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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part47
280: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 00:09:28 ID:8LHG.Zy6
ーーー夕方・巫女カフェ
 カランコロン
C子「あっ、神ちゃんお疲れ様」
巫女A「ずいぶん遅かったね〜」
神様「ゴメン、おらおら神社の巫女長にちょっと捕まっちゃって」
巫女B「神ちゃん初日から目を付けられたみたい」ハハッ
C子「それは災難ね・・・」

281: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 00:10:47 ID:8LHG.Zy6
  客「酷いもんだろ〜」
  神使「そうなんですか・・・」
神様「ん? また犬ころ来てんのかよ・・・」
C子「酒屋のおじいちゃんと意気投合してるみたいよ」
巫女B「絡まれてるだけのようにも見えるけど・・・」
神様「まぁいいや、放っておこ。 すぐ着替えてくるね」スタスタ
巫女B「私も着替えてきます」スタスタ

282: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 00:11:27 ID:8LHG.Zy6
神使「興味深いお話ありがとうございました」
客「良いって、こっちも楽しかった」
神使「お気を付けてお帰り下さい」
客「おう! んじゃC子ちゃん、またな」
C子「ご苦労様でした、またいらして下さい」
 テクテク

283: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 00:12:20 ID:8LHG.Zy6
神使「ふぅ〜・・・」
神様「ほら、コーヒー」コトッ
神使「あっ、神様! 何時こちらに?」
神様「お前が酒屋のじいじと話してるとき」
神使「気づかず失礼しました」
神様「お前、本当ここ好きだな・・・」
神使「仕事ですから」キリッ
神様「・・・さよですか」
神使「あの、私コーヒー注文してないのですが・・・」
神様「私の奢りだ。 たんとお飲み」
神使「これはありがとうございます」

284: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 00:13:06 ID:8LHG.Zy6
神様「廃神社に戻ってから飯食うから、それ飲んだらお前先帰れ」
神使「分かりました。 後ほど少しお話ししたいことがございます」
神様「よわよわ稲荷の件か?」ボソッ
神使「はい。 出来れば急ぎで」
神様「分かった。 今日は平日で巫女カフェも暇そうだし早めに上がる」ボソッ


287: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 22:51:31 ID:8LHG.Zy6
ーーー廃神社
 ギィー
神様「ただいま〜」
神使「お帰りなさいませ、神様」
神様「話があるって?」
神使「今日一日巫女フェにいたのでお客さんとお話をしたのですが、気になる情報をいくつか」
神様「お前の会計が凄い金額だと思ったら一日あそこにいたのかよ・・・」
神使「コーヒーが美味しいんです」
神様「へいへい。 で、何か分かったのか?」

288: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 22:53:17 ID:8LHG.Zy6
神使「3年前によわよわ稲荷が破産状態に陥ったらしく、莫大な借金を抱えたそうなんです」
神様「あ〜 巫女ちゃんもそんなこと言ってたなぁ。 原因って何なの?」
神使「よわよわ神社の境内で事故があったようで、その賠償が巨額だったそうなんです」
神様「事故か・・・」
神使「設置してあった灯籠が倒れて3人が下敷きになったと聞きました」
神様「その賠償が原因か・・・」
神使「よわよわ神社だけではとても払えず、おらおら神社が全て肩代わりしたそうです」
神様「その返済を理由にC子さんを巫女カフェで働かせているんだろ?」

289: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 22:54:44 ID:8LHG.Zy6
神使「しかし、変なんです」
神様「何が?」
神使「事故が起こった直後、おらおら神社が急に羽振りが良くなったと皆さん仰っていました」
神様「ん? 変じゃね? 賠償金肩代わりしたんだから逆だろ」
神使「実はこの時期に、おらおら神社がよわよわ稲荷の敷地を地元不動産業者へ売却しているそうです」
神様「売却?」
神使「よわよわ稲荷は敷地がかなり広かったようで相当な金額になったようですね」

290: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 22:57:13 ID:8LHG.Zy6
神様「いくら賠償を肩代わりしたからって、おらおら神社がよわよわ稲荷を売却なんて出来ないだろ」
神使「よわよわ稲荷の宮司様は5年前に帰幽されており、おらおら神社の宮司が代理宮司を兼任してたそうです」
神様「ん〜 でも廃社申請は、神職も神も居ない廃神社じゃないと出来ないんじゃない?」
神使「売却前に、よわよわ稲荷の神職だったC子さんを解任して廃神社状態にしたようです」
神様「お父さんが亡くなってから神主はC子さんだけだったのか・・・ 巫女は?」
神使「二人いたそうですが、二人ともおらおら神社が引き取っています」
神様「A子ちゃんとB子ちゃんだな」
神使「はい」
神様「それなら書類上は無人神社だから廃社申請は通るか。 手の込んだ事を・・・」

291: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 22:58:09 ID:8LHG.Zy6
神使「噂では、よわよわ稲荷の売却益は全ておらおら神社の懐に・・・」
神様「でも賠償金は払われているんだろ?」
神使「酒屋のお爺さんの話ですと、事故に巻き込まれた3人は不動産屋の社員だそうです」
神様「!?」
神使「事故直後なのにピンピンしていたそうですよ?」
神様「・・・・・・」

292: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 23:00:30 ID:8LHG.Zy6
神使「この町では、よわよわ稲荷の崇敬が多かったようで当時おらおら神社の規模はかなり小さかったそうです」
神様「よわよわ稲荷がなくなって、得をしたのはおらおら神社という訳か・・・」
神使「はい。 ここら辺で残る神社はおらおら神社しかないので独占ですね」
神様「不動産屋は膨大な土地を手に入れてウハウハか・・・」
神使「互いの思惑が一致したんでしょうね」
神様「でも、流石に金の流れは神宮の年度末調査でバレそうなもんだけど・・・ あいつら金の事は厳しいから」
神使「現在おらおら神社は神宮の管轄ではありません」
神様「まさか、それを見越して神宮と包括契約を解除したのか!?」
神使「独立神社ですから神宮が調べることは出来ませんので、年度末調査は実施されません」
神様「すげー手を使ってんな・・・」

293: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/12(月) 23:01:23 ID:8LHG.Zy6
神使「これは私の憶測ですが、今回の件よわよわ稲荷を潰す為に仕組まれたのではないかと」
神様「・・・・・・」
神使「事が事だけに真相を調べるのは私達では無理があると思いますが」
神様「いや、一つだけ方法がある」
神使「え?」
神様「事の顛末を全て見てきたものに聞けば良い」ニヤッ
神使「?」

294: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/13(火) 23:13:27 ID:koVW5Tpk
 グゥー…
神使「あっ、そう言えば夕食まだですね」
神様「そうね、久しぶりに外食したいなぁ〜」チラッ
神使「ずっとコンビニのご飯でしたからね・・・ 何か食べたいものありますか?」
神様「う、鰻重?」
神使「何で鰻重なんですか・・・ ハンバーガーとかどうです? 牛丼でも良いですよ?」
神様「鰻重」
神使「・・・・・・」
神様「鰻重食べたい!」
神使「分かりました、神様バイト掛け持ちで頑張ってますからね。 鰻重食べに行きましょう」
神様「よっしゃー!! 言ってみるもんだ!! 鰻重なんて三年ぶりだよ!」ウヒョー

295: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/13(火) 23:15:09 ID:koVW5Tpk
ーーーうなぎ屋
神様「いや〜 腹減った」
店主「らっしゃい! ご注文は」
神様「鰻重!」
神使「では鰻重を2つお願いします」
店主「上うな重、特上うな重もあるよ?」
神様「特上・・・ どうする? 神使く〜ん」キラキラ
神使「・・・では、特上を2つお願いします」
神様「嘘! いいの!?」
神使「今日は特別です」
神様「よっしゃー!! 店主! 特上! 特上で!」
店主「ははっ、はいよ。 特上二丁〜!」

296: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/13(火) 23:16:33 ID:koVW5Tpk
神使「私も鰻重なんて久しぶりですよ」
神様「・・・・・・」ジィー
神使「神様?」
神様「ねぇ店主」
店主「何だい?」
神様「あの神棚」
店主「ん?」
神様「中に入っているお札って、よわよわ稲荷のだよね」
店主「あ〜 もう無くなっちゃったんだけどな」
神様「あのお札はどうやって?」
店主「無理言って譲ってもらったんだよ」

297: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/13(火) 23:17:14 ID:koVW5Tpk
神様「もしかしてC子さんに?」
店主「なんだ、C子ちゃんを知ってんのか?」
神様「まぁ・・・」
店主「今は、この辺にはおらおら神社しかないけどよ〜 俺たちの中での氏神様は、よわよわ稲荷なんだよ」
神様「・・・・・・」
店主「本当に良い神社だったんだ。 宮司も巫女もみんないい人でさぁ。 町のみんなから愛されてた」
神使「そうでしたか」
店主「でも神社はなくなっても俺らの心までは・・・ 忘れちゃいけないと思ってさ」
神様「・・・・・・」
店主「C子ちゃんだって頑張ってんだ」

298: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/13(火) 23:17:50 ID:koVW5Tpk
店主「はいよ、特上うな重!」ドンッ
神様「!? で、でかい!」
神使「これは立派ですね」
店主「値段も立派だけどな」ハハッ
神使「・・・・・・」
神様「いただきます!」ガツガツ

299: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/09/14(水) 00:20:16 ID:S0.MONIg
こんな時間にうなぎの話とかすんじゃねえよ
(´・ω・`)

300: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/09/14(水) 00:41:18 ID:ey4JJ61.
おつ
スーパーのしか食べたことがないから鰻のうまさがわからんち

301: 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/09/14(水) 03:43:44 ID:4LJdUFPI
神ちゃんは鰻重と牡蠣、どっちが好きなのか・・・


302: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/14(水) 23:26:53 ID:d4M6/tPI
ーーー帰り道
神様「もうダメ・・・ 歩けない・・・」ゲップ
神使「神様おんぶされてるだけで歩いていないじゃないですか」テクテク
神様「仕方ないだろ〜 お腹キツくて動けないんだもん」
神使「確かに、いつもよりお腹の部分がぽっこり背中に当たっていますね」
神様「でしょ〜」ゲシッ ゲシッ
神使「痛っ! すいません!」
神様「ったく。 おっとっと」ユラッ
神使「ほら、暴れてるからですよ? 落ちないようにしっかり掴まっていて下さい」
神様「ん」ギュッ
 テクテク

303: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/14(水) 23:28:08 ID:d4M6/tPI
神様「あれ? あそこ、電気ついてるの巫女カフェじゃない?」
神使「もう夜11時になるのに・・・ C子さんまだいるんでしょうか?」
神様「ちょっと挨拶していこーよ〜」
神使「こんな遅くにご迷惑ではないですか?」
神様「大丈夫だよ」
神使「ではご挨拶だけ」
 テクテク

304: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/14(水) 23:29:51 ID:d4M6/tPI
神使「中に何人かいるみたいですね・・・」
 C子「話が違うじゃないですか!」
 巫女B「騙してたんですか!?」
神使「巫女さんも一緒のようですが、何か変ですね」
神様「おい、ちょっと降ろせ」モゾモゾ
神使「はい」
神様「よいしょ」ピョン
神使「奥にいるのって、おらおら神社の宮司じゃないですか?」
神様「・・・・・・」コソッ

305: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/14(水) 23:31:59 ID:d4M6/tPI
ーーー巫女カフェ店内
男「ここは私の店だ、どうしようと勝手だと思うが?」
C子「来月で借金は返し終わるはずです! なのに今になってそんな・・・」
男「この巫女カフェの土地を二千万で買うと言っている人がいてね」
巫女B「賠償金の返済が終わったらこの土地を返すって言ったじゃないですか!」
男「差額を君たちが用意すれば良いじゃないか? そしたらこの土地はC子君のものだ」
C子「そんな! 」
巫女A「卑怯です!」
男「まぁまぁ、不動産屋も駅前に巫女カフェ用の場所を新たに提供してくれると言ってくれている」
巫女A「もしかして、はじめから土地を返すつもりなんて無かったんじゃ・・・」
男「おいおい失礼だな。 こっちはビジネスなんだよ」
C子「ビジネスですって!?」
男「条件の良い方と契約するのは当たり前だろ?」

306: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/14(水) 23:32:51 ID:d4M6/tPI
 カランコロン
C子「!?」
巫女B「あっ、神ちゃん!」
男「なんだ、バイトか。 どうしたんだこんな遅くに」
神様「ちょっと近くまで来たから」
C子「ゴメン神ちゃん、ちょっと取り込んでて・・・」
男「私の話は終わったから帰らせてもらう。 今週中に荷物はまとめておけ」スタスタ
 カランコロン

307: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/14(水) 23:33:44 ID:d4M6/tPI
C子「・・・・・・」
巫女A「ゴメン、神ちゃん。 もしかして聞いてた?」
神様「丸聞こえだった」
C子「ごめんなさいね・・・ バイト採用したばっかりだったのに」
神様「大丈夫、この神ちゃんに全てお任せ!」
C子「?」
神様「神宮の力の見せ所だ!」
C子「神宮?」
神様「あ〜 隠すつもりはなかったんだけど、私と犬ころは神宮から来たの」
巫女B「神宮で巫女してたんだよね?」
神様「チッ、チッ、チッ。 今も神宮に籍があるんだナウ」

308: ◆8YCWQhLlF2 :2016/09/14(水) 23:34:53 ID:d4M6/tPI
巫女B「え? 神ちゃん神宮の人なの!?」
神様「うん。 よわよわ稲荷が無実の罪で廃社になった件について調査中」
C子「!?」
巫女B「神ちゃん、なんでその事!?」
神様「私の調査能力を甘く見ちゃだめよん」
神使「あの・・・ 私がほとんど調べたのですが・・・」
神様「知ってるよ。 ここに一日中入り浸ってたのはその為だろ?」
神使「・・・・・・」
神様「ちなみに、私がここで稼いだお金を綺麗に還元してた事も知ってる」
神使「ご存じだったのですか?」
神様「腐れ犬ころの分際で、私に隠し事をするなんて二千年早いわ」

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