乗客Yx1
戸野 千織(トノ チオリ)
目が覚めたらそこは、走る列車の中だった
328: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/4(水) 20:02:28 ID:2devQBjAhY
少女のあとについて、車掌とブリアンは長い階段を下りていた
走りながら、思案する
ブリアン(相変わらず車掌にとってメリットは何もないけど、千織を見捨てるっていう選択肢は考えてないみたいで良かった)
ブリアン(ま、ここまで精力消費して助けてきたんだから、無駄死にさせないようにするのは当然か)
ブリアン(でも、何か勝算があるのか?ここには列車がないから、仮に精力を操ろうとしても限界があるぞ)
ブリアン「・・・車掌」
車掌「なんだ」
329: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/4(水) 20:03:23 ID:2devQBjAhY
ブリアン「先に言っておくけど、馬鹿みたいな精力の使い方はしないでよ。車掌の精力は、列車を動かすためにあるんだ。寿命を減らさないように頼むよ」
車掌「千織を助けてほしいんじゃないのか?」
ブリアン「千織を助けることで今後得られる精力と、千織を助けるために消費する精力。この精力の収支がマイナスにならないようにしてって言ってんの」
車掌「・・・」 ハァ
車掌「安心しろ。今回はプラスになる」
330: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/4(水) 20:05:35 ID:2devQBjAhY
千織「わ、私を、どうするつもりですか?」
兎女「今まで使ってた少女の代わりをしてくれればいいわ。私の下僕となって、身の回りの世話をするの」
兎女「ちっとも難しくないでしょう?化け物に捕らわれて食事にされるよりずっといいわ」
千織「で、でも・・・!あの女の子は、生霊になってしまっていたのに」
兎女「自分で死のうとしたのよ。馬鹿な子よね、せっかくの生身の身体を自分でぼろぼろにするなんて」
兎女「あなたは賢そうだし、そんなことしないでね?」
331: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/4(水) 20:07:07 ID:2devQBjAhY
兎女「仮に死のうとしても、同じように生霊化させて使うだけ。生身より不便だし、私もあなたにもメリットはないわ」
千織「・・・生霊ってことは、身体は完全には死んでないんですよね?」
千織「女の子の身体は今どこにあるんですか!?」
兎女「・・・あ」
兎女「すっかり忘れていたわあ。交換契約したんだから、あの車掌に死にぞこないの身体を渡さなきゃだったかしら」
332: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/4(水) 20:08:38 ID:2devQBjAhY
うーん、と考えるそぶりをしたあと、にこりと笑った
兎女「・・・ま、面倒だしいっか♪」
千織「ちょ・・・!」
「――わざわざ取りに来てやったが」
次の瞬間
ガタンと扉が開き、車掌が部屋に入ってきた
千織「車掌さん!」
後からブリアンと少女も入ってくる
333: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/4(水) 20:09:51 ID:2devQBjAhY
兎女「・・・あらあら」
兎女「どうしてこの地下の部屋にたどり着けたのかしら・・・と思ったら、そういうことね」
少女「ひっ」
兎女に睨まれた少女が車掌の後ろに隠れる
兎女「その子の身体を取りに来たのよね?ごめんなさいねえ、私ったらうっかりしちゃって」
兎女「すぐ渡すから、そしたらお引き取り願える?」
車掌「・・・ああ」
334: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/4(水) 20:12:01 ID:2devQBjAhY
兎女「物分かりが良くて助かるわ」 ニッコリ
兎女「その子の身体は、ここの右隣の部屋の棺桶に入ってるわ。鍵をあけといてあげるから、勝手にもっていって」
少女「!」
車掌「・・・ブリアン」
ブリアン「はいはい」
確認のためにブリアンが隣の部屋に走っていく
ブリアン「――あったよ〜」
1分後、隣の部屋からブリアンの声が聞こえた
335: 名無しさん@読者の声:2018/7/12(木) 09:35:03 ID:dYZi6Pf3ok
更新きてた〜(*´∀`*)ノC
336: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/17(火) 01:03:08 ID:2devQBjAhY
>>335
支援感謝です〜!
活力になってます(*´ω`)
337: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/17(火) 01:09:54 ID:2devQBjAhY
兎女「はい。じゃ、そういうことで」
兎女「もう用はないわよね。サヨウナラ」
手を振り、帰るように促す
車掌「…悪いが」
車掌「この契約は破棄する」
千織「!!」
兎女「・・・は?」
338: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/17(火) 01:12:08 ID:2devQBjAhY
車掌「この少女も、千織も、私の所有とさせてもらう」
兎女「な、何を言ってるのかしら?あなた契約書にサインしたわよね」
車掌「した。そのうえで、破棄すると言っている」
兎女「あ・・・あははは!馬鹿なのかしら!?この契約には呪いがかかってると言ったはずよ!」
兎女「破った者は呪いによって死ぬ!信じてないの?」
車掌「死だったら自分の心配をしたらどうだ」
次の瞬間
車掌は剣を抜き、一瞬で兎女へと間合いを詰めた
339: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/17(火) 01:14:56 ID:2devQBjAhY
兎女「!!」
ガタン!!
兎女が座っていた椅子が勢いよく倒れる
車掌が兎女を床に倒し、左手で首をおさえ、右手で剣を突き付けていた
千織(ぜ、全然見えなかった・・・!)
兎女「う、うぐぐぐ・・・!」
車掌「・・・ヒソヒソと隠れ住んでいるだけあって、ひ弱なようだな」
車掌「生きて人間2人を解放するか、死んで解放するか、好きな方を選べ」
340: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/17(火) 01:17:34 ID:2devQBjAhY
兎女「ふ・・・ふふ。どちらを選んでも、あなたは死ぬことになるわよ?契約違反だもの」
兎女「選択する必要なんてないわ。今の発言で契約違反は明確的・・・」
兎女がにっこりと笑う
兎女「さぁ!呪いの裁きを受けなさい!!」
手を振ると、契約書がヒラリと宙を舞った
そして――
ドギュンッッ
どす黒い物体が飛び出した
341: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/17(火) 01:21:07 ID:2devQBjAhY
千織「!!」
その物体は部屋を一周すると、車掌に向かって一直線に飛んだ
千織「車掌さん!!」
兎女「死になさい!」
物体は鋭く形態を変化させ、車掌の背後から腹を貫通した
千織「ひっ・・・」
思わず目をつぶる
ブリアン「腹に入ったのか・・・」
車掌の血肉をまとった物体が浮遊する
兎女「ふふふふふ。はらわたを食われる感覚はいかがかしら?」
342: 名無しさん@読者の声:2018/7/20(金) 09:15:39 ID:N6n8ZELEgc
支援!
343: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/24(火) 20:41:49 ID:2devQBjAhY
>>342
支援感謝いたします〜!!
344: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/24(火) 20:51:47 ID:2devQBjAhY
車掌は俯き、表情はみえない
相変わらず自分を押さえつけ、剣をつきつけているが、これを維持する力はないはずだ
兎女「馬鹿な男ね」
車掌をどかそうと、手足に力をいれたとき――
車掌「・・・悪いな」
兎女「!!!」
車掌は目を開き、勢いよく剣を兎女の胸に突き刺した
345: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/24(火) 20:53:02 ID:2devQBjAhY
兎女「あっあぐっ・・・・」
深く突き刺さった剣からは、逃れることができない
兎女「な、な、・・・なぜ、・・・」
もがき、車掌に向かって手をのばす
兎女「あ、あぐ、あぐ・・・」
兎女「く、くそ・・・くそ・・・どうして・・・、」
車掌「・・・楽にしてやろうか」
346: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/24(火) 20:54:49 ID:2devQBjAhY
ズボッッ
車掌は腕に力を入れると、兎女に突き刺さった剣を引き抜いた
兎女「ひぎっ・・・」
千織「きゃっ・・・」
千織が思わず目をつむる
車掌は引き抜いた剣をそのまま、再び兎女の胸に振り下ろした
347: ◆e.A1wZTEY.:2018/7/24(火) 20:57:38 ID:2devQBjAhY
ブリアン「――お疲れさま」
返り血をぬぐう車掌に近づく
ブリアン「最初からわかってたの?“呪いの正体が精力”だって」
千織「え・・・!?精力・・・!?」
車掌「この世界で呪いなどという都合の良い使い方ができるものは、精力しか思い浮かばなかった。それだけだ」
ブリアン「兎女は車掌と同じ精力を与えられた者だったってこと?」
車掌「いや、違うと思う。あの女自体からは精力は感じなかった。金はあるようだから、どこかから精力を購入して形を変えさせたんだろう」
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