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歪世界トレイン
[8] -25 -50 

1:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2017/4/30(日) 20:25:16 ID:4iSJ1d7xp2

乗客Yx1

戸野 千織(トノ チオリ)

目が覚めたらそこは、走る列車の中だった



212:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/14(水) 21:56:23 ID:UugzyVWfTQ
>>211
こちらこそお待ちいただきありがとうございます!(>∀<)
(関係ないですが、本日2月14日は、千織が初めて歪世界トレインに乗った日です)
213:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/14(水) 21:57:45 ID:UugzyVWfTQ

必死に考えをめぐらせる

千織(ど、どうしよう。この町で情報を得られたのは大きいけど、車掌さんと離れ離れになってしまった)

千織(車掌さんは列車業務があるから、すぐにはここに来れないはず)

千織(…そ、そもそも、助けに来てくれるのかもわからないけど)

千織(車掌さんが来てくれることを信じて、この町でできる限りのことをしよう)

兎男「千織ちゃん」

千織「は、はいっ」

214:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/14(水) 21:58:54 ID:UugzyVWfTQ

兎男「いきなり連れ出したりしてごめんね。でも、俺はどうしても君を助けたかったんだ」

兎男「これからは俺が、千織ちゃんのことを守るから安心してよ」

千織「え、えと、その…」

相変わらず、よくわからない誤解をしている

千織「な、何か勘違いされていませんか?私は別に、助けてもらうような状況では――」

言おうとして、はっと口をつぐむ

215:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/14(水) 21:59:59 ID:UugzyVWfTQ

千織(…そうだ。しばらく車掌さんと離れてこの町にいる以上、味方になってくれる人が必要だ)

千織(このまま、兎男さんたちのそばにいたほうが安全かもしれない)

千織「…あ、ありがとうございます。とても頼もしいです」

兎男「そ、そうかい?へへへ」

兎兄貴「なんでい、にやけるねぇ〜」


216:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/14(水) 22:01:47 ID:UugzyVWfTQ

その様子を、ブリアンが少し離れたところから眺める

ブリアン(この町に人間がいる…?)

くんくんと鼻を動かす

ブリアン(別に臭いはしないけどな…ほんとにいるのか?)

ブリアン(でも、千織と同じように臭いをカモフラージュさせてる可能性もあるっちゃあるな)

ブリアン(…少し観察してみるか)

217:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/14(水) 22:03:26 ID:UugzyVWfTQ

――――――


車掌「…」 ゴホッゴホッ

列車を動かしながら、咳をする

短時間で多く精力を消費したせいか、体調が芳しくない

車掌「…まったく」

千織がここに来てから、精力を得るどころか消費してばかりだ


218:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/14(水) 22:05:17 ID:UugzyVWfTQ

あんな小娘1人、歪世界に放置しても何も困りはしないのに

なぜ、精力の手で追いかけ、ブリアンまで置いてきてしまったのか

自分のとっさの判断だが、理解ができない

車掌「……」

とにかく、自分が指示した以上、今日の列車業務を終え次第、キサラギ駅に戻らなければならない

大きくため息をつくと、車掌は列車の速度を上げた

219:🎏 名無しさん@読者の声:2018/2/15(木) 19:11:38 ID:SMl5NMYR0U
この世界観好き
ノC
220:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/16(金) 16:39:31 ID:UugzyVWfTQ
>>219
支援ありがとうございます〜〜( ;∀;)
世界観好きと言って頂けて嬉しいです

ふと、結構話がわかりづらくなってきた気もするので、簡易的なまとめを作ってみようと思いました
>>218までのあらすじになりますので、既に記述済みの内容です
更新が遅いせいで前の内容あまり覚えてないけど読み返すのは面倒だなぁ〜という方がもしいらっしゃれば見て頂ければと思います→http://akb.akiba.coocan.jp/file/uploader.cgi?mode=downld&no=493
221:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:16:42 ID:UugzyVWfTQ

キサラギ駅

きさらぎ駅


222:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:19:03 ID:UugzyVWfTQ

――少女は、昔、この駅に迷い込みました

何も知らない少女は、異界の者に捕らえられ

奴隷にされました

恐怖と苦痛に耐えきれなくなくなった少女は、

この地に来て7日目の朝

自ら命を絶ちました


223:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:21:09 ID:UugzyVWfTQ

少女「…いつ、」

少女「…私は、」

少女「…助けてもらえるの…?」

ぽつぽつと呟きながら、大きな屋敷の廊下を歩く

傷んだ髪は腰まで伸び、顔から上半身を覆っている


224:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:22:43 ID:UugzyVWfTQ

少女「…」

うつろな目で、窓の外を眺めた

少女「…?」

町中で、兎男たちと行動する千織の姿が目に入る

少女「…あのひとは、」

少女「人間…?」


225:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:26:45 ID:UugzyVWfTQ

兎兄貴「――で?お前、この子を助けたはいいけど、これからどうすんだよ」

兎兄貴「この町にいることはバレてるだろうし、車掌がここに来るのも時間の問題だぞ」

兎男「に、逃げてみせるよ。たとえこの町を出ていくことになっても」

兎兄貴「…」

兎兄貴「…千織と言ったな。お前、あの車掌とどういう関係だ?」

千織「え」

226:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:27:56 ID:UugzyVWfTQ

兎兄貴「俺たちのイメージだと、車掌は列車業務以外には無関心な男だ。だが、さきほどお前を追ってきたところをみると、そうでもないようだと思ってな」

千織「…それは…」

兎男「あいつは、千織ちゃんが可愛いから傍において拘束したいんだよ!そうに決まってる」

兎兄貴「そうなのか?」

ちら、と千織をみる

227:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:29:28 ID:UugzyVWfTQ

千織「…それは… わ、わからないです」

兎兄貴「わからない?」

千織「え、えーと・・・」

どう答えればいいのだろう

正直に言えば人間だとバレてしまうし、かといって嘘をついて車掌を悪者にするのも気が引ける

兎男「兄貴!千織ちゃん困ってるだろ。きっとあいつに脅されてて、誰にも言うなって言われてるんだよ」

兎兄貴「ふむ…まぁそのうち話す気になったら、聞かせてもらおう」

228:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/17(土) 17:31:32 ID:UugzyVWfTQ

兎兄貴「とりあえず、身を隠す必要があるなら俺の家にこい」

兎男「兄貴の家に?」

兎兄貴「お前の家は真っ先に怪しまれる。俺の家は町の最北だし、外塀もあるし、いざとなったら地下もあるから見つかりにくいはずだ」

兎男「さすが兄貴!頼りになる!」

千織(そ、そんな…見つかりやすいほうがいいのに・・・)

兎男「千織ちゃん、大丈夫だよ。俺がずっと傍にいるからね」

229:🎏 名無しさん@読者の声:2018/2/24(土) 11:37:03 ID:W4ttS0IcFo
わくわく ノC
230:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/25(日) 22:04:47 ID:OFS60Ero8I
>>229
支援ありがとうございます!!
少し気を抜くとすぐ1週間間が空いてしまいますね・・・(;^ω^)
明日更新予定です
231:🎏 ◆e.A1wZTEY.:2018/2/26(月) 12:29:12 ID:UugzyVWfTQ

兎兄貴の家へ向かって、町中を歩く

その途中、ひときわ大きなレンガ造りの建物の前を通った

千織「…ここ、大きな家ですね」

兎男「うん。町で一番お金持ちな、兎女の家だよ」

千織「さっき、お金持ちの人が人間を所有してると言ってましたけど、もしかして…」

兎男「そうだね。ここに人間みたいなのが住んでるって話だよ」

千織「…!」

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