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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」

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Part19
491 : ◆8YCWQhLlF2:2016/04/29(金) 11:11:30 ID:bm0nLWO2
A子「うまうま」ハフハフ
神様「・・・A子ちゃん」
A子「なに?」
神様「その・・・ ごめんなさい!」ドゲザ
A子「え? 急にどしたの神ちゃん」
神様「いや、私が神だって事を隠していて・・・」
A子「あ〜 全然隠れてなかったけどね」

492 : ◆8YCWQhLlF2:2016/04/29(金) 11:12:50 ID:bm0nLWO2
神様「A子ちゃんとは神だとか人だとかそういうの抜きで、その・・・ 友達でいたかったから・・・」
A子「そんなの気にする必要ないのに〜」
神様「でも・・・」
A子「やっぱり神と人は一線を置かないといけないの?」
神様「そんなことない!」
A子「じゃぁ良いじゃん。 私バカで礼儀知らないから誰とでもフレンドリーだし」
神様「うん・・・ 知ってる」
A子「それに、他の神様なんて見たことないし接し方とかあんま知らないからね〜」
神使「それは巫女としてどうかと思いますが・・・」
A子「じゃぁ神ちゃんのこと、敬い奉ったほうが良い?」
神様「やめて! そういうのだけは絶対やめて!」
A子「そう言うと思った」

493 : ◆8YCWQhLlF2:2016/04/29(金) 11:14:16 ID:bm0nLWO2
神様「でも、本当にごめん!」
A子「だから気にしてないって〜」
神様「いや、それじゃ私の気が済まない。 どうしよう」
A子「う〜ん・・・ じゃぁ今から私が気になっていたことを質問するから正直に答えること」
神様「質問?」
A子「うん、それで帳消しって事で」
神様「お安いご用だ! 私が知っていることなら包み隠さず話す!」
神使「ちょっと神様、大丈夫ですか?」ボソッ
神様「心配いらない。 A子ちゃんの質問だ、難しいことなんか質問してこないだろう」ボソッ

494 : ◆8YCWQhLlF2:2016/04/29(金) 11:15:09 ID:bm0nLWO2
A子「じゃ〜最初の質問!」
神様「バッチこーい!」
A子「神ちゃんて生まれはいつ?」
神様「・・・・・・」
神使「(いきなりストレートパンチですね)」

495 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/01(日) 10:34:19 ID:KYBW9kuE
乙乙


496 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/02(月) 01:57:52 ID:mIOlxsCo
女性に年齢はどうたらこうたら

497 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 22:59:15 ID:Q2TQZ4Wc
神様「あー、生まれのことか〜」
A子「神ちゃんの由来だけ神様図鑑に載ってないんだよね〜」
神様「えっ? そんな図鑑あるの?」
A子「うん」
神使「私も以前に調べたのですが、何の情報も記載されていませんでしたね」
神様「ふ〜ん・・・」
A子「きっと裏に何かある! 私はそう思ったのです!」
神様「いや、書き様がないんだよね〜」
A子「へ?」

498 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:01:02 ID:Q2TQZ4Wc
神様「実はさぁ、自分でもよく分からないんだ。 気がついたらいた」
A子「なにそれ〜」
神様「ん〜 弥生時代とか呼ばれている時の記憶は少し残ってる。その前は・・・ よく覚えてないな〜」
A子・神使「・・・・・・(思っていたよりも古い)」
A子「そんなに昔からいるの?」
神様「あぁ、素っ裸で走り回っていた記憶もかすかにある」
神使「(神様が裸でウロウロする理由はこれですか・・・)」フム
神様「犬ころ、お前なに一人で納得してんだよ」
神使「・・・いえ、別になんでもないです」

499 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:02:18 ID:Q2TQZ4Wc
A子「そんな昔から神ちゃん何してたの?」
神様「何って仕事さね」
A子「仕事? 神ちゃんのお仕事って何?」
神様「ん〜 突き詰めれば皆が幸せに過ごせるように願いを叶えるための神を作ることかな?」
A子「神を作る!?」
神様「そう」
A子「・・・・・・(思っていたよりも凄い)」
神使「・・・・・・(それが仕事だったのですか)」
A子「神ちゃんてもしかして凄い神様?」
神様「それも質問? 別に凄くは無いけど。 それに厳密に言えば私は神じゃないし」
神使「はい!?」
A子「どういうこと?」

500 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:05:05 ID:Q2TQZ4Wc
神様「私が神力を与えた者が神と呼ばれるわけで。 だから私は本当は神じゃ無い」
A子「そうですか・・・ よく分かりませんでした」
神様「まぁ深く考えたことないし、呼び名なんてどうでもいいと思う。 引き続きかわゆい神ちゃんと呼んで欲しいな」
A子「え〜 そんな風に呼んだことないけど〜」
神様「・・・・・・」
神使「もしかして天照大神様も神様が?」
神様「なんでお前まで便乗して質問してくるんだよ! 犬!!」

501 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:06:21 ID:Q2TQZ4Wc
神使「A子ちゃん、是非この質問も」
A子「興味なーい」
神使「・・・・・・」
神様「うむ。 知らない方が良いこともある」ウンウン
神使「まさかとは思いますが、神様が天照大神様ということは・・・」
神様「はぁ? 天照だぁ? 神話と現実を一緒にすんなよ。 だからお前は犬ころなんだよ」
神使「・・・・・・(本当に聞かない方がよかったかも知れません・・・)」

502 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:07:58 ID:Q2TQZ4Wc
A子「でも、神様っていっぱいいるんだよね? そんなに必要なの?」
神様「実は神の数は年々少なくなっているんだ」
A子「そうなの?」
神様「あぁ、今は一番多かったときの半分以下になっているだろうな」
神使「どうしてそんなに・・・」
神様「一つは神の在籍する神社への参拝者が減ったこと」
神使「どこの神社も頭を抱えてますよね」
神様「神は参拝者がいなくなると・・・ 力が減ってくるんだ」
A子「力が?」
神様「はっきりと言ってしまうと、神力がなくなって最後は消えてしまう」
A子「死んじゃうって事?」
神様「人で例えるならそう言うことかなぁ」

503 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:08:46 ID:Q2TQZ4Wc
神使「参拝者の多い神社に集めるというのじゃダメなんですか?」
神様「神は勝手に神社を移れない。 いや移る方法もあるんだけどワンランク下の神社にしか移れない」
神使「猫神様ですか・・・」
神様「そうだ。 あいつは大きいところから小さいところへ移ったから異動許可が出たんだ」
神使「なるほど・・・」

504 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:09:48 ID:Q2TQZ4Wc
神様「で、もう一つは私が神に任命する者を減らしていること」
A子「なんで?」
神様「例えばさぁ、A子ちゃんが神になったとするじゃん?」
A子「うん」
神様「そしたら、まずは神宮に配属されるんだよ」
A子「人多いもんね〜」
神様「そう。 で、一通り仕事を覚えたら地方の神社に異動になるわけ」
A子「独り立ちだ〜」

505 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:10:55 ID:Q2TQZ4Wc
神様「でも、神が不在で参拝者の多い神社って今はほとんど無い訳よ」
神使「一つ目の問題と関係してるわけですね?」
神様「最初から参拝者の少ない神社に配属させるわけにもいかないしさぁ」
A子「参拝者増やせば良いじゃん」
神様「ナイスアイディーア! でも、そう簡単にいかないんだよね〜」
神使「何か解決法はないんでしょうか」
神様「神宮が出した答えが十年前の神法改正」
A子「神法改正?」

506 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:11:42 ID:Q2TQZ4Wc
神様「まぁ簡単に言うと神社の運営なんかを神から人に移譲するってこと」
A子「なんかメリットあるの?」
神様「徹底的な効率化を図って、少ない神で多くの神社を管理できることかな」
神使「それってこの先、神が減るっていうことが前提の話ですよね?」
神様「そうも取れるな」
神使「他にも訳が?」
神様「・・・・・・」

507 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/05(木) 23:13:30 ID:Q2TQZ4Wc
A子「神様が存在してるってバラしちゃえば?」
神様「う〜ん、昔はそうだったんだけどね」
A子「なんで今は隠してるの?」
神様「存在がバレるとちょっと面倒事が多いんよ」
A子「そうなの?」
神様「いやさ、面倒なお願いを強要してくるヤツがいるんだよ」
A子「面倒なお願い?」
神様「その・・・ 戦争とかさ? そういう政治的なお願い?」
A子「断れば良いじゃん」
神様「でもさぁ、国の頭とかに国民を守るためだ! とか、このままじゃ大勢の国民が死ぬ! とか言われちゃうと・・・ ねぇ」
神使「なるほど・・・」
神様「神も基本良いやつだからな。 お願いされたら断れないんだよ」
A子「もっと気楽に考えれば良いのに〜」
神様「ほんとだよ」ハァ

508 :以下、名無しが深夜にお送りします:2016/05/06(金) 03:28:57 ID:eTrMsTbA
神様は何者なんだ
やっぱりチェーンソーとか効くのかな
むしろ振り回しそうだけと

509 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 20:53:00 ID:xhwN41h2
ーーー 翌日・早朝
 ゴソゴソ
神使「ん・・・ 神様・・・?」
神様「悪い起こしたか」
神使「早いですね」
神様「巫女さんの朝は早いんだよ」
 サァー サァー
神使「A子ちゃん、もうお掃除してますね」
神様「あぁ、神宮にいたときからA子ちゃんは誰よりも早く掃除を始めるんだ」
神使「立派な心がけですね」

510 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 20:54:12 ID:xhwN41h2
 おはようございます
 おやまたお会いしましたね ハハッ
神使「あの方、昨日も朝早くにいらしてましたね」
神様「ん?」ソォー
神使「よほどこちらの主神様をお慕いしているのでしょうね」
神様「う〜ん・・・」
神使「どうかされましたか?」
神様「いや・・・ 本殿掃除してくる」タッタッタッ


511 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 20:55:16 ID:xhwN41h2
ーーー 朝食
神使「おはようございます」
A子「おは〜」
神様「今日の朝ご飯も最高だぞ」
神使「サンドイッチとお味噌汁という組み合わせは凄いですね・・・」
神様「あ? 味噌汁じゃねーよ。 コンソメスープだよ」
神使「・・・コンソメスープって濁りませんよね?」
神様「私の特製スープだ。 心して飲め」
神使「はぁ・・・」
A子「私はわかめスープ」
神様「あっ、私もそれにしよー」
神使「・・・・・・」

512 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 20:56:19 ID:xhwN41h2
神使「神様、今日はどうされるんですか?」
神様「土曜で人来そうだからな〜」
A子「授与所と社務所にはだれかいないとね〜」
神様「じゃぁ私とA子ちゃんは授与所」
神使「私は社務所でよろしいですか?」
神様「あぁ。 御朱印と祈祷があったらまわしてくれ」
神使「承知しました」

513 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 20:57:38 ID:xhwN41h2
A子「あっ! 神使さん、神ちゃんの特製スープ残してる!」
神使「・・・・・・」
神様「うまいから飲んでみ?」
神使「(このスープ何で出来ているんでしょうか・・・)」
A子「神ちゃんが神使さんのために昨日の夜から作ってたんだよ?」
神様「うむ、私の愛情がギュッと詰まっている」
神使「・・・はい」ズズッ
神様「どうだ?」
神使「!? 美味しい・・・」
神様「見た目は悪いがうまいだろ」フフン

514 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 20:59:20 ID:xhwN41h2
ーーー 午後
 ガヤガヤ
参拝者「このお守り下さい」
A子「はい。 五百円お納め下さい」
参拝者「このお守りって大きいヤツの方が御利益あるんですか?」
神様「実は同じなんだよ、違うのは大きさだけ。 素材費の違い?」
参拝者「じゃぁ、こっちの安いヤツで」
神様「はい、三百円ね。 ついでにおみくじもやってかない? 百円だし今日は小吉以下って入ってないから」

515 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 21:00:43 ID:xhwN41h2
参拝者「オレおみくじ一回やるわ」
A子「はいどうぞ」
参拝者「可愛い巫女さんじゃん、写真撮っても良い?」
A子「ははは・・・」モジモジ
神様「私なら良いよん♪」クネクネ
参拝者「いいっす」
神様「・・・・・・」ムカッ
参拝者「うわ大凶かよ・・・」
神様「二百円」
参拝者「え? 百円じゃないの?」
神様「そちらは二百円のとっても良く当たるおみくじですので」ニコッ
参拝者「・・・・・・」
 ガヤガヤ

516 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 21:02:06 ID:xhwN41h2
ーーー 夕方
神使「お疲れ様でした」
神様「本当だよ」ハァ
A子「人多かったねぇ」
神使「神様、こちら今日のお願い事リストです」ドサッ
神様「・・・・・・多いね」ペラペラ
神使「夕飯食べたらご祈願いたしましょう」
神様「ん? これで全部か?」
神使「えぇ」

517 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 21:02:59 ID:xhwN41h2
神様「A子ちゃん」
A子「なにー?」
神様「朝早くお参りに来る男の人知ってる?」
A子「あ〜、いるねぇ。 毎朝来てるんだって」
神様「なにか気になったことない?」
A子「気になること? 特に無いけど・・・ お参りして帰るだけだよ?」
神様「お参り? 毎朝来てるって言ってた?」
A子「うん」

518 : ◆8YCWQhLlF2:2016/05/07(土) 21:04:08 ID:xhwN41h2
神様「・・・・・・ おい、極悪邪道腐れ犬ころ」
神使「私の事でしょうか?」
神様「私達が来る前のこの神社のお願い事リストってあるか?」
神使「えぇ、念のため宮司さんから預かっております」
神様「ちょっと男の人のお願い事が何か調べておいてくれる?」
神使「分かりました」
A子「どったの?」
神様「う〜ん、なんか気になるんだよね〜」

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