・ルール
参加希望者は1〜5レスを目処にSSを自由に作成して下さい。お題が欲しい場合は各自で希望して下さい。お題の提案や作品の感想は随時受け付けとします。覆面先生(SS作者)からのアドバイスも絶賛受け付け中とします。
253: 正解編:2014/3/2(日) 17:52:12 ID:DYTtg.AA2o
(注:ここでの「神」は絶対的権利、上位に君臨するものの象徴)
昔々あるところに、小さな村々と、大きな国がありました。
大国は自分たちは神のように偉大な存在である、と騙り、村々を支配しました。
しかしある時、村々の中でも特に閉鎖的な一つが、飢饉などの理由により差し出す貢物を用意できませんでした。
大きな国は近隣の村への見せしめのつもりでその村に疫病を流行らせ潰そうとしました。
そしてその村では、赤子を似て食べたものが万病に聞く薬になる、と密やかに言われていました。
そのため、あちこちから赤子が攫われて消えて行きました。
そこに、村を救おうとする若い医者がやって来ました。
そして彼は、疫病を治すつもりで研究を続けていく内に、気づいてしまいました。
この村は、救われるべきではない、と。
若い医師は病気に感染していた人々を焼き殺し、ひそやかに村を去って行きました。
こうして一人の、恐ろしく残酷な「悪い人」が誕生しました。
254: 正解編その2:2014/3/2(日) 18:15:42 ID:oR9LTLZEIM
大勢の人を焼き殺した大罪人となった医師は、身分を偽って旅をするようになりました。
旅をする中で立ち寄ったとある街で、お化け屋敷の噂を聞きました。
さらに、町人達はこう言いました。
「あそこの奥様はとても美しいが気取らない方で、病気になる前はよく町に出て色んな人と気さくに話かけてくれたりしたもんだ」
「それに引き換え旦那様は、傲慢で偏屈で、私たち庶民を見下して、たまに見かければ凄い顔でこっちを睨むんだ」
独占欲の強い屋敷の主人は、妻が街に出て他の男たちと楽しそうに話すのが気に入りませんでした。
嫉妬と猜疑心が積み重なり、ある時とうとう奥様の手足を切り落として屋敷の一室に閉じ込めてしまったのです。
哀れな奥様は、その時のショックで正気を失ってしまいました。
奥様が急に町にこなくなったことを怪しまれないよう、屋敷の主人は、妻は病気なのだ触れ回りました。
奥様の声や、痩せこけて美貌の面影のなくなった姿は「悪霊」ということにされました。
旅の男は町人たちの話に何処か引っかかるものを感じ、好奇心から霊媒師として屋敷に入りこみました。
そこで、無惨な姿で監禁されていた奥様を見つけ、再び残酷な真実を知ってしまったのです。
彼はもう一度、「悪い人」となることを決めました。
屋敷の人々を殺し、奥様を連れて街を出て行きました。
二人で旅を続け、しばらくして奥様がなくなると、彼女の亡骸をそっと遠い土地に埋めました。
さて、彼は悪い人でしょうか?
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