男「あー、ブックオフでバキ読んだら喧嘩強くなった気がするわ。誰かと殴り合いてーなー」
学校の帰り道、立ち寄ったブックオフでバキを全巻読破した高校一年生の少年は、その勢いで、自分が強いと勘違いしてしまう。
その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。
92: 名無しさん@読者の声:2018/8/15(水) 17:05:50 ID:9XRNsYx5ak
警察「コラァー!お前らそこで何やってる!」
後輩「え!?」ピタッ
フォルテ「!?」ビクッ
警察「お前らだな、喧嘩してんのは!近所迷惑だろうがー!」
後輩「……警察!?誰かが通報したのか!?」アワワワ
警察「そこを動くなよー!」ダッ
後輩「うおっ、来た!」
フォルテ「……チッ!」ダッ
後輩「あっ、オイ」
フォルテ「…………あばよ」ダダダダダッ
警察「待たんかコラァ!」ダダダダダッ
後輩「うおお、やべぇ!」ダッ
警察「逃げるなガキ共!」ダダダダダッ
……その後、俺と警察の鬼ごっこは30分以上続いた。
93: 名無しさん@読者の声:2018/8/17(金) 01:10:42 ID:9XRNsYx5ak
後輩「はあっ、はあっ、ちくしょー!あの警官、俺ばっかり追いやがって!」
後輩「……ああ、疲れた。なんだか今日はツイてないっすね……ジョジョとも会えないし、よくわからん奴に煽られるし、警察官に追われるし……」
後輩「……今日はもう、帰ろうかな」
謎の男、フォルテとの邂逅。次に会ったときはボコボコにしてやると意気込んで、後輩は帰路に着いた。
94: 名無しさん@読者の声:2018/8/19(日) 21:33:47 ID:9XRNsYx5ak
〜2時間後:青色公園〜
ジョジョ「…………」ジーッ
……ジャリッ
ジョジョ「?」ピクッ
フォルテ「…………」ザッ
ジョジョ「…………フォルテか」
フォルテ「久しぶりだな、ジョジョ」
ジョジョ「…………おれに何か用か?」
フォルテ「まあな……その種、お前はどうするつもりだ?」
ジョジョ「…………」ピタッ
┣"┣"┣"┣"┣"
フォルテ「…………もしも、飲むつもりなら……」
ジョジョ「…………飲むつもりなら?」
フォルテ「…………貴様を潰す」
ジョジョ「…………ほーう」
┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"┣"
一方の後輩「おやすみ〜」スヤァ
95: 名無しさん@読者の声:2018/8/31(金) 12:09:47 ID:9XRNsYx5ak
〜深夜:赤色公園〜
眼鏡「ストさん、早くしないとホウオウいなくなっちゃいますよ!」
スト「おう、任せろ!狂者、お前も早くしろ!」
狂者「…………」
スト「どうした?早くしろよ」
狂者「……呼ばれている……」
スト「おう、早くしろよ」
狂者「…………行かないと」
スト「おう、早く行こうぜ」
狂者「…………」ダッ
スト「お!?おい、どこ行くんだ狂者!?」
眼鏡「ストさん、あと1分!」
スト「すまん眼鏡、後は任せた!」ダッ
眼鏡「ちょっと、ストさん!?」
\俺のスマホでもホウオウ捕まえとけよー!/
眼鏡「えええええ!?」
眼鏡2「仕方がない、我々だけで始めましょう!」
眼鏡3「やるしかない!」
眼鏡4「勝つ確率60%……」
眼鏡「眼鏡4お前今さらキャラ付けか?」
96: 名無しさん@読者の声:2018/9/2(日) 20:41:59 ID:CH9Br11/g2
──────────
───────
─────
〜深夜:教会〜
スト「……さて、追っかけてきたはいいが……」
ざわ‥ざわざわ‥
スト「ここは教会か?この街にこんなところがあるなんてな……」
ざわざわ‥ざわざわ‥‥
スト「それにしても、何でこんなところに集まってるんだお前ら?若者だけが、ざっと100人くらいはいそうだけど。一体何が始まるんです?」
狂者「…………」
スト「……反応なし、ね。周りの奴らも同じ感じだし……参ったなぁ」
スト(スマホ持ってくりゃ良かったぜ……俺ひとりの手には負えんかもしれん)
97: 名無しさん@読者の声:2018/9/16(日) 17:50:14 ID:3Gz15T.AwE
スト(しかし、こいつら揃いも揃ってこんなところに一体何の用なんだ……?)
スト(皆あそこの朝礼台みたいなところに注目してるけど、誰かを待っているのか?)
ザッ……
スト(何か……嫌な予感がする……)
『久しぶりだね、ストくん』
スト「…………!?」
98: 名無しさん@読者の声:2018/9/16(日) 18:04:13 ID:3Gz15T.AwE
俺はこの声を知っている……
ジョジョに負けて、燻っていた頃の俺の前に現れた……
俺の心の中を見透かし、赤い種を渡してきた……
この男!!!
スト(全く気配を感じなかったが、いつの間に俺の背後に……!?)
スト「…………どうも」
『君もここに来てくれたんだね。どうやら僕が渡した種は、まだ飲んでないようだけど』
ピクッ
スト「……ああ、あれね。捨てちまったよもう。悪いな」
ホントは今もズボンのポケットに入ってるんだけどな!!!
『フフ、嘘はいいよ。今もまだ持っているんだろ?大丈夫。飲む飲まないは君の自由さ』
スト(なに!バレてる!?)
そういうと、男は朝礼台へと向かっていった。
この男は何者なんだ……!?
99: 名無しさん@読者の声:2018/9/17(月) 01:05:28 ID:3Gz15T.AwE
『さて、諸君。こんな時間に集まってくれて、どうもありがとう』
男が集団に語りかける。
『僕が渡した【才能の種】の調子はどうだい?君たちの望みを叶えてくれたかな?』
スト(才能の種?……って、こいつのことか?)
ズボンのポケットから赤い種を取り出す。
ブブブブ…
スト(……振動している。アイツの呼び掛けに呼応しているのか?)
スト(それに、周りをよく見たら俺の高校の奴もちょくちょくいるじゃねーか。しかも、種を飲んだと噂されていた奴らだ)
『僕の渡した【才能の種】のおかげで、君達は一歩先の人類になった。今日集まってもらったのは、その恩返しを僕にしてもらいたいなと思ってね』
スト(恩返し?)
『と言っても、そんな難しいことは言わない。ただ、僕が君達を必要としているときに、僕を手助けしてくれる。それだけでいいんだ。僕の手助けをしてくれ。僕は君達の願いを叶えてあげたのだから、君達も僕の願いを聞くくらい、してくれたっていいだろう?』
スト「…………」
『フフ、そうだな……最初のお願いは……』
『疲れただろう?皆、その場に座ってくれ』
100: 名無しさん@読者の声:2018/9/24(月) 12:32:20 ID:6t1wv.4Fig
ザザッ!
スト「…………!!!」
101: 名無しさん@読者の声:2018/9/24(月) 22:42:59 ID:6t1wv.4Fig
男の一言で、数百人の若者が一斉に跪いた。
立っているのは俺だけだった。
ポケットの赤い種が激しく振動する。
スト「…………成る程ね」
俺は男を睨み付けた。
102: 名無しさん@読者の声:2018/10/8(月) 20:53:08 ID:0fjZyZ29V2
『さてと、今日はこれで解散だ。ありがとうみんな。これからもよろしく頼むよ』スッ
パンッ!
男が手を叩いた。
すると、集まっていた若者たちが虚ろ目なまま、ゾロゾロと広場から捌けていき……
教会の広場には、俺と黒ずくめ男だけが残った。
103: 名無しさん@読者の声:2018/10/22(月) 17:32:55 ID:0fjZyZ29V2
男が朝礼台から飛び降り、こちらに向かってくる。
それに呼応するように、ストも前へと歩き始めた。
ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ
そして、お互いに腕を伸ばせば届く距離まで歩みを進め、
ピタッ
ストは臨戦態勢へと入った。
104: 名無しさん@読者の声:2018/11/25(日) 00:53:07 ID:HPxlY6rWzM
『……今日はありがとう、と言いに来たのだけれど、どうやら怒らせてしまったようだね』
スト「お前にいくつか聞きたいことがある。答えな」
『脅さなくても答えるよ。なんだい?』
ゴソゴソ
スト「この種」スッ
スト「最初は麻薬かなんかかと思ってたが、どうやら違うみたいだな。麻薬では、こんな大人数の行動を制御できたりしないよな?」
『…………』
スト「この種の中身はなんだ?」
『…………』
『ノーコメント』
105: 名無しさん@読者の声:2018/11/28(水) 23:14:48 ID:zzXPOUBqCU
ブオンッ!
『うおっ……と!』
ストの右足が空を切る。
スト「俺の蹴りを避けれる、ということは、格闘の心得が全くないわけではないらしいな」
『いやぁ、危ない危ない。もう少し離れとこうかな』
男はそう言ってストから二、三歩離れた。
スト「ノーコメントってことは、非合法の麻薬かなんかってことか?」
『麻薬ではない、とだけは断言しておこう。中身に関してはこれで許してくれないかな。他の質問には答えるから』
スト「ほーう、まあいいだろう。もう一つ質問がある。お前の目的はなんだ?」
『目的?』
スト「こんなに大勢の人間を集めて、何をしようとしてるんだ?」
106: 名無しさん@読者の声:2018/12/1(土) 23:58:04 ID:3nQ1oEV.9o
『世界征服』
107: 名無しさん@読者の声:2018/12/2(日) 00:05:58 ID:3nQ1oEV.9o
スト「……は?」
『なんてね。冗談だよ、冗談』
スト「…………」
スト(冗談に聞こえなかったがな……)
『そうだなぁ。スト君が僕に協力してくれるというのなら、教えてあげてもいいんだけど』
スト「それこそ冗談だろ」
『こっちは本気だよ。僕は君のことを買っている』
スト「そりゃどうも」
『残念だ。君が協力してくれたら、とても心強いんだけど』
108: 名無しさん@読者の声:2019/2/24(日) 02:24:46 ID:zzXPOUBqCU
『君に渡したその種は特別でね。今の君なら、その能力を十全に発揮することができるだろう』
スト「能力ぅ?」
『得られるものは、純粋な力だよ』
『例えば、そこの狂者くん。彼も随分変わったよね。昔のいじめられっ子だった彼とはもう、似ても似つかない』
『彼は種を飲むことで、大きな力を手に入れることができた』
『殴られ蹴られ、脅されて、それが当然かのように、誰も助けてくれなかった。そんな状況に打ち勝つ力を、彼は手に入れたのさ』
『彼は、いじめっ子たちを病院送りにできるほど強くなった。そして今、赤色公園の王、ストの隣で一緒に学校生活を送っている……』
スト「…………」
狂者「」ボーッ
『種は、その人が望んだ力を与えてくれる。彼が望んだ精神力は、長年自分が置かれていた状況を一変させた』
『そして、君に渡したその種は、狂者くんに渡したものとは格別の力を持っている』
109: 名無しさん@読者の声:2019/2/24(日) 11:40:07 ID:zzXPOUBqCU
スト「こんなちっこい種にそんな力がねぇ……」
『飲んでみなよ。その瞬間に君の力は、この世に比肩するものがなくなる』
『ジョジョやその他の公園の王たち、オリンピックの選手やボクシングの世界チャンピオンだって、君に勝つことができなくなる』
『君がまだジョジョに勝ちたいんだとしたら、更なる高みを目指したいんだとしたら……』
『その種を飲「いらねぇ」
110: 名無しさん@読者の声:2019/3/17(日) 20:45:37 ID:1VkapZ3/a6
スト「俺は俺のまま、ジョジョより弱い俺のまま、ジョジョに戦いを挑む」
スト「それが俺のスタイルだ」
『…………』
スト「俺とお前の考えは、一生相容れないんだろうよ。話してよくわかったぜ」
スト「世界を変えたいお前のことを、変わりたくない俺が止めてやる!!!」バッ
ブオッ!
『……素晴らしい』ニヤッ
バキィッ!
111: 名無しさん@読者の声:2019/3/30(土) 22:00:47 ID:KWsBk/2UWk
『うぐっ……痛いな……』
スト「オラッ!」ブンッ
パシッ
スト「……!」
『やっぱり君は最高だ。是非とも僕の仲間に欲しい!』
スト「まだ抜かしやがるか!」ブオッ
『おっと!』ヒョイッ
スト「……ッ!」
『フフ……こうなったら力ずくで仲間になってもらうしかないかな』
スト(…………野郎!!!)
112: 名無しさん@読者の声:2019/7/15(月) 11:15:56 ID:LFW6uP2gKM
パチンッ
ズラッ
スト「!!」
『この7人は、君たち公園の王の強さをベースに才能を与えた奴らでね。そうだな、ひとりひとりがジョジョを越えてると思ってくれると早いかな』
スト(なんだと……!?)
『さて、とりあえずは気絶させて、種を飲んで貰おうか。やってくれ、みんな』
ザッザッザッ
スト「…………来な!」
──────────
────────
──────
…………
113: 名無しさん@読者の声:2019/7/15(月) 11:26:39 ID:LFW6uP2gKM
〜翌日〜
眼鏡「…………」
後輩「眼鏡先輩うぃっすー。ストさんいますかー?」
眼鏡「……後輩か、どうしたその顔の傷は?」
後輩「いや、昨日ジョジョと戦うつもりが、何故かフォルテとかいう奴と戦ったんすけどね。なかなか強くて……」
眼鏡「フォルテか。よくそれだけですんだな」
後輩「つーか今日、人が少なくないすか?ストさんもいないし、狂者先輩も来てないんすか?」
眼鏡「二人とも今日は学校を休んだよ」
後輩「へ!珍しい!」
眼鏡「俺も帰る。じゃあな」
後輩「え、なんかあったんすか?」
眼鏡「……いや?なんもねーよ。お前も早く帰りな」
後輩「あ、おつかれっしたー」
その日から、ストさんと狂者先輩と眼鏡先輩が、俺の前から姿を消した。
114: 名無しさん@読者の声:2019/8/20(火) 00:22:06 ID:WQNVSMvB0k
『スト?ああ、あいつね、今日も来てないよ』
『眼鏡も来てないよ。あいつが休むなんて珍しいよな』
『チャラ男なんて一週間も来てないよ』
『狂者のやつも、三日前から来なくなっちまったし』
『……最近俺らの周りで休んでる奴ら多くね?』
『ああ、最近休んでる奴ら、夜中に集まってんの見たな。何してんのか聞いたらさ』
夜中の公園に現れる不良たちを成敗してるんだって
『おっかねーな。夜中に公園に行くのはやめとくか』
後輩「…………ストさん」
115: 名無しさん@読者の声:2020/10/22(木) 22:14:14 ID:liBfWwfrqM
ストさん……
つCCCCC
116: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 22:50:06 ID:ZC3669QYcU
支援ありがとう!
1年の沈黙を破り復活!!!
117: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 22:58:46 ID:ZC3669QYcU
〜深夜:赤色公園〜
後輩「今日もストさん達が来ない……」
後輩「昼間の噂話……深夜に不良を狙ってる奴らがいるらしいが、そいつらも来ない……」
後輩「襲われたら返り討ちにして、知ってることを聞き出そうと思ってたんだが……」
後輩「どうやら空振りみたいっすね……」
118: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:04:33 ID:ZC3669QYcU
後輩「このまま待ってても仕方がない。帰るか……」
後輩「……いや、待てよ?もしかしたら、違う公園にならいるのかも……」
後輩「そうだ、青色公園に行こう」
後輩「ジョジョならストさん達のこと、何か知ってるかもしれないし」
後輩「不良狩りの奴らがいたら、それはそれで何か手掛かりが掴めるかもしれない」
後輩「我ながらナイスアイディア!行くっすよ〜!」ダッ
119: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:23:37 ID:ZC3669QYcU
〜青色公園〜
後輩「……って、誰もいないんかーい!!!」
後輩「噂が間違ってんのか?それともジョジョも不良狩りにやられたとか?」
後輩「こうなったらもう虱潰しだ!黄色公園行くぞ!」ダッ
120: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:48:13 ID:ZC3669QYcU
〜黄色公園〜
金属バット「……で?な〜んでお前と組まなきゃならねーのかね?」
鉄パイプ「保険だとよ。ストって奴の件もあるし」
金属バット「あ〜、アイツね……」
鉄パイプ「7人がかりでも少し手こずったからな。それにここの公園の主は、3日間で雑魚が10人やられている。確実に潰すために、俺とお前が呼ばれたってわけ」
金属バット「ま、いいよ……とにかく俺はこの金属バットでかっ飛ばせればいい。頭でも、腹でもね。……さて、」
金属バット「お前が黄色公園の主だよな?」
フォルテ「…………」
121: 東京名無しンピック2020:2020/12/28(月) 00:40:45 ID:ZC3669QYcU
鉄パイプ「黒のジャージ、オレンジ色のニット帽、灰色のネックウォーマー……コイツがフォルテで間違いなさそうだ」
金属バット「そうか。ちゃっちゃと終わらせちまおう」
鉄パイプ「待て待て。その前にやることがあるだろ」ゴソゴソ
金属バット「んー?」
鉄パイプ「おい、フォルテ。これをやる」ヒョイッ
フォルテ「……」パシッ
鉄パイプ「その種飲んで、俺達の仲間にならないか?」
122: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 00:45:05 ID:ZC3669QYcU
フォルテ「……」ポトッ
フォルテは種を足元に落とすと、
パキッ
そのまま右足で踏み潰した。
鉄パイプ「……交渉決裂ってわけね」
フォルテ「……」
金属バット「おし、やるか」ブンッ ブンッ
鉄パイプ「とりあえず、半殺しで」
フォルテ「……」
123: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 01:08:10 ID:ZC3669QYcU
金属バット「フッ!!!」ブオッ
金属バットの少年が、正面から襲い掛かる。
バットを振り上げ、躊躇無く叩き下ろす。
フォルテ「……」タンッ
スカッ
ガキーン!
しかしバットは空を切り、そのまま地面と激突した。
金属バット「おっ!?」ビリビリ
金属バットの少年が、地面を打った衝撃に気を取られた一瞬の隙に、フォルテは右足で金属バットを蹴り上げた。
バシッ
金属バット「なにっ!?」
思わず手から離れた金属バットはカランカラーンと音を立てながら、あらぬ方向へと飛ばされていく。
そのバットの行く末を見届ける間もなく、少年の眼前にはフォルテの拳が迫っているのだった。
124: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 02:44:48 ID:ZC3669QYcU
バキッ!
鉄パイプ「……!」
鉄パイプ(予想以上に強いな…………だが!!)
フォルテ「…………ん」ググググ…
金属バット「…………やるじゃねーか」ググググ…
フォルテ「…………タフだな」
金属バット「フンッ!」ババッ
金属バットの少年が両の腕でフォルテを掴みに掛かる。
フォルテ「…………」バシバシバシバシ
それらをすべていなしながら、カウンターを狙うフォルテだったが……。
鉄パイプ「オラッ!」ブオンッ
フォルテ「…………チッ」ヒュッ
鉄パイプが参戦してきたところで、少しだけ距離をとった。
125: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 17:59:20 ID:ZC3669QYcU
その隙に、金属バットの少年はバットを拾いに身を翻す。
追撃しようとしたフォルテの前に、鉄パイプの少年が立ちはだかった。
鉄パイプ「おっと、少しだけ待っててもらうぜ?」
フォルテは構わず間合いを詰める。
鉄パイプの少年は鉄パイプを野球選手のように構え、一気に振り抜いた。
ブオンッ!
あまりにも大振りな、破壊力に特化した一振り。それ故に、容易くフォルテに避けられてしまう。
しかし、足止めとしての機能は十分に果たされた。
そのままフォルテは軸足に蹴りを喰らわし、鉄パイプの少年を転ばした。
と、同時に、金属バットの少年が地面に落ちていたバットを掴んだ。
フォルテ「……チッ」
それを視界の端で捉えたフォルテは、舌打ちをしながら取り敢えず、鉄パイプの少年の顔面を蹴り上げた。
126: 東京名無しンピック2020:2020/12/30(水) 16:34:54 ID:ZC3669QYcU
鉄パイプ「いっ……てぇ!」
フォルテ「…………」
金属バット「待たせたなぁ〜」
鉄パイプ「おい、挟み撃ちするぞ!」
ザザッ
フォルテ「…………」
前門の鉄パイプ 後門の金属バット!
127: 東京名無しンピック2021?:2021/2/7(日) 22:48:42 ID:vQ2SivyWEg
鉄パイプ「もう好き勝手やらせねーぞ」
金属バット「最後になにか言い遺すこととかあるか?」
フォルテ「…………」
金属バット「ねーならもう終わらすぞ」
フォルテ「…………さっさと来い」
金属バット「よし、行くぞ鉄パイプ」
鉄パイプ「了解」
128: 東京名無しンピック2021?:2021/2/27(土) 23:57:43 ID:vQ2SivyWEg
物心ついた頃からピアノを習い、絶対音感と天性のリズム感覚で数々のコンサートで受賞してきた天才音楽少年。
ピアノの練習に没頭し、遊びに疎かった少年は、高校1年生の春になんとなく立ち寄った、ゲームセンターに大きな衝撃を受けた。
この世には、ピアノよりも奥深い世界がたくさんある。
以降、少年は学校終わりに毎日ゲーセンに通い、ジャンルを問わずすべてのゲームでランキングを総ナメしていく。
彼のHNは『F』
人は彼を「フォルテ」と呼ぶ。
129: 東京名無しンピック2021?:2021/2/28(日) 11:22:12 ID:M4Mu4wpjGI
ゲームにハマっていく過程で、フォルテはピアノのレッスンでは気付けなかった、自分の才能に気付いていく。
驚異的な動体視力と、圧倒的な反応速度。
特に音ゲーが得意だった彼は、見たことも聞いたこともない初見の譜面を、その動体視力と反応速度で強引にクリアしていった。
それらの才能は音ゲー以外にも様々な場面で発揮されることになる。
ある日、ストUで相手をハメまくっていたフォルテは、ブチギレた相手にリアルファイトを申し込まれる。
喧嘩などしたこともなかったフォルテは当然断るが、怒りの収まらぬ相手に強引に黄色公園に連れ出された。
130: 東京名無しンピック2021?:2021/2/28(日) 11:31:42 ID:M4Mu4wpjGI
その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。
が、それはまた別のお話。
閑話休題。話を現在に戻そう。
131: 東京名無しンピック2021?:2021/3/14(日) 11:59:55 ID:vnzOWIRiFE
鉄パイプが正面から近付いてくるのと同時に、金属バットが真後ろからバットを振りかぶる。
というわけで、フォルテは真横に回避した。
そのまま2人から距離を取り、地面から石を拾う。
そして、金属バットの顔面目掛けて、すぐさま全力で投げつけた。
132: 東京名無しンピック2021?:2021/3/20(土) 22:32:21 ID:vnzOWIRiFE
ヒトはもっとも上手に物を投げられる動物である。原人から新人にいたるまで、投石はもっとも基本的な狩猟の攻撃方法だった。
人間対人間の闘いでも、投石は重要かつ効果的な戦術であった。『旧約聖書』に登場するペリシテの巨人兵士ゴリアテは小柄なダビデの投石で打ち倒されるなど、古代から体格の不利を補う威力をもつと知られていた。
投石の特徴として、投石のみで相手に致命傷を与えるのではなく、ダメージを与えてさらに攻撃を加える、または逃げることができる点がある。特に顔面や目への投石は効果が高い。現代においては防犯用のカラーボール、喧嘩や護身術として相手に多数の硬貨やパチンコ玉、砂を投げつける行為も、広義の投石と言える。
133: 東京名無しンピック2021?:2021/6/6(日) 10:08:59 ID:k9ZIMxhCj6
突然目の前に現れた物体に、思わず顔をのけぞり手をかざす金属バット。
しかしフォルテの投げ放った石は、そのまま金属バットの左こめかみにクリーンヒットした。
134: 東京名無しンピック2021?:2021/7/10(土) 22:08:56 ID:r3CwqCdNlI
あまりの衝撃にその場に倒れる金属バット。
それに構わず鉄パイプはフォルテに襲い掛かる。
フォルテは冷静に鉄パイプの攻撃を躱し、足払いをし、倒れたところに馬乗りになり、そのまま拳を振り下ろし、振り下ろし、振り下ろし、振り下ろし…………。
金属バットが立ち上がることができるまで回復する間に、鉄パイプの少年の意識はなくなっていた。
135: 東京名無しンピック2021?:2021/7/10(土) 22:21:46 ID:r3CwqCdNlI
金属バット「て……てめぇ……」
フォルテ「……さて、そろそろ終わらすか……」スッ…
金属バット「!」ビクッ
フォルテ「……どうした?来ないのか?」スタスタ
金属バット「……」ザザッ
フォルテ「……」スタスタ
金属バット「来……来るな!」ズザザ
フォルテ「……」スタスタスタ
金属バット「来るんじゃねぇ!」ブン
スカッ
フォルテ「……消えろ!」
ガンッ!!!
136: 東京名無しンピック2021?:2021/7/13(火) 23:03:11 ID:Sg7DX3fT4g
後輩「ハァ……ハァ……ようやく黄色公園に着いたっすよ……」
後輩「……ん?」
\キエロ! ガンッ!!!/
後輩「……あいつは!」
後輩「おい、フォルテ!」
フォルテ「……お前か」
後輩「この間はよくも俺に警察官を押し付けやがって!ゆるさん!」
フォルテ「……知らんな」プイッ
後輩「あっ、てめぇ!」
137: 名無しなのよ:2023/3/17(金) 20:33:48 ID:X.UKuz2ELg
フォルテ「……さて」グイッ
金属バット「ぅ……」
後輩「何するんすか?」
フォルテ「…………」ググググ…
後輩「ちょっと?」
フォルテ「…………折る!」グッ!
金属バット「ぁが!?」
\バキッ!/
フォルテ「…………何をする?」
後輩「あっ、スマン。思わず殴っちまった」
フォルテ「……邪魔をするな」
後輩「やりすぎっすよ。何があったか知らないけど」
後輩「これ以上やるってんなら、相手になるぜ」
138: 名無しなのよ:2024/1/1(月) 00:32:59 ID:w5h0lx/616
フォルテ「…………まあ、いい」フイッ
後輩「おろ?聞き分けいいな」
ブオンッ!
バキッ!
後輩「いぎっ!?」ドテッ
フォルテ「……一発は、一発だぜ」
後輩「……!んにゃろう!勝負だ!てめー!」
フォルテ「…………仕方がない、やるか」
?「待てーい!!!」
フォルテ・後輩「!?」
139: 名無しなのよ:2025/2/22(土) 22:44:38 ID:Gt8GJEhoFY
\オウゴンバーット/
\バット バット /
\ドコカラクルノカ オウゴンバーット/
後輩「……なんだこの歌?一体どこから……」
フォルテ「…………」
\コーウモリダケーガシーッテイル/
ビシッ!
ボゥン!
黄金バット「黄金バット参上!」
140: 名無しなのよ:2025/2/22(土) 23:20:28 ID:Gt8GJEhoFY
黄金バット「フハハハ丿\丿\丿\!」
後輩「な、なんだこの金ピカ髑髏マスク!」
フォルテ「…………」
黄金バット「その2人を渡してもらおう。彼らは私の仲間だ」
金属バット「うぅ……」
鉄パイプ「黄金バット……助けてくれ……」
フォルテ「……断る。こいつらにはもう少し聞きたいことがあるからな」
後輩「おい!フォルテお前!」
黄金バット「……ならば力付くだ!」ダッ!
フォルテ「……!!!」
141: 名無しなのよ:2025/3/9(日) 12:59:52 ID:4licjghgKU
黄金バット「シルバーバトン!!!」ブォン!
フォルテ「……」ヒュッ…
ガシッ
フォルテ「……!?」
金属バット「油断したな?」ニヤッ
フォルテ「……!!」
バキイッ!!!
142: 名無しなのよ:2025/3/10(月) 16:33:24 ID:/kpNuSr1rA
フォルテ「〜〜〜〜〜ッ!!!」ビキビキビキ
黄金バット「左手で防いだか。だがもう使い物にならない」
フォルテ「……ッ!」ダラーン
後輩(い、今スゲー音が……折れたか!?)
黄金バット「とどめだ、黄色公園の王よ」スッ
フォルテ「…………チッ」ググ…
黄金バット「ハアーッ!!!」ブオン!
後輩「うおーっと!」ドンッ!
黄金バット「ムオッ!?」グラッ
後輩「やりすぎっすよ、それ以上は」
143: 名無しなのよ:2025/3/14(金) 07:46:46 ID:6VVnGWVA/A
後輩「やりすぎ、良くない。ダメね?」
黄金バット「邪魔をするな」
後輩「お前らに聞きたいことがある」
黄金バット「む?」
後輩「赤色公園のスト、どこにいるのか教えやがれ」
144: 名無しなのよ:2025/3/14(金) 11:42:05 ID:6VVnGWVA/A
黄金バット「貴様に教える義理はない」
後輩「……ということは、知ってるってことだな?」ニヤッ
黄金バット「!」
後輩「悪いが力尽くで教えてもらうぜ」コキッ
黄金バット「フン!邪魔をするなら貴様からだ!」
後輩「来な!!!」
145: 名無しなのよ:2025/3/15(土) 08:18:33 ID:N4Ob2pLNk2
黄金バットが間合いを詰めながら、シルバーバトンを振り被る。
後輩は振り下ろされる瞬間を狙い、カウンターをする準備に入った。
後輩(武器を持っている分、攻撃は読みやすい)
後輩のこの判断は概ね正しい。
しかし、誤算があるとすれば。
ビュオッ!
ヒョイッ
後輩「ッシャア!!!」ズドンッ!
後輩(完璧クリーンヒット!勝った!)
黄金バット「…………」スッ…
後輩「えっ」
黄金バット「ヌンッ!」ブォン!
ズガンッ!!!
146: 名無しなのよ:2025/3/15(土) 17:15:01 ID:N4Ob2pLNk2
後輩「ガハッ!?」ドサッ
後輩(い、息が……できない……!?)
黄金バットの一撃で、シルバーバトンが左肩にめり込んだ。
黄金バット「……身体を捻って直撃を避けたか。だが、その左肩へのダメージ。もはや立ち上がることはできまい」
クルッ
黄金バット「さて、待たせたなフォルテ…………!?」
振り向き、フォルテに向き直ろうとする黄金バット。
しかし、先程までの場所にフォルテはいなかった。
147: 名無しなのよ:2025/3/16(日) 15:52:04 ID:M80yG6BrZg
黄金バット「…………逃げた、か?」キョロキョロ
シーン…
黄金バット「ぐぬぬぬ……この雑魚のせいで!!!」キッ
後輩「はあっ、はあっ」
黄金バット「…………まあいい。さらばだ」
フハハハ丿\丿\丿\!
黄金バットは倒れた金属バットと鉄パイプを楽々担ぎ、高笑いをしながら去っていった。
そして黄色公園には、倒れた後輩だけが取り残された。
148: 名無しなのよ:2025/3/16(日) 16:07:02 ID:M80yG6BrZg
後輩「ぅぐ……痛てて……」ムクッ
後輩(……ようやく少し動けるようになった。しかしあの野郎、なんて馬鹿力だ。左腕がまだピクリとも動かない……)
後輩(……あいつ、ストさんのこと知ってたな。ストさんは無事なのだろうか……。まさか、あの化物にやられてしまったのか?)
後輩「……いや、それはないな。俺がカウンターを決められる相手に、あのストさんが負けるはずがない」
後輩「……と、とにかく今日は家に帰ろう……。ストさん捜索はまた明日だ。一刻も早く回復して、次はあの骸骨野郎にストさんの居場所を吐かせてやる……!」
後輩、帰宅。応急処置をして就寝。
フォルテ、消息不明。
To be continued…
149: 名無しなのよ:2025/3/25(火) 19:09:15 ID:M80yG6BrZg
〜翌朝〜
後輩「う……朝か……いっ!?」ズキッ
後輩「左肩がいてぇ……さすがに一晩では治らねーか……」
後輩「でも、泣き言なんか言ってられねーや。もしかしたら学校にストさんたちが来ているかも知れないし、休む訳にはいかないぜ」ムクッ
ズキッ
後輩「いててて!動くたびにいてーや!ちくしょう!あの骸骨野郎、絶対に許さん!」
150: 名無しなのよ:2025/3/30(日) 18:15:21 ID:M80yG6BrZg
〜放課後〜
後輩「あ〜、やっと終わったー!結局ストさん達はいなかったな」
後輩「ま、気を取り直して捜しに行きますか〜」
フォルテ「…………」
後輩「ぅおっ!?フォルテ!?」
151: 名無しなのよ:2025/3/30(日) 19:00:31 ID:M80yG6BrZg
フォルテ「…………」
後輩「びっくりした。お前無事だったんすね!」
フォルテ「…………」
後輩「…………で、何か用っすか?」
フォルテ「…………ついてこい」クルッ
後輩「え、ちょっと……俺、今からストさん達を捜しに……」
スタスタスタスタ
後輩「あー、おい!ちょっと!待ってよ!」ダッ
152: 名無しなのよ:2025/4/10(木) 18:34:01 ID:.tPtYUmNBU
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「おーい、どこにいくんすかー」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「俺、今からストさんを捜しに行きたいんすけどー」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「おーい、もういいっすか?帰るぜ俺」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「はい、決めました!もう帰ります!お疲れさまでした!」
フォルテ「…………」ピタッ
後輩「お?」
フォルテ「…………着いた」
後輩「着いたって、どこっすかここ?バーベキュー場?」
フォルテ「…………」ピッ
看板『緑色公園』
後輩「…………緑色公園?」
153: 名無しなのよ:2025/4/11(金) 07:48:52 ID:Wy5sy4elO2
緑色公園。
中規模な森林公園。水上アスレチックやバーベキュー、パターゴルフ場やドッグランなど、老若男女に人気の設備を備えている。
また、様々な生き物に出会えることも人気のひとつ。
ヘビ、カエル、カメ、ウサギ、トカゲ、ハクチョウ、カモ、様々な生き物の姿が、見る者の心を癒してくれる。
しかし、夜の緑色公園には近付かない方がいい。
「クマ」の目撃情報が、多数報告されているからだ。
154: 名無しなのよ:2025/4/12(土) 13:09:28 ID:TvLvLYT1pA
後輩「へ〜、何気に俺、緑色公園来るの初めてだな」
\ゴガアアアア!/
後輩「……ん?」
\ゴガアアアア!/
後輩「……獣の、唸り声?なんで公園に?」
\ゴガアアアア!/
後輩「まただ……」
フォルテ「…………こっちだ」
155: 名無しなのよ:2025/4/14(月) 07:39:18 ID:bi69ZRZG4w
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「…………」スタスタスタスタ
ゴガァアア!
後輩(…………な、なんか…………)
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
ゴガァアアア!!
後輩(どんどん音がでかくなってないか……!?)
ゴガァアアアア!!!
フォルテ「…………ここだ」ピタッ
156: 名無しなのよ:2025/4/17(木) 15:38:16 ID:Jz6lOJ50O2
森林公園の最奥、広葉樹林のど真ん中。
地べたに寝そべる、大きな黒い生物がいた。
先程までの唸り声は、どうやらこいつのいびきだったらしい。
フォルテ「…………」ヒョイッ
フォルテはおもむろに石ころを拾うと、
フォルテ「…………ッ!」ブンッ
後輩「!?」
その生物に向けて、結構な勢いでぶん投げた。
ガンッ!!!
157: 名無しなのよ:2025/4/18(金) 14:15:42 ID:p/Ux6XApgw
?「ゴガッ!?」
後輩「お、おい、何やってんの!?大丈夫あれ!?熊とかじゃないのあれ!?」
フォルテ「…………」
?「……………………」ムクッ
後輩「お、起きたぞ!」
?「……………………」ボリボリ
後輩「…………あれ、人間?」
?「…………ァー、よく寝たよく寝た」ノソッ
後輩「!!!」
後輩(で、でかい!2メートルくらいあるぞ!?)
?「おい」
後輩「は、はい!?」
?「俺に石投げたの、お前か?」
後輩「あいつです!」ビシッ
フォルテ「…………起きたか、クマゾー」
158: 名無しなのよ:2025/4/18(金) 15:48:54 ID:p/Ux6XApgw
クマゾー「なんだ、フォルテか。遅かったな。待ちくたびれて寝ちまってたよ」
フォルテ「…………いびきが公園の外まで聴こえていたぞ」
後輩(……なんか、仲良さそうだな。フォルテにも友達がいたのか……)
後輩「……で、フォルテさんよ。この方は誰なんすか?紹介して欲しいっす」
フォルテ「…………こいつの名前は、森野熊三。緑色公園の王だ」
後輩「!!!」
159: 名無しなのよ:2025/4/19(土) 15:17:26 ID:dBun5ez44E
後輩(…………こいつが、緑色公園の王!!!)
クマゾー「……で、お前は何者?」
後輩「え?あ、俺は……」
フォルテ「…………こいつはストの代わりだ」
後輩「えっ?」
クマゾー「ストの?へー、こいつがねぇ……」
フォルテ「…………次に行くぞ」
160: 名無しなのよ:2025/4/20(日) 14:51:29 ID:TIYZNf4RLQ
スタスタスタスタ
後輩「……おい、フォルテ。俺がストさんの代わりって、どういうことっすか?」ヒソヒソ
フォルテ「…………」
後輩「てゆーか、次は俺たちどこに向かってるんすか?」ヒソヒソ
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩(ガン無視…………こいつはいつか殺す!)
クマゾー「なあ、少年」
後輩「うぃ!?」ビクッ
クマゾー「なんか食いもんもってない?」グギュルルル
後輩「……グミならあるっすけど」
クマゾー「サンキュー!」
161: 名無しなのよ:2025/4/30(水) 12:28:32 ID:8ZQJTJNPnA
〜藍色公園〜
フォルテ「…………着いた」ピタッ
後輩「お、ここは?」
クマゾー「ここは紺色公園だな。四季折々の青色の花が広場を覆い尽くす、キレイな公園だ」
後輩「はえーすごい」
後輩「……で、そのキレイな公園に何の用で?」
162: 名無しなのよ:2025/5/3(土) 23:11:38 ID:s5g3PBW5CI
フォルテ「…………ここである男と待ち合わせをしている」
後輩「ある男?誰です?」
フォルテ「…………藍色公園の王、『シドー』」
後輩「!」
後輩「藍色公園の……王!?と、待ち合わせ!?」
フォルテ「…………だが、まだいないようだ」
後輩「ちょ、ちょっと!クマゾーさんといい、フォルテお前何をしようとしてるんだ!?」
フォルテ「…………少し待つ、か」
163: 名無しなのよ:2025/5/4(日) 16:40:49 ID:0j7gtRx5M2
後輩「……で、どんな人なんです?そのシドーって人は」
フォルテ「…………」
クマゾー「俺も直接会ったことはないんだが、聞いた噂によると、藍色公園にたむろっていた暴走族チームを一夜にして一人で壊滅させたらしい」
後輩「はえー強いんすね」
クマゾー「ついたあだ名が『破壊神』。シドーは下の名前らしいぜ」
後輩「へー、なんだか楽しみだな。シドーさんに会うの」
シドー「呼んだか?」
後輩「!?」
164: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 12:51:24 ID:D7yrW.J/FM
ふと、背後に現れたのは、鋭い目つきに尖った耳、黒髪を後ろで束ね、二本角のように跳ね上がった前髪のある、独特な外見の少年であった。
シドー「俺がシドーだが、俺に何か用でもあるのか?」
ゾクッ
後輩「!!!」バッ
その瞬間、とてつもない殺気をシドーから感じた後輩は、咄嗟に身体を翻しシドーに向き直った。
シドー「どこの誰だか知らないが、俺とやるつもりなら今のうちに病院でも予約しておけ。死にたくなけりゃな」
165: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 12:55:07 ID:D7yrW.J/FM
後輩(な、なんつープレッシャーだ!ヤバい!このままじゃやられる!)
ふぉ
166: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 13:05:24 ID:D7yrW.J/FM
フォルテ「…………俺はフォルテ。黄色公園の王だ」
シドー「……!お前がフォルテか。と、いうことは……」
フォルテ「…………決行だ。今から行くぞ」
シドー「了解だ。いい加減うっとおしく思っていたところだ。行こう」
フォルテ「…………次は紫色公園に行く」
後輩「…………おぉ、なんかよくわからんけど、助かったのか?」
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