ーむか〜しむかし、とある場所で
148: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:43:19 ID:hBCJ2uwvuc
神娘「…と、これが今までの私の話だ」
男「……」
神娘「お前にとっては気分の悪い話になったかもしれん」
男「いえ。ですが、神様の心中を察しますと…」
神娘「…最近はな、もう過ぎた話だと思えるようになってきた」
男「えっ…」
神娘「いつまでもこうしているわけにはいかぬ。修行は終えなければ」
神娘「そのためには、またいずれ人間の村に戻る必要がある」
男「…」
神娘「まあ、決心がつくのには…もう少し時間がかかりそうだがな」
男「ゆっくりでいいではありませんか」
神娘「…そう、だな」
男「お話しいただき、ありがとうございました」
神娘「うむ」
男「さて、お腹も減りましたし戻りますか」
神娘「切り替え早いな」
男「空腹ですと思考が鈍りがちですから」
神娘「…お前を見ておると悩むのが馬鹿らしくなってくるわ」
149: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:44:01 ID:hBCJ2uwvuc
ザッ
男「ふぅ、少し迷いましたが無事に帰れましたね」
神娘「適当に歩くからだろう」
男「いいではないですか。それも散策の醍醐味…ん?」
神娘「誰か参拝に来ておるな」
村娘「…」
村娘「……」ブツブツ
男「……」
神娘「……」
男「…先ほど、後悔していると言いましたね?」
神娘「あ、う、うむ…しかしだな」
男「もうそれを晴らす機会はないですよ」
神娘「ま、待て!心の準備が…っ」
ザッザッ
男「先ほどぶりですね、村娘さん」
村娘「え?」
村娘「…っ!」
神娘「……」
150: ◆WjgYlacz.c:2016/4/19(火) 13:45:47 ID:hBCJ2uwvuc
村娘「あ…あ…」
神娘「え〜、その…」
村娘「ごめんなさい!失礼します!」タッ
神娘「あっ、ま、待てっ!待つのだ、村娘!」
村娘「っ」ビクッ
神娘「…」
神娘(参った。こういった時に何て言えばいいのやら…)
男(神様、思うままを伝えれば大丈夫ですよ)ボソッ
神娘「!」
神娘「…村娘」
村娘「は、はい…」
神娘「先ほどはすまなかった。謝らせてほしい」
村娘「か、神娘様…?」
神娘「あの当時、お前はまだ子どもだ。大人たちの企てに関わっているはずがない」
神娘「お前には八つ当たりをしてしまったようなものだ。すまなかった」ペコッ
村娘「そ、そんな…おやめください!」アセッ
神娘「…よければまた、昔のように話がしたい。どうだ?」
村娘「も、もちろんですっ!」タタッ
村娘「またお会いできたらと…私、ずっと…」ポロポロ
神娘「よしよし。泣くな泣くな」ナデナデ
村娘「だ、だって……うえぇぇ〜ん……」
151: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:49:28 ID:pz81d1paTU
村娘「ぐすっ…」
神娘「落ち着いたか?」
村娘「はい。ごめんなさい、取り乱してしまって…」
神娘「お前は昔もよく笑い、よく泣く子だったな」
村娘「そうでしたっけ?」
神娘「うむ。覚えておる」
村娘「嬉しいです!」パアッ
神娘「ほら、もう笑いおった」
村娘「あっ…も、もう!からかわないでくださいよ!」カアッ
神娘「わはは、しかし十年も経てば人は大きくなるものだ」
村娘「神娘様は全然変わっていません。思い出の中のままです」
神娘「私は成長などせんからな」
村娘「そうなんですか?」
男「えっ」
神娘「何でお前がそれほど驚いている。私は何百年経とうともこの姿のままだ」
男「そうですか、大きくならないのですか…」
神娘「…邪な事を考えている気がするぞ」
男「決してそのような」
152: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:49:55 ID:pz81d1paTU
村娘「あの、男さん…でしたっけ?」
男「はい」
村娘「先ほどは大変失礼しました。山賊だなどと…」
男「構いませんよ。怪しまれても仕方ありません」
村娘「しかし何故男さんが神娘様を背負っているんですか?」
男「ああ、これは神様が甘えん坊なもので…」
神娘「おい」
男「私の背中に体を預けたいと言って聞かなくてですね」
神娘「何を好き勝手言っておる!」
村娘「あら、そうなんですか〜」ニヤニヤ
神娘「お前も納得するなっ!」
神娘「よいか。今、私は多少力が衰えて自分で歩けぬ」
神娘「故に非常に不本意だが、こやつにおぶらせているだけの事だ」
村娘「っ!そ、そうだったのですか…」
村娘「ごめんなさい。私たちのせいでそのような目に…」
神娘「…否定はせぬが、お前が気負う事ではないぞ」
153: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:50:36 ID:pz81d1paTU
村娘「あの日の事は今でも忘れられません」
神娘「……」
村娘「何も知らされず、何もできなかった自分を恨みました」
村娘「もちろん村の人たちも恨みました。神娘様にはとてもお世話になったのにどうしてって…」
村娘「もう色々と嫌になって、あの後すぐ両親と村を出てしまったのです」
村娘「その後でした。村を竜巻が襲って全部吹き飛んで…ご存知でしたか?」
男「えっ、そうなのですか?」
神娘「以前山神殿から聞いていた。それでお前は生きていたのか」
村娘「ええ…」
神娘「…村娘」
村娘「はい」
神娘「あの村は私にとっては全てであった」
神娘「故に村人たちに裏切られた時…私はこの世の全てから裏切られたような気でいた」
村娘「…」
神娘「だが、お前のように思ってくれている者もいた」
神娘「それだけで私はとても救われたぞ」
村娘「神娘様…!」
154: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:51:04 ID:pz81d1paTU
神娘「だから恨むな。自分の事も、周りの事も…」
神娘「あまり過去に囚われないでくれ。な?」
村娘「は…はいっ!」
神娘「よしよし、良い子だな」
村娘「良かった…神娘様にそう言ってもらえて…本当に良かった…」グスッ
神娘「わはは、また泣きおって」
村娘「だって…だってぇぇ…」
神娘(…過去に囚われないでくれ、か)
神娘(ふっ、どの口がそう言うんだか…)
男「ほらほら、せっかくのお綺麗な巫女服が汚れてしまいますよ」
村娘「ぐすっ…うぅ、そうですね…」
神娘「そういえばお前、ここの巫女になったのだな」
村娘「え?」
神娘「ここは私がいた頃から随分と寂れていた。良い事だと思うぞ」
村娘「あ、その、え〜っとですね…」
男「どうかしたんですか?」
村娘「…ごっ、ごめんなさい!」
神娘「どうした!?」
155: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:51:30 ID:pz81d1paTU
村娘「実は…私、巫女様でも何でもなくって…」
神娘「なんだと?では、その服はどうした」
村娘「この中を散策していた時に偶然見つけて…」
男「…着てみた、と」
村娘「はい…」
神娘「なんと」
村娘「ごめんなさい。あんまり素敵だったのでつい…」
男「では先ほど掃除をしていたのも?」
村娘「み、巫女様の真似事と言いますか…その気になってしまって」
神娘「呆れたな」
村娘「うぅ、そんな目で見ないでくださいよぅ」
男「しかしどうりで最初にお会いした時、山神様のお名前を出しても分からなかったのですね」
神娘「そういえばそうだったな」
村娘「ここにもやはり神様がおられるのですか?」
神娘「いるぞ。会った事はないのだな?」
村娘「ええ、ここには何度も来ているんですけど…」
神娘「まったく、姿くらい見せてやればいいものを」
山神「あら、呼んだかしら?」
村娘「えっ」
156: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:52:08 ID:pz81d1paTU
男「山神様、いつの間にいらっしゃったのですか」
山神「今しがたよ」
神娘「暇なのか」
山神「失敬ね。やる事はいっぱいあるわよ」
山神「この山の平穏を守るためにいろいろ気を回して…」
村娘「え?え?何故烏が喋って…?」アタフタ
神娘「この烏が山神殿だ、村娘」
村娘「え、えええっ!?」
山神「私がこの山の主、山神よ。どうもお初ね、村娘さん」カアーッ
村娘「あ、ど、どうも…」ペコッ
山神「あなたの事は見てたわよ。ここに来た当初からね」
村娘「そうなんですか!?」
山神「ええ」
村娘「それで、あの…」
山神「ああ、話は聞いていたわよ」
村娘「ごめんなさい、あの、勝手に…」
山神「ふふふ…そうね」
山神「よくもまあ勝手にやってくれたわ」ピリッ
村娘「!」
157: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:52:46 ID:pz81d1paTU
山神「何度も勝手に土足で境内の中にまで入り込んで?」ゴゴゴ…
村娘「あ、あの…」
山神「何度も勝手に中にあった巫女服まで着ちゃって?」ゴゴゴ…
村娘「ひっ…!」
山神「何度も勝手に物に触り、動かし、掃除をして回ってくれちゃったことよねぇ?」ゴゴゴ…
村娘「あ…あ…」ガクガク
山神「ふふ…そんなあなたには…」
山神「少しばかり、罰をあげてもいいわよねぇ?」
ポンッ!
村娘「え、ええっ!?」
ズズウウン…!
男「熊に変化した…」
山神「グオオオオッ!!」バッ
村娘「きゃあああっ!!」
山神「な〜んて、冗談よ!」
村娘「」
158: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:53:13 ID:pz81d1paTU
山神「そりゃ勝手に中の物を動かしたのは褒められないけど」
山神「人間が来てくれたのは久しぶりだったしねぇ」
山神「掃除してくれたのは大助かりだったし、感謝すらしてるわよ」
山神「本当に嫌だったらとっくに追い出して…」
神娘「…山神殿」
山神「何よ?」
神娘「気絶しておるぞ」
山神「え?」
村娘「」キュー
山神「…あら、やり過ぎたかしら」
神娘「まごうことなくやり過ぎだ。この性悪め」
山神「まったく、これくらいで。ねえ男さん?」
男「普通いきなり目の前に熊が現れたら失神しますって」
神娘「こればかりはこやつに同意せざるを得ん」
山神「あ、あら?そう?」
159: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:53:42 ID:pz81d1paTU
村娘「…ああ、怖かった」ホッ
山神「ごめんなさいねぇ」
村娘「でも山神様、すごいですね。色々化けられるんですか?」
山神「ええ。できるわよ」ググッ
ポンッ!
山神「コーン」
村娘「あ、きつねさん」
ポンッ!
山神「グルル…」
村娘「おおかみさん!」
ポンッ!
山神「キー!キー!」
村娘「すごい、おさるさんにまで…!」
山神「ふふっ、すごいでしょう」エッヘン
男「楽しんでらっしゃいますねえ」
神娘「…山神殿まで楽しんでいるのは何なのだ」
男「なかなかお披露目する機会もないのでしょう」
ポンッ!
村娘「わああっ!すごいすごい!」キラキラ
男「いやあ、鮮やかに新たな信者を獲得しましたね」
神娘「信者と言えるのか?あれは」
160: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:54:55 ID:pz81d1paTU
山神「ふぅ、じゃあ今日はここまでね」
村娘「とっても面白かったです!」
山神「そう。なら、対価を払ってもらおうかしら?」
村娘「えっ」
山神「ふふふ、あなたにはね…」
村娘「…」ゴクリ
山神「ここの巫女をやってもらうわ!」バーン
村娘「え、ええっ!?」
山神「そのくらい構わないでしょう?」ニヤリ
村娘「私は巫女様の仕事など何も分かりませんけど…」
山神「別に今まで通りでいいのよ。祭事があるわけでもなし」
山神「ここら辺の掃除でもしてもらって…あとは私の話し相手をしてもらったり、たま〜〜に来る客人の案内したり…」
村娘「で、でも私なんかに…」
山神「その巫女服もあげるから」
村娘「やりますっ!」キリッ
山神「よし決まりね!」バーン
神娘「待て待て何だそれ!」
161: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:55:52 ID:pz81d1paTU
神娘「よいのか?巫女などそんな簡単に決めて」
山神「いいのよ、この子が来なかったらここは寂れる一方だったし」
山神「どうせなら勝手が分かっている人にやってもらった方がいいしねぇ」
神娘「ま、山神殿がいいなら別に何も言わんが」
村娘「やった…!巫女服貰っちゃった♪」ワクワク
山神「本人もやる気満々だし」
神娘「…あやつもああいうところは子どものままだな」
山神「で?神娘」
神娘「ん?」
山神「なんだかこの数時間でだいぶ雰囲気が変わったんじゃない?」
神娘「そ、そうだろうか」
山神「ふふっ、私の目は誤魔化せないわよ」
神娘「…少しは決心が付いたように思う。過去と決別する決心が」
山神「それは何より。男さんのおかげかしらね」
男「いやあ、何もしていませんよ」
神娘「…そうだな。こやつのおかげだ」
男「おおっ、素直に」
神娘「いちいち驚くな」
162: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:56:26 ID:pz81d1paTU
神娘「こやつは馬鹿正直に私を信じ、私に信じさせてくれた」
神娘「村娘のように私がいなくなった事を嘆いてくれていた者もいた」
神娘「そういった者たちに報いるためにも…立ち止まっておれぬ」
男「神様…」
山神「…ふふっ、やっぱりあなたの背中を押す役目は人間の方がふさわしいわね」
神娘「もちろん山神殿の助言もあっての事だぞ」
山神「いいわよ、そんなお世辞なんか」
山神「ま、ちょっとは手伝いもしたけどねぇ?」チラッ
男「…」ニヤッ
神娘「?」
山神「それで?これからどうするの?」
神娘「うむ…ひとまず行きたいところがあるのだが」
山神「村かしら?」
神娘「話が早くて助かる」
男「しかし、もう無くなったと言っていませんでしたか?」
神娘「それでも、私はあの地にもう一度足を踏み入れる必要がある」
神娘「…ような気がする」ポリポリ
163: ◆WjgYlacz.c:2016/5/2(月) 19:57:10 ID:pz81d1paTU
山神「ちょうど良かったわ。私も行かせようとしたところだったし」
神娘「そういえば、以前見せたいものがあると言っていたな」
山神「ふふっ、よく覚えてたわね。でも行ってからのお楽しみよ」
神娘「何なのだ…」
山神「さて、村娘…じゃなかった、巫女!」
村娘「はい!」
山神「私は今、ここを空けられないわ。一緒に村まで行ってあげて」
神娘「おいおい、道案内などいらぬぞ」
村娘「神娘様、どうか一緒に行かせてください」
神娘「ん?」
村娘「久しぶりに…神娘様とあの場所に行きたいんです」
村娘「神娘様との思い出が残る、あの場所に」
神娘「…分かった。共に行こう」
神娘「お前はまだ歩けるか?」
男「はは、お任せを。どこへでもお連れしますよ、神様」
神娘「うむ、すまんな」
164: ◆WjgYlacz.c:2016/5/8(日) 21:35:31 ID:4zqg6K/Mic
ザッザッ
神娘「…ここだ。この道を下ればもうすぐだぞ」
男「分かりました」
村娘「見覚えのある道です」
神娘「村娘は村を出てからここへは来ていないのか?」
村娘「はい。何だか近寄り難くて…」
男「一家揃って出たのですから、無理ないでしょうね」
村娘「それもそうなんですけど…何だか怖かったんです。色々思い出すことが」
神娘「怖い…か」
神娘「そうだな。私も同じだ」
村娘「神娘様…」
神娘「感情を抑えきれる自信がない。自分でも自分がどうなるか分からぬ」
神娘「…神などという立場でありながら情けない事よ」
男「神様」
神娘「ん…」
男「安心してください。もし神様がご乱心されたら私が何とか致します」
神娘「…生意気な奴め」
神娘「だが、頼むとしよう」
男「かしこまりました」
165: ◆WjgYlacz.c:2016/5/8(日) 21:37:05 ID:4zqg6K/Mic
村娘「確かこの辺りだったはず…」
男「…これはまた何と言いますか」
サアアアアッ…
神娘「見事に何も無いな。ただの野原になっておるぞ」
男「しかし所々家の土台は残っております。確かにここに村があったのでしょう」
村娘「竜巻で吹き飛んだというのは本当だったのですね」
神娘「何も残っておらぬのだな…」
男「どうやらそうみたいで…ん?」
村娘「どうかしましたか?」
男「奥の方に小さな家が見えませんか?」
村娘「そうですね、確かにあります」
男「あれは家というより…」
神娘「祠…か?」
村娘「行ってみましょう、神娘様」
神娘「うむ」
166: ◆WjgYlacz.c:2016/5/8(日) 21:37:50 ID:4zqg6K/Mic
神娘「これはまた粗末な造りの祠だな」
男「開けてみますか?」
神娘「止めておけ。何を祀っているかも分からぬ」
神娘「もしかしたら天罰の際に死んだ者の怨念でも込められているやも」
男「くわばらくわばら」
村娘「しかし、何故これだけが残っているんでしょうか?」
神娘「分からん。竜巻が過ぎた後に造られたのかもしれんし」
村娘「そうですかね…」
神娘「…もう行こう。得るものは何もなかったようだ」
神娘「村の形も思い出も…何もかも残っておらぬ」
村娘「……」
神娘「もっと感傷的になるかと思ったが…儚いものだ」
チリーン…
村娘「…今、何か聞こえませんでした?」
男「ええ、確かに」
チリンチリーン…
男「これは、鈴の音…」
神娘「!」
ゴソゴソ
男「神様、どうかされましたか?」
167: ◆WjgYlacz.c:2016/5/8(日) 21:38:48 ID:4zqg6K/Mic
チリーン…
神娘「やはりこれか」チリッ
村娘「その鈴は…?」
神娘「分からん。下界に生まれ落ちた時より持っていたのだ」
神娘「神力が感じられる故、捨てるに捨てられぬ」
男「その音色、聞き覚えがございます」
神娘「…そうだな。お前が最初に洞窟来た時、この音色を聞いたはずだ」フルフル
チリンチリン
男「ああ、なるほど」
神娘「何故これが今、勝手に鳴っているのか…」
村娘「あの、神娘様」
神娘「どうした?」
村娘「その鈴、二つ持っていませんでしたか?」
神娘「ああ。知らぬ間に何処かで無くしてしまったようだがな」
神娘「だが何故それを知っておる?」
村娘「…実は神娘様がいなくなられた後、村の敷地でその鈴が見つかったのです」
神娘「なに?」
村娘「私はすぐに村を出たのでそれをどうしたかは分からないのですが…」
神娘「……」
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