
北母「昨日の夜中はどうでしたか?」
北祖母は本を閉じながら優しく尋ねてくる。
オレ「特になにも……」
北母「あら、そうなの……寂しいわね……」
オレ「本当に……寂しいです……」
北母「ふふっ、そうね、オレには寂しい事かもね」
オレ「……これで良いのですかね」
北母「それは私が判断することではないです」
オレは何も言い返せない。
オレ「……北祖母さんなら、良かったと思いますか?」
北祖母は目を潰し考えて。
北母「今のままじゃ、お別れするのは嫌かな〜」
そう笑った。
北母「私だったら、そもそも除霊されたくないもの」
オレ「えっ?」
それは、予想外過ぎる質問だった。
ハトがまめ鉄砲を喰らうような顔とはあの時のオレの顔かもしれない。
572 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:01:42 ID:zmjxvvIKQ
北母「私は、S子ちゃんほど貴方を愛していたら離れたくないわ。
何をおどろいているのですか?
それは凄く当然で当たり前のことじゃないのかしら。
好きな人と過ごし、好きな人とお話して、好きな人と生きる。
それほど素晴らしい事が、この世に他にあるかしら?」
一か月前の俺なら即「ネトゲ」とか答えたかもしれない。
ただ、今の俺には「 ”その通りです” 」と言う以外、言葉は無かった。
北母「私はこう見えて我侭ですからね。
もっと生きていたいし、もっと子供たちの顔が見たい。
今はヨボヨボだけど北祖父さんとも、ずーっと一緒に暮らしたい。
不老不死の薬があるなら、私は間違いなく飲みます。
それぐらい私は生に対して、鬼で、我がままで、狡い人間です」
オレはただ茫然と聞くしかなかった。
573 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:11:13 ID:zmjxvvIKQ
北母「でも、それは人には叶わないです。
死んじゃいます。お別れは絶対に来ます。お別れして天国へ行きます。
ただ普通の人が、普通に天国にたどり着くには難しい。
だから、生きている人たちで集まって、天国へ行けるようにお呪いをし、天国へ逝かせる。
それが普通なんです。
……だけど、私は『天国に行くのが正しい』とは少しも思ってません。
そう持って除霊しなかったことも沢山あるのですよ?
もしも、今からS子ちゃんの除霊を止めたいと言うなら、私は賛成します。」
予想外の言葉の数々に、俺は言葉が出なかった。
574 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:19:07 ID:zmjxvvIKQ
専門も言っていた。
『もっともお祓いが、彼女の幸せな気もしないけど』
それに社長は霊と共同生活している。
けれど、受け入れ、問題もあっても幸せそうだ。
ただ、ニトは成仏が正しいと言っていた。
そうだ、S子は基本的何もできない……それは嫌だろう。
ーー結局オレは、オレでの答えを見つけようとして居なかった。
そ れ を 北 祖 母 は 見 抜 い た 。
北母「……貴方はどうしたいの?
流されて、周りに言われて、そんなんでS子を振り回して何がしたいの?」
その言葉にオレの頭の中は一気に真っ白になった。
親父の言葉や、従兄の言葉も、なんも聞こえなくなる。
575 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:23:20 ID:zmjxvvIKQ
オレは人生で味わったことが無いほど、考えた。
本当にオレがしたいのはなんだ?
周りの声なんか聴くな、オレは何がしたい。
S子と幸せになりたい。
その幸せってなによ?
じゃあ、その幸せってなんだ?
S子を見て萌えてること?違うだろ。
S子の足を見て萌えてること?違うだろ。
ああ、そうだ。
S子と家庭を設けることだ。運じゃ叶うのか?
バーカ、叶う訳がねーんだよ、あほ。
S子と結婚する、叶うかもしれない。
今でも幽霊と結婚ってニュースになる、日本じゃ聞いた事が無いけど。
でもそれは、違う。そう言う幸せじゃない。
いや幸せだけど、そう言う幸せは、オレは望まない。
バーカみたいに、アホみたいに、童貞拗らせないで。
仕事よりも、ネトゲよりも、今までの受験勉強よりも、とにかくとにかく考えた。
ただ、答えは本当に何の前触れもなく、頭に過った。
576 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:31:49 ID:zmjxvvIKQ
S子が幸せだと思うことが幸せなんじゃないか?
最初は疑問だった。
ただ、S子が笑っている時、オレは幸せだった。
S子と楽しい事を話している時は幸せだった。
S子が暴走した後の和解した時は幸せだった。
S子がスカートたくし上げた時、いやその後だ、幸せだった。
昨日もそうだよ。
S子は幸せそうにしていた。その時俺だって幸せだった。
ちがう、俺が幸せかどうかじゃない。嬉しいのは其処じゃない。
”S子が幸せだと思っていただろう事”を思い出すと、嬉しい。
結局オレの独りよがりな視点でしか言えない。けど、そうだ。
もーーーーーーーー何て言うか。
とにかくウザイ、臭い、キモイ、死ね、くたばれってレベルだけど。
このさい恥なんか知るか。
オレ「S子が幸せだと……思う事をオレはしたいです……」
ぷっはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
あはははははwwwwwww恥ずかしいけどwwwwwwww
はぁ。草刈る。
とにかく、俺はそう言いました。言っていました。
北母「…………良いじゃない?私は良し悪し決めれないけど、素敵よ」
なんかとても優しい顔で言われた。
照れながらオレは笑った。
北母は語った。
きっと、これが本当の『本音を言う』状態で、
こう言う辿り着いた答えが『真理』って言われるんだと思う。
幾つも答えがある。
その中で、一つの答えを掴む。
他に答えはあるけど、それでも。
オレは”これが答え”だと思い掴み、持って歩く。
そう言う状態が真理なんだと。
577 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:34:39 ID:zmjxvvIKQ
テンション落とす為に暗い事言うけど、
ぶっちゃけS子への真理には辿り着いたけど、オレへの真理は辿り着いてません。
童貞です、ちょっと痩せたけどデブのままです。仕事も大したことしてません。
ふぅ……。あっかん、顔熱い。
なんでネットで変なこと熱く語ってるんだろう。.
うわあああああああああああああああああ
本当に聞いてくれてる、見てくれてる人が居たら、感謝します。
579 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:40:14 ID:zmjxvvIKQ
そんな話をしていたら、外は少し明るなり始めてた。
S子「おはようございます」
オレ「うわっ!」
本当にビビりました。突然オレの後ろに立っているんですよ。
オレ(今の恥ずかしい言葉効かれたかな〜……)
とか思いながら、恐る恐るS子を見るけど、S子は「?」な表情で俺を見る。
心の中で小さく「うっし」とガッツポーズ。
北母「あら……、そうだオレ、S子ちゃん。
少し外をグルッと散歩してらっしゃい」
その時、俺は北祖母の気遣いに気が付けずあらぬことを言いました。
オレ「き、筋肉痛で……」
北母「はぁー……なら自転車でも使いなさい。
とにかく外は気持ちが良いから。いってらっしゃい。」
何か、妙に北祖母は俺らを追い出したいのかな?って感じた。
今日はお祓いごとがあるし……と、見事的外れな思考をして、自転車の鍵を取る。
そして、ボロボロで空気の甘い黒い自転車を借り、明け方の外へとS子と出て行った。
それが、最後のS子との散歩だった。
580 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)20:44:36 ID:zmjxvvIKQ
ちょっと、ご飯食べてきます。
……うし、食べたらラストになります。
581 :メーテルカードマン :2014/08/04(月)21:13:02 ID:1fVjeYcvr
>>580
ゆっくり食ってこいよ
…もうラストか…
582 :名無しさん@おーぷん :2014/08/04(月)21:42:36 ID:2rFBBoETc
ちゃんと見てるぞ
ラストに近づくにつれてさみしくなってくるな
>>579続き。
オレ「さ、寒くね……?」
S子「寒いの?」
夏だと言うのに外は意外と涼しかった、それ所か半袖の俺には寒い気がした。
S子「どこまでいくの?」
オレ「うーん……適当に行こう」
なんと気の利かない言葉だと、今だから思う。
どこまで散歩に行けばいいか分からないけど、
少なくとも迷子にはならないように、と心がけながら自転車をこいだ。
ただ、準備があるんだろうなーって勝手に思って気を使っていたので、
時間も掛けるつもりではいた。だから結構遠い所まで行っていた。
ただ静かにと道を走って行く。
自然豊かな場所だなーと思いながら、それをS子と話しながら、静かな道を走った。
S子はいつもの様にオレの肩に掴まり、オレに憑いてくる。
なんだか、これも最後かと思うと寂しいと思ったが、S子にはそんな顔見せずにいた。
S子「……今日で最後ですね」
オレ「そうですね」
俺もS子も何も言えなかった。
今一実感がわかない、このまま、また明日「オレさん」って呼ばれそうな気もした。
584 :◆Jv4G8upKnw :2014/08/04(月)21:58:25 ID:zmjxvvIKQ
オレ「……変なこと聞くんだけどさ」
S子「はい?」
オレ「S子は成仏するのが幸せ?」
S子「……。」
何を聞いているんだorz
そう聞くとS子は何とも言えぬ表情で、少なくとも笑ってはいない顔になる。
何を考えたんだろう。
何を思ったんだろう。
分からないけど。
S子「……”幸せになれる”って、オレさんだけでも、信じてくれませんか?」
あの日、従兄に促されて、納得した気になっていたけど、
オレは納得できてなかったし、従兄の話を一ミリも呑み込んでいなかったと、思い知らされた。
だけど、今は。
オレ「分かったよ」
とにかく、S子がそれが幸せだと言うなら。
それを信じるべきなんだ、そう言うとてつもなく強い使命感を抱いた。
俺のしょうもない思い出を話そうと思う。誰か聞いて
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