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スト
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1: 名無しさん@読者の声:2016/7/31(日) 00:22:01 ID:2aaxSCyTRU
男「あー、ブックオフでバキ読んだら喧嘩強くなった気がするわ。誰かと殴り合いてーなー」

学校の帰り道、立ち寄ったブックオフでバキを全巻読破した高校一年生の少年は、その勢いで、自分が強いと勘違いしてしまう。

その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。


38: 名無しさん@読者の声:2017/6/14(水) 10:16:28 ID:H1aA0Q84OY
今朝、眼鏡が意識不明の重体で発見された。

全身には打撲の痕があり、同じように発見された金髪やDQNのことから、警察は同一人物の傷害事件として調査を進めている。

みんなもなにか知っていたら、先生に伝えて欲しい。場所は赤色公園だ。みんなもしばらくは現場付近に近づかないように。

犯人はまだ捕まってないからな。



男「…………」
39: 名無しさん@読者の声:2017/6/14(水) 10:24:37 ID:H1aA0Q84OY
〜放課後〜

男「……眼鏡2、眼鏡3、眼鏡4」

眼鏡234「はっ!」

男「……お前ら、昨日なにがあったのか知ってんだろ?」

眼鏡234「……」

男「教えろよ。昨日、あの公園でなにがあった?」

眼鏡234「……」

男「眼鏡は一体誰にやられたんだ?」

眼鏡234「……」

男「……?どうした?なんで喋らん?」

眼鏡2「……お答えできません」

男「……はぁ!?なんでだ!」

眼鏡2「眼鏡からそう言われているのです。あなたにはなにも伝えるな、と」



男「…………なんだそりゃ」

眼鏡2「……」

男「教えろよ……」

眼鏡234「……」

男「……何なんだよ」
40: 名無しさん@読者の声:2017/6/24(土) 21:38:57 ID:Hymws4Jj3E
結局、眼鏡達はその日何も教えてくれなかった。

眼鏡の入院する病院にお見舞いに行ってみたが、眼鏡はまだ意識を取り戻してないみたいだ。

なあ、眼鏡よ。

……俺にはなにも伝えるなってのは、つまりはそーいうことなのか?

お前がやられた相手ってのは、俺よりも強いってことなのか?

俺じゃ勝てないって、危険だから闘うなって、そういうことなのかよ。

……

…………

………………
41: 名無しさん@読者の声:2017/6/24(土) 21:44:28 ID:Hymws4Jj3E

眼鏡『ストさん!ストさん!』

男『……ぁ、あ?眼鏡……』

眼鏡『よかった。気が付いた!』

男『……どういうことだ?……って、ここは……』

眼鏡『青色公園ですよ』

男『青色公園……っ!?そうだ、ジョジョ!!アイツは!?』

眼鏡『……ジョジョはさっき帰りました。これ以上いると明日遅刻しちまうぜって』

男『……そうか、俺は負けたのか……』

眼鏡『ストさん……』
42: 名無しさん@読者の声:2017/6/24(土) 21:47:41 ID:Hymws4Jj3E

男『……なぁ、眼鏡よ』

眼鏡『……なんです?』

男『……俺、もう公園に行くのやめるよ』

眼鏡『…………』

男『もう、疲れたんだ。今までは勝ってたから続けてたけど、あんなにボコボコにやられたんじゃ、もう無理さ』

眼鏡『…………』

男『……俺じゃ、ジョジョには勝てねぇよ』

眼鏡『……ストさん』


43: 名無しさん@読者の声:2017/6/24(土) 21:55:06 ID:Hymws4Jj3E

男『……この一年間、いろんな奴らと闘ってきた。その全ての闘いに、お前はいつでもついてきてくれたな。今までありがとう』

眼鏡『……何を』

男『俺は降りるよ。親も心配しているし、これからは勉強に勤しむことにする』

眼鏡『……そうですか』

男『……いてて。じゃ、俺はそろそろ帰るよ。じゃあな』ヨロッ

ザッ

ザッ

ザッ


44: 名無しさん@読者の声:2017/6/24(土) 22:12:40 ID:Hymws4Jj3E

ザッ

ザッ

眼鏡『……ストさん!!!』

男『…………』ピタッ

眼鏡『……いいじゃないか、負けても。負けることは恥じでもなんでもない。あなたは、あんな恐ろしく強い相手に、真っ向から立ち向かったんだ。誰よりも勇敢で、誰よりも男らしかった』

男『…………』

眼鏡『また強くなればいいじゃないか。急がなくてもいい。少しずつ、少しずつでいいんだ。すぐに勝つ必要なんてどこにもないんだから、ゆっくり強くなっていこう』

男『……俺は、強くなんかなれないよ』

眼鏡『……ストさん。それでもアンタは俺より強い。俺には、アンタを止められるほどの力なんて持ってないよ。それでも、ひとつだけ言っておく』



眼鏡『俺の中の赤色公園の主は、未来永劫あなただストさん。それを忘れないでくれ』



男『…………』

眼鏡『……俺はもう少し赤色公園に居座ることにするよ。あそこにはレアポケモンの巣があるし、ほとんど毎日顔を出すと思う』

男『……眼鏡……』

眼鏡『……もしも気が変わったら、いつでも来てくれ。その時まで、俺は、赤色公園でポケモンGOをしているよ』

男『…………』

男(……すまんな、眼鏡。俺はもう……)


45: 名無しさん@読者の声:2017/6/24(土) 22:18:14 ID:Hymws4Jj3E
……そうだよな、眼鏡。

俺は、赤色公園の主だったんだよな。

その赤色公園で、大事な仲間になんかがあったらよ。



黙っていられるわけがない。



お前はそこでしばらく寝てな。



俺は再び『王』になってくるよ。


46: 名無しさん@読者の声:2017/6/24(土) 22:23:22 ID:Hymws4Jj3E
それから三日後。

赤色公園は警察の現場検証が終わり、再び子どもたちの遊び声が響きわたるようになった。

昼は。

俺は今夜、赤色公園に行く。
47: 名無しさん@読者の声:2017/6/28(水) 13:15:50 ID:H1aA0Q84OY
〜深夜:赤色公園〜

狂者「……」

狂者「……俺は、強くなったんだ。この公園で、あいつらをボコボコにするくらい強く……」

狂者「……フフッ、フハハハハハハハハハハ!!!」

狂者「最高だ……最高の気分だ……!!!」

狂者「実感がわいてきたぞ……俺は変わったんだ。この公園の主とかいう眼鏡もぶっ潰した」

狂者「だが、まだだ。これからはほかの奴らにも、俺の力をわからせなければ」

狂者「まずはいじめを傍観していたクラスの奴ら!その次は担任!ほかにも、俺をバカにしてきた奴らは徹底的に攻撃してやる!」

狂者「……俺の復讐は、まだまだ始まったばかりだぜ……!!!」

男「……ずいぶんと物騒な独り言だな」

狂者「……!?」


48: 名無しさん@読者の声:2017/6/28(水) 18:30:57 ID:H1aA0Q84OY
狂者「……お前、いつからそこにいた?」

男「そうだな、ブックオフが22時に閉まったから、それからずっとかな」

狂者「……成る程な。で、聞いてたんだよな?」

男「全部聞いたぜ」

狂者「そうか。なら仕方がないな」スゥ…

男「お?」

狂者「記憶なくなるまでぶん殴る!」ダッ!

ブオンッ

狂者「!?」

男「シッ!!!」シュッ

ズガッ!!!

狂者「……グォッ!?」

男「大振りすぎるぜ、メーン」


49: 名無しさん@読者の声:2017/7/14(金) 10:25:03 ID:4FFp6FwQik
狂者「クッ……きさまぁ!!」

男「おいおい、お前から仕掛けてきたんだろォ?キレるなよ」

狂者「うるさい!」ブンッ

男「やれやれ、仕方がないな」ヒョイッ

狂者「オラァ!」ブンッ

男「お前にはいろいろと聞きたいことがあったんだが、このままじゃ話にもならないので、」ヒョイッ

狂者「クッ……ちょこまかと!」

男「少しだけ、相手をしてやるよ。来な!」

狂者「おおおおおおおおお!!!」


50: 名無しさん@読者の声:2017/7/27(木) 09:57:52 ID:4FFp6FwQik
こうして、戦いが始まった。

男は先ほどの狂者の一連の動きから、『御しやすし』という判断を下す。

狂者の動きやスピードは、明らかに素人のそれであった。

公園の主『スト』としての半年以上もの戦いの記憶。

その記憶の中の強敵たちと照らし合わせてみても、狂者はそれほど強くない。

自分の本来の実力が出せれば、負けることはまずないだろうと感じていた。

若干のブランクもあるが、不思議と身体は軽くさほど気にならない。

適度に対応し、疲れさせ、重傷を負わせぬ程度に抑えつけようと考えた。

それほどの実力差が、両者の間に存在する。
51: 名無しさん@読者の声:2017/7/27(木) 11:26:59 ID:4FFp6FwQik
一方、狂者の心はドス黒い炎に包まれていた。

そのドス黒い炎は狂者の怒りや憎しみ、恐れなど、憎悪や劣情の感情を糧に、その激しさを増していく。

出会って間もない男に対しても、まるで何年も敵対関係にあった相手に宿すような恨み、憎しみ、怒りの感情を爆発させていた。

その炎はやがて狂者の人間らしさや感情を焼き尽くし、やがて「衝動」だけを残すだろう。

衝動とは、つまりは破壊衝動や殺人衝動。

今もまさに狂者は、理性の鎖を解き放とうとしていた。

この男は自分の『敵』だ。だから、罰を与えなければならない。

二度と自分の前に現れないように徹底的に痛めつけて、場合によっては……



殺 し て し ま っ て も 構 わ な い 



何年もの間、理不尽ないじめを受けていた。

彼は被害者だった。

そして、3人もの人間を病院送りにし、目の前の男に対し殺人衝動を抱いている今でも、彼は自分のことを被害者だと思っている。

被害者であることを免罪符に、彼は衝動に身を任せた。
52: 名無しさん@読者の声:2017/7/28(金) 13:38:50 ID:4FFp6FwQik
〜5分後〜

男(……コイツっ!!!)

何度目かの攻防。

狂者の攻撃を避け、返す刀でカウンターをたたき込む。

それでも怯まず体勢を整え、すぐさま次の攻撃に転じる狂者を前に、男は大きな焦燥感を抱いていた。

狂者の動きは徐々に鋭さを増し、一歩間違えば大怪我に繋がるような攻撃を平気で繰り出してくる。

すべての攻撃を捌き、戦いを優位に進めていた。

そのはずだった

それなのに。

精神的に追い詰められていたのは、明らかに男の方だった。


53: 名無しさん@読者の声:2017/8/16(水) 18:45:26 ID:s28lb417tc
狂者「バルァアア!!!」ブオンッ

男「くっ……!!」ヒョイッ

男(コイツ……また目玉を狙ってきやがった!!!ためらいもなく!!!)

狂者「ゴルァアアアアア!!!」ブオンッ

男「うおっ……ちょっと待てお前!」ヒョイッ

狂者「アァッ!?」ブオンッ

男「くっ……」スカッ

男「ハァ、ハァ……お前、何を考えてるんだ?」

狂者「は?」

男「もう分かっただろ?お前じゃ俺には勝てん。このまま続けても……」

狂者「…………」

男「無駄」

ブオンッ

男「!」ビシッ

男(あぶねぇ、かすった!!!)

狂者「てめぇぇぇ……」



狂者「……ビビってやがるな?」
54: 名無しさん@読者の声:2017/8/16(水) 21:31:14 ID:s28lb417tc
狂者「お前は、ビビってるんだ」

狂者「俺に、恐怖を覚えている」

狂者「だからそんな事を言うんだろ?」

狂者「俺の方が強いから?もうやめてくれって?」

狂者「何を言ってやがるんだお前は?」

狂者「お前は俺にビビってるんだ」

狂者「ビビッて、命乞いをして」

狂者「そんな奴が、果たして俺より強いのか?」

狂者「いいや、弱いね。絶対に弱い」

狂者「弱さは……罪だ!!!罪には罰が必要だよな!?」

狂者「俺がお前に罰を与えてやるよぉ……お前は死刑だ!!!」
55: 名無しさん@読者の声:2017/8/16(水) 21:35:18 ID:s28lb417tc
男「そういうことを言ってるんじゃない!!!」

男「お前はもうボロボロなんだよ!!!もう痛くないところがないくらい、ズタボロだろうが!!!」

男「これ以上殴ったら、お前……」

男「……お前は俺に、人殺しをさせるつもりか!!!」



狂者「殺してみろよぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ズアッ

男「……!!!」
56: 名無しさん@読者の声:2017/10/8(日) 21:27:18 ID:NTv/urKps6
〜同時刻:青色公園〜

眼鏡2「……狂気に取りつかれた人間を止めるためには、圧倒的な実力で一瞬のうちに相手を制圧する必要がある」

眼鏡2「……そして、それができる実力者は、俺が知る限りアンタしかいない」

ジョジョ「…………」

眼鏡2「頼むジョジョ!俺と一緒に赤色公園に来てくれ!このままではあの人が!ストさんが殺されてしまう!」

ジョジョ「だが断る」
57: 名無しさん@読者の声:2017/10/8(日) 21:47:06 ID:NTv/urKps6
眼鏡2「……っ何故!?」

ジョジョ「俺には関係のないことだ。それに、テメーが助けて―んなら自分で助けることだな」

眼鏡2「うっ……」

ジョジョ「それがダメなら、普通は警察に通報するもんだぜ。俺に頼むのはお門違いってやつだ」

眼鏡2「……ああ、そうだな。アンタの言うとおりだ」クルッ

ジョジョ「……」

眼鏡2「こうなったら、一刻も早く赤色公園に戻り加勢しなくては!」ダッ

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