男「あー、ブックオフでバキ読んだら喧嘩強くなった気がするわ。誰かと殴り合いてーなー」
学校の帰り道、立ち寄ったブックオフでバキを全巻読破した高校一年生の少年は、その勢いで、自分が強いと勘違いしてしまう。
その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。
118: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:04:33 ID:ZC3669QYcU
後輩「このまま待ってても仕方がない。帰るか……」
後輩「……いや、待てよ?もしかしたら、違う公園にならいるのかも……」
後輩「そうだ、青色公園に行こう」
後輩「ジョジョならストさん達のこと、何か知ってるかもしれないし」
後輩「不良狩りの奴らがいたら、それはそれで何か手掛かりが掴めるかもしれない」
後輩「我ながらナイスアイディア!行くっすよ〜!」ダッ
119: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:23:37 ID:ZC3669QYcU
〜青色公園〜
後輩「……って、誰もいないんかーい!!!」
後輩「噂が間違ってんのか?それともジョジョも不良狩りにやられたとか?」
後輩「こうなったらもう虱潰しだ!黄色公園行くぞ!」ダッ
120: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:48:13 ID:ZC3669QYcU
〜黄色公園〜
金属バット「……で?な〜んでお前と組まなきゃならねーのかね?」
鉄パイプ「保険だとよ。ストって奴の件もあるし」
金属バット「あ〜、アイツね……」
鉄パイプ「7人がかりでも少し手こずったからな。それにここの公園の主は、3日間で雑魚が10人やられている。確実に潰すために、俺とお前が呼ばれたってわけ」
金属バット「ま、いいよ……とにかく俺はこの金属バットでかっ飛ばせればいい。頭でも、腹でもね。……さて、」
金属バット「お前が黄色公園の主だよな?」
フォルテ「…………」
121: 東京名無しンピック2020:2020/12/28(月) 00:40:45 ID:ZC3669QYcU
鉄パイプ「黒のジャージ、オレンジ色のニット帽、灰色のネックウォーマー……コイツがフォルテで間違いなさそうだ」
金属バット「そうか。ちゃっちゃと終わらせちまおう」
鉄パイプ「待て待て。その前にやることがあるだろ」ゴソゴソ
金属バット「んー?」
鉄パイプ「おい、フォルテ。これをやる」ヒョイッ
フォルテ「……」パシッ
鉄パイプ「その種飲んで、俺達の仲間にならないか?」
122: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 00:45:05 ID:ZC3669QYcU
フォルテ「……」ポトッ
フォルテは種を足元に落とすと、
パキッ
そのまま右足で踏み潰した。
鉄パイプ「……交渉決裂ってわけね」
フォルテ「……」
金属バット「おし、やるか」ブンッ ブンッ
鉄パイプ「とりあえず、半殺しで」
フォルテ「……」
123: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 01:08:10 ID:ZC3669QYcU
金属バット「フッ!!!」ブオッ
金属バットの少年が、正面から襲い掛かる。
バットを振り上げ、躊躇無く叩き下ろす。
フォルテ「……」タンッ
スカッ
ガキーン!
しかしバットは空を切り、そのまま地面と激突した。
金属バット「おっ!?」ビリビリ
金属バットの少年が、地面を打った衝撃に気を取られた一瞬の隙に、フォルテは右足で金属バットを蹴り上げた。
バシッ
金属バット「なにっ!?」
思わず手から離れた金属バットはカランカラーンと音を立てながら、あらぬ方向へと飛ばされていく。
そのバットの行く末を見届ける間もなく、少年の眼前にはフォルテの拳が迫っているのだった。
124: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 02:44:48 ID:ZC3669QYcU
バキッ!
鉄パイプ「……!」
鉄パイプ(予想以上に強いな…………だが!!)
フォルテ「…………ん」ググググ…
金属バット「…………やるじゃねーか」ググググ…
フォルテ「…………タフだな」
金属バット「フンッ!」ババッ
金属バットの少年が両の腕でフォルテを掴みに掛かる。
フォルテ「…………」バシバシバシバシ
それらをすべていなしながら、カウンターを狙うフォルテだったが……。
鉄パイプ「オラッ!」ブオンッ
フォルテ「…………チッ」ヒュッ
鉄パイプが参戦してきたところで、少しだけ距離をとった。
125: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 17:59:20 ID:ZC3669QYcU
その隙に、金属バットの少年はバットを拾いに身を翻す。
追撃しようとしたフォルテの前に、鉄パイプの少年が立ちはだかった。
鉄パイプ「おっと、少しだけ待っててもらうぜ?」
フォルテは構わず間合いを詰める。
鉄パイプの少年は鉄パイプを野球選手のように構え、一気に振り抜いた。
ブオンッ!
あまりにも大振りな、破壊力に特化した一振り。それ故に、容易くフォルテに避けられてしまう。
しかし、足止めとしての機能は十分に果たされた。
そのままフォルテは軸足に蹴りを喰らわし、鉄パイプの少年を転ばした。
と、同時に、金属バットの少年が地面に落ちていたバットを掴んだ。
フォルテ「……チッ」
それを視界の端で捉えたフォルテは、舌打ちをしながら取り敢えず、鉄パイプの少年の顔面を蹴り上げた。
126: 東京名無しンピック2020:2020/12/30(水) 16:34:54 ID:ZC3669QYcU
鉄パイプ「いっ……てぇ!」
フォルテ「…………」
金属バット「待たせたなぁ〜」
鉄パイプ「おい、挟み撃ちするぞ!」
ザザッ
フォルテ「…………」
前門の鉄パイプ 後門の金属バット!
127: 東京名無しンピック2021?:2021/2/7(日) 22:48:42 ID:vQ2SivyWEg
鉄パイプ「もう好き勝手やらせねーぞ」
金属バット「最後になにか言い遺すこととかあるか?」
フォルテ「…………」
金属バット「ねーならもう終わらすぞ」
フォルテ「…………さっさと来い」
金属バット「よし、行くぞ鉄パイプ」
鉄パイプ「了解」
128: 東京名無しンピック2021?:2021/2/27(土) 23:57:43 ID:vQ2SivyWEg
物心ついた頃からピアノを習い、絶対音感と天性のリズム感覚で数々のコンサートで受賞してきた天才音楽少年。
ピアノの練習に没頭し、遊びに疎かった少年は、高校1年生の春になんとなく立ち寄った、ゲームセンターに大きな衝撃を受けた。
この世には、ピアノよりも奥深い世界がたくさんある。
以降、少年は学校終わりに毎日ゲーセンに通い、ジャンルを問わずすべてのゲームでランキングを総ナメしていく。
彼のHNは『F』
人は彼を「フォルテ」と呼ぶ。
129: 東京名無しンピック2021?:2021/2/28(日) 11:22:12 ID:M4Mu4wpjGI
ゲームにハマっていく過程で、フォルテはピアノのレッスンでは気付けなかった、自分の才能に気付いていく。
驚異的な動体視力と、圧倒的な反応速度。
特に音ゲーが得意だった彼は、見たことも聞いたこともない初見の譜面を、その動体視力と反応速度で強引にクリアしていった。
それらの才能は音ゲー以外にも様々な場面で発揮されることになる。
ある日、ストUで相手をハメまくっていたフォルテは、ブチギレた相手にリアルファイトを申し込まれる。
喧嘩などしたこともなかったフォルテは当然断るが、怒りの収まらぬ相手に強引に黄色公園に連れ出された。
130: 東京名無しンピック2021?:2021/2/28(日) 11:31:42 ID:M4Mu4wpjGI
その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。
が、それはまた別のお話。
閑話休題。話を現在に戻そう。
131: 東京名無しンピック2021?:2021/3/14(日) 11:59:55 ID:vnzOWIRiFE
鉄パイプが正面から近付いてくるのと同時に、金属バットが真後ろからバットを振りかぶる。
というわけで、フォルテは真横に回避した。
そのまま2人から距離を取り、地面から石を拾う。
そして、金属バットの顔面目掛けて、すぐさま全力で投げつけた。
132: 東京名無しンピック2021?:2021/3/20(土) 22:32:21 ID:vnzOWIRiFE
ヒトはもっとも上手に物を投げられる動物である。原人から新人にいたるまで、投石はもっとも基本的な狩猟の攻撃方法だった。
人間対人間の闘いでも、投石は重要かつ効果的な戦術であった。『旧約聖書』に登場するペリシテの巨人兵士ゴリアテは小柄なダビデの投石で打ち倒されるなど、古代から体格の不利を補う威力をもつと知られていた。
投石の特徴として、投石のみで相手に致命傷を与えるのではなく、ダメージを与えてさらに攻撃を加える、または逃げることができる点がある。特に顔面や目への投石は効果が高い。現代においては防犯用のカラーボール、喧嘩や護身術として相手に多数の硬貨やパチンコ玉、砂を投げつける行為も、広義の投石と言える。
133: 東京名無しンピック2021?:2021/6/6(日) 10:08:59 ID:k9ZIMxhCj6
突然目の前に現れた物体に、思わず顔をのけぞり手をかざす金属バット。
しかしフォルテの投げ放った石は、そのまま金属バットの左こめかみにクリーンヒットした。
134: 東京名無しンピック2021?:2021/7/10(土) 22:08:56 ID:r3CwqCdNlI
あまりの衝撃にその場に倒れる金属バット。
それに構わず鉄パイプはフォルテに襲い掛かる。
フォルテは冷静に鉄パイプの攻撃を躱し、足払いをし、倒れたところに馬乗りになり、そのまま拳を振り下ろし、振り下ろし、振り下ろし、振り下ろし…………。
金属バットが立ち上がることができるまで回復する間に、鉄パイプの少年の意識はなくなっていた。
135: 東京名無しンピック2021?:2021/7/10(土) 22:21:46 ID:r3CwqCdNlI
金属バット「て……てめぇ……」
フォルテ「……さて、そろそろ終わらすか……」スッ…
金属バット「!」ビクッ
フォルテ「……どうした?来ないのか?」スタスタ
金属バット「……」ザザッ
フォルテ「……」スタスタ
金属バット「来……来るな!」ズザザ
フォルテ「……」スタスタスタ
金属バット「来るんじゃねぇ!」ブン
スカッ
フォルテ「……消えろ!」
ガンッ!!!
136: 東京名無しンピック2021?:2021/7/13(火) 23:03:11 ID:Sg7DX3fT4g
後輩「ハァ……ハァ……ようやく黄色公園に着いたっすよ……」
後輩「……ん?」
\キエロ! ガンッ!!!/
後輩「……あいつは!」
後輩「おい、フォルテ!」
フォルテ「……お前か」
後輩「この間はよくも俺に警察官を押し付けやがって!ゆるさん!」
フォルテ「……知らんな」プイッ
後輩「あっ、てめぇ!」
137: 名無しなのよ:2023/3/17(金) 20:33:48 ID:X.UKuz2ELg
フォルテ「……さて」グイッ
金属バット「ぅ……」
後輩「何するんすか?」
フォルテ「…………」ググググ…
後輩「ちょっと?」
フォルテ「…………折る!」グッ!
金属バット「ぁが!?」
\バキッ!/
フォルテ「…………何をする?」
後輩「あっ、スマン。思わず殴っちまった」
フォルテ「……邪魔をするな」
後輩「やりすぎっすよ。何があったか知らないけど」
後輩「これ以上やるってんなら、相手になるぜ」
138: 名無しなのよ:2024/1/1(月) 00:32:59 ID:w5h0lx/616
フォルテ「…………まあ、いい」フイッ
後輩「おろ?聞き分けいいな」
ブオンッ!
バキッ!
後輩「いぎっ!?」ドテッ
フォルテ「……一発は、一発だぜ」
後輩「……!んにゃろう!勝負だ!てめー!」
フォルテ「…………仕方がない、やるか」
?「待てーい!!!」
フォルテ・後輩「!?」
139: 名無しなのよ:2025/2/22(土) 22:44:38 ID:Gt8GJEhoFY
\オウゴンバーット/
\バット バット /
\ドコカラクルノカ オウゴンバーット/
後輩「……なんだこの歌?一体どこから……」
フォルテ「…………」
\コーウモリダケーガシーッテイル/
ビシッ!
ボゥン!
黄金バット「黄金バット参上!」
140: 名無しなのよ:2025/2/22(土) 23:20:28 ID:Gt8GJEhoFY
黄金バット「フハハハ丿\丿\丿\!」
後輩「な、なんだこの金ピカ髑髏マスク!」
フォルテ「…………」
黄金バット「その2人を渡してもらおう。彼らは私の仲間だ」
金属バット「うぅ……」
鉄パイプ「黄金バット……助けてくれ……」
フォルテ「……断る。こいつらにはもう少し聞きたいことがあるからな」
後輩「おい!フォルテお前!」
黄金バット「……ならば力付くだ!」ダッ!
フォルテ「……!!!」
141: 名無しなのよ:2025/3/9(日) 12:59:52 ID:4licjghgKU
黄金バット「シルバーバトン!!!」ブォン!
フォルテ「……」ヒュッ…
ガシッ
フォルテ「……!?」
金属バット「油断したな?」ニヤッ
フォルテ「……!!」
バキイッ!!!
142: 名無しなのよ:2025/3/10(月) 16:33:24 ID:/kpNuSr1rA
フォルテ「〜〜〜〜〜ッ!!!」ビキビキビキ
黄金バット「左手で防いだか。だがもう使い物にならない」
フォルテ「……ッ!」ダラーン
後輩(い、今スゲー音が……折れたか!?)
黄金バット「とどめだ、黄色公園の王よ」スッ
フォルテ「…………チッ」ググ…
黄金バット「ハアーッ!!!」ブオン!
後輩「うおーっと!」ドンッ!
黄金バット「ムオッ!?」グラッ
後輩「やりすぎっすよ、それ以上は」
143: 名無しなのよ:2025/3/14(金) 07:46:46 ID:6VVnGWVA/A
後輩「やりすぎ、良くない。ダメね?」
黄金バット「邪魔をするな」
後輩「お前らに聞きたいことがある」
黄金バット「む?」
後輩「赤色公園のスト、どこにいるのか教えやがれ」
144: 名無しなのよ:2025/3/14(金) 11:42:05 ID:6VVnGWVA/A
黄金バット「貴様に教える義理はない」
後輩「……ということは、知ってるってことだな?」ニヤッ
黄金バット「!」
後輩「悪いが力尽くで教えてもらうぜ」コキッ
黄金バット「フン!邪魔をするなら貴様からだ!」
後輩「来な!!!」
145: 名無しなのよ:2025/3/15(土) 08:18:33 ID:N4Ob2pLNk2
黄金バットが間合いを詰めながら、シルバーバトンを振り被る。
後輩は振り下ろされる瞬間を狙い、カウンターをする準備に入った。
後輩(武器を持っている分、攻撃は読みやすい)
後輩のこの判断は概ね正しい。
しかし、誤算があるとすれば。
ビュオッ!
ヒョイッ
後輩「ッシャア!!!」ズドンッ!
後輩(完璧クリーンヒット!勝った!)
黄金バット「…………」スッ…
後輩「えっ」
黄金バット「ヌンッ!」ブォン!
ズガンッ!!!
146: 名無しなのよ:2025/3/15(土) 17:15:01 ID:N4Ob2pLNk2
後輩「ガハッ!?」ドサッ
後輩(い、息が……できない……!?)
黄金バットの一撃で、シルバーバトンが左肩にめり込んだ。
黄金バット「……身体を捻って直撃を避けたか。だが、その左肩へのダメージ。もはや立ち上がることはできまい」
クルッ
黄金バット「さて、待たせたなフォルテ…………!?」
振り向き、フォルテに向き直ろうとする黄金バット。
しかし、先程までの場所にフォルテはいなかった。
147: 名無しなのよ:2025/3/16(日) 15:52:04 ID:M80yG6BrZg
黄金バット「…………逃げた、か?」キョロキョロ
シーン…
黄金バット「ぐぬぬぬ……この雑魚のせいで!!!」キッ
後輩「はあっ、はあっ」
黄金バット「…………まあいい。さらばだ」
フハハハ丿\丿\丿\!
黄金バットは倒れた金属バットと鉄パイプを楽々担ぎ、高笑いをしながら去っていった。
そして黄色公園には、倒れた後輩だけが取り残された。
148: 名無しなのよ:2025/3/16(日) 16:07:02 ID:M80yG6BrZg
後輩「ぅぐ……痛てて……」ムクッ
後輩(……ようやく少し動けるようになった。しかしあの野郎、なんて馬鹿力だ。左腕がまだピクリとも動かない……)
後輩(……あいつ、ストさんのこと知ってたな。ストさんは無事なのだろうか……。まさか、あの化物にやられてしまったのか?)
後輩「……いや、それはないな。俺がカウンターを決められる相手に、あのストさんが負けるはずがない」
後輩「……と、とにかく今日は家に帰ろう……。ストさん捜索はまた明日だ。一刻も早く回復して、次はあの骸骨野郎にストさんの居場所を吐かせてやる……!」
後輩、帰宅。応急処置をして就寝。
フォルテ、消息不明。
To be continued…
149: 名無しなのよ:2025/3/25(火) 19:09:15 ID:M80yG6BrZg
〜翌朝〜
後輩「う……朝か……いっ!?」ズキッ
後輩「左肩がいてぇ……さすがに一晩では治らねーか……」
後輩「でも、泣き言なんか言ってられねーや。もしかしたら学校にストさんたちが来ているかも知れないし、休む訳にはいかないぜ」ムクッ
ズキッ
後輩「いててて!動くたびにいてーや!ちくしょう!あの骸骨野郎、絶対に許さん!」
150: 名無しなのよ:2025/3/30(日) 18:15:21 ID:M80yG6BrZg
〜放課後〜
後輩「あ〜、やっと終わったー!結局ストさん達はいなかったな」
後輩「ま、気を取り直して捜しに行きますか〜」
フォルテ「…………」
後輩「ぅおっ!?フォルテ!?」
151: 名無しなのよ:2025/3/30(日) 19:00:31 ID:M80yG6BrZg
フォルテ「…………」
後輩「びっくりした。お前無事だったんすね!」
フォルテ「…………」
後輩「…………で、何か用っすか?」
フォルテ「…………ついてこい」クルッ
後輩「え、ちょっと……俺、今からストさん達を捜しに……」
スタスタスタスタ
後輩「あー、おい!ちょっと!待ってよ!」ダッ
152: 名無しなのよ:2025/4/10(木) 18:34:01 ID:.tPtYUmNBU
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「おーい、どこにいくんすかー」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「俺、今からストさんを捜しに行きたいんすけどー」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「おーい、もういいっすか?帰るぜ俺」
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「はい、決めました!もう帰ります!お疲れさまでした!」
フォルテ「…………」ピタッ
後輩「お?」
フォルテ「…………着いた」
後輩「着いたって、どこっすかここ?バーベキュー場?」
フォルテ「…………」ピッ
看板『緑色公園』
後輩「…………緑色公園?」
153: 名無しなのよ:2025/4/11(金) 07:48:52 ID:Wy5sy4elO2
緑色公園。
中規模な森林公園。水上アスレチックやバーベキュー、パターゴルフ場やドッグランなど、老若男女に人気の設備を備えている。
また、様々な生き物に出会えることも人気のひとつ。
ヘビ、カエル、カメ、ウサギ、トカゲ、ハクチョウ、カモ、様々な生き物の姿が、見る者の心を癒してくれる。
しかし、夜の緑色公園には近付かない方がいい。
「クマ」の目撃情報が、多数報告されているからだ。
154: 名無しなのよ:2025/4/12(土) 13:09:28 ID:TvLvLYT1pA
後輩「へ〜、何気に俺、緑色公園来るの初めてだな」
\ゴガアアアア!/
後輩「……ん?」
\ゴガアアアア!/
後輩「……獣の、唸り声?なんで公園に?」
\ゴガアアアア!/
後輩「まただ……」
フォルテ「…………こっちだ」
155: 名無しなのよ:2025/4/14(月) 07:39:18 ID:bi69ZRZG4w
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩「…………」スタスタスタスタ
ゴガァアア!
後輩(…………な、なんか…………)
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
ゴガァアアア!!
後輩(どんどん音がでかくなってないか……!?)
ゴガァアアアア!!!
フォルテ「…………ここだ」ピタッ
156: 名無しなのよ:2025/4/17(木) 15:38:16 ID:Jz6lOJ50O2
森林公園の最奥、広葉樹林のど真ん中。
地べたに寝そべる、大きな黒い生物がいた。
先程までの唸り声は、どうやらこいつのいびきだったらしい。
フォルテ「…………」ヒョイッ
フォルテはおもむろに石ころを拾うと、
フォルテ「…………ッ!」ブンッ
後輩「!?」
その生物に向けて、結構な勢いでぶん投げた。
ガンッ!!!
157: 名無しなのよ:2025/4/18(金) 14:15:42 ID:p/Ux6XApgw
?「ゴガッ!?」
後輩「お、おい、何やってんの!?大丈夫あれ!?熊とかじゃないのあれ!?」
フォルテ「…………」
?「……………………」ムクッ
後輩「お、起きたぞ!」
?「……………………」ボリボリ
後輩「…………あれ、人間?」
?「…………ァー、よく寝たよく寝た」ノソッ
後輩「!!!」
後輩(で、でかい!2メートルくらいあるぞ!?)
?「おい」
後輩「は、はい!?」
?「俺に石投げたの、お前か?」
後輩「あいつです!」ビシッ
フォルテ「…………起きたか、クマゾー」
158: 名無しなのよ:2025/4/18(金) 15:48:54 ID:p/Ux6XApgw
クマゾー「なんだ、フォルテか。遅かったな。待ちくたびれて寝ちまってたよ」
フォルテ「…………いびきが公園の外まで聴こえていたぞ」
後輩(……なんか、仲良さそうだな。フォルテにも友達がいたのか……)
後輩「……で、フォルテさんよ。この方は誰なんすか?紹介して欲しいっす」
フォルテ「…………こいつの名前は、森野熊三。緑色公園の王だ」
後輩「!!!」
159: 名無しなのよ:2025/4/19(土) 15:17:26 ID:dBun5ez44E
後輩(…………こいつが、緑色公園の王!!!)
クマゾー「……で、お前は何者?」
後輩「え?あ、俺は……」
フォルテ「…………こいつはストの代わりだ」
後輩「えっ?」
クマゾー「ストの?へー、こいつがねぇ……」
フォルテ「…………次に行くぞ」
160: 名無しなのよ:2025/4/20(日) 14:51:29 ID:TIYZNf4RLQ
スタスタスタスタ
後輩「……おい、フォルテ。俺がストさんの代わりって、どういうことっすか?」ヒソヒソ
フォルテ「…………」
後輩「てゆーか、次は俺たちどこに向かってるんすか?」ヒソヒソ
フォルテ「…………」スタスタスタスタ
後輩(ガン無視…………こいつはいつか殺す!)
クマゾー「なあ、少年」
後輩「うぃ!?」ビクッ
クマゾー「なんか食いもんもってない?」グギュルルル
後輩「……グミならあるっすけど」
クマゾー「サンキュー!」
161: 名無しなのよ:2025/4/30(水) 12:28:32 ID:8ZQJTJNPnA
〜藍色公園〜
フォルテ「…………着いた」ピタッ
後輩「お、ここは?」
クマゾー「ここは紺色公園だな。四季折々の青色の花が広場を覆い尽くす、キレイな公園だ」
後輩「はえーすごい」
後輩「……で、そのキレイな公園に何の用で?」
162: 名無しなのよ:2025/5/3(土) 23:11:38 ID:s5g3PBW5CI
フォルテ「…………ここである男と待ち合わせをしている」
後輩「ある男?誰です?」
フォルテ「…………藍色公園の王、『シドー』」
後輩「!」
後輩「藍色公園の……王!?と、待ち合わせ!?」
フォルテ「…………だが、まだいないようだ」
後輩「ちょ、ちょっと!クマゾーさんといい、フォルテお前何をしようとしてるんだ!?」
フォルテ「…………少し待つ、か」
163: 名無しなのよ:2025/5/4(日) 16:40:49 ID:0j7gtRx5M2
後輩「……で、どんな人なんです?そのシドーって人は」
フォルテ「…………」
クマゾー「俺も直接会ったことはないんだが、聞いた噂によると、藍色公園にたむろっていた暴走族チームを一夜にして一人で壊滅させたらしい」
後輩「はえー強いんすね」
クマゾー「ついたあだ名が『破壊神』。シドーは下の名前らしいぜ」
後輩「へー、なんだか楽しみだな。シドーさんに会うの」
シドー「呼んだか?」
後輩「!?」
164: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 12:51:24 ID:D7yrW.J/FM
ふと、背後に現れたのは、鋭い目つきに尖った耳、黒髪を後ろで束ね、二本角のように跳ね上がった前髪のある、独特な外見の少年であった。
シドー「俺がシドーだが、俺に何か用でもあるのか?」
ゾクッ
後輩「!!!」バッ
その瞬間、とてつもない殺気をシドーから感じた後輩は、咄嗟に身体を翻しシドーに向き直った。
シドー「どこの誰だか知らないが、俺とやるつもりなら今のうちに病院でも予約しておけ。死にたくなけりゃな」
165: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 12:55:07 ID:D7yrW.J/FM
後輩(な、なんつープレッシャーだ!ヤバい!このままじゃやられる!)
ふぉ
166: 名無しなのよ:2025/5/11(日) 13:05:24 ID:D7yrW.J/FM
フォルテ「…………俺はフォルテ。黄色公園の王だ」
シドー「……!お前がフォルテか。と、いうことは……」
フォルテ「…………決行だ。今から行くぞ」
シドー「了解だ。いい加減うっとおしく思っていたところだ。行こう」
フォルテ「…………次は紫色公園に行く」
後輩「…………おぉ、なんかよくわからんけど、助かったのか?」
167: 名無しなのよ:2025/6/22(日) 12:52:47 ID:XXAlQuE3QE
スタスタスタスタ
後輩「……しかし、フォルテとシドーさんって面識なかったんすね。待ち合わせしてるって言ってたのに、危うく殺されるのかと思ったっす」
フォルテ「…………」
シドー「あー、すまなかったな。待ち合わせはしてたんだが、フォルテと顔を合わせるのは初めてだったし、それに一人で来ると思っていたから」
フォルテ「…………一度会っている」
シドー「あれ?そうだったか?」
後輩(…………ちょっと天然?)
82.57 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】