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百物語2015

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Part3
46 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU :2015/08/29(土) 20:39:23.30 ID:rKZkpF2O0
【結婚祝い】
人に話すなと言われていたが、本人が亡くなってからもう30年くらい経つし、そろそろ時効だろう。
ひいばあちゃんの仕事についてと、亡くなった時の出来事を話そうと思う。
俺のひいばあちゃんは、拝み屋みたいな事をやっていた人だった。
といっても除霊やお祓いをするわけではなく、所謂『呪い返し』が専門だったそうだ。
呪いと言うと藁人形みたいな儀式めいたものを想像しがちだが、ただ誰かに対してほんの少し悪意や嫉妬を抱いただけでもそれは小さな呪いなのだという。
ひいばあちゃんはそういった負の感情みたいなものを跳ね返す術に長けていた。
…と書くとイマイチ効果がなさそうだが、向けられた悪意が大きければ大きいほど返ってくる力も大きくなるので、それこそ藁人形などを使って本格的に死を願った者に返れば、逆に本人が死んでしまうほどだったそうだ。
ほんとかよ、と俺も思っているけど。
ひいばあちゃんはそれを『呪返し(しゅがいし)』と呼んでいた。
呪返しには鏡を使う。
悪い事が続いたりした依頼者は壁掛け可能な鏡を持ちこみ、ひいばあちゃんに念を込めてもらう。
この時、ひいばあちゃんは依頼者の話は絶対に聞かない。
話を聞いたところで、呪っている犯人が誰かなんて事は依頼者本人にもひいばあちゃんにもはっきりとは分からない。
それに、誰々の呪いに決まっています!なんて依頼者の話を鵜呑みにして特定の誰かに返るように仕向ければ、それは呪返しでも何でもなく純粋な呪いそのものになってしまうからだ。
まさに鏡のように、向かってくる悪意の力をただそのままに反射するのが正しい呪返しだ。
弱いものは弱く、強いものは強く、どれだけ多くが向かって来ようとも正確にそれぞれの発信元へと返す。
尚且つ、善意や幸運は跳ね返さずに通さなければならない。
ひいばあちゃんは鏡が正しくその働きをするように念を込め、依頼者へと渡す。

47 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU :2015/08/29(土) 20:41:30.92 ID:rKZkpF2O0
呪返しの鏡を受け取った依頼者は、それを自宅の玄関に入って真正面にあたる壁に掛ける。
入ってすぐ廊下だったりして壁が遠すぎる場合には、天井から吊ったりしても良い。
どちらにせよ、玄関から入る時に自分の顔が映らない位置にセットし、普通の鏡のように身だしなみを整えたりする事にはなるべく使わないというのが決まりだ。
そして、数日に一度は必ず綺麗に磨く。
鏡が汚れて曇ったり割れたりすると、呪返しの効果は失われてしまう。
ひいばあちゃんがそんな仕事をしている人だったから、一族の者は必ず玄関に鏡を飾っていた。
というか、ほとんどの家が未だに飾っていると思う。
すでに日常風景の一部になっているから敢えて外そうとも思わないし、ばあちゃんが各家庭に贈ったその鏡は趣味のいい木彫り枠に嵌まっていて、インテリアとしても悪くない物だからだ。
その鏡は、一族の者が結婚する時に結婚祝いとして贈られる。
枠は地元の名産品である木彫りの伝統工芸で、ひいばあちゃんと懇意にしていた職人さんが何週間もかけて仕上げた物だ。
結婚式を挙げる季節に合わせた花や植物が彫られ、ひいばあちゃんの念が込められた鏡がセットされてから、式の当日に渡される。
反撃重視の依頼物とは少し異なり、祝い鏡の効果は防御重視だ。
災いが降りかかる事なく末長く幸せでありますように、という願いがそのまま効果になっている。
ちなみにサイズはiPadくらいで、壁掛けと立て置きの2WAY仕様だ。
そうやって一族の幸せを願い続けてきたひいばあちゃんが亡くなった。
最後の最後までボケもせず大病もなく元気そのものだったが、ある日突然、眠っている間に心臓が止まってしまい、眠るように…というか眠ったまま安らかに息を引き取った。
92歳の大往生だった。

48 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU :2015/08/29(土) 20:43:38.58 ID:rKZkpF2O0
葬儀の日、いつも祝い鏡を頼んでいた職人が弔問に訪れたのだが、焼香を済ませて家族に挨拶をする段になった時、妙な事を言い出した。
先月、ひいばあちゃんが工房を訪れて祝い鏡の枠を大量発注し、代金と依頼枚数分の鏡を置いていったらしく、このまま依頼品を仕上げて良いのか遺族の意見を聞きたいとのことだった。
その場でゴーサインを出すにはあまりにも枚数が多かったので、ともかく詳しい話を後日聞かせてもらってからという事となった。
初七日の法要を終えた後、職人が本家を訪れた。
「とりあえず、お預かりした鏡を持ってきました」
職人が風呂敷を開けると、中から大量の鏡が出てきた。
どれも枠の付いていない切りっぱなしの四角い鏡で、いつも祝い鏡に使うものだった。
「これの裏に書かれた通りの順番で作るようにと言われまして」
そう言って職人が一枚を裏返すと、一族の中のある独身男性の名前と1の数字が中央に並んでいた。
次々にめくっていくが、その全てに独身者の名前と通し番号が書かれている。
成人だけでなく、当時まだ赤ちゃんだった子の名前まであった。
それだけなら、ひいばあちゃんが自分の死後のために独身者全員分の鏡を用意していたという美談で終わる。
だが、その鏡に書かれた文字には奇妙な点が幾つかあった。
ひとつは、通し番号が必ずしも年齢順になっていないという事。
当時25歳の者より20歳の者の方が早い番号になっていたりするのだ。
次に、独身者全員分ではないという事。
大半の者には鏡が用意されていたが、28人中4人だけ鏡のない者がいた。
そして何より奇妙だったのは、彫る花が決められていた事。
左下に小さく『牡丹』『桜』『桔梗』といった花の名前が書かれており、職人はそれぞれの鏡を指定された花の枠で仕立てるよう言われたというのだ。
ひいばあちゃんの人智を超えた力をよく知っていた本家の者達は、「多分、まぁそういう事なんでしょうね」と納得し、ひいばあちゃんが注文した通りに全てを仕上げてもらう事に決めた。
ただ、一気に作ってもらうのはあまりにも迷惑がかかるので、一族の者の結婚が決まり次第、本家の者が「誰々の鏡の製作をお願いします」と工房に頼みに行く形となった。

49 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU :2015/08/29(土) 20:48:38.50 ID:rKZkpF2O0
かくして、一族の独身者はその後どんどん結婚していき、祝い鏡は職人の息子の代になっても作られ続けた。
それはやはり通し番号の順番通りであり、結婚式も指定された花の季節であった。
ただ、一度だけ通し番号と花がズレた事があった。
ある女性が、通し番号通りに結婚が決まりかけた後で破談となり、ひいばあちゃんの予知とは異なる時期に結婚したのだ。
その時は本家と職人が相談して正しい花の枠を誂え、花嫁は自分の結婚式が行われた晩秋の花である『山茶花』の祝い鏡を受け取った。
ひいばあちゃんの死後は、鏡の裏の文字が見えるように穴を開けた裏板を貼るのが習わしとなっているのだが、件の花嫁の祝い鏡だけは花の種類の部分が塞がれているのだそうだ。
ちなみに、鏡がなかった4人の内の1人だった女性は、未婚のまま早逝した。
そのため、鏡がないのは単に生涯未婚という意味ではなく、早死にするという暗示だと考える者もいる。
通し番号の順番・花の種類・鏡の有無は、今も本家の者と職人だけが知る秘密である。
ただ、ひいばあちゃんの死から30年くらい経つ今では、鏡の有無は段々察しがつき始めてきた。
当時4歳だった俺を含め、残る未婚者は6人。
自分に鏡がないかも知れないと思うと、生涯未婚にしろ早死にするにしろ、正直ちょっと怖くなる。
【了】

51 :猫虫(代理投稿) ◆Ax39zFrW6I :2015/08/29(土) 20:51:58.43 ID:rKZkpF2O0
【12話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『座敷わらし』
うちの父は今でこそ落ち着いたものの引越しが好きな父でした。
母の結婚指輪がなくなった時に絶対引越しをし、その後なぜか指輪は発見されるという今思えばこれも不思議な現象でしたね。
そんな繰り返し引越ししていた幼少期すんでた家でのことです。
3歳くらいの頃だったと思いますが、当時すんでいた家は記憶によると割と変な間取りでしたが大きな平屋で庭もあり蔵もある家でした。
当時我が家は縫製業で両親ともずっと仕事をしていましたし、仲のよかった年の近い姉も保育所に通いだし結果私一人で家で遊ぶことが多くなっていました。
あとで母から聞いた話では私は、台所におばちゃんがいるよ、そのおばちゃんと庭で遊んだよなどいっていたようです。
夜中にトイレに起きて不思議なものをみることも多かったです。
お風呂の前で青白い光をみたり、2段ベットの上から下をみると木のおじさん(なんというか、木でできた人形のような)が新聞を読んでる、など。
子どもなので夢だったのかなーとも思ったりもしますが、リアルだったので今でも忘れられません。
でも怖くはなかったのです。
ある夜、また私は夜中にトイレに起きました。
でもいつもは絶対行かない仕事場になぜか呼ばれてるような気がしていっていました。
すると床に半分日本人形が光って埋まっていたのです。これは探検好きな私でしたので家にある人形ではないとわかりました。
なんだろう?と思いながら床に押し込むように押さえると人形は床に消えて行きました。
今なら怖くてできないと思うのですが全く怖くなかったんですよね。そのときも「あれーなくなっちゃったー」くらいでした。
翌日こんなことがあったよーと母に報告したら「きっとそれは座敷わらしじゃない?」といわれたのですが、座敷わらしにしてはなんか気持ち悪いですよね。
そういうふうに色々私だけ見ることが多かったので母はそう言っていたのかもしれませんが。
その人形をみたあと、大病をしましたし今もその病気をもったままです。
果たしてあれはよい座敷わらしだったのでしょうか。それとも・・・・・


53 :ずんちゃ虫(実は統括者) ◆7vU/OMinzs :2015/08/29(土) 21:00:37.25 ID:M2JR/Zcj0
『幼稚園時代の恐怖』
1/2
私が通っていた幼稚園は寺が経営しておりました
幼稚園の裏側が寺に繋がっており、普段は間には柵がしてありました
私と友達のM君はいつも「あっちに行ってみたいなあ」と言っていたのですが、ある日の昼休み
いつもは閉まっている柵の戸がなぜか開いているのをM君が見つけたのです
私とM君の二人は これ幸いとばかりに先生たちの目をぬすんで寺側に忍び込み探検を始めました
本堂の方に行くと他人に見つかるかと思い、二人は脇にある大きな黒塗りの蔵に向かいました
石垣の上に組まれた蔵は古そうな造りで何か宝物でもありそうに思えたのです
一番下の板がはがれて四角い穴が開いており、そこから覗いてみましたが暗くてよく見えません
扉の前まで行ってみると残念ながら施錠されていました
二人はそれでも鍵を揺すったりして暫くゴソゴソやってましたが、結局あきらめて他を当たろうとしました

54 :ずんちゃ虫 ◆7vU/OMinzs :2015/08/29(土) 21:01:43.53 ID:M2JR/Zcj0
2/2
私たちが蔵から離れて行くときに、蔵の方からコトンと音がしました
振り返った私たちは驚きました
さっき覗いてみた蔵の下の四角い穴から人の顔がこっちを覗いてたのです
私たちは立ちすくみました、中に人がいたとは、カギがかかってたのに
どうやら蔵の床に寝そべって穴に顔を寄せているようです
相手はこっちよりも2歳くらい年上の感じです、私たちを見つめていますが、その表情まではよくわかりません
私たちはイタズラが見られた事と相手への恐怖感で青くなって幼稚園の方へ逃げました
直後、蔵の方から床を這いずり回るようなゴロゴロ、ズザザザ という音が聞こえてきましたが構わずに逃げました
その日はM君と二人で夕方までまんじりともせず、今日の事は絶対に口外しない事を互いに約束しました
次の日幼稚園に行くと、講堂で他の子たちが騒いでいました
中に入ってみると講堂の床に擦れたような跡が講堂をを一周するようについていました、
それは大きな蛇でも這いずり回ったかのようでした
私とM君は昨日の事を思い出し、夜にあいつがこっちまで来たんじゃないかと恐ろしくなりました、
相手はこっちの顔を見ているのですから
あとで親にそれとなく裏の寺の事をたずねたりもしましたが全くわかりません
小学校にあがってから親にあの日の事を話しましたが、夢でも見たんだろう と言われました
この件を一緒に体験したM君は小学校二年の時に転校してしまいそれっきりだけど、あいつも覚えているはず
《了》

56 :猫虫(代理投稿) ◆Ax39zFrW6I :2015/08/29(土) 21:04:01.19 ID:rKZkpF2O0
【14話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『挨拶』
霊感の強い姉(Yとします)の話です。姉は看護師をしています。
20年ほど前に勤めていた総合病院での話です。
ある患者さん(仮にAさんとします)は長らく病床についていたそうです。
それゆえに看護師さんとの付き合いも長く仲が良くなっていたそうです。
ある日そのAさんが遂に手の施しようがなくお亡くなりになってしまいました。
看護師はやはりプロなので長らく付き合った患者さんであってもいつまでも気持ちをその方にむけることはできません。
それほどに激務ですしね。「ずっとしんどかったから楽になれたね」と当時思ったと姉は語っていました。
数日後、「Yさん、Yさん」と声をかけてくる患者さんがいます。
振り返ると「よくしていただいてありがとうございました。お世話になりました。」と挨拶にこられたのです。
姉は「あ、今日退院される方かな?」と思い、「いえいえ〜これからもお身体大事にしてくださいね〜」と返事をしました。
すると他のスタッフから「Yさん、何してんの?誰に挨拶してんの??」と・・・・・。
姉は「あ・・・・今のAさんや・・・・」と気づいたそうです。
その後、霊感の強い他のスタッフから「Aさん、挨拶にきはったやろ?」といわれて「あぁ、できることはできたのかなぁ。満足してくれてたのだろうか。」と思ったと言っていました。
亡くなられてからもきちんと挨拶にこられる、丁寧な方だったのですね。
おわり

58 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/29(土) 21:07:33.47 ID:uO4SmEpe0
【15話】コワリ ◆ityfMlfdbA 様
『心霊プリクラ』
高校生の時、プリクラを撮るのが好きな子と仲が良かった。
私とも沢山一緒に撮ったけど、他の子と遊んだ時も必ずと言っていいほど撮っていたので、月曜の朝なんかは学校に到着するやいなや、真っ先に彼女から新しく撮ったプリクラを何種類かもらうっていうのが挨拶みたいになっていた。
彼女(名前をPとします)には、高校で離れてしまった幼馴染のCがいた。
私とCは直接面識は無いものの、PはCとよく一緒に遊びに行き、撮ったプリクラも私にくれるため、私のプリクラ帳の結構な割合をPとCのペアが占めていた。
さて、そんな平和な日常を過ごしていたある朝。
いつも通りPはCと撮ったプリクラを私含む仲良しメンバーと交換していたんだけど、1人が妙な事に気が付いた。
「あれ、なんでこのプリクラだけ3人なの?」
プリクラは一枚のシートに何種類かの小さな写真がついてくる。
問題のプリクラは、同じシートの他のものはPとCの二人っきりなのに対し、一種類だけ、三人で写っている…ように見えるのだ。
いや、ぱっと見では2人なのだが、PとCが並んだ肩の間から、短い髪の毛が生えていて、それを辿ると頭の形をしており、生え際とおでこの部分のような部分が確認できた。
Pは「肩にかかった私の髪だよ〜」と笑っていた。
しかし、見れば見るほどPの頭部からの髪の流れとは全く別物にしか見えない。
当時よくプリクラを撮っていた私たちは機種もよく知っていた。
細かい落書きはできないし、こんなリアルなホラースタンプだって無い。それに、撮影スペースだって知らない人がこっそり紛れ込んでイタズラできるようなものじゃない。
何よりPは超が付くほどの人見知りなので、他人と撮るなんてありえないのだ。
「これ、心霊写真じゃね?」

59 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/29(土) 21:09:05.17 ID:uO4SmEpe0
心霊写真、もとい心霊プリクラをめぐる騒ぎを聞きつけた他のクラスメイトも集まってきてちょっと騒然となったけど、もう朝のHRが始まる時間だったのでチャイムと共にそこで騒ぎは収束した。
しかし気になって朝のHR中、自分のプリクラ帳とにらめっこをしていた私はもう一つの発見をしてしまった。
それはその当時からさらに遡ること2、3ヶ月前にPがみんなに渡していたプリクラだった。それも例によってPとCのものだったが
Pの指が9本あったのだ。
ここで私は別の考えに至る。
(ひょっとして気付かないだけでプリクラって近くのものが滲んだり増えたりして、心霊写真みたいに撮れちゃう現象がよくあるのかも?)
そう思い、自分の持ってる数百枚のプリクラが収められたプリクラ帳を頭から全部見返した。
しかしその推理とは裏腹に…不思議な写りをしたプリクラはこの2枚だけしか存在しなかった。
Pは怖がってる様子ないし、私たちへのドッキリなのか?それともCがホラー好きでPを怖がらせるためにやったのか?
HRが終わり、私たちの中から様々な憶測が出たものの、結局本物の『心霊プリクラ』ではないかいう結論に落ち着いた。
よくある怖い話だと、この後そのプリクラ機を皆で一緒に検証しそうなものだが、
グループの人々はクールで、オカルト好きな人も居なかったので『そういえばPって心霊写真みたいなプリクラとってたよね〜』みたいな話題が笑い話として出る程度で、その後、深い追求はされなかった。

60 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/29(土) 21:10:32.04 ID:uO4SmEpe0
それから月日は流れ、10年ほど経った去年の春。Pは結婚し、第一子を出産した。
私は出産祝いも兼ねて、当時の友人達とPを訪ねていた。
そこでふと高校時代の心霊プリクラの話題になったのだ。
改めて聞いてみたが、やはり、撮ろうと思って撮ったトリックではなかったらしい。
「もし撮ろうと思って撮ったものなら、皆と撮る時にもやりまくったよ〜!」と。
アレがなんだったのか改めて見てみたいねーという話になり、Pは当時のプリクラ帳を持ってきてくれた。
懐かしいプリクラが沢山あって、話が弾んだ。そして、呆気なくプリクラ帳は最後のページまで来てしまった。
盛り上がりすぎて見過ごしてしまったのか?
もう一度、最初から。今度は当時の話題に逸れることなく、純粋にPとCの撮った奇妙なプリクラを探す。
しかし、やはり見当たらない。
Pに確認してみると「記憶にはないし、自分はそんなことしないと思うけど…ひょっとしたら当時、気持ち悪くなって捨ててしまったのかもしれない」と言っていた。
まあ、当事者はそうだよね。という話になり心霊プリクラの話はそこまでで、後は違う話題になっていった。

61 :わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ :2015/08/29(土) 21:12:25.80 ID:uO4SmEpe0
それから。
Pの家から帰宅し、私も心霊プリクラを探してみた。
しかし、見つけられなかった。私のプリクラ帳からも、消えていたのだ。
年代や顔ぶれからこの時代のプリクラ帳で間違いない。
大学生になってから、例の心霊プリクラを複数の友人に見せた事もある。
びっしりと貼られたシール台紙に後から剥がしたような隙間は無く、ページごと破られた形跡だって無い。
まるで初めから存在しなかったかのようだった。
しかもその消失現象は私とPの身だけに起こったのではない。
Pの出産祝いに一緒に行ったた内の1人がプリクラ帳を確認したが、やはり見つけられなかったというのだ。
「見つけたら写メを撮ってグループLINEに載せようと思ったのに…」と悔しそうにコメントしていた。
そのコメントを受け、「実家にプリクラ帳置いているから帰省したら探してみる!」と言っている友人が他にもいるが
…個人的にはもはや、見つかってほしいような欲しくないような。背中が薄ら寒い気分だ。
ちなみにその『心霊プリクラ消失騒動』から1年以上経過しているが、見つかったという報告は今のところ、無い。


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