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神娘「人間など嫌いだ」
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1: 亀更新かもです ◆WjgYlacz.c:2015/12/10(木) 10:06:43 ID:I.XMW0eHSk



ーむか〜しむかし、とある場所で





418: ◆WjgYlacz.c:2017/1/8(日) 22:36:06 ID:PlUNcBI2Oc
山神(こうなる事を分かっててこんな手を使ったのかと思ったけど…違ったの?)

巫女(違いますよぅ…只の思い付きで…私、本当にどうしようかと…)

山神(…呆れた)

巫女(…ごめんなさい山神様。あんな言い方しちゃって…)

山神(気にしてないわ。それに…私も冷たかったわね)

山神(さて、お喋りはここまでよ。慎重に行きましょう)

巫女(はい!)

山賊「止まれ!」ザッ

三人「!」ザッ

巫女(どうしたのかな?こんな何もない場所で…)

山賊「…」ポンポン

巫女(地面を調べてる…?)

山賊「〜〜」ボソボソ

巫女「…?」

ゴゴゴゴゴ…!

村長娘「うわ!?地震!?」グラグラッ

巫女「わわわ…っ」グラグラッ

山神「…」

ビキビキビキッ…!!
419: ◆WjgYlacz.c:2017/1/8(日) 22:36:58 ID:PlUNcBI2Oc
巫女「じ、地面が割れてく!?」

村長娘「ちょっと、こりゃさすがにまずいんじゃない!?」

山賊「へっへっへっへ…」

ズゴゴゴゴ…

ゴオ…ン…!!

村長娘「…」ポカーン

巫女「…」ポカーン

巫女(地面が割れて…中に洞窟が…)

山賊「はっはっは、驚いて言葉も出ねえか」

山賊「ようこそ、俺たちの隠れ家へ!」

村長娘「あ、あんた達…こんな所に住んでるのか?」ワナワナ

山賊「くくく、そうだ。怖くて入れねえか?」

山賊「だが残念。もうお前たちは…」

村長娘「すっげえ!どういう仕掛けなんだこりゃ!?」ワクワク

山賊「は?」

村長娘「へぇ〜!早く中を案内しておくれよ!ほらほら!」ハツラツ

山賊「…」ポカーン

巫女(山賊さん達が引いてるんですけど…)
420: ◆WjgYlacz.c:2017/1/8(日) 22:37:24 ID:PlUNcBI2Oc
山賊「ええい、やかましい女だな!」

山賊「言われなくてもさっさと中へ行くぞ!」グイッ

村長娘「なんだかわくわくしちまうねぇ!」

巫女「…」

巫女(でも確かに不思議…どうやってこんなの…)

山賊「おらっ、お前らも早く中へ入れ!」

巫女「は、はいっ!」

巫女「行きましょう、山が…従者さん」

山神「…そうね」

山神(今、ここが開く瞬間に感じた気配…)

山神(これはもしかして…とんでもない事になっているかもしれないわね)

巫女「どうかしたんですか?」

山神「いえ…なんでもないわ」

ザッザッ…

ズゴゴゴゴ…

ズウ…ン…
421: ◆WjgYlacz.c:2017/1/24(火) 18:00:13 ID:PlUNcBI2Oc
ザッザッ

巫女「中も大きな洞窟みたいになっているんですね」

村長娘「これ、あんたたちが掘ったのかい?」

山賊「てめえにそんな事教える義理もねえだろう」

村長娘「なんだい、教えてくれてもいいじゃないか」

山賊「ったく、こんなやかましい奴連れてくるんじゃなかったぜ…」

山神「娘様…あまり彼らを刺激しないでください」

村長娘「いいじゃないか別に」

山神「よろしくないですから」ギロッ

村長娘「うっ…わ、分かったよ…」

村長娘「どうにも思ったことがそのまま口に出ちまう性分でさ…」

巫女(山神様の睨み、相変わらず怖いなぁ)

巫女(でも本当にこんな洞窟、山賊さんたちだけで掘れるのかな…)

巫女(あの不思議な入口もそうだけど…何かおかしい気がする)
422: ◆WjgYlacz.c:2017/1/24(火) 18:00:37 ID:PlUNcBI2Oc
山神(巫女…)

巫女「わっ!」

山賊「あ?なんだ?」

巫女「あ、ご、ごめんなさい何でもないです!」アセッ

巫女(山神様…急に心に話しかけないでくださいよ…)

山神(あなたもいい加減に慣れなさいよね…)

山神(それより…前を向いたまま、手を後ろに出してもらっていいかしら?)

巫女(えっ?こうですか?)スッ

ポン

巫女(…何か渡しました?)

山神(振り向いちゃ駄目よ。怪しまれるから)

山神(今は早く懐にしまって。万が一の時に使いなさい)

巫女(は、はい…)ゴソッ

村長娘「ねえ、なんか開けた所に出そうだよ」

巫女「え?あ、本当ですね…」
423: ◆WjgYlacz.c:2017/1/24(火) 18:01:19 ID:PlUNcBI2Oc
オオオ…

村長娘「へぇ〜っ、広い所だね」

山賊「静かについてこい」

ザワザワガヤガヤ…

巫女(他の山賊さんたちもいっぱいいる)

巫女(こんなにいるんじゃ、強引に逃げるのは無理そう…)

村長娘「おっ、誰か奥に座ってるじゃないか」

山賊「粗相するな。あれが俺たちのお頭だ」

巫女「!」

巫女(お頭…一番偉い人だよね…)チラッ

お頭「…」ギロッ

巫女「ひっ…」

巫女(うぅ…見るからに怖そうな人だ…)

従者「…」

山賊「止まれ」

三人「!」ピタッ

山賊「お頭!例の村から連れてきた娘たちです!」

お頭「おう。ご苦労」
424: ◆WjgYlacz.c:2017/1/24(火) 18:01:42 ID:PlUNcBI2Oc
山賊「どうです?なかなかの上玉でしょう?」

お頭「ふぅむ…」ジロジロ

村長娘「…」

巫女「…」

従者「…」

お頭「…くくっ、成程。こいつぁ良いじゃねえか」

山賊「そうでしょうそうでしょう」

山賊「げっへっへ」

お頭「食糧の方もぬかりねえみたいだし…しばらくは安泰だな」

お頭「村の連中につけられたりしてねえだろうな?」

山賊「そりゃあ勿論ですぜお頭!」

お頭「…ふん、まあ来たところで百姓ごときに何もできねえがな」

山賊たち「へっへっへ」

お頭「さてと…客人をさっさと案内してやれ」

お頭「こいつらのこれからの住処にな…」

山賊「了解ですぜ」
425: ◆WjgYlacz.c:2017/1/24(火) 18:02:05 ID:PlUNcBI2Oc
巫女(住処だなんて…嫌な言い方)

巫女(いつ山神様と一緒に山賊さんたちをやっつけようかな…)チラッ

従者「…」ジーッ

巫女(…山神様?)

従者「…」キッ

お頭「ん?何だそこの女。この俺に睨みをきかせるたぁ…」

お頭「…!」

山賊「お頭?」

お頭「…くっくっく」ニヤ

山賊「ど、どうかしやしたか?」

お頭「気が変わった。そこの女だけここに残れ」

従者「…私でしょうか?」

お頭「そうだ」

巫女「えっ?えっ?」アセッ

山賊「おおっ!お頭、さっそく目を付けやしたか!」

山賊「さっそく楽しもうとはさすがお頭…」

お頭「てめえらも外に出ろ」

山賊たち「…へっ?」
426: ◆WjgYlacz.c:2017/1/24(火) 18:02:33 ID:PlUNcBI2Oc
お頭「この女と二人にしろ。皆、出ていけ」

山賊「し、しかしお頭…」

ダンッ!!

お頭「…命令だ。皆、この場から失せろ」

お頭「同じことを何度も言わせるんじゃねえ」ギロッ

山賊「ひっ!」

巫女「…」ブルッ

巫女(な、なんて迫力…!)

山賊「わ、分かりやした!てめえら早くついてこい!」グイッ

村長娘「ちょっ…引っ張るんじゃないよ!」

巫女「山…従者さん」

従者「…私は大丈夫です。巫女様は行ってください」

巫女「でも…」

従者「大丈夫ですから…さあ、早く」

巫女「…」

巫女「…」コクン

従者「…」コクン

山賊「おら!てめえもだ!早くしろ」グイッ

巫女「いたっ!そ、そんな乱暴にしないでください…!」

タタタ…
427: 名無しさん@読者の声:2017/3/14(火) 23:38:50 ID:1u6hK9HJ.A
続き待ってる!支援!
428: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:12:50 ID:agy/G/E7u.
>>427
待っていただきありがとうございます。長々と放置してすみませんでした。
スローペースになりますが、更新再開します。 
429: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:13:45 ID:agy/G/E7u.
タタ…

シーン…

従者「…」

お頭「…」

従者「…皆、行ったみたいね」

お頭「おう」

従者「聞き耳を立てているような気配もないわ」

お頭「当然だ。そんな真似したらどうなるか…ここの連中はよく分かってるからな」

従者「…」

お頭「さて、何から尋ねるとするか」

従者「私も尋ねたい事があるのだけれど」

お頭「どうせ一緒のことだろうが」

従者「…そうでしょうね」

お頭「てめえは」

従者「あなたは」

お頭・従者「「何者だ?(かしら?)」」
430: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:14:09 ID:agy/G/E7u.
従者「…」

お頭「…」

従者「…もう隠す意味もないみたいね」

お頭「そうだな」

従者「私は山神といいます」

お頭「俺は土神だ。山神だと?聞いた事ねえ名だな…」

山神「まあ、この辺りの神ではないものね」

山神「それより…なるほど、土を司る神ね。道理でこんな場所を造れるわけだわ」

土神「くっくっく、面白いだろう」

山神「人間業ではないと思っていたけど…まさか本当に神が関わっていたとはね」

土神「連中を操るには最初に力を見せつけてやる方が効率が良かったからな」

土神「はっはっは、案の定今じゃあ俺はあいつらに神のように崇められているぜ」

山神「そこまでしてあの山賊たちを従えている理由は?」

土神「てめえに話す義理ぁねえな」

山神「…」

土神「てめえこそ、余所もんがこんな所に何の用だ?」

山神「あなたに話す義理はないわ」

土神「…ちっ」
431: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:14:42 ID:agy/G/E7u.
土神「ふん、どうせ俺を咎めにでも来たんだろうが」

山神「いえ。面倒は御免よ。お暇させていただくわ」

土神「これはこれは意外なお言葉だな」

山神「ま、あなたがただの人間の悪党だったら少し懲らしめようと思っていたけれど」

土神「ははっ!じゃあとっとと帰りやがれ」

山神「ええ。ならあの二人のところへ…」

土神「なぁに言ってやがる。帰るのはてめえだけだ」

山神「…?」

土神「礼を言うぜ。あんな上玉の女どもを連れて来てくれて」

土神「心配するな。あいつらは俺たちが存分に可愛がってや…」

ピシュン!

ドゴンッ!パラパラ…

土神「…はは、こええこええ」

山神「悪い冗談はよしなさい。次は外さないわよ?」

土神「おいおい、たかが人間ごときでむきになるんじゃねえよ」

山神「質問にだけ答えて。私をあの二人とともにここから出しなさい」

土神「くっくっく…覚悟できてるみてぇだな」

土神「答えは『いいえ』だ。山神さんよ」サッ

山神「…そう。残念ね」ゴオオ…ッ!

バシュッ!ドゴオオン…!!
432: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:15:24 ID:agy/G/E7u.



・・・・・一方、巫女と村長娘は



433: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:15:52 ID:agy/G/E7u.
山賊「おらっ」ドンッ

巫女「きゃっ」ドサッ

村長娘「うっ」ドサッ

ガチャン!

山賊「さ〜て、お頭が来るまでここで大人しくしてるんだ」

スタスタスタ…

巫女「いたた…」

村長娘「ふう、ひどいね。客間なんて言ってこんな狭い所に入れるなんてさ」

巫女「…閉じ込められちゃいましたね」

村長娘「暗いし狭いしじめじめしてるし…最悪だよ」

巫女「こんな所にいたら病気になっちゃいそう」

村長娘「あの従者さんも大丈夫かねえ」

巫女「あの人は大丈夫ですよ。だって…」

村長娘「…だって?」

巫女「あっ、え〜っと…つ、強いからです」

村長娘「強いったって、山賊に勝てるわけじゃないだろ?」

巫女「そ、そうですかね。あはは」

巫女(多分圧勝かな…)
434: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:16:17 ID:agy/G/E7u.
村長娘「で?」

巫女「?」

村長娘「どうするのさ、これから」

巫女「どうするとは?」

村長娘「どうするって…巫女様、何か考えがあってわざと捕まったんじゃないのか?」

巫女「あ…」

村長娘「あいつらをやっつける秘策でもあるんだろ?」

村長娘「勿体ぶらずにさっさとやっちゃおうよ。あたしに出来る事あったら何でも手伝うからさ!」

巫女「え〜っと、そうですね…」

村長娘「うんうん」ワクワク

巫女(困ったなぁ…そんな期待のこもった目で見られても…)

巫女(今できる事なんてないけど、正直に言ったらがっかりしちゃうだろうし…)

巫女「…あっ。そういえば」ゴソゴソ

村長娘「おっ」

巫女「え〜、これかな」サッ

村長娘「ん?なんだいそれ?」

巫女「羽根…ですね」

村長娘「へぇ〜っ!なんだか綺麗な羽根だね!」

巫女「…」ヒラヒラ
435: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:17:06 ID:agy/G/E7u.
『万が一の時に使いなさい』

巫女(万が一の時…かぁ)

村長娘「ねえ巫女様!その羽根どうするのさ?」

巫女「え〜っと…こほん」

巫女「この羽根は我が主、山神様より賜ったありがた〜い羽根です」

村長娘「やっぱりそうなのかい!」

巫女「このありがた〜い羽根に私の念を込めれば…」

巫女「山神様のお導きにより、道が示されるはずです」

村長娘「そりゃすごいね!早速使ってみておくれよ!」

巫女「ではいきます。むんっ!」グッ

村長娘「…」ワクワク

巫女「むむむむっ…!」グググ…

村長娘「…」ワクワク

巫女「…」ギュッ

巫女(お願い…!何か起きてぇ〜!)

村長娘「…」

巫女「…」

村長娘「…あのさ」

巫女「…はい」

村長娘「本当に何か起きるのかい?」

巫女「…そのはずなんですが」タラーッ
436: ◆WjgYlacz.c:2017/4/15(土) 23:17:34 ID:agy/G/E7u.
村長娘「でも見たところ何も…」

巫女「い、今はまだ動くな、ということですかね!」

村長娘「へ?」

巫女「焦ってすぐここを出るのではなく、機を見て行動しろという事のようです!」アセッ

巫女「し、仕方ありませんね!神様がそう仰っているんですから!」アセアセッ

村長娘「…」

巫女(うぅ…絶対怪しまれてる…)

村長娘「…なるほどね。そういうことかい」

巫女「うっ…その…」

村長娘「あ〜あ、そっかそっか!」

村長娘「じっとしてるのは苦手なんだけどね〜」ゴロン

巫女「えっ?」

村長娘「神様がそう言ってるんじゃ、その通りにすべきなんだろう?」

巫女「あ…は、はい」

村長娘「へへ、じゃあ何か事が起こるまで大人しくしてようかね」

巫女「そ、そうしましょう」

巫女(ば、ばれなかった…みたい)

巫女(じゃあ後は山神様が親分をやっつけて来てくれるのを待つだけ…だよね?)

巫女(ふぅ…早く来ないかな、山神様)
437: ◆WjgYlacz.c:2017/4/29(土) 22:34:31 ID:/FBqKYUaXc
村長娘「…巫女様はさ」

巫女「はい」

村長娘「なんで巫女の仕事をやってるんだい?」

巫女「なんで…と言われると困りますね」

村長娘「元々そういう家系?それとも…」

巫女「いえ、実を言うと私はただの百姓の娘です」

村長娘「えっ、そうなのかい?」

巫女「はい。でも巫女の仕事には昔から憧れてて…」


カクカクシカジカ


巫女「…というわけで、山神様に何故か使命されて…」

村長娘「へぇ〜っ、なんだかすごい話だねぇ」

巫女「運が良かっただけ…なのかな」

村長娘「まあ確かに運も良かったんだろうけどさ」

村長娘「でも神様に選ばれるなんてなんだか素敵なことじゃないか」

巫女「…」

村長娘「ただ単に血筋とか立場とかそういうので巫女になるよりよっぽど良いと思うけどねぇ」
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