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引っ越してきた二つ年下の子

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Part4
261 :1:2009/08/25(火) 14:43:53.37 ID:9k1Z+XoP0
俺は、呆然と家に帰ったが、
なんとなく家に戻るのも億劫で、
真ん中公園のベンチに座っていた。
晴天なのに、心はどしゃぶりだ。
初めての彼女と、こんな終わり方なんて。
まるで世界が終わったかのような気分だった。
「こーちゃん。」
そんなorzな俺に話しかけてくれるのは、香子しかいなかった。

271 :1:2009/08/25(火) 14:48:40.19 ID:9k1Z+XoP0
「………。」
返事をする気力もなかったが、香子は構わず俺の方に寄ってきた。
「こーちゃん、どうしたの?」
「………なんでもねー。お前こそなにやってんだ。受験勉強はいーのか。」
「……もう、終わったから。」
あれ、そんなに入試って早かったっけ…
そんなことをぼんやりと考えた。
だがそれよりも、今は一人にして欲しかった。
「こーちゃんあのね、私、話したいことが…」
「うるせぇ。」
「え?」
「お願いだから、黙っててくれ。俺は一人でいたいんだ。ずっとずっとずっと一人で。」
香子は怪訝そうな顔をした。
「そんな一人で居たいなんて言ってたら、彼女さんに怒られちゃうよ?w」

272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 14:49:16.81 ID:1PPta8Fj0
地雷を踏みましたね?

274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 14:50:32.60 ID:kgfbKzUT0
踏み続けていれば問題ない

275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 14:50:33.16 ID:Fuc1UKRLO
>>1くん・・・最低


284 :1:2009/08/25(火) 14:52:52.16 ID:9k1Z+XoP0
その一言で、俺はカッとなってしまった。
「その彼女に振られたんだよ!」
「え、どうして…こないだの、私のせい?」
「そうだよ、その通りだ!だから、放っておいてくれ!!」
いや、本当は香子のせいじゃない。悪いのは香子じゃない。
その時でさえ俺は分かっていたが、だが、止められなかった。
ただ、一人になりたいという気分の方が勝ってしまい、香子に怒声を浴びせた。
「ご、ごめんなさい、わたし……」
香子は泣き出したようだったが、俺に気にする余裕はなかった。
気がつけば、いつの間にか香子はその場から居なくなっていた。

286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 14:54:33.40 ID:QIlH57XN0
あーあ!泣かせたー!いーけないんだ!いけないんだ!

287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 14:54:36.26 ID:ldgHXfKPO
こーちゃん、それはダメだよ〜。

288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 14:55:19.75 ID:sK0abAFyO
こーちゃん見損なったぞ

289 :1:2009/08/25(火) 14:55:55.97 ID:9k1Z+XoP0
家に戻ってしばらくして、
俺は香子に怒鳴ってしまったことを後悔したが、
電話して謝ることも出来なかった。そういう気分になれなかった。
そのまま、香子に会うこともなく、
もちろん、Tに会うこともなく、
手元に残された二つのチョコレートと供に、
俺は春休みを向かえた。

299 :1:2009/08/25(火) 15:00:52.63 ID:9k1Z+XoP0
春休みのある日。
俺が部活から戻ると、香子の家の電気は夜にも関わらず点いていなかった。
出かけているのかな、と思って家に帰ると、
母親が俺に便箋を渡してきた。
「これ、香子ちゃんからの手紙。お別れの挨拶だって。」
「お別れ?なにいってんだよ。」
俺の返事に、母親は怪訝そうな顔をした。
「何って…佐々木さんち、今日お引越しだったじゃない。」
「は!?」
「あんた聞いてなかったの?とっくに香子ちゃんから聞いてるものと…」
どういうことだ、なんだそれ、
俺はそんな話聞いてない、何も聞いちゃいない。
俺は部屋に駆け戻って、便箋を開けた。

301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 15:02:22.31 ID:yGlPw01j0
くそ、くそおおおおおおおおおおおおおおおおお

304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 15:04:46.90 ID:rwZaOC7rO
うわあああああああああああああ

309 :1:2009/08/25(火) 15:07:24.81 ID:9k1Z+XoP0
こーちゃんへ
何度も話そうと思ったけど、結局言えないままでごめんなさい。
お父さんの転勤で、前に住んでた町に戻ることになりました。
高校も、向こうの私立を受けました。
何度もこっちの○○高に入りたいって言ったけど、お父さんは許してくれませんでした。
当たり前だよね、高校生の一人暮らしなんて。
本当は同じ高校に入って、同じブラスバンド部に入りたかった。
こーちゃんと一緒に、高校に通いたかった。
最後に、私のせいでTさんと別れることになって、本当にすみませんでした。
どうやっても許してくれないだろうけど、
遠くからこーちゃんの幸せを願うことだけは許してください。
                香子

313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 15:09:50.47 ID:QIlH57XN0
ええ子や・・・

316 :1:2009/08/25(火) 15:10:46.27 ID:9k1Z+XoP0
本当は、もっともっと長い手紙だったが、要約するとこんな感じだ。
今でも手元にある。
俺は手紙を読みながら、涙を堪えることが出来なかった。
なんてことだ。
香子はずっと、このことを俺に言いたかったに違いない。
あの冬の日、家に来ていたときも。
バレンタインの日も。
そして、公園で俺が怒鳴り散らした日も。
俺は香子の話を聞いてやるどころか、
深く傷つけたまま、お別れとなってしまった。

327 :1:2009/08/25(火) 15:16:47.31 ID:9k1Z+XoP0
親は、連絡先を聞いていなかった。
俺には、香子に謝ることすらできなかった。
中学に問い合わせれば、もしかしたら分かったかもしれない。
だが。
俺は、それは何か違う気がした。
自分の力で、なんとかしなくてはならない。
そんな、強迫観念に似たような思いに囚われていた。
香子が、前居た町なら知っている。
結構な都会で、レベルの高い国立大がある。
その大学には、香子のやりたがっていた英語の仕事のための、英文学科もある。
なら、香子がその大学に行く確率は高い。
俺はそんな藁にもすがるような思いで、
香子にただ一言謝りたくて……いや、一目会いたくて。
それだけのために。
また、猛烈な受験勉強の日々に入った。

342 :1:2009/08/25(火) 15:21:54.98 ID:9k1Z+XoP0
その時のことは俺自身、あまり覚えていない。
とにかく勉強した。朝から晩まで、休み時間まで。
部活は引退まできっちりやったが、早く引退したくてたまらなかった。
秋ごろには、なんと初めてSの成績を超えた。
後にSは、
「あの頃のお前は鬼が憑いてたw」
と言っていた。
体重も激痩せしたが、倒れてる場合じゃないので、
メシは一杯食った。睡眠も4時間は確保した。
冬の手前にはB判定も取ったが、それでも不安だったので、
年越しの頃は時間の感覚が分からないくらいの勢いで勉強していた。

348 :1:2009/08/25(火) 15:24:36.61 ID:9k1Z+XoP0
結果。
受かった。
高校のときと同じように、親も先生も喜ぶより驚いていた。
だが、俺自身は、高校の時ほど喜んではいなかった。
こんなことは、通過点にすぎないんだ。
大学に入ったからといって、俺は確実に香子に会えるとは限らない。
それは、まだ先のことだ。

355 :1:2009/08/25(火) 15:27:29.76 ID:9k1Z+XoP0
大学に入ると、生活は一変した。
まず、初めての一人暮らしに馴れない事だらけだ。
炊事は、今でも不得意だ。
生活費の足しと、賄い飯目当てで、レストランにバイトに入った。
バイトも初めてだったが、店長が良い人で根気良く教えてくれたため、
なんとかまともなウェイターになれた。


385 :1:2009/08/25(火) 15:40:12.12 ID:9k1Z+XoP0
大学の講義も思っていたより全然面白くて、
それだけでも入った価値はあったと思えた。
だが、それもやはり、当初の目的とは違う。
日々の生活に埋もれそうなときも、香子の事は忘れなかった。
写真すら持っていなかったのには、かなり後悔したけど。
一枚くらいとって置くべきだったんだよ。

388 :1:2009/08/25(火) 15:42:58.25 ID:9k1Z+XoP0
とかなんとか言いつつ、大学での二年間もすぎた。
車の免許もとった。飲み友達も増えた。
でも、合コンの類には行かなかったし、相変らず童貞のままだった。
当たり前だ、俺は香子が好きなんだから。
大学に来て、ようやくそのことに気付いた。
高三のときは、それすら考える余裕がなかったんだ。アホだ。

392 :1:2009/08/25(火) 15:45:09.09 ID:9k1Z+XoP0
そして、大学3年目の、春。
この年、もし、俺の予想が正しければ…
いや、願いが叶うなら。
香子が入学してきたはずだ。
もしかしたら、もう彼氏がいるかもしれない。
それならそれで、構わない。
俺は、一度だけでいいから、香子に会いたかった。

399 :1:2009/08/25(火) 15:49:20.97 ID:9k1Z+XoP0
入学式には、探せなかった。人が多すぎる。
どいつが新入生で、どいつがサークルの勧誘かわかりゃしない。
講義が始まってからだ。
どの学部のどの学科に入ってるかはわからなかった。
だが、やはり英文科からいってみることにした。
ちなみに、俺は同じ文学部だが、日本文の方だ。
授業日程で、英文科の一年がどの時間にどこで講義を受けているかは、すぐ分かる。
三限で終わる日を狙って、講義棟の下で待っていた。
うむ、我ながらあきれるほどのストーカー具合だ。

408 :1:2009/08/25(火) 15:51:46.98 ID:9k1Z+XoP0
講義が終わって、学生たちがワラワラと出てくる。
その数十人の学生を、俺は香子を探し出すため一心に見つめていた。
それはそれはキモイ画だったことであろう。
その中に、香子は。
いた。すぐ分かった。

420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 15:53:33.64 ID:ldgHXfKPO
キターーーーー!!

424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 15:54:35.32 ID:sU6eMYZR0
運命ですな

435 :1:2009/08/25(火) 15:55:55.88 ID:9k1Z+XoP0
背は、また少し伸びていた。
栗色の長い髪は、かわらないが、もうポニーテールにはしていない。
すらっと伸びた手足に、胸は……相変らずあんまりない。
表情は大分大人びていたが、それでも、面影は変わらない。
間違えるはずはなかった。
だが、俺は、声をかけることが出来なかった。
どんな顔して会えばいい?
どんなことを喋ればいい?
たくさん考えていたはずなのに、やっぱり頭が真っ白になった。
そんなとき、彼女がこっちを見た。
「こーちゃん!!」

447 :1:2009/08/25(火) 16:00:31.79 ID:9k1Z+XoP0
なんと、香子が気付いてこっちに駆けてくる。
思えば、香子は走ってばっかりだ。
「こーちゃん!」
息せき切りながら、香子はもう一度俺の名前を呼んだ。
「お、おう、久しぶり。」
なんと、そんなことしか言えない俺のバカ。
違う、そうじゃないんだ、もっと言うべきことがあるだろうに。
俺はやっとの思いで再び喋ろうとしたが、その前に香子の言葉で仰天する。
「こーちゃん、やっと会えた!」
「え?やっとって…」
「ブラスの時の先輩に、こーちゃんがこの大学に入ったって聞いたからw」
なんと!!?

451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 16:02:21.67 ID:ldgHXfKPO
もう…香子はどこまで可愛いんだ…。
こんな子がお前らのまわりにいるか?
俺のまわりには…いない。

453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 16:02:56.80 ID:Dxa6NswU0
>>451
いたら人生変わってたな。

454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 16:03:07.69 ID:dHGN8b/c0
香子五年分ください!

457 :1:2009/08/25(火) 16:04:54.49 ID:9k1Z+XoP0
そういえば中学・高校が俺と同じで、ずっとブラスバンドだったやつがいるのは当然だ。
その子たちから聞けば、俺の進路を知ることだって簡単なはずだ。
なんてこった、俺には「香子の連絡先を知ってるヤツが同じ高校にいる」っていう可能性を
全然考えていなかった。女子同士なら、当たり前だろうに。
「だから、私もここを目指したんだよw」
「そ、そうか。」
「高校の時は、約束果たせなかったから…」
それは、同じ学校に通うという約束。
「待たせたねw」
「はは…」
俺はもう、笑うしかなかった。
笑っていないと、泣きそうだった。

468 :1:2009/08/25(火) 16:08:28.48 ID:9k1Z+XoP0
だが、笑っているわけにもいかない。
「俺も、香子に会うためにココ、受けたんだ。」
「え?」
そう、俺は香子に会いたくて…
「ずっと、謝りたくて。」
「何を?」
「最後に会ったあの日。お前は全然悪くないのに、怒鳴ったりしてごめんな。」
「そんな、あれは私が悪いんだよ。私こそ、ごめん。」
また謝りあってる。

472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/25(火) 16:10:16.50 ID:omDacN4q0
なんなんだよもう…
目から水がでてくる

478 :1:2009/08/25(火) 16:12:02.86 ID:9k1Z+XoP0
そんなわけで、俺と香子は仲直りできた。
香子はやはり実家暮らしだったが、
俺の狭いアパートに遊びに来たがった。
断る理由もないし、思ったより実家と近かったので、招待した。
「へえ、結構綺麗にしてるんだね。」
香子は感心したように言った。
「物が少ないだけだけどな。」
「子供の頃はおもちゃや漫画で溢れてたもんねw」
「ハハ、懐かしいな。」

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