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歪世界トレイン
[8] -25 -50 

1:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2017/4/30(日) 20:25:16 ID:4iSJ1d7xp2

乗客Yx1

戸野 千織(トノ チオリ)

目が覚めたらそこは、走る列車の中だった



242:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:38:45 ID:18YnfYyzqU
>>241
お待たせしました!
新社会人になったので慌ただしくてorz
243:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:40:51 ID:18YnfYyzqU

――一晩があけた

掃除に疲れた千織は、貸してもらったベッドで眠りに落ちていた

千織「・・・」 スヤスヤ

兎男「ふふふ、可愛いなあ」

寝顔を眺めてにやにやする

兎兄貴「のんきなこと言ってる場合じゃねえぞ。武器の手入れくらいしとけ」

兎男「ぶ、武器?」

兎兄貴「本気でその子守ろうってんなら必要だろう。いつまでも気の優しい男じゃだめだぞ」

兎男「そ、そうだよね。頑張らなきゃ・・・!」

244:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:44:54 ID:18YnfYyzqU

車掌が乗った列車は、昨晩一度終点に到着後、再びこのキサラギ駅に向かって走っていた

車掌「・・・あと2時間で到着といったところか」

到着後は、長時間列車を駅に停めることになる

以前のように列車を線路外へ強引に走らせることは可能だが、さすがに町中へ突入させるのは無理だ

本来許されることではないが、故障などと理由をつけて停めるしかない

列車業務を無駄なく遂行したい車掌にとってはストレスが大きかった

車掌「・・・さっさと取り返して戻らないと」

車掌「ブリアンができる奴なら、千織の居場所を特定して、駅で待っていてくれるはずだが」

245:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:47:15 ID:18YnfYyzqU

ブリアンは、屋敷の薄暗い部屋で、柱にひもで括りつけられていた

意識はあるが、一晩この状態で放置されたため、暴れる元気もなくなっていた

ブリアン「くっそぉ・・・」

ブリアン「何なんだあの女・・・僕が何をしたっていうのさ」

力ない声でつぶやく

ブリアン(・・・そういえば)

ブリアン(この屋敷の主・・・兎女だったか?そいつはどこにいるんだ)

246:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:49:07 ID:18YnfYyzqU

掃除が行き届いていない部屋や廊下の様子をみる限り、生活感は感じられない

ブリアン(仮にあの女が本当に人間だったとして・・・人の臭いはいくらでもカモフラージュできるから、臭わなくても不思議じゃない。でも、気配を感じないのはなぜなんだ・・・?この世界の者でも、気配はあるはず)

ブリアン「あーもう!訳わかんね!あれか!?人間界でいう幽霊!?幽霊なのか!?!?」

少女「私は人間よ」

ブリアン「うわっ!」

いきなり目の前に現れた女にぎょっとする

247:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:52:33 ID:18YnfYyzqU

少女「・・・そろそろおとなしくなった?」

ブリアン「おかげさまで。お腹ペコペコで力が出ないよ」

少女「あら・・・かわいそうに。抵抗しないと約束するなら、ご主人様から何かもらってきてあげる」

ブリアン「ご主人様って・・・兎女のこと?」

少女「ええ」

ブリアン「この屋敷にいるの?あんたはやっぱり買われたの?」

少女「・・・」

248:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:54:17 ID:18YnfYyzqU

少女「・・・それは、」

少女「・・・喋ることを許されていない・・・ようです」

ブリアン「は・・・?」

少女「・・・」

先ほどと少し様子が変わり、うつむいてあまり口が動かなくなった

ブリアン(なんだこいつ・・・)

怪しい雰囲気に、思案する

249:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/17(火) 20:56:32 ID:18YnfYyzqU

ブリアン「・・・じゃあさ、あんたにとっても兎女にとってもメリットになりそうなこと教えてあげるって言ったら、この縄ほどいてくれる?」

少女「…それはできないわ」

ブリアン「君たちが好きそうな、人間に関する情報だよ」

少女「・・・昨日、町中で見かけたわ。でも、私、どうしてか、外に出られないの・・・」

少女「いますぐ、会いに行きたいのに…」

ブリアン「・・・それなら」

試しに、言ってみることにした

ブリアン「僕の体を使えばいいんじゃない?」

250:🎏 名無しさん@読者の声:2018/4/18(水) 17:17:50 ID:.9ImDJRFHc
新社会人おめでとうございまする(*´∀`*)
251:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/18(水) 20:45:57 ID:18YnfYyzqU
>>250
ありがとうございます〜!!(´∀`*)
明日更新しまする!
252:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/19(木) 22:11:36 ID:18YnfYyzqU

――昼になった頃

列車はキラサギ駅に到着した

車掌は降車すると、大きく【故障、修理点検中】と書かれた看板を立てた

車掌「・・・」

駅の周囲を見渡すが、ブリアンの姿は見当たらない

車掌「・・・使えない車掌補佐だな」

ため息をつくと、町にむかって歩き出した

253:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/19(木) 22:12:33 ID:18YnfYyzqU

そのころ、兎兄貴の家では

兎兄貴「――ダメだダメだぁっ!腰が引けてるぞ!」 ガキィッ

兎男「ひぃっ」 バタッ

千織を守るための訓練と位置付けて、兎兄貴が兎男に対して剣の稽古をつけていた

兎兄貴「昨日の大きな黒い手を見ただろう!?車掌はおかしな術を使ってくるから、思い切って懐に飛び込む度胸をつけなきゃだめだ!」

兎男「お、おす!」

254:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/19(木) 22:13:17 ID:18YnfYyzqU

千織「・・・はは」

苦笑いしながら眺めていると

「にゃ〜〜〜〜ご」

千織「!!」

家の外塀から聞き覚えのある声が聞こえ、目をやった

千織「ブリアンさん!」

塀の上にブリアンが立っていた

255:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/19(木) 22:14:17 ID:18YnfYyzqU

千織(助けに来てくれたんだ・・・!!)

兎兄貴「なんだあ・・・?猫・・・?」

兎男「え、猫?どこどこ?」

すると、ブリアンは背を向けてどこかに走り出した

千織「あっ・・・!」バッ

あわてて千織が追いかける

兎兄貴「あっおい!どこ行くんだよ!!」 ダッ

兎男「あ、あれってもしかして車掌の猫じゃない・・・!?千織ちゃん、待って!!」 バッ

256:🎏 名無しさん@読者の声:2018/4/21(土) 11:44:01 ID:iUzkpGjVKg
支援
257:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 19:58:38 ID:18YnfYyzqU
>>256
支援ありがとうございます!!
とても励みになります〜〜(*^。^*)
258:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:04:07 ID:18YnfYyzqU

車掌はキサラギ町にある兎男の自宅に訪れていた

車掌「――さすがにこんなバレやすいところにはいないか」

窓から家の中を眺めるが、無人のようだ

ふと、近くを歩く兎の町人を見つけ、話しかける

車掌「失礼、ちょっとよろしいですか」

町兎「はい?」

車掌「ここの家の者がどこに行ったか知りませんか?」

259:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:05:17 ID:18YnfYyzqU

町兎「兎男さんですか。さぁ・・・普段は列車で働いて、停車駅の町で寝泊まりしているらしいですからねえ」

車掌「私がその列車の車掌なのですが」

町兎「えぇっ!?これはこれは、こんな辺鄙な町へようこそ。兎男は何かしたのですか?無断欠勤とか?」

車掌「私の所有物を盗んで逃亡したので、探しています」

町兎「えええ!?そんなまさか」

どうやら兎男は、町の者たちに根回しして協力をあおいでいるわけではないらしい

車掌(馬鹿なのか、それともよほど隠れる場所に自信があるのか)

260:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:08:43 ID:18YnfYyzqU

車掌「彼の犯したことのせいで、列車を正常に稼働することができず、多くのお客様にご迷惑をかけています。兎一族は、代々列車の貨物業務にご協力いただき、私自身大変感謝しているのですが、このままでは兎一族全体に汚名をかけることになります」

町兎「ひ、ひえ」

車掌「列車はいまキサラギ駅に停車していて、今にも憤った乗客たちが町に乗り込んできそうな勢いです。それは何としても止めたいので、早急に彼を見つけなければなりません」

町兎「そ、そうですね」


261:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/4/22(日) 20:10:51 ID:18YnfYyzqU

歪世界の住人はもともと「人間以外の生物」のため、知能は基本的に高くない

車掌の論術で言いくるめるのは難しくなかった

車掌「では、ご協力いただけるということでよろしいですか?兎男と少しでも交友関係があるとされる者の家を全て教えてください。他の町人の方に聞いてくださってもかまいません」

町兎「い、いますぐですか?」

車掌は静かに微笑んで見せた

車掌「今じゃなかったらいつなんですか?私の話聞いていましたか?早くどうにかしないと、列車に勤務する兎男全員を解雇します」

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