乗客Yx1
戸野 千織(トノ チオリ)
目が覚めたらそこは、走る列車の中だった
536: ◆e.A1wZTEY.:2019/12/11(水) 23:41:43 ID:rVcw3SKl36
ブリアン「にゃあ〜」
部下1「よしよし、餌がほしいんだろう」
車掌から餌を受け取り、差し出す
ブリアン「にゃあ〜〜」 モグモグ
部下1「食ってる食ってる」
ブリアン「にゃ」 ダッ
部下1「あ!」
ブリアンは少し食べると、運転室を飛び出していった
部下1「もう満足したのか・・・」 ショボン
車掌「猫って飽き性なんですよね。すみません」
537: 名無しさん@読者の声:2019/12/26(木) 23:17:56 ID:/NPzTh4qO.
めりーくりすます!!
538: ◆e.A1wZTEY.:2019/12/28(土) 03:01:10 ID:rVcw3SKl36
>>537
メリークリスマス!!
良いお年をお迎えください(*^-^*)
539: ◆e.A1wZTEY.:2019/12/29(日) 23:05:06 ID:rVcw3SKl36
準隊長「――せいりょく?」
通信機器を耳にあて、目を見開く
隊長『あぁ。俺も知らなかったが・・・』
準隊長「性力って。そんないやらしい力・・・」
隊長『米偏に青の力な。心身のエネルギーみたいなものか』
準隊長「それ、歪世界の住人に無くて人間に有るものですよね」
隊長『あぁ。調査報告では、車掌が人間の精力を奪ったという前科はないようだが・・・人間を欲するには十分な理由だ。よく気づいたな』
準隊長「女の勘ってやつですわね。オホホ」
540: ◆e.A1wZTEY.:2019/12/29(日) 23:07:06 ID:rVcw3SKl36
準隊長「ところで、そもそも何で動力が精力?」
隊長『そこまでは調べられていないな・・・車掌はどうやって操作しているのか』
準隊長「怪しい。怪しすぎますね。人間の気配はありませんでしたけど、きっと何かある」
隊長『よし。調べられるだけ調べてこい』
準隊長「あら・・・そんなこと言っていいんです?」
隊長『ん?』
準隊長「最初は“列車に人間の痕跡がないか”ということを前提で調査してましたけど、そういうことなら、車掌を縛り上げます」
準隊長「黒である可能性が高いと判断できれば、手荒な手段も投じます」
隊長『・・・かまわん。人間を安全に保護することが我々の最優先事項だ』
541: ◆e.A1wZTEY.:2019/12/29(日) 23:08:40 ID:rVcw3SKl36
千織「――へっくしゅん!」
列車の屋根に座り込み、くしゃみをする
精力の手が風よけをしてくれてはいるが、やはり寒い
千織「車掌さーん、いつまでここにいればいいんですかー・・・?」
精力の手に話しかけてみるが、反応はない
千織(なんでこんな所に置かれてるんだろう)
千織(もしかして、列車の中でなにかあった・・・?)
千織(私に危害が及ばないように、守ってくれてる、とかなのかな・・・)
542: ◆e.A1wZTEY.:2019/12/29(日) 23:11:54 ID:rVcw3SKl36
「――千織」
千織「!」
背後から呼ばれ、振り返った
千織「ブリアンさん・・・!!」
ブリアンが屋根の上に立ち、こちらに歩み寄ってきていた
千織「良かった、ブリアンさん!私、精力の手?にここに連れてこられたみたいなんですけど、どうしたらいいのかわからなくて・・・」
543: ◆e.A1wZTEY.:2019/12/29(日) 23:14:26 ID:rVcw3SKl36
ブリアン「・・・」
ブリアン「まさか屋根に隠すなんてね。ここしかないとはいえ、咄嗟によくやったもんだ」
千織「列車で何かあったんですか?車掌さんは・・・」
ブリアン「異界警察が来たんだよ。千織を探してる」
千織「異界警察・・・?」
ブリアン「思ったより早かった。さすがって感じだね」
千織「どういうことですか?警察が来て、私を探してるんですか?」
ブリアン「そう。彼らは異世界間の秩序を守る組織。歪世界に迷い込んだ人間を助けに来たんだよ」
千織「・・・!」
544: ◆e.A1wZTEY.:2020/1/22(水) 00:54:05 ID:BVk53N/NaE
千織「そ、そんな人たちがいたなんて」
ブリアン「この列車は車掌の精力で覆われてるから、そう簡単に見つからないと思ったんだけどねえ」
千織「け、警察ってことは、悪い人ではないんですよね?念のため、車掌さんは私を隠してくれてるってことですか」
ブリアン「そうだね。異界警察なんて、歪世界の住人は知らないから。いきなり現れた得体のしれない奴らにはいどうぞと渡せないでしょ」
千織「・・・?」
千織「ブリアンさんは、どうして異界警察のことを知って・・・」
ブリアン「・・・さあね」
千織「さあって・・・」
545: ◆e.A1wZTEY.:2020/1/22(水) 00:59:21 ID:BVk53N/NaE
ブリアン「おっと、そんな説明してる場合じゃなかった。いつまでもこんなとこにいたら風邪ひくし、別のところに隠れよう」
千織「え、あ、そうですね・・・精力の手が風よけしてくれてるんですけど、やっぱり寒いです」
ブリアン「っていっても、ここ以上に見つからない場所なんてないんだけど」
千織「え」
ブリアン「でも、ここもいずれ見つかる」
千織「ど、どうすればいいんですか?」
ブリアン「・・・列車を降りよう」
千織「え・・・?」
546: ◆e.A1wZTEY.:2020/1/22(水) 01:00:52 ID:BVk53N/NaE
一瞬を耳を疑う
ブリアン「列車を降りるんだ。ここから飛び降りて」
千織「え、えええええ!?!?」
千織「いやいやいや無理ですよ!!怪我しちゃいますよ!!」
千織「仮に安全に降りられたとしても、また怪物に襲われてしまいますし・・・!」
ブリアン「着地は精力の手が守ってくれる。人間の臭いは消えてるからすぐに襲われることもない」
ブリアン「すぐに車掌が迎えに来てくれるよ。それまでの辛抱だ」
千織「・・・」
千織「・・・それは、車掌さんの指示ですか?」
547: ◆e.A1wZTEY.:2020/1/22(水) 01:01:57 ID:BVk53N/NaE
ブリアン「ん?」
千織「列車から降りたら、見つけてもらうのすごく大変だと思うんです。見つかるなら、沖くんだって・・・」
ブリアン「千織は気づいてないと思うけど、身体に列車の精力がついてるんだ。だからそれが目印になる」
千織「でも・・・」
ブリアン「このままだと異界警察に見つかって、人間誘拐と監禁の罪で車掌が捕まるんだよ」
千織「・・・!」
548: ◆e.A1wZTEY.:2020/1/22(水) 01:03:45 ID:BVk53N/NaE
千織(私が見つかったら、車掌さんにも危険が及ぶ・・・?)
千織「で、でも」
千織「話したらきっと、わかってくれますよね。警察だし・・・車掌さんは悪い人じゃないって、私が言えば」
ブリアン「人間界ではさ」
ブリアン「罪を犯した人間が、”この人は悪い人じゃない”って言ってもらえれば、許してもらえるの?」
ブリアン「たとえ目的が人を助けるためでもあっても、犯罪は犯罪なんだよね」
千織「・・・そんな」
千織「車掌さんは、私の身の安全を確保してくれていたんです。罪なんて犯していません」
ブリアン「そんな綺麗ごとをそのまんま信じてもらえるなんて期待しないほうが良いって話」
549: 名無しさん@読者の声:2020/1/28(火) 18:22:40 ID:n4MI9ARbPE
支援〜ノC
550: ◆e.A1wZTEY.:2020/2/13(木) 20:41:00 ID:7pU5WGbVn6
>>549
支援感謝いたします!!
今週中に更新しまする〜〜
551: ◆e.A1wZTEY.:2020/2/16(日) 12:03:22 ID:7pU5WGbVn6
千織「・・・」
千織「・・・わかりました。確かに、ブリアンさんの言うことは間違ってないと思います」
ブリアン「うん」
千織「列車から飛び降りればいいんですよね。着地は精力の手が守ってくれるし、降りた後も私の身体に付いた列車の精力が目印になる」
ブリアン「そう」
千織「・・・そういうことなら、やってやりますよ」
立ち上がり、急速に流れていく地面を見つめる
千織「・・・」
ゴクンと唾をのみ込む
大丈夫だとわかっていても、やはり飛び降りるのは勇気がいる
552: ◆e.A1wZTEY.:2020/2/16(日) 12:05:44 ID:7pU5WGbVn6
ブリアン「・・・」
千織「・・・い、いきます」
目をつむり、意を決して屋根から足を外した
車掌「!!」
その一瞬に、車掌の神経に警報が響いた
車掌「なにやってる!!!!」
部下1「おわっ!なんだ!?」
553: ◆e.A1wZTEY.:2020/2/16(日) 12:08:12 ID:7pU5WGbVn6
宙を舞った千織の身体を、一瞬遅れて精力の手が追う
千織の身体が地面にぶつかる瞬間――
ズササササッッッッ
ぎりぎりのところで精力の手が千織の下に滑り込み、クッションになった
千織「きゃっ・・・」
地面を削るような衝撃が伝わる
数秒、精力の手とともに地面を引きずられた後、動きが止まった
千織「・・・」
千織「・・・しゃ、車掌さん・・・」
自分の下敷きとなり、ボロボロになった精力の手を抱きしめる
554: ◆e.A1wZTEY.:2020/2/16(日) 12:11:16 ID:7pU5WGbVn6
千織「・・・ごめんなさい・・・」
千織「助けてくれて、ありがとう・・・」
電車の姿は既に、遠く彼方へ小さくなっていた
ブリアン「・・・うーわ」
驚いたように目を丸くする
ブリアン「まじで助けたんだ」
正直、精力の手が間に合う可能性は低いと思っていた
あそこまで動かすためには、間違いなく車掌の意思が必要だ
あの一瞬で、千織の危機を察知し、精力の手を動かした
ブリアン(・・・やっぱり恐ろしいやつだね、君は)
555: 名無しさん@読者の声:2020/3/10(火) 04:42:02 ID:q/tbxYcTSE
千織ちゃんが無事でよかった!
つCCCC
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