男「あー、ブックオフでバキ読んだら喧嘩強くなった気がするわ。誰かと殴り合いてーなー」
学校の帰り道、立ち寄ったブックオフでバキを全巻読破した高校一年生の少年は、その勢いで、自分が強いと勘違いしてしまう。
その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。
142: 名無しなのよ:2025/3/10(月) 16:33:24 ID:/kpNuSr1rA
フォルテ「〜〜〜〜〜ッ!!!」ビキビキビキ
黄金バット「左手で防いだか。だがもう使い物にならない」
フォルテ「……ッ!」ダラーン
後輩(い、今スゲー音が……折れたか!?)
黄金バット「とどめだ、黄色公園の王よ」スッ
フォルテ「…………チッ」ググ…
黄金バット「ハアーッ!!!」ブオン!
後輩「うおーっと!」ドンッ!
黄金バット「ムオッ!?」グラッ
後輩「やりすぎっすよ、それ以上は」
143: 名無しなのよ:2025/3/14(金) 07:46:46 ID:6VVnGWVA/A
後輩「やりすぎ、良くない。ダメね?」
黄金バット「邪魔をするな」
後輩「お前らに聞きたいことがある」
黄金バット「む?」
後輩「赤色公園のスト、どこにいるのか教えやがれ」
144: 名無しなのよ:2025/3/14(金) 11:42:05 ID:6VVnGWVA/A
黄金バット「貴様に教える義理はない」
後輩「……ということは、知ってるってことだな?」ニヤッ
黄金バット「!」
後輩「悪いが力尽くで教えてもらうぜ」コキッ
黄金バット「フン!邪魔をするなら貴様からだ!」
後輩「来な!!!」
145: 名無しなのよ:2025/3/15(土) 08:18:33 ID:N4Ob2pLNk2
黄金バットが間合いを詰めながら、シルバーバトンを振り被る。
後輩は振り下ろされる瞬間を狙い、カウンターをする準備に入った。
後輩(武器を持っている分、攻撃は読みやすい)
後輩のこの判断は概ね正しい。
しかし、誤算があるとすれば。
ビュオッ!
ヒョイッ
後輩「ッシャア!!!」ズドンッ!
後輩(完璧クリーンヒット!勝った!)
黄金バット「…………」スッ…
後輩「えっ」
黄金バット「ヌンッ!」ブォン!
ズガンッ!!!
146: 名無しなのよ:2025/3/15(土) 17:15:01 ID:N4Ob2pLNk2
後輩「ガハッ!?」ドサッ
後輩(い、息が……できない……!?)
黄金バットの一撃で、シルバーバトンが左肩にめり込んだ。
黄金バット「……身体を捻って直撃を避けたか。だが、その左肩へのダメージ。もはや立ち上がることはできまい」
クルッ
黄金バット「さて、待たせたなフォルテ…………!?」
振り向き、フォルテに向き直ろうとする黄金バット。
しかし、先程までの場所にフォルテはいなかった。
147: 名無しなのよ:2025/3/16(日) 15:52:04 ID:M80yG6BrZg
黄金バット「…………逃げた、か?」キョロキョロ
シーン…
黄金バット「ぐぬぬぬ……この雑魚のせいで!!!」キッ
後輩「はあっ、はあっ」
黄金バット「…………まあいい。さらばだ」
フハハハ丿\丿\丿\!
黄金バットは倒れた金属バットと鉄パイプを楽々担ぎ、高笑いをしながら去っていった。
そして黄色公園には、倒れた後輩だけが取り残された。
148: 名無しなのよ:2025/3/16(日) 16:07:02 ID:M80yG6BrZg
後輩「ぅぐ……痛てて……」ムクッ
後輩(……ようやく少し動けるようになった。しかしあの野郎、なんて馬鹿力だ。左腕がまだピクリとも動かない……)
後輩(……あいつ、ストさんのこと知ってたな。ストさんは無事なのだろうか……。まさか、あの化物にやられてしまったのか?)
後輩「……いや、それはないな。俺がカウンターを決められる相手に、あのストさんが負けるはずがない」
後輩「……と、とにかく今日は家に帰ろう……。ストさん捜索はまた明日だ。一刻も早く回復して、次はあの骸骨野郎にストさんの居場所を吐かせてやる……!」
後輩、帰宅。応急処置をして就寝。
フォルテ、消息不明。
To be continued…
149: 名無しなのよ:2025/3/25(火) 19:09:15 ID:M80yG6BrZg
〜翌朝〜
後輩「う……朝か……いっ!?」ズキッ
後輩「左肩がいてぇ……さすがに一晩では治らねーか……」
後輩「でも、泣き言なんか言ってられねーや。もしかしたら学校にストさんたちが来ているかも知れないし、休む訳にはいかないぜ」ムクッ
ズキッ
後輩「いててて!動くたびにいてーや!ちくしょう!あの骸骨野郎、絶対に許さん!」
150: 名無しなのよ:2025/3/30(日) 18:15:21 ID:M80yG6BrZg
〜放課後〜
後輩「あ〜、やっと終わったー!結局ストさん達はいなかったな」
後輩「ま、気を取り直して捜しに行きますか〜」
フォルテ「…………」
後輩「ぅおっ!?フォルテ!?」
151: 名無しなのよ:2025/3/30(日) 19:00:31 ID:M80yG6BrZg
フォルテ「…………」
後輩「びっくりした。お前無事だったんすね!」
フォルテ「…………」
後輩「…………で、何か用っすか?」
フォルテ「…………ついてこい」クルッ
後輩「え、ちょっと……俺、今からストさん達を捜しに……」
スタスタスタスタ
後輩「あー、おい!ちょっと!待ってよ!」ダッ
152: 名無しなのよ:2025/4/10(木) 18:34:01 ID:.tPtYUmNBU
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「おーい、どこにいくんすかー」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「俺、今からストさんを捜しに行きたいんすけどー」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「おーい、もういいっすか?帰るぜ俺」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「はい、決めました!もう帰ります!お疲れさまでした!」
フォルテ「…………」ピタッ
後輩「お?」
フォルテ「…………着いた」
後輩「着いたって、どこっすかここ?バーベキュー場?」
フォルテ「…………」ピッ
看板『緑色公園』
後輩「…………緑色公園?」
153: 名無しなのよ:2025/4/11(金) 07:48:52 ID:Wy5sy4elO2
緑色公園。
中規模な森林公園。水上アスレチックやバーベキュー、パターゴルフ場やドッグランなど、老若男女に人気の設備を備えている。
また、様々な生き物に出会えることも人気のひとつ。
ヘビ、カエル、カメ、ウサギ、トカゲ、ハクチョウ、カモ、様々な生き物の姿が、見る者の心を癒してくれる。
しかし、夜の緑色公園には近付かない方がいい。
「クマ」の目撃情報が、多数報告されているからだ。
154: 名無しなのよ:2025/4/12(土) 13:09:28 ID:TvLvLYT1pA
後輩「へ〜、何気に俺、緑色公園来るの初めてだな」
\ゴガアアアア!/
後輩「……ん?」
\ゴガアアアア!/
後輩「……獣の、唸り声?なんで公園に?」
\ゴガアアアア!/
後輩「まただ……」
フォルテ「…………こっちだ」
155: 名無しなのよ:2025/4/14(月) 07:39:18 ID:bi69ZRZG4w
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「…………」スタスタスタスタ
ゴガァアア!
後輩(…………な、なんか…………)
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
ゴガァアアア!!
後輩(どんどん音がでかくなってないか……!?)
ゴガァアアアア!!!
フォルテ「…………ここだ」ピタッ
156: 名無しなのよ:2025/4/17(木) 15:38:16 ID:Jz6lOJ50O2
森林公園の最奥、広葉樹林のど真ん中。
地べたに寝そべる、大きな黒い生物がいた。
先程までの唸り声は、どうやらこいつのいびきだったらしい。
フォルテ「…………」ヒョイッ
フォルテはおもむろに石ころを拾うと、
フォルテ「…………ッ!」ブンッ
後輩「!?」
その生物に向けて、結構な勢いでぶん投げた。
ガンッ!!!
157: 名無しなのよ:2025/4/18(金) 14:15:42 ID:p/Ux6XApgw
?「ゴガッ!?」
後輩「お、おい、何やってんの!?大丈夫あれ!?熊とかじゃないのあれ!?」
フォルテ「…………」
?「……………………」ムクッ
後輩「お、起きたぞ!」
?「……………………」ボリボリ
後輩「…………あれ、人間?」
?「…………ァー、よく寝たよく寝た」ノソッ
後輩「!!!」
後輩(で、でかい!2メートルくらいあるぞ!?)
?「おい」
後輩「は、はい!?」
?「俺に石投げたの、お前か?」
後輩「あいつです!」ビシッ
フォルテ「…………起きたか、クマゾー」
158: 名無しなのよ:2025/4/18(金) 15:48:54 ID:p/Ux6XApgw
クマゾー「なんだ、フォルテか。遅かったな。待ちくたびれて寝ちまってたよ」
フォルテ「…………いびきが公園の外まで聴こえていたぞ」
後輩(……なんか、仲良さそうだな。フォルテにも友達がいたのか……)
後輩「……で、フォルテさんよ。この方は誰なんすか?紹介して欲しいっす」
フォルテ「…………こいつの名前は、森野熊三。緑色公園の王だ」
後輩「!!!」
159: 名無しなのよ:2025/4/19(土) 15:17:26 ID:dBun5ez44E
後輩(…………こいつが、緑色公園の王!!!)
クマゾー「……で、お前は何者?」
後輩「え?あ、俺は……」
フォルテ「…………こいつはストの代わりだ」
後輩「えっ?」
クマゾー「ストの?へー、こいつがねぇ……」
フォルテ「…………次に行くぞ」
160: 名無しなのよ:2025/4/20(日) 14:51:29 ID:TIYZNf4RLQ
スタスタスタスタ
後輩「……おい、フォルテ。俺がストさんの代わりって、どういうことっすか?」ヒソヒソ
フォルテ「…………」
後輩「てゆーか、次は俺たちどこに向かってるんすか?」ヒソヒソ
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩(ガン無視…………こいつはいつか殺す!)
クマゾー「なあ、少年」
後輩「うぃ!?」ビクッ
クマゾー「なんか食いもんもってない?」グギュルルル
後輩「……グミならあるっすけど」
クマゾー「サンキュー!」
161: 名無しなのよ:2025/4/30(水) 12:28:32 ID:8ZQJTJNPnA
〜藍色公園〜
フォルテ「…………着いた」ピタッ
後輩「お、ここは?」
クマゾー「ここは紺色公園だな。四季折々の青色の花が広場を覆い尽くす、キレイな公園だ」
後輩「はえーすごい」
後輩「……で、そのキレイな公園に何の用で?」
162: 名無しなのよ:2025/5/3(土) 23:11:38 ID:s5g3PBW5CI
フォルテ「…………ここである男と待ち合わせをしている」
後輩「ある男?誰です?」
フォルテ「…………藍色公園の王、『シドー』」
後輩「!」
後輩「藍色公園の……王!?と、待ち合わせ!?」
フォルテ「…………だが、まだいないようだ」
後輩「ちょ、ちょっと!クマゾーさんといい、フォルテお前何をしようとしてるんだ!?」
フォルテ「…………少し待つ、か」
163: 名無しなのよ:2025/5/4(日) 16:40:49 ID:0j7gtRx5M2
後輩「……で、どんな人なんです?そのシドーって人は」
フォルテ「…………」
クマゾー「俺も直接会ったことはないんだが、聞いた噂によると、藍色公園にたむろっていた暴走族チームを一夜にして一人で壊滅させたらしい」
後輩「はえー強いんすね」
クマゾー「ついたあだ名が『破壊神』。シドーは下の名前らしいぜ」
後輩「へー、なんだか楽しみだな。シドーさんに会うの」
シドー「呼んだか?」
後輩「!?」
164: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 12:51:24 ID:D7yrW.J/FM
ふと、背後に現れたのは、鋭い目つきに尖った耳、黒髪を後ろで束ね、二本角のように跳ね上がった前髪のある、独特な外見の少年であった。
シドー「俺がシドーだが、俺に何か用でもあるのか?」
ゾクッ
後輩「!!!」バッ
その瞬間、とてつもない殺気をシドーから感じた後輩は、咄嗟に身体を翻しシドーに向き直った。
シドー「どこの誰だか知らないが、俺とやるつもりなら今のうちに病院でも予約しておけ。死にたくなけりゃな」
165: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 12:55:07 ID:D7yrW.J/FM
後輩(な、なんつープレッシャーだ!ヤバい!このままじゃやられる!)
ふぉ
166: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 13:05:24 ID:D7yrW.J/FM
フォルテ「…………俺はフォルテ。黄色公園の王だ」
シドー「……!お前がフォルテか。と、いうことは……」
フォルテ「…………決行だ。今から行くぞ」
シドー「了解だ。いい加減うっとおしく思っていたところだ。行こう」
フォルテ「…………次は紫色公園に行く」
後輩「…………おぉ、なんかよくわからんけど、助かったのか?」
82.08 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】