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スト
[8] -25 -50 

1: 名無しさん@読者の声:2016/7/31(日) 00:22:01 ID:2aaxSCyTRU
男「あー、ブックオフでバキ読んだら喧嘩強くなった気がするわ。誰かと殴り合いてーなー」

学校の帰り道、立ち寄ったブックオフでバキを全巻読破した高校一年生の少年は、その勢いで、自分が強いと勘違いしてしまう。

その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。


113: 名無しさん@読者の声:2019/7/15(月) 11:26:39 ID:LFW6uP2gKM
〜翌日〜

眼鏡「…………」

後輩「眼鏡先輩うぃっすー。ストさんいますかー?」

眼鏡「……後輩か、どうしたその顔の傷は?」

後輩「いや、昨日ジョジョと戦うつもりが、何故かフォルテとかいう奴と戦ったんすけどね。なかなか強くて……」

眼鏡「フォルテか。よくそれだけですんだな」

後輩「つーか今日、人が少なくないすか?ストさんもいないし、狂者先輩も来てないんすか?」

眼鏡「二人とも今日は学校を休んだよ」

後輩「へ!珍しい!」

眼鏡「俺も帰る。じゃあな」

後輩「え、なんかあったんすか?」

眼鏡「……いや?なんもねーよ。お前も早く帰りな」

後輩「あ、おつかれっしたー」

その日から、ストさんと狂者先輩と眼鏡先輩が、俺の前から姿を消した。
114: 名無しさん@読者の声:2019/8/20(火) 00:22:06 ID:WQNVSMvB0k
『スト?ああ、あいつね、今日も来てないよ』

『眼鏡も来てないよ。あいつが休むなんて珍しいよな』

『チャラ男なんて一週間も来てないよ』

『狂者のやつも、三日前から来なくなっちまったし』



『……最近俺らの周りで休んでる奴ら多くね?』

『ああ、最近休んでる奴ら、夜中に集まってんの見たな。何してんのか聞いたらさ』



夜中の公園に現れる不良たちを成敗してるんだって



『おっかねーな。夜中に公園に行くのはやめとくか』



後輩「…………ストさん」
115: 名無しさん@読者の声:2020/10/22(木) 22:14:14 ID:liBfWwfrqM
ストさん……

つCCCCC
116: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 22:50:06 ID:ZC3669QYcU
支援ありがとう!

1年の沈黙を破り復活!!!
117: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 22:58:46 ID:ZC3669QYcU
〜深夜:赤色公園〜

後輩「今日もストさん達が来ない……」

後輩「昼間の噂話……深夜に不良を狙ってる奴らがいるらしいが、そいつらも来ない……」

後輩「襲われたら返り討ちにして、知ってることを聞き出そうと思ってたんだが……」

後輩「どうやら空振りみたいっすね……」
118: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:04:33 ID:ZC3669QYcU
後輩「このまま待ってても仕方がない。帰るか……」

後輩「……いや、待てよ?もしかしたら、違う公園にならいるのかも……」

後輩「そうだ、青色公園に行こう」

後輩「ジョジョならストさん達のこと、何か知ってるかもしれないし」

後輩「不良狩りの奴らがいたら、それはそれで何か手掛かりが掴めるかもしれない」

後輩「我ながらナイスアイディア!行くっすよ〜!」ダッ
119: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:23:37 ID:ZC3669QYcU
〜青色公園〜

後輩「……って、誰もいないんかーい!!!」

後輩「噂が間違ってんのか?それともジョジョも不良狩りにやられたとか?」

後輩「こうなったらもう虱潰しだ!黄色公園行くぞ!」ダッ
120: 東京名無しンピック2020:2020/12/20(日) 23:48:13 ID:ZC3669QYcU
〜黄色公園〜

金属バット「……で?な〜んでお前と組まなきゃならねーのかね?」

鉄パイプ「保険だとよ。ストって奴の件もあるし」

金属バット「あ〜、アイツね……」

鉄パイプ「7人がかりでも少し手こずったからな。それにここの公園の主は、3日間で雑魚が10人やられている。確実に潰すために、俺とお前が呼ばれたってわけ」

金属バット「ま、いいよ……とにかく俺はこの金属バットでかっ飛ばせればいい。頭でも、腹でもね。……さて、」



金属バット「お前が黄色公園の主だよな?」

フォルテ「…………」
121: 東京名無しンピック2020:2020/12/28(月) 00:40:45 ID:ZC3669QYcU
鉄パイプ「黒のジャージ、オレンジ色のニット帽、灰色のネックウォーマー……コイツがフォルテで間違いなさそうだ」

金属バット「そうか。ちゃっちゃと終わらせちまおう」

鉄パイプ「待て待て。その前にやることがあるだろ」ゴソゴソ

金属バット「んー?」

鉄パイプ「おい、フォルテ。これをやる」ヒョイッ

フォルテ「……」パシッ

鉄パイプ「その種飲んで、俺達の仲間にならないか?」
122: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 00:45:05 ID:ZC3669QYcU
フォルテ「……」ポトッ


フォルテは種を足元に落とすと、

パキッ

そのまま右足で踏み潰した。


鉄パイプ「……交渉決裂ってわけね」

フォルテ「……」

金属バット「おし、やるか」ブンッ ブンッ

鉄パイプ「とりあえず、半殺しで」

フォルテ「……」
123: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 01:08:10 ID:ZC3669QYcU
金属バット「フッ!!!」ブオッ

金属バットの少年が、正面から襲い掛かる。
バットを振り上げ、躊躇無く叩き下ろす。

フォルテ「……」タンッ

スカッ

ガキーン!

しかしバットは空を切り、そのまま地面と激突した。

金属バット「おっ!?」ビリビリ

金属バットの少年が、地面を打った衝撃に気を取られた一瞬の隙に、フォルテは右足で金属バットを蹴り上げた。

バシッ

金属バット「なにっ!?」

思わず手から離れた金属バットはカランカラーンと音を立てながら、あらぬ方向へと飛ばされていく。

そのバットの行く末を見届ける間もなく、少年の眼前にはフォルテの拳が迫っているのだった。
124: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 02:44:48 ID:ZC3669QYcU
バキッ!



鉄パイプ「……!」

鉄パイプ(予想以上に強いな…………だが!!)



フォルテ「…………ん」ググググ…

金属バット「…………やるじゃねーか」ググググ…

フォルテ「…………タフだな」

金属バット「フンッ!」ババッ


金属バットの少年が両の腕でフォルテを掴みに掛かる。


フォルテ「…………」バシバシバシバシ


それらをすべていなしながら、カウンターを狙うフォルテだったが……。


鉄パイプ「オラッ!」ブオンッ

フォルテ「…………チッ」ヒュッ


鉄パイプが参戦してきたところで、少しだけ距離をとった。
125: 東京名無しンピック2020:2020/12/29(火) 17:59:20 ID:ZC3669QYcU
その隙に、金属バットの少年はバットを拾いに身を翻す。
追撃しようとしたフォルテの前に、鉄パイプの少年が立ちはだかった。

鉄パイプ「おっと、少しだけ待っててもらうぜ?」

フォルテは構わず間合いを詰める。
鉄パイプの少年は鉄パイプを野球選手のように構え、一気に振り抜いた。

ブオンッ!

あまりにも大振りな、破壊力に特化した一振り。それ故に、容易くフォルテに避けられてしまう。

しかし、足止めとしての機能は十分に果たされた。

そのままフォルテは軸足に蹴りを喰らわし、鉄パイプの少年を転ばした。

と、同時に、金属バットの少年が地面に落ちていたバットを掴んだ。

フォルテ「……チッ」

それを視界の端で捉えたフォルテは、舌打ちをしながら取り敢えず、鉄パイプの少年の顔面を蹴り上げた。
126: 東京名無しンピック2020:2020/12/30(水) 16:34:54 ID:ZC3669QYcU
鉄パイプ「いっ……てぇ!」

フォルテ「…………」

金属バット「待たせたなぁ〜」

鉄パイプ「おい、挟み撃ちするぞ!」

ザザッ

フォルテ「…………」

前門の鉄パイプ 後門の金属バット!
127: 東京名無しンピック2021?:2021/2/7(日) 22:48:42 ID:vQ2SivyWEg
鉄パイプ「もう好き勝手やらせねーぞ」

金属バット「最後になにか言い遺すこととかあるか?」

フォルテ「…………」

金属バット「ねーならもう終わらすぞ」

フォルテ「…………さっさと来い」

金属バット「よし、行くぞ鉄パイプ」

鉄パイプ「了解」
128: 東京名無しンピック2021?:2021/2/27(土) 23:57:43 ID:vQ2SivyWEg
物心ついた頃からピアノを習い、絶対音感と天性のリズム感覚で数々のコンサートで受賞してきた天才音楽少年。

ピアノの練習に没頭し、遊びに疎かった少年は、高校1年生の春になんとなく立ち寄った、ゲームセンターに大きな衝撃を受けた。

この世には、ピアノよりも奥深い世界がたくさんある。

以降、少年は学校終わりに毎日ゲーセンに通い、ジャンルを問わずすべてのゲームでランキングを総ナメしていく。

彼のHNは『F』
人は彼を「フォルテ」と呼ぶ。
129: 東京名無しンピック2021?:2021/2/28(日) 11:22:12 ID:M4Mu4wpjGI
ゲームにハマっていく過程で、フォルテはピアノのレッスンでは気付けなかった、自分の才能に気付いていく。

驚異的な動体視力と、圧倒的な反応速度。

特に音ゲーが得意だった彼は、見たことも聞いたこともない初見の譜面を、その動体視力と反応速度で強引にクリアしていった。

それらの才能は音ゲー以外にも様々な場面で発揮されることになる。

ある日、ストUで相手をハメまくっていたフォルテは、ブチギレた相手にリアルファイトを申し込まれる。

喧嘩などしたこともなかったフォルテは当然断るが、怒りの収まらぬ相手に強引に黄色公園に連れ出された。
130: 東京名無しンピック2021?:2021/2/28(日) 11:31:42 ID:M4Mu4wpjGI
その日を境に、彼の世界は大きく色を変えるのであった……。

が、それはまた別のお話。

閑話休題。話を現在に戻そう。
131: 東京名無しンピック2021?:2021/3/14(日) 11:59:55 ID:vnzOWIRiFE
鉄パイプが正面から近付いてくるのと同時に、金属バットが真後ろからバットを振りかぶる。

というわけで、フォルテは真横に回避した。

そのまま2人から距離を取り、地面から石を拾う。

そして、金属バットの顔面目掛けて、すぐさま全力で投げつけた。
132: 東京名無しンピック2021?:2021/3/20(土) 22:32:21 ID:vnzOWIRiFE
ヒトはもっとも上手に物を投げられる動物である。原人から新人にいたるまで、投石はもっとも基本的な狩猟の攻撃方法だった。

人間対人間の闘いでも、投石は重要かつ効果的な戦術であった。『旧約聖書』に登場するペリシテの巨人兵士ゴリアテは小柄なダビデの投石で打ち倒されるなど、古代から体格の不利を補う威力をもつと知られていた。

投石の特徴として、投石のみで相手に致命傷を与えるのではなく、ダメージを与えてさらに攻撃を加える、または逃げることができる点がある。特に顔面や目への投石は効果が高い。現代においては防犯用のカラーボール、喧嘩や護身術として相手に多数の硬貨やパチンコ玉、砂を投げつける行為も、広義の投石と言える。
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