乗客Yx1
戸野 千織(トノ チオリ)
目が覚めたらそこは、走る列車の中だった
376: 名無しさん@読者の声:2018/8/27(月) 13:03:44 ID:iZZrb7XHlw
車掌さんがんばれ。C
377: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/27(月) 21:09:49 ID:36uvoWkwM.
>>376
支援感謝です!!
明日更新します(*- -)(*_ _)
378: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:39:57 ID:36uvoWkwM.
車掌「・・・」
千織「兎男さん、兎兄貴さん。手荒なことはやめてください。私は、私は大丈夫なんです」
兎男「千織ちゃん」
千織「誤解なんです。私は自分のために車掌さんの傍にいるんです。車掌さんは何も悪くないんです」
兎兄貴「どういうことだよ」
千織「それは・・・」
自分は人間で、この世界に迷い込んでしまったから、生き延びるために車掌の力を借りている
この言葉を言うべきか否か
379: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:42:47 ID:36uvoWkwM.
千織(・・・兎男さんも、兎兄貴さんも、悪い人たちじゃない)
千織(私が人間だとわかったところで、危険なことはきっとしてこない)
そう考え、口をひらく
千織「・・・わ、私は、にん」
すっと車掌の手が千織の口を覆った
千織「!」
車掌「千織の弁解でお前たちは納得するのか?私が彼女に無理に言わせていると思うだろう」
兎男「あ・・・当たり前だろ!」
車掌「だったらつべこべ言ってないでかかってこい」
380: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:44:25 ID:36uvoWkwM.
千織「車掌さん!」
兎兄貴「上等だあ!!」
兎兄貴が大きな剣を抜く
兎兄貴「前から兎一族をこき使う、いけ好かねえ野郎だと思ってたんだ。この機会にぶっ飛ばしてやる!」
兎男「お、俺もやってやる!」
兎男も剣を抜く
千織「ま、待って・・・!」
千織の言葉を聞かずに、兎兄貴と兎男は勢いよく車掌に向かって飛び出した
381: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:47:10 ID:36uvoWkwM.
兎兄貴「どりゃあっっ!!」
ガキィッッ
兎兄貴「!!」
振り下ろした大剣が、車掌の剣によって受け止められる
体格差から兎兄貴の方が腕力があるはずなのに、車掌の剣はぴくりとも動かない
兎兄貴「兎男!!」
兎男「うん!」
車掌の左側から、今度は兎男が剣を振り下ろす
382: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:51:56 ID:36uvoWkwM.
ガキッッ
兎男「え!?」
車掌は左手に鞘をもち、それによって兎男の剣を抑えていた
兎兄貴「ふざけやがって・・・!」
兎兄貴が剣を振り直そうと、一瞬力を抜いて剣を浮かせたとき、
車掌「甘いな」
車掌は剣から瞬時に手をはなし、逆手に持ち直した
兎兄貴「!?」
そのまま勢いよく、下から上へ剣を振り上げた
383: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:54:36 ID:36uvoWkwM.
バキィッッ!!
兎兄貴「あぐっ!」
兎男「兄貴!」
剣は兎兄貴の手元ぎりぎりの柄の部分に当たった
衝撃とともに、兎兄貴の剣が弾かれて地面に落ちる
車掌「よそ見するなよ」
ドガッッ
兎男「あうっ!?」
気をとられた兎男の隙を見逃さず、今度は左足で兎男のみぞおちを蹴り飛ばした
384: ◆e.A1wZTEY.:2018/8/28(火) 22:59:37 ID:36uvoWkwM.
兎男が尻もちをつく
兎兄貴「てめえ!!」
兎兄貴が素手で車掌に飛び掛かった
車掌「・・・」 フイ、
しかし、兎兄貴のこぶしは虚しく空を切る
兎兄貴「フンッ!フンッ!フンッ!」
幾度もパンチを繰り出すが、全て見極められたかのように避けられる
兎兄貴「こ、この野郎・・・!!」 ゼェゼェ
385: 名無しさん@読者の声:2018/9/2(日) 19:08:18 ID:5FLtuh9VMs
いいね(・∀・)b
386: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:05:31 ID:7Cg5LKsjhw
>>385
ありがとうございます〜!
これから更新します
387: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:14:11 ID:7Cg5LKsjhw
千織「・・・」 ポカーン
ブリアン「千織、口あいてるよ」
千織「え、あ・・・あの」
千織「しゃ、車掌さんは・・・な、何者なんですか?」
ブリアン「車掌は車掌だよ」
千織「そうではなくて!せ、精力を使ってないのにあんなに強いなんて」
388: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:15:25 ID:7Cg5LKsjhw
ブリアン「あれは多分、車掌にとっては護身術の域なんだよ。この世界は知能の低い奴らが多くて、絡まれることが多いからね」
ブリアン「ゲテモノを乗せた列車を毎日正常運行させるためには、あのくらい必要でしょ」
千織「でも、2対1なのに・・・」
ブリアン「兎一族はもともと戦闘能力があまり高くないのもあるかもね」
千織「な、なるほど・・・」
389: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:17:56 ID:7Cg5LKsjhw
兎男「えい!とりゃ!ふん!」
必死に剣を振るが、全て読まれているのか車掌には全く当たらない
兎男「・・・」 ハァッハァッ
兎男「くそ、どうすれば・・・」
車掌「・・・」
冷めた瞳で汗だくの兎男を眺める
車掌「・・・お前、千織を守りたいと言ったな」
兎男「!」
車掌「この世界は人間にとって危険で溢れているのに、その程度でよく守るなどと言えたものだ」
390: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:20:25 ID:7Cg5LKsjhw
兎男「そ、それは・・・!」
車掌「気持ちだけではどうにもならない。お前はそれを理解するべきだ」
千織「・・・!」
不意に、以前兎男と話した内容を思い出す
“兎男『実は俺、ミュージシャンになりたいなって、ちょっと考え始めてるんだ。音楽が好きだから』”
“兎男『でも、仲間には無理だって言われてる。見た目も冴えないし、気が弱いから』”
“兎男『俺…みんなから変わってるって言われるんだ。だから自信なくしちゃって』”
あのとき、千織は「変じゃない」「私は応援する」と兎男を鼓舞した
しかし、車掌は「考え方が若くて甘い」と評していた
391: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:22:54 ID:7Cg5LKsjhw
千織(・・・私は)
千織(・・・車掌さんの言うことは正論だと思う・・・けど、)
千織(兎男さんの言ってることは、変じゃない)
車掌「だからお前は、他の兎男たちよりも浮いてしまうんだ」
兎男「!」
兎兄貴「てめえ!!」
千織「ま・・・」
千織「待って!!!」
392: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:25:21 ID:7Cg5LKsjhw
「!?」
人一倍大きな声を出した千織に、皆がぎょっとする
ブリアン「千織・・・?」
千織「あ・・・あの」
千織「それ以上、兎男さんを悪く言わないでください。車掌さんは・・・わ、わかってないです」
兎男「! 千織ちゃん!」
車掌「・・・わかってない?」
393: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/8(土) 19:28:41 ID:7Cg5LKsjhw
千織「車掌さんの言ってることは正しいです!でも、でも・・・人の心って、単純じゃないんです」
千織「理論的に考えてやめておいた方がいいことも、本心ではやりたいって思っていたら、やらなきゃいけないことがあるんです」
車掌「・・・お前が私を振り回すときは、いつもそれだな。理論で拒否しても、強引に感情で押してくる」
車掌「それは大いに結構だが、自分のキャパシティを考えてやれと言っている」
千織「キャパシティとか、そういうのを無視してでもやりたいと思うことがあるんです!」
千織「そ、それが・・・人間の心の1つ、だと思うんですけど」
兎男「千織ちゃん・・・」
394: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/9(日) 10:10:43 ID:7Cg5LKsjhw
兎兄貴「・・・兎男・・・お前、人間だったのか?」
千織「つ、つまり!兎男さんは変わってるとか、浮いてるとかじゃなくて・・・他の人より、人間の心を豊かにもってるんだと思うんです」
千織「だから、そこを否定してあげてほしくないんです・・・」
車掌「・・・」
目を細めて息をつく
車掌「・・・この世界には、人間はいない。だから、人間の心などというものは意味をなさない」
車掌「だから、私にはその心を理解することはできないし、理解する必要もない」
千織「そ、そんなの決めつけです!」
395: ◆e.A1wZTEY.:2018/9/9(日) 10:33:51 ID:7Cg5LKsjhw
千織「意味があるかとか、理解する必要があるかとか、そんなのは車掌さん個人の考え方であって、兎男さんに強制していいことではないと思います」
兎男「・・・!」 ジーン
千織「車掌さんは私の恩人です。でも兎男さんの気持ちもよくわかるんです。私はどっちかが間違っているとは言えません」
千織「だから・・・これ以上皆さんが闘っているところを見たくありません。お願いします・・・」 ペコリ
車掌「・・・」
目を細め、静かに息をつく
車掌「・・・わかった」
千織「車掌さん!」
車掌「実力差は示したし、お前たちも私に勝てないことはわかっただろう。千織に免じて見逃してやるから、さっさと消えろ」
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